フルオーダーですか?セミオーダーですか?
フルオーダーですか?セミオーダーですか?

フルオーダーですか?セミオーダーですか?

良く聞かれる質問です。しかしそれぞれの言葉の定義が、業界にすら存在しないのですから、私としては何と答えて良いのか分からないのです。しばしば「おっしゃるセミオーダーの定義は何ですか?」と聞き返してしまいます(^^)

もともとは「フルハンドメイドオーダー」の略がフルオーダーだったのですが、いまどき日本に全て手作業でスーツを作る職人は存在しません。つまり「フルオーダー」とは「フルハンドメイド風」という意味になります。限りなく定義があいまいですよね。

オーダースーツの製造は、どれだけ分業化が進んでいるか、どれだけ自動化・機械化が進んでいるかの2軸で分けることになります。最も分業化が進んでいない(1人の職人が採寸、パターン起こし、裁断、縫製、仕上げまで、全行程を行う)、そして最も自動化・機械化が進んでいない(全て手作業で行う)製造方法を「フルハンドメイドオーダー」と呼び、現在でも最高級品として扱われています。

ところが分業化、自動化・機械化を進めていながら、「フルハンドメイドオーダー風」として販売しているオーダースーツショップがある事が、理解を困難にしています。また「仮縫い」という工程を入れている事を、「フルオーダー」の証拠と言っている人も居ます。「仮縫い」は、採寸、パターン起こし、裁断、縫製、仕上げまで、全行程を一人の職人が行ってこそ価値を出せます。つまり分業化を進めては、「仮縫い」の価値は出せないのです。かつては弊社工場も、分業化を進めていながら、仮縫い的な工場への戻しを受けておりました。社内で何と呼ばれていたと思います?「なんちゃって仮縫い」です。

改めて申しますが、オーダースーツの製造手法の違いは、機械化・自動化、そして分業化がどこまで進んでいるかの程度の違いなのです。そして「フル」と「セミ」の境界は、決まっておりません。

では弊社が作っているオーダースーツは何になるのでしょうか?正確に申し上げますと「店頭で採寸し、工場のCAD(自動設計システム)がお一人お一人パターンを起こし、CAM(自動裁断機)が1枚1枚生地を裁断し、自動化の進んだラインで縫い上げる」というものです。言わば「マシーンメイドのオーダースーツ」です。この高度に自動化・機械化、そして分業化が進んだ製造技法で仕立てられたオーダースーツの実力を、一度、試してみて下さい!

1枚目の写真は仙台工場のCAM(自動裁断機)です!そして2枚目の画像は、俗にオーダースーツと呼ばれるものの中の、SADAのオーダースーツの位置づけを説明したもの!そして3枚目は、弊社が北京でも、本格オーダースーツを製造できている、「インターネットオーダーシステム」と呼んでいる製造技法の説明です。

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