ビジネスシーンに合う!?ニットタイの着こなし方まとめ

ビジネスシーンに合う!?ニットタイの着こなし方まとめ

スーツ着用が必須のビジネスシーンにとって必要不可欠なアイテムなのがネクタイです。そんなネクタイの種類のなかで、扱いが難しいのがニットタイといわれています。ニットタイは職場で着用するのはふさわしくないのではと思っているサラリーマンもいることでしょう。しかし、ニットタイは、使い方次第でビジネスシーンでも違和感なく着用できるネクタイなのです。今回は、ニットタイの着こなし方や基礎知識について詳しく解説します。

まずニットタイってどんなネクタイ?

ニットタイとは、通常のネクタイで用いられている製法ではなく、ニット編み地を使用して編まれたネクタイのことです。ニットタイは、さまざまな素材で製作され、素材によって高級品から安価なものまで価格が異なります。一般的なネクタイと違うのは見た目です。一般的なネクタイは品のある光沢感、つるつるの肌ざわりが売りです。しかし、ニットタイは、その素材のため光沢感がなく、肌触りも柔軟で心地よい感触が伝わります。
そして、ニットタイの特色は、着用した人の印象も変える効果があることです。一般的なネクタイは、表情を引き締め緊張感のある雰囲気を作り出す効果があります。しかし、ニットタイは同じネクタイでありながら、着用すると素材感の効果で柔らかい印象を見る人に与えるのです。そのため、ニットタイは、ビジネスシーンやフォーマルな場所にはふさわしくないというイメージがあります。しかし、ニットタイの種類や着こなし方を工夫することによって、カジュアルシーンだけでなくフォーマルな場でも十分に違和感なく対応することが可能です。どんなシチュエーションでも幅広く活用できるのが、ニットタイの特色と言えるでしょう。
ニットタイのサイズは、一般的なネクタイと同様に、レギュラー、ナロー、ワイドと分けられています。ニットタイで主流のサイズは、一般的なネクタイより細めの幅である4cm~6cmほどのナローです。形状は、先端をまっすぐにカットされた「スクエアエンド」というタイプが多く見られます。このスクエアエンドという形状が、一般的なネクタイに比べて、カジュアルでおしゃれな印象を与える効果をもたらすのです。
ニットタイの見た目のイメージは、スクエアエンドの毛状を思い浮かべる人も多いことでしょう。しかし、スクエアエンドではない先端がカットされていないニットタイも存在します。ナローは、スタイリッシュな印象が前面に出ているため、ビジネスシーンには向いていないといわれています。そのため、職場でニットタイを着用したい場合は、レギュラーサイズが適していると言えるでしょう。

ニットタイはどうやって広まった?

ニットタイの歴史は、1920年代後半~30年代に始まったといわれています。ニット素材を使用した衣類の歴史はそれ以前から存在していました。しかし、初めてニット素材をネクタイに使用して製作したのは、この時代のドイツで営業していたアスコット社というメーカーです。当時、ドイツで行われたファッションショーで、ニットタイが使用されたことにより注目を集めます。その効果もあり、リゾート地でカラフルなニットタイを着用することが流行し、その後に、一般的なネクタイと同様に使用されることが増えたのです。
そして、数十年後の1960年代に再びニットタイは注目されます。この時代に日本でも流行したのが、アメリカの有名な大学生たちによるファッションスタイルである「アイビールック」です。アイビールックの定番アイテムは、紺色のブレザー、ボタンダウンシャツ、チノパンといわれています。アイビールックは、それらにニットタイを合わせるというスタイルです。アメリカの学生たちは、友達同士のカジュアルな場ではなく、学校の教授に会うときなどにニットタイを着用するというやり方をしていました。1968年に公開され、世界中でヒットした映画「卒業」では、主演のダスティン・ホフマンがニットタイを着用し、ますますニットタイの人気が高まったのです。
ニットタイを含めたアイビールックの人気は、日本にも飛び火します。ファッション雑誌でも多く取り上げられ、ネクタイを着用したいわゆるトラッドファッションが、日本の若者たちにも取り入れられました。このアイビールックの影響により、若者によるトラッドファッションが流行し、日本にニットタイが定着したのです。海外旅行がまだそれほど頻繁に行われていなかった日本では、アメリカは憧れの存在でした。当時の日本の若者は、雑誌や映画などでアメリカの若者たちのファッションやライフスタイルを知ったのです。そして、その真似をすることで、憧れのアメリカに想いを馳せていたのでしょう。

ニットタイに使われている素材は?

ニットタイに使用されている素材は、主にシルク、コットン、ウールの3種類です。シルクはニットタイに限らず、あらゆるネクタイ製作で使用されている代表的な素材といわれています。この素材は、たんぱく質で構成される動物性の繊維でできており「第二の肌」と呼ばれるほど人肌に近い触り心地の良さが特徴です。また、表面は光沢があり柔らかい生地であるため、ネクタイを締める際は締めやすくなっています。どんな季節やシチュエーションにも違和感なく合う素材がシルクなのです。
コットンもシルク同様、ネクタイの定番の素材といわれています。シルクと違い光沢もそれほどないために、落ち着いた品の良さがあります。また、シルク素材や化学繊維素材を組み合わせた混紡素材としても、使用されることが多い素材です。シンプルで落ち着いた見た目は、ビジネスシーンやカジュアルな場など、どのようなところでも合う素材と言えます。
ウールは、羊毛が原材料である天然素材です。見た目からも伝わるフワフワな肌ざわりは、秋・冬といった季節にふさわしく、あたたかく優しい気持ちにさせてくれます。着用するだけで季節感を取り入れたファッションができあがるのもウール素材の強みです。また、ウールはコットンと同様にシルクにある光沢感がないために、着用すれば落ち着いた印象を与えることができます。そして、水を弾く性質でありながら空気中の湿気をよく吸収します。水分が蒸発するときに気化熱を奪うため、夏場に着用していても涼しい効果があります。汗をたくさんかいても湿った感じがそれほどないのもウールのメリットです。また、ウールの繊維にはクリンプと呼ばれる縮れが空気をたくさん含む素材です。そのため、毛が絡みあっている構造で保温効果が高く伸縮性もあります。

ビジネス向きのニットタイの色や柄

ニットタイは、一般的なネクタイと比べて形状が異なるため、カジュアルでおしゃれなイメージがあります。そのため、ビジネスの場では向いていないと思われていますが、カラーや柄を選べばビジネスシーンでも十分に違和感なく着用できるネクタイなのです。ビジネスシーンに向いているニットタイのカラーは、シックな色合いです。個性的な形状であるニットタイも、落ち着いたカラーを選択することで派手さを抑えることができます。
ニットタイの定番のカラーは、ブラックとネイビーです。おしゃれをすることは私生活においてはメリットとなりますが、奇抜なファッションはビジネスの場ではマイナスのイメージになる可能性があります。ニットタイ着用でさらに派手なカラーの場合、ビジネスの場では上司や取引先の人に良い印象を与えないこともあるのです。そのため、ニットタイのカラーは、派手さを抑えたブラック、ネイビー、または、グレーなどが好ましいと言えます。
ブラックなど派手さを抑えたカラーは、定番で当たり障りがないものの、季節の変化に合わせてカラーを変えるのも良いかもしれません。秋・冬は、カラーを変えてダークブラウンのニットタイを着用してみるのも良いでしょう。落ち着いていながら少しのおしゃれな雰囲気も演出でき、服装を気づかっている感じを見る人に与える効果があります。
ビジネスシーンでニットタイを着用したい場合は、ニットタイの柄にも注意しなくてはいけません。一番無難なのが無地ですが、ほかのネクタイ柄でも定番であるドット柄、ボーダー柄を選ぶ人も多いです。ドット柄は、いわゆるVゾーンにアクセントを付けたい場合に役立つ柄といわれています。落ち着いたカラーのニットタイを選ぶと、派手さを抑えようという気持ちが強すぎるあまり、全体的に暗い感じのコーディネートになるおそれがあります。そのため、ドット柄は全体のコーディネートにおいてアクセントとなり、華やかな雰囲気をつくる効果があるのです。
そして、ボーダー柄は、さわやかな雰囲気を与える柄です。ボーダーの特徴は、ボーダーの幅によって印象も変わるということが挙げられます。幅が太いか細いかによって全体の印象も変化するので、堅い感じにまとめたいのか、少しはずしてカジュアル寄りにしたいのか、よく考慮しなければいけません。ビジネスシーンのシチュエーションによって、ボーダーの幅を使い分けることが大事です。

【ニットタイの注意点1】シワになりやすい

ニットタイを扱うときの注意点は、シワになりやすいという点です。ニットタイのなかでも、コットン素材のものは、結ぶときにシワが生じます。しかし、ネクタイはクリーニングなどの専門家でも扱いが難しいといわれているアイテムです。下手に自分でシワを伸ばそうとすると、かえって悪化してしまい、ニットタイそのものが劣化するおそれがあります。そのため、ニットタイのシワを取る作業は慎重に行わなくてはいけません。
衣類のシワを取るための道具といえばアイロンです。しかし、ニットタイのシワをきれいに消したいために、アイロンを必要以上に強くかけてはいけません。強くアイロンがけをすると、てかりの原因になります。
ニットタイのシワを取る方法は、ニットタイを外したあとそのままにするのではなく、すぐに手でシワを伸ばしておくことです。それでも、シワが取れない場合は、アイロンを使用します。ニットタイのアイロンの手順は、まずニットタイをアイロン台の上にしっかりと置き、シワを手でゆっくり伸ばします。次にやることは、当て布をニットタイのシワのある部分にあてることです。次にアイロンを130度~160度の中温に設定し、スチーム機能をオンにします。しかし、ここでアイロンがけをしてはいけません。
やることは、布ごしにスチームをシワのある部分へあてることです。いくら布ごしでも、アイロンをかけてしまうと熱でニットタイにてかりが出てしまうからです。また、アイロンでニットタイを押さえつけると、ふっくらとした感触がなくなってしまいます。スチームを十分にあてたら、布を外してニットタイをゆっくりとひっぱりシワを伸ばします。ニットタイは、伸びやすい・伸びにくい方向があり、伸びにくいほうに無理に伸ばすと型崩れの原因になるので注意が必要です。
一連の手順を行っても、それでもシワが取れない場合は、また最初の手順からやり直しです。何度、手順を繰り返してもシワが取れない場合は、クリーニング店に相談するのがいいでしょう。また、ニットタイ自体が劣化していて買い替えどきの場合もあります。シワ伸ばしの一連の手順が面倒な人は、アイロンをあててシワを伸ばしても良いですが、軽くなぞる程度にしなければいけません。

【ニットタイの注意点2】職場によっては使えない

ニットタイはカラーや柄、ニットタイ以外のコーディネートを工夫すれば、ビジネスシーン、フォーマルな場でも違和感なく着用できるアイテムです。また、いくつかの企業では、オフィスカジュアル化を推進しているところもあり、職場における服装マナーは、ゆるくなっていると言えます。しかし、会社における服装マナーは、職場によって異なります。そのため、ニットタイのようなネクタイは、カジュアル過ぎるという理由で、着用を禁止しているところもあります。
また、他社や大事な取引先に出向くことも多い営業職では、ニットタイ着用は難しい可能性が高いと言えます。いくら、ニットタイのカラーや柄を地味に抑えても、ニットタイのようなタイプのネクタイは軽薄なイメージを持たれることもあります。そのため、ニットタイの着用は避けて、それ以外の一般的なネクタイ着用が無難と言えるでしょう。どのような格好が大丈夫で、どこからが駄目なのか気になる人は、職場で確認することが必要です。

ニットタイを選ぶときのポイント

ニットタイは、素材・サイズ・柄・カラーとさまざまな種類があります。それぞれの種類をシチュエーションに合わせて選ぶことが、ニットタイをスマートに着用するポイントです。素材選びは、そのときの季節に合わせると選びやすいです。春と夏は、軽やかなイメージのあるコットンで、フワフワの素材であたたかいイメージのウールは秋と冬に着用するといいでしょう。
シルクはあたたかい季節以外でも年間を通して使える素材です。また、シルクとポリエステルの混合の素材も、1年を通して着用しても違和感がありません。そして、カシミアもウールのようにあたたかく優しいイメージがあるので、秋や冬が合っている素材と言えます。真夏の暑い時期にウールのような素材を着用すると、見た目が良い印象とは言えないので、素材選びには注意が必要です。
そして、ビジネスシーンでニットタイを着用する場合、装飾にも工夫をすることが大事です。タイバーやスーツのポケットチーフなど、何気ない小物を取り入れると、よりビジネスシーンにマッチします。しかし、小物に懲り過ぎて、過剰な装飾をやりやり過ぎるのは逆効果です。ニットタイがより際立ってしまい軽薄な印象となってしまうので、必要以上の装飾がされたニットタイは避けたほうがいいでしょう。
そして、ニットタイの柄やカラーに気をつけるのも大切です。スーツやシャツを同じ色でまとめるとスタイリングしやすくなります。たとえば、スーツとニットタイをブラック、靴も落ち着いた色のダークブラウンにすると、落ち着いたシックな雰囲気をつくることができます。また、ストライプのスーツにドット柄のニットタイを合わせるのも、おしゃれでありながら派手さを抑えたスタイリングです。色や柄を服装に合わせないと、ニットタイだけが際立つこともあるので、よく考えてスタイリングしなければいけません。

ニットタイのおすすめの結び方は?

ニットタイは一般的なネクタイと比べて生地が厚めなのが特徴です。したがって、ニットタイを結ぶときは、結び目がなるべく大きくならないように結ぶのがポイントと言えます。ニットタイおすすめの結び方は、一般的なネクタイの結び方であるプレーンノット、そして、上級編の結び方であるオリエンタルノットです。
プレーンノットの結び方は、まず大剣を長くとって、大剣のサイドが小剣の上にくるようにクロスさせます。上に重ねた大剣側を後ろへ1周させて、後ろから前に持っていくという流れです。それによりできた円の内側に下から上へ大剣を通します。それにより結び目ができ、結び目が固く小さくなるように形を整えます。小剣を引っ張りながら上に上げれば完成です。
オリエンタルノットの結び方は、ニットタイを裏にして首へ掛け、次に大剣を小剣の上に重ねます。ここまではプレーンノットと逆のやり方です。次に、小剣を固定して大剣を回して首元から剣先を抜きます。この方法で結ぶとプレーンノットより結び目が小さくできあがり、見た目が格好良くなるのが特徴です。プレーンノットよりも難しい結び方ですが、仕上がりが格好良くなるので、挑戦することをおすすめします。
ネクタイの結び目の下にできるくぼみの部分をディンプルといいます。このディンプルがきれいにできると、ネクタイに立体感が出て、生地の質感もわかりやすくなる効果があるのです。きれいなディンプルのつくり方は、人差し指を入れながら結ぶことです。この方法によりうまくディンプルができあがります。ニットタイも、ほかのネクタイ同様にディンプルがあることで、シャープな仕上がりになります。ニットタイは、素材が柔らかいためにディップを作るのは難しいと言えますが、よりスタイリッシュに仕上げたい場合は、ディンプルを作ることをおすすめします。
ニットタイは、一般的なネクタイより短く作られているネクタイです。したがって、一般的なネクタイを結ぶのに慣れている人がニットタイを結ぶ際は、左右の長さのバランスがおかしくなり、結びづらいかもしれません。ニットタイを結ぶときは、左右のバランスに注意しながら結ぶことが重要です。
また、ビジネスシーンではなくカジュアルな場所でニットタイを着用する場合は、服とニットタイの「2色遣い」を意識してスタイリングすると、よりスタイリッシュな仕上がりになるでしょう。

ニットタイを着こなすテクニック

ニットタイをうまく着こなすポイントは、服全体のカラーを3色以内にまとめることです。3色以上にすると、見た人に落ち着きのない印象を与えてしまう可能性があります。全体のスタイリングにばらつきがないようにするには3色以内が無難と言えるでしょう。
また、ニットタイはクールビズが実施されている職場で活用できます。クールビズは、カジュアルな軽装で働くことを推奨するキャンペーンです。職場でのカジュアルな格好は落ち着かない、だからといって一般的なネクタイはしたくないという人には、ニットタイが合っているでしょう。ニットタイを締めるだけで、カジュアルでありながら職場にもふさわしいキリッとしたビジネスマンという印象を与えることができます。
ニットタイと併用して小物をアクセントとして使うこともスタイリングのテクニックのひとつです。ただし、ネクタイピンの使用は避けたほうがいいでしょう。ネクタイピンは、ニットタイの生地を傷つけてしまうおそれがあります。
ニットタイは工夫次第でさまざまなスタイリングが可能ですが、どうしても良いスタイリングが思いつかない場合は、ブラックのニットタイに白無地のシャツなど定番の服装であれば、無難にまとめることができます。スタイリングのアイデアに自信がないときは、無理に冒険をしておかしなスタイリングになってしまうより、無難にまとめたほうがいいでしょう。

ビジネスで使えるニットタイコーデ

ニットタイと合わせると効果的なのがベストです。スタイリッシュなベストとニットタイのカジュアルさが良いバランスを生みます。シャツや小物を工夫すればパーティーなどの席にも対応が可能です。そして、ニットタイはチェック柄のシャツとも相性が良いと言えます。この2つを押さえておけば、どんなスーツやジャケットにも対応できるでしょう。特に、チェック柄のシャツはアクセントが効いているので、カラーはブラックなど派手さを抑えたもので十分でしょう。
肌寒い季節の秋・冬にふさわしいのがダブルのスーツにニットタイというコーデです。カーキやネイビーなどのセットアップでまとめると効果的です。また、ボトムスをデニムやチノパンに変えることによって、カジュアルな感じでいながら軽過ぎない仕上がりになります。ダブルスーツはVゾーンが狭いのが特徴です。そのため、ボルドーやグリーンなど、秋にふさわしいカラーのニットタイを着用することによって、ニットタイがアクセントとなります。

ニットタイでビジネススーツをおしゃれに!

ニットタイは、一般的なネクタイとは異なる形状なので、なかには扱いづらいと思う人もいるかもしれませえん。しかし、ニットタイを上手に着こなすことができればファッション上級者の仲間入りができます。使い方により、おしゃれを極めることができるアイテムが、ニットタイなのです。コーディネートは決してむずかしいものではありません。ニットタイの素材・柄・カラー、そして、ニットタイに合わせる服装や小物などを工夫すれば、いくつものスタイリングが可能となります。毎日着ているビジネス用のスーツに飽きてきた、何かアクセントが欲しいと思っている人は、ニットタイを取り入れたおしゃれに挑戦してみてはいかがでしょうか。