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正しいお手入れ方法とクリーニング方法で、スーツが数倍長持ちする!

「あれ、またシワができてる!」「なんだかスーツが臭い…」こんなお悩みを抱えている皆さん。スーツの日々のお手入れ、ちゃんとやっていますか?
毎日着るスーツはたくさん汗を吸っているうえ、摩擦やホコリにより想像以上のダメージを受けていますよ!いつの間にか頑固なシワができていたり、スーツが臭い始めたりという問題は、だいたいスーツのお手入れ不足が原因。心当たりのある方は、ぜひこのコラムを最後まで読んでみてくださいね!意外と勘違いしている方が多いのですが、スーツのメンテナンスは「クリーニングに出すだけ」ではダメです。「頻繁にクリーニングに出してるから大丈夫!」と思っている方もたまにいますが、これもNG。過度なクリーニングは、スーツをかえって傷める原因になってしまいますよ!お気に入りのスーツを長く着るためには、やはり普段のメンテナンスがもっとも重要です。しばらく着ないスーツでも、保管方法を間違えると来シーズンに着られなくなってしまうこともあります。
そこで今回は、スーツのプロ集団「オーダースーツSADA」の現役スタッフが、スーツの寿命を延ばすセルフメンテナンスの方法と、クリーニング後の保管方法を解説します。

来シーズンまでお気に入りのスーツを良い状態で保管しておくには、正しいメンテナンスを行うことが重要です。

さてスーツのメンテナンス。衣替えの時にクリーニングに出すだけで大丈夫と思っていませんか? 実はスーツの寿命は、日々のセルフメンテナンスができているかどうかで左右されるのです。特に汗をかく夏の時期や衣替えの時期には、セルフメンテナンスと同様にクリーニングを使い分けながらお手入れをしていくことが必須です。

お気に入りの一着を綺麗なまま、そして長く愛用するためにも、今回は知っておくべきスーツの簡単なお手入れ方法と、長期保管する際の注意点をご紹介します。

スーツの手入れをする意味とは?

スーツのお手入れは、身だしなみの基本です。まずはスーツを手入れする意味や、必要性について解説します。

お手入れは相手に不快感を与えないため

ビジネスパーソンにとって重要なのは、クライアントから信頼されるかどうか。

そのために大切なのは、第一印象で自分の清潔感や親しみやすさ、信頼感などをアピールすることです。

「第一印象」は非常に大切です。綺麗にクリースライン(折り目)が入ったパンツやシワのないジャケット、きちんと磨かれた革靴を身に着けることで、相手に好印象を与えられます。

逆に手入れをしない状態だとスーツにシワやほつれ、汚れなどが目立った状態となります。

身なりに気を遣えないことは、自己管理ができない、周囲に配慮できないと捉えられる可能性もあり、相手に不快感を与えかねません。

自分だけならまだしも、取引先などに向かった際には会社のイメージさえも損ねてしまう可能性があります。

それほど見た目は大切なもので、できる限り相手に不快感や心配を与えないためにも、手入れするようにしましょう。

スーツを長持ちさせるため

とくにお気に入りのスーツは、だれしも長く着用したいものではないでしょうか。

手入れをすることでスーツが長持ちし、結果として出費を減らすことにもなります。

上質なスーツは、表生地や内側の芯地に、手入れによって回復力するウールや毛芯が使用されています。化学繊維には、このような回復力がありません。

もし、スーツを長く使用したい場合には、ウールなどの天然素材がおすすめです。

スーツの寿命を延ばすセルフメンテナンス

まずは日々の正しいお手入れから。

スーツを1日着用するとシワや汚れがつきます。それを「まだいいか」と放置しておくと、スーツの生地が傷んでしまったり、シワに関しては布地が緩み、最悪の場合シワが取れなくなってしまう可能性があります。

1日10分でできる日常的なお手入れを習慣化して、スーツの寿命を延ばしましょう。

①基本のお手入れはブラッシング

日々の手入れでまずやるべきことは、ブラッシングです。ブラッシングの主な目的はスーツに付着した汚れを落とすことにあります。

スーツに使用されるウールの繊維質は湿気を吸収しやすい構造になっているのですが、湿気のないところでは水の代わりにホコリをため込んでしまう傾向があるのです。

そのため着用後のスーツは軽くたたいてホコリを表面に浮き上がらせ、ブラッシングなどでホコリを取っておくようにしましょう。

ホコリを取ったあとは軽く霧吹きで湿気を与えた状態で風通しのいいところでハンガーにかけておきます。

ホコリを取る際にガムテープやコロコロを使うことが多いですが、生地を傷めてしまう恐れがあるのであまりおすすめではありません。

ブラッシングのポイントについてご紹介します。

●天然素材のブラシを選ぶ

スーツの手入れに使用するブラシは、できるだけ天然素材のものを選ぶようにしましょう。天然素材のブラシは、スーツの生地を傷めるリスクが少ないといわれています。おすすめはやわらかな馬毛のブラシや豚毛100%のウール用ブラシです。

●脱いだらすぐにブラッシング

ブラシをかけるベストタイミングは、着終わった直後。効率的に汚れを落とすことが可能です。忙しくて余裕がないという場合は、最低でも週に1回はブラシをかけるようにしましょう。

ブラッシングを行うことで、汚れだけでなく、生地を整えて、ある程度のシワをなくすことができます。ほとんど手間がかからないので、習慣にして毎日行うようにしたいですね。

●ブラッシング方法

ジャケットの手入れは、型崩れを防止する厚手のハンガーにかけるのが基本です。ポイントは前ボタンをはずしておくこと。自然な状態で吊るすことで、シワができるのを防ぐことができます。その後、ポケットの中のものは取り出し、軽くブラッシングしてほこりを取りましょう。このとき食べものなどの生活汚れがないことを確認しておくといいですね。

▼ポイント

ウール素材はスプレーでシワが回復しますが、ポリエステルなどの化学繊維の生地は、水分による回復機能は無いため、シワ取りスプレーを使用してもあまりシワは伸びません。
少量でもウールが混紡されていれば、ある程度回復します。

衣類用ハンディスチーマーもあると便利です。
ジャケットの肘周りのシワや、パンツの膝にできやすいシワに、スチームを当てるだけで手軽に伸ばせます。
また、高温のスチームには臭いを抑える効果もあります

●ジャケットのブラッシング

スーツを厚手のハンガーにかけ、ポケットにあるものは全て出します。
最初に襟と肩を軽くブラッシングします。

次に襟を立てて上から下へ向かってブラッシングします。力を入れ過ぎないように、毛先の弾力性を使い、汚れを浮かせて落とします。

皮脂や汚れが付きやすい襟回りや袖口は、ブラシを横向きに動かして汚れを払います。

パンツは最初に「下から上」に向かってブラッシングします。
生地の目に対して逆からブラッシングすることで、汚れが浮きます。
そのため、最初はパンツハンガーにパンツの裾を挟みます。
裾からウエストに向かってブラッシングした後、今度はパンツのウエストをハンガーに挟み、ウエストから裾へ向かってブラッシングします。

●パンツのブラッシング

パンツの裾は汚れやすいため、方向を変えてブラッシングすることがポイントになります。

ウール繊維には撥水性があり、汚れにくい繊維のため、日々のブラッシングで十分清潔感をもって着用出来ます。

特に上質なウールほど油分を含んでいます。頻繁なクリーニングは生地から油分を奪い傷めます。

特にオーダースーツは、頻繁にクリーニングに出さずに、毎日のブラッシングを習慣にすることをおすすめします。良いウールほどブラッシング後は、クリーニングに出した後のようにスッキリとした見た目となります。

②スーツのシワ取り・ニオイ対策は「水分」を駆使!

ブラッシングにも臭いの除去の効果があります。スーツに付着したほこりや汚れも臭いの元となるためです。ブラッシングによって毛並みがそろい、ツヤや光沢が出るといった効果も見込めます。

しかし、ブラッシングだけでは解消することが難しいシワや汚れは水分を使うのが効果的です。

●霧吹きで適度な湿度を与えて自然乾燥

比較的軽いシワに対しては、この方法が効果を発揮します。スーツを着終わったあとで、ブラッシングと合わせて霧吹きを使うと良いでしょう。


<注意点>

ブラッシングの前に行うと汚れが水と一緒に染み込み、落ちにくくなってしまうので、使うのはブラッシングのあと。霧吹きの代わりに、シワ取りスプレーを使用してもOKです。

●スチームアイロン・スチーマーを使用

スーツは1日着用したあとは2日間ほど休ませるのが基本です。

スーツのウール素材には高い復元力がありますので、着用時にできてしまった「しわ」や「型崩れ」は少し休ませればスーツ本来の力で元に戻すことができます。

もし深いしわができてしまった場合は、ハンガーにかけたままの状態でスチームアイロンやスチームブラシで軽くしわを伸ばしておきましょう。

ウール繊維は水分を含むと回復する性質を持っています。そこにスチームアイロンやスチーマーを使って高温の水分を加えると、繊維の分子が整ってシワが伸びやすくなります。

また高温となるスチームには殺菌力や消臭力があるため、ニオイ対策にも効果抜群です。

少し手間に感じるかもしれませんが効果は高いため、スーツの臭いがなかなか取れない場合は一度試してみてください。ただしアイロンやスチームの蒸気によって水分が残るので、よく乾燥させるようにしてください。

<注意点>

直接アイロンを生地に当てないこと。生地を傷めてしまうことがないように、少し浮かせてスチームを吹き付ける要領で使用しましょう。

●消臭スプレーを使う

手軽で簡単な対策として、消臭スプレーを使うことが挙げられます。

消臭スプレーには、消臭以外にも除菌や抗菌の効果があるものも販売されています。汗の臭いの原因菌を取り除けるので消臭スプレーは役立ちます。

ただし繊維に染みついたタバコの臭いなどには効果が薄かったり、噴霧された場所以外は臭いを取れないのがネックです。

●浴室に掛けておく

シャワーを浴びたあとの浴室に湿気がある状態でスーツを干すことで、臭いを取ることが可能です。

臭いの元が水分に移り、スーツの表面に付着した汗やタバコの臭いなどを吐き出す効果があります。

浴室に掛ける時間は2~3時間目安で、そのあとはしっかりと乾かすようにしてください。乾かさないと菌が繁殖してしまい逆効果です。浴室乾燥機やエアコンの風が当たる場所などを利用します。

③シミ汚れと油汚れは応急処置が肝心!

「食べ物や飲み物をこぼしてしまった」というトラブルで付いてしまったシミは、基本的にクリーニングに出すことになりますが、汚れが付いてすぐの対処が明暗を分けます。

汚れが付いてすぐに対処しておかないとクリーニングでもなかなか落ちません。とりあえずの応急措置が済んだらなるべく早くクリーニングに出すようにしましょう。

【水溶性のシミが付いたら】

シミ部分に水をつけて10秒ほど待ちましょう。
シミが水を含むようであれば「水溶性」のシミと判断できるので、シミの下にハンカチやティッシュを敷いておしぼりで上から叩き、汚れを移していきます。

【油溶性のシミが付いたら】

マヨネーズや口紅などの油溶性のシミは、浮いた油分をつまみ取る以外はその場ではそのままにしておきます。
帰宅してからシミ部分の裏側に当て布をして、水で溶かした洗濯用洗剤を付けたタオルなどを使い、シミの上からたたきます。

上記はどれも汚れを最小限に抑えるための応急処置です。措置が済んだら、なるべく早くクリーニングに出して、プロの技で汚れを綺麗にしてもらいましょう!

スーツの臭い対策

スーツの臭いを放っておくと、相手に不快感を与えてしまいます。

臭いの原因について考えられるのが「汗」です。
汗がスーツの生地に染み込むと菌が繁殖し、臭いを放ちます。

ほかにも焼肉や焼き鳥などの「食べ物の臭い」です。
飲食店でご飯を食べている際はスーツに臭いが移っているかどうかわかりづらいこともありますが、家に帰った際などに臭いが移っていることに気づく経験がありませんか。

またタバコの臭いも気になる人が多いので注意が必要です。

このように日常生活で、臭いが発生する原因はいくつかあります。それでは臭いの対策をどうすればよいか確認していきましょう。

同じスーツを連日で着用しない

汗をかいたスーツを毎日着ていると臭いが発生します。

汗をかいていないと思っていても、人は知らないうちに汗をかいているものです。汗が乾いていない状態が続くと菌が発生してしまうので、一度着たスーツは、2~3日は休ませるようにしましょう。臭い以外にも、連続使用することがスーツの劣化につながります。

ウォッシャブルスーツを着用する

最近では、洗濯可能なウォッシャブルスーツといった製品があります。洗っても形態が崩れないことや、汚れや臭いについても洗浄で除去できます。

●洗えるスーツのお手入れ

スーツが2つ折りぐらいで入る大きめのネットに入れます。

ポリエステル100%であれば、通常の洗剤でも洗える可能性がありますが、購入したスーツの説明書の指示に従いましょう。

ウールを含む混紡素材はウール用洗剤を使用します。

洗濯機のお洒落着用メニューなどを使用します。
洗濯が終わったら乾燥メニューは使用せず、早めに取り出してシワを伸ばし、厚手のハンガーにかけます。

スーツが日焼けしないように、必ず日陰干しか部屋干しのどちらかにします。浴室乾燥機や除湿器、エアコンの除湿機能などを利用することもおすすめです。

ウールを含む洗えるスーツの洗濯頻度は、1シーズン1回か2回が目安です。
ただ、洗えるスーツは夏用が多いため、汗を気軽に落とせるメリットはぜひ活用したいところ。
可能であれば、汗対策に月に1、2回など様子を見ながら洗いましょう。

ポリエステル100%の洗えるスーツは、生地が傷みにくいため、頻繁に洗うことができます。

しかし、メーカーによって縫製の耐久性は異なるため、着用できる期間は洗う回数が増えるほど短くなる(劣化する)と考えた方が良いでしょう。

クリーニングに出す

いくつか対策を紹介してきましたが、どうしても臭いが取れない場合や、アイロンやスチーマーの作業が手間な場合は、クリーニングに出すのも方法のひとつです。

クリーニングにもドライクリーニングとウェットクリーニング(水洗いクリーニング)があるので、臭いの場合はウェットクリーニングを選択するようにしてください。
汗などの水溶性の汚れは、ドライクリーニングでは落とせないためです。

スーツのクリーニングは、頻度と保管方法が肝心!

クリーニングのペースは着用頻度、汚れの程度に加え、スーツの素材や状態によりますが、毎日スーツを着るという方なら、ウールを含むスーツの場合はワンシーズンに1回から2回が目安です。

また衣替えの時期には1シーズンの汚れを綺麗にするためにも必ずクリーニングに出してから収納します。

お手入れをする時間がなく、シワが気になったら毎回クリーニングに出すという方もいるかもしれませんが、クリーニングの出しすぎにはリスクがあるため注意が必要です。

①クリーニングの注意点

●ポケットの中身や装飾品を確認!

スーツのポケットの中に何も入っていないかを事前に確認します。結婚式用のスーツなどは、ラペルピンなどの装飾品を外してから出すようにしましょう。

●傷みやシミの箇所を伝える!

クリーニングでは、スーツの生地や素材、シミの種類などによって洗う手段が変わります。お願いする際にシミや傷みがある箇所をしっかり伝えましょう。またスーツのボタンが割れやすいものであったり、ほつれやすい部分などがあればその点も忘れず伝えてください。

●クリーニングでの洗いすぎに注意!

スーツの多くはウール素材で作られています。ウールにはスーツの表面に美しい艶を出す脂質が含まれているのですが、洗浄力の高いプロ用洗剤(クリーニングの溶剤)で過度に洗うと、この脂質が落ち、艶を失ったスーツは持ちが悪くなるのです。過度のクリーニングは避け、セルフメンテナンスも行いながら適度な頻度で出すようにしましょう。

●夏シーズンには「汗抜きクリーニング」がオススメ

クリーニング頻度が増える夏場には、「汗抜きクリーニング」(ウェットクリーニング)がオススメ。汗汚れ専門のサービスを提供するクリーニング店も増えてきているので、チェックしてみてください。

②クリーニングの料金は

通常クリーニングの値段の相場はスーツ上下1着で「1,500円前後」です。

また、クリーニング店にスーツを持っていくのが面倒という方には「宅配クリーニング」というサービスがあります。アイロンがけや日々の手入れをする余裕がないという方や、近くにクリーニング店がないという方におすすめのサービスです。

③クリーニングにおすすめのタイミング

クリーニングは、1シーズンに1回から2回が目安です。

しかし、着用状況にもよりますので、スーツの状態を見ながらお手入れします。
場合によっては、雨や汗などで汚れることもあります。
その場合は後回しにせず、なるべく早くお手入れをしましょう。

【雨に濡れたとき】

ウールのスーツが雨に濡れてしまった場合はすぐに、タオルなどで水気を軽く押さえるように拭き取ります。
可能であれば、当日か翌日クリーニングに出しましょう。
ウールは多少の雨は弾きますが、しっかり濡れてしまうと生地が傷み、雑菌も繁殖するため臭いが出ることもあります。
また、その際には通常のクリーニングではなく、ウェットクリーニングを選択します。

【スーツで汗をかいたら】

スーツに染み込むほどの汗をかいた場合も、水洗いクリーニングに出しましょう。
クリーニングに出す時間が無い場合は、脇などの汗が多い場所を少量の水で濡らし、固く絞ったタオルなどで、叩くように汗を吸い取ります。
少量の汗は拭きとり、乾燥させます。

【スーツが汚れたとき】

スーツにシミができてしまった場合には、すぐにクリーニングに出しましょう。

仕事中にシミがついてしまった場合は、とりあえず目立たないように「シミとり剤」などを利用して、後日クリーニングに出します。

「シミとり剤」はドラッグストアや一部コンビニなどで販売しています。

引用元:LION「シミとりレスキュー

仕事途中にコーヒーを飲んで、シャツにシミができてしまったときや、お昼の麺類がハネてスーツにシミができてしまったときに応急処置ができます。
シミに「シミとり剤」を塗り、「専用シート」で汚れを含んだ「シミとり剤」を吸い取ります。
小さなシミはそれだけでも薄く目立たなくなります。「シミとり剤」はバッグやロッカーにに入れておくと安心です。

④クリーニング後の保管方法

衣替えの際、クリーニングから戻ってきたスーツをそのままの状態で次のシーズンまでしまい込んでいませんか? ビニールがかかったまま保管するのはせっかく綺麗にしたスーツにとって良い環境とは言えません。

次のシーズンも綺麗なまま着用できるように、保管方法に気を配りましょう。

●通気性を良くしてハンガーにかける

クリーニング後のビニールに入ったままでは、湿気がこもりカビなどの原因となります。スーツを買った際に付いてくるガーメントバッグも通気性が悪いため、取り外す方が無難です。


クリーニング後はビニールを取り、スーツに含まれている溶剤の臭いを抜きます。

その後、防虫剤や通気性の良い防虫カバーを使用して保管します。

防虫剤や防虫カバーは正しく使用しないと効果がありません。防虫剤の効果は下へ流れます。置く場所や掛ける場所に注意します。

複数の防虫剤を併用することも避けましょう。

また、スーツを隙間が無いほどクローゼットに詰め込むと、密着している部分に防虫剤の効果が入らない場合があります。


また、ポリエステルの素材でも食品の汚れが付着していると虫食いになることがあるため、保管する前にはクリーニングや洗濯で汚れを取り除くことが大切です。

●スーツ専用ハンガーを使用する

スーツの保管には、スーツの肩に合った厚みのあるハンガーを使用します。
スーツは平面の生地を、いくつもの工程を経て立体的に縫製します。
保管中にクリーニング用の薄いハンガーに掛けてしまうと型崩れを起こします。
礼服や結婚式用のお洒落なスーツなどは、特に保管時間が長くなります。
スーツや礼服は必ずスーツ用ハンガーにかけましょう。

●クローゼットに風を通す

月に1度は、クローゼットを開けたままにして風を入れたり、外に出してスーツに風を通します。風を通すことで、スーツにこもる湿気を解消することができます。

頻繁に使用するクローゼットはそれほど心配いりませんが、普段使用しないクローゼットは、時々開けて新鮮な空気を入れるようにしましょう。

もし、クローゼットに湿気がこもりやすい場合は、除湿剤や除湿器などを利用します。
スーツに限らず、湿気は衣類を傷めるため、梅雨時は特に注意します。

●サイズとほつれチェックをする

衣替えの際には、着用サイズが変わっていないか、ボタンが緩んでいないか、裾がほつれていないかなどを確認します。
着用する当日に慌てることの無いように、早めに修理に出すなど、準備しておきましょう。

日々の積み重ねがスーツを守る!

お気に入りのスーツを長持ちさせるには、日々のメンテナンスと収納環境や保管方法を守ること、そして衣替えなど適度なタイミングでクリーニングに出すことが大切です。

また、毎日丁寧に手入れされたものを身につけると、自分のマネジメント力や気配り力をさりげなく周囲にアピールできます。今回ご紹介したお手入れは10分あれば終わるものばかりです。早速毎日のルーティンに取り入れ、綺麗なスーツを着こなして、ビジネスで好印象を与えましょう!

【番外編】革靴の手入れ方法

「足元を見る」ということわざがあるように、思った以上に足元はチェックされています。ここでは、スーツに合わせる革靴の手入れ方法を解説します。

靴のブラッシング

もっとも基本的かつ重要なのは、ブラッシングすることです。

毎日しっかりブラッシングした靴には、自然な艶が出てきます。毛足の長い馬毛なら細かなところまで毛先が届きます。

履きジワの間に入った砂埃や、縫製の部分の隙間に入り込んだホコリは、放置すると摩擦で靴を傷めるため、丁寧に取り除きましょう。

クリーナーで靴クリームを落とす

革に残っている汚れや靴クリームを、専用クリーナーで落とします。

クリーナーをクロスに少量取り、靴全体に馴染ませ、汚れと靴クリームを拭き取ります。

靴表面の汚れと、前回塗った靴クリームをすっきりと落とした後に、新しい靴クリームを塗り込みます。

靴クリームで磨く

靴のダメージをケアするため、豚毛ブラシに靴クリームを取り、全体に馴染ませて磨きます。
細かな傷やスレ程度であれば、少量を軽くなじませるだけで目立たなくなります。

仕上げ

仕上げ用クロスやストッキングを使用して艶を出します。一般的な布で磨くよりも簡単に光沢を蘇らせることができますよ。

ただし、薄く伸ばしてゴシゴシこするのは禁物。
拳ぐらいの大きさに丸めることで、程よい強さで磨くことができます。防水効果が落ちているときは、この段階で保護用のスプレーをするといいですね。

1、2か月に一度はフルメンテナンスを

日々の手入れはここまで紹介した手順で問題ありません。
しかし、靴を長持ちさせるために、定期的にフルメンテナンスするのがおすすめです。古いクリームを除去したあと靴クリームを塗布、ブラッシングで整えることで新品以上の美しさが蘇ってきます。

またせっかくメンテナンスした靴をそのままにしてしまっては、その効果が半減してしまいます。
1日履いた靴は、1リットル以上の汗にさらされています。

吸湿性に優れた木製のシューツリー(シューキーパー)を入れて型崩れを防ぎ、乾燥させましょう。

革靴を2足以上用意し、毎日履き替えるだけでかなりダメージを軽減することが可能です。

しっかり手入れしたものを身に着けることは、マネジメント力や気配り力をさりげなくアピールすることにもつながります。

業者と同じような大がかりなメンテナンスをおこなうのは難しいものですが、簡単な手入れならさほど時間はかかりません。毎日の習慣に取り入れて、あなたの信頼度をますます大きなものにしてください。

忙しい時は専門店を活用する

革靴のメンテナンスには手間と技術が必要です。
忙しいときには、思い切って専門店に依頼するのも一つの方法です。

革靴のキズを気にしないで使っている方も多いのではないでしょうか。
靴修理の専門店では、多少のキズや雨のシミを補修するメニューなどがあります。

ヒールがすり減った革靴も、靴の種類によっては交換が可能です。

また、結婚式などの特別イベントの場合には、「鏡面磨き」を依頼するのもおすすめです。「鏡面磨き」は全体的に靴を磨いた後に、「つま先」と「かかと」部分にのみ光沢を出す磨き方です。普段使いの革靴が、見違えるほどドレッシーな印象になります。

「オーダースーツSADA」とは

「オーダースーツSADA」は、徹底した効率化により、フルオーダースーツを手頃な価格にすることに成功しました。

自社工場での生産で、中間業者を挟まないため、スーツ自体の質を落とす事なく価格を抑えています。

フルオーダーでは、個人の体型に合わせた型紙を作成するため、動きやすく美しいシルエットに仕上がります。

ぜひ、オーダースーツSADAのフルオーダースーツの着心地を体験してください。

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日々のお手入れは「ブラッシング」「シワ取り・ニオイ対策」「シミ・油汚れ取り」がポイントです。
ブラッシングは豚毛などの天然素材ブラシで、脱いだらすぐに行いましょう。最低でも週に1回のブラッシングがおすすめです。
シワ取りとニオイ対策は「水分」を駆使すればOK。軽いシワは霧吹きで対処しましょう。頑固なシワやニオイの改善にはスチームアイロン一択です。直接生地にアイロンを当てると傷むので、当て布をするか少し浮かせてスチームを吹き付けてください。シミや油汚れ取りは、汚れに応じた対処が肝心です。水溶性のシミや汗シミは、水を含ませハンカチを敷いておしぼりで叩く。油溶性のシミは、裏側に当て布をして洗濯洗剤を含んだタオルで叩くと良く取れます。クリーニングは高頻度で行わないようにしましょう。夏は汗抜きクリーニングをすると効果的です。クリーニング後は、ビニールは必ずはがして、通気性の良い防虫カバーをかぶせてハンガーに掛けましょう。月に一度は風を通して、湿気が原因の劣化を起こさないようにしてくださいね。日々のメンテナンスと保管方法によって、スーツは格段に長持ちします。お手入れは毎日しっかり行って、スーツを長持ちさせてくださいね!