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ウェストコート シングルブレステッド

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最終更新日
この記事の内容は、
2019年12月26日当時のものです。
公開から4年以上経過しています。
(1605日)

テーラード豆知識

 

ウェストコートのシングルブレステッドは、

流行やシルエットで若干変動しがちではあるものの、

一般的な用途の

シングルブレステッドのジャケットに合わせる際には、

ジャケットの釦を掛けた状態でウェストコートの釦を

上から1つ半〜2つ程度覗かせるのが良いバランスとされています。

一方ダブルブレスデッドのジャケットに合わせる際には、

構造上ウェストコートがほとんど露出しない為、

そのVゾーンの縁がわずかに見える程度が理想的になります。

釦の閉じ方は、

今日の一般的な用途の物については

一番下の釦は閉じないのが慣例になっています。

ジョージ4世やエドワード7世の仕草、

騎乗時における利便性、

それにイートン校の優良学生のみに与えられた特権など

起源には諸説あります。

しかし、あくまでもそれらに基づく慣例であって、

絶対にこうでなくてはならない的なルールではありません。

構造上、一番下の釦が閉じられる物は、

素直に閉じても、

慣例に従い閉じなくても構わない。

その一方で、

シングル6つ釦上5つ掛けの様に

この慣例に基づいた構造を持つ物は、

下手に一番下の釦を閉じてしまうと

シルエットが崩れるので閉じません。

この様に自然な考え方でないと、

燕尾服やディナージャケット用の

シングルブレステッドウェストコートの様に、

通常時より

服で礼儀を表現する必要の度合いが高い場で用いる物で、

今日でも釦をきちんと閉じている理由の

説明がつかなくなるならでございます。