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🖤真スーツの知識 サージョンズカフス

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最終更新日
この記事の内容は、
2023年3月22日当時のものです。
公開から1年以上経過しています。
(401日)

『サージョンズカフス』はスーツが誕生した時点では
存在しなかったディテール。
手袋が多用された時代には有効に機能したボタンホールですが、
現在では単なる飾りに過ぎません。
英国ではサージョンズカフスではなく仮切羽仕様も多く
サヴィルロウの高級ビスポークスーツであっても
特に指定しなければ、
サージョンズカフスではなく
仮切羽で仕上げるのがスタンダードです。
ナポリのサルトが自身の腕前を示すために、
更には英国との差別化戦略のために
サージョンズカフスをアピールしたことから、
ナポリびいきの男性の間で
『サージョンズカフス=高級で職人技術の証』という風潮が浸透、
特にオーダースーツの場合には
サージョンズカフス仕様が多く見られるようになりました。
イタリアにおいて上質なジャケットを子供に引き継ぐという風習
すなわち子供が成長して自分よりも腕が長くなった場合に
袖口を出した上で、袖口から最も遠い第1ボタンを取り外して
袖口近くのボタンとして装着し
ボタンホールを開ける際に調整をしやすくする為に
第1第2ボタンはあえて仮切羽状態にして置くのが一般的です。
現在主流なのは実際にはボタンホールを切らず、
その名残りを縫い糸で示した『仮切羽』で、
縫い糸すら付けずボタンのみを付ける場合もあります。
一般にオーダー業界でも称される『開き見せ』とは
本来、カフスそのものがが実際には開かないのに
開くように見せる意匠の事で
対の仕様が周囲がぐるりと完全に縫い付けられる『筒袖』です。