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『ダンヒル』は
1880年に馬具専門製造卸売業としてロンドンで創業。
1893年にアルフレッド・ダンヒルが父親から家業を受け継ぎ、
衣類や小物の製造業にも乗り出すなど事業を拡大
自動車が普及することを見越し、
自動車旅行用品を多く売り出した。
創業当時は『ダンヒル モートリティーズ』で
このとき発明したウインド・シールドつきの
ドライブパイプがきっかけとなり
1910年より喫煙パイプを製造開始。
1912年にはパイプのトレードマーク
『ホワイトスポット』の使用を開始
最高級パイプの代名詞として確立した。
しかし現代の健康志向に従って
『ダンヒル』はブランドとしてたばこ事業から距離を置き
2013年にパイプ部門は独立して
『ホワイトスポット』と言うブランドとして
製造販売を行なっている。
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手作りのヴァルカナイトステムはあまりに完璧だったので、
しばしばどちらの側を差し込むのかわからなかった,
その問題を解決するために
1912年に初めて白いマーク
『ホワイトスポット』を入れる事にしました。
1921年ウェールズ王子が狩りに出かけた折りに
いくつかの喫煙パイプを失くしてしまった。
誰か拾った者がいないかどうか探そうとし
パイプの特徴は黒いステムの上部にインサートされていた
ホワイトスポットであったと告知。
ロンドンの新聞に掲載された際には
メーカー名は伏せられていたものの、
実際にはほとんどの読者には既に知られていた。
それがきっかけとなり『ダンヒル』は
同年にロイヤルワラント(英国王室御用達)を
ウェールズ王子より授与。
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私が愛煙しているのはダンヒル『ホワイトスポット』
1988年製ブラックシェルプライヤー
3202 データコード28。
ホワイトピースと呼ばれる
ツツジ科の潅木の根であるプライヤーは
塊熱伝導率が低く、
ボウルを持っての喫煙が可能で
最大の魅力は素材が持つ木目にあります。
原材料は木部ではなく木の根塊で、
この根塊の導管のラインが木目のように見えるため、
グレインと呼ばれています。
1917年からブライヤーで初めての
ブラスト処理を複数回行う加工(サンドブラスト)が始まり
その加工をシェルと呼ぶようになりました。
ボウルはG3で私の手に非常に馴染むサイズ。
ステムはヴァルカナイトのサドルステムで
柔らかい触感とアンティークな変色が良く
クラシックシェイプのベントは美しいシルエット。
既にキュアリングがされなくなった1970年代以降の作品である為
ヴィンテージとしての価値はありません。
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常に3202と共に愛用する
ダンヒル『ホワイトスポット』の
1960年製パイプガジェットメカニカルペンシルは
頭冠がタンパーとなっていて
内部を開けると中にリーマーが仕込まれています。
更にそれを外すと
『ヤード・オ・レッド』の1.18mmの芯を入れて
ペン先を回すことで芯を出すことができます。
3202との相性が良い
1980年代の『ファイロファックス』ウィンチェスターの
ホルダーに付けている事が多い。
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我流お薦めレシピ
ラタキアスモーキング編
❶ブレイクインしたチャンバーに良く揉みほぐしたラタキアを
3回に分け段々柔らかく、ムラなくいっぱい詰める。
❷タンパーで平らに80%までプレス
❸ ドローしながらヘヴィーナフサオイルペトロールライターで
小刻みに満遍なく着火。
一瞬のナフサペトロールの甘いアロマをノージング。
❹三服し全体が赤く膨張したら
再度タンパーで軽く押さえて落ち着かせ
炭化したラタキアを表面全体に広げる。
❺再度ドローしながらヘヴィーナフサオイルペトロールライターで
小刻みに表面全体に着火。
再度、一瞬のナフサペトロールの甘いアロマをノージング。
❻ゆったりと優しくドローとブローを繰り返し
安定した酸素供給による火種を保ち、
少な目の煙をゆったりとくゆらせる。
❼火が安定してきたらタンパーでタバコを押さえ、
煙の流入量を一定に保つ
❽詰めたラタキアを最後まで吸い尽し
チャンバーに均一なカーボンを付着させる。
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注:これらの作品は重田将秀店長の所有物であり
オーダースーツSADAでは販売しておりません。
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