
フィッシュ・アンド・チップスとは、
タラなどの白身魚のフライに、
棒状のポテトフライを添えたもの。
イングランドではファストフードとして親しまれ、
国民食の長い歴史がある。
バタード・フィッシュと呼ばれる場合もある。
19世紀中ごろのイギリスでは、
既に魚のフライとフライドポテトが店舗で販売されていた。
本来は魚のフライはユダヤ人セファルディ系の移民が
安息日に食べていた料理を
イギリスにもちこんだものであり、
その販売業はロンドンに住んでいたユダヤ人を発祥としていた。
1840年代のソーホーでは魚のフライを
ごく普通に購入することができた。
フライドポテトの販売業はランカシャーのマンチェスター北東にある
オールダムで始まったとされているが、
これはイギリスにおいてジャガイモを食用にする習慣は
北部から広まったことに由来する。
二つのフライが「フィッシュ・アンド・チップス」として
一緒に販売される形態が普及するのは1860年代以降である。
これには産業革命により急速に整備された鉄道輸送が寄与しており、
ミッドランド・ディストリクトやリンカンシャーなどの地方から
ジャガイモと魚が大都市に運ばれることにより
食文化として成立することとなった。
フィッシュ・アンド・チップスの正確な起源は不明であるが、
ヴィクトリア朝期に多数存在した
ホット・パイ・ショップが発祥だと推測されている。
ホット・パイ・ショップではパイ以外に
魚のフライとチップスも売られていたが、
次第にパイではなく魚のフライとチップスが
中心になったと考えられている。
魚のフライとチップスを提供する店は
「フィッシュ・アンド・チップス」と呼ばれ、
そこで出される料理そのものも店と同じ名前で呼ばれた。
1860年にロンドンのジョセフ・マリンが販売を始めたとされる
『マリンズ』が最古であると考えられているが
確かな記録は残されておらず、
ランカシャー州モスリーにあった
『リーズィズ』が最古であると考える見解もある。
しかしマリンズは1972年に閉店、リーズィズも現存してはいない。
フィッシュ・アンド・チップスが普及した背景には、
産業革命による技術革新が存在していた。
産業革命前は新鮮な生魚を遠方に輸送する手段は
存在していなかったが、
鉄道網の整備と蒸気船の登場により、
ロンドンなどの大都市に迅速に鮮魚を輸送することが可能となった。
また、生魚の保存に役立つ冷凍技術が発達し、
1880年代に導入されたトロール漁業によって
多量の魚を獲ることが可能となった。
産業革命期の労働者は、安価ですぐに食べられ、
さらに腹持ちの良い食事を求めており、
イギリスの工業化の進行とともに
魚のフライとチップスの組み合わせは、
労働者の食事の主体として普及した。
20世紀の初頭、ロンドンには
約1,200軒のフィッシュ・アンド・チップスが存在していた。
フィッシュ・アンド・チップスは庶民にとっての最初の外食産業であり、
1930年代になると中流階級も
フィッシュ・アンド・チップスを利用するようになる。
井戸端会議の集会場、若者のたまり場として
フィッシュ・アンド・チップスは都会の労働者階級の
社交場としての地位を確立する。
パブの衰退と同時期に、パブよりも健全なたまり場である
フィッシュ・アンド・チップスの台頭が始まる。
1913年には英国フィッシュ連盟が設立され、
フィッシュ・アンド・チップスの売り込みと調理法の教育が提供された。
第二次世界大戦下のイギリスで配給制がとられたとき、
数少ない配給食糧のひとつがフィッシュ・アンド・チップスであった。
戦後もフィッシュ・アンド・チップスは
安いファストフードとして、一定の人気を維持している。
1970年代のロンドンには
フィッシュ・アンド・チップスの店が多く現れ、
町中に屋台が建ち並んでいた。
70年代の初頭には夕方になると
新聞紙に包まれたフィッシュ・アンド・チップスを手に
労働者たちが帰宅する光景が見られた。
また、70年代から80年代のロンドンでは、
地下鉄やバスの乗務員として多く雇用されたカリブ系黒人女性が
夕食にフィッシュ・アンド・チップスを持ち帰る姿がしばしば見られた。
現在、外資系のファーストフードチェーンに押され、
屋台の数は減少している。
★
伝統的にフィッシュ・アンド・チップスには酢と塩をかけて食べる。
酢はモルトビネガーやオニオンビネガーが使用され、
醸造されていない安価な調味料がかけられることもある。
付け合せにはマッシーピーが一般的であり、
テーブルが置かれたフィッシュ・アンド・チップスの店とパブでは
通常料理と一緒に輪切りのレモン、酢と塩とソース類が出され、
客は好みで味付けができる。
アイルランド、ウェールズ、イングランド北部では、
多くのテイク・アウェイ店では
グレイビーソース、カレーソースなどのソースや
マッシーピーがトッピングとして用意され、
これらのソースは通常フライの上に
直接かけられた状態で提供される。
★★
♦ イングリーディエント (1パーソン)
コッド………1匹
キングエドワード………1個
『ギネス』エクストラスタウト………1bottle
サンフラワーオイル………1tbsp
★★
♦ プレパレーション
コッドの小骨をとる
★
♦ ディレクションズ
❶
フライパンにサンフラワーオイルを入れる。
(3min)
★
★
❷
フライパンにサンフラワーオイルを入れる。
(3min)
❶皮と骨を取ったコッド切り身2切れ(500g)に
『マルドン』フィンリーグラウンドを少々ふり10分
キッチンペーパーで水気を拭きプレーンフラワーを薄くまぶしておく。
❷キングエドワード4個はビューラーで皮をむきカット、
1.5cm厚の拍子切りにして『ディーサイド』にさらし
キッチンペーパーで水気を拭く
❸ボウルに『マクダガルズ』セルフライジングフラワー55gを入れ
冷えた『ギネス』スタウトビール100mlと『マルドン』2つまみを
炭酸が飛ばないようフォークでゆっくり混ぜ合わせて
バッター液を作り冷蔵庫に入れる。
❹ポットにキングエドワードを投入し
サンフラワーオイルをひたひたになる位まで入れて
中火で上下を返しながら全体がこんがりとするまで揚げる。
ポットから上げたらオイルを切りホイルを被せて保温。
❺コッドはバッター液にたっぷり潜らせて
サンフラワーオイル180℃で先端からゆっくり入れて4分揚げ
ポットから上げたらオイルを切る。
❻盛り付け後コッドもチップスも『マルドン』をたっぷりふりかけ、
当然『サーソンズ』モルトヴィネガーをよりどっぷりふりかけ
『ギネス』スタウトビール、
『バチェラーズ』マッシュドビーズと共に頂きます。