英國名作図鑑38 ゴールデンシロップ オーダースーツSADA 金沢香林坊店 投稿日 2025年8月7日 最終更新日 2025年8月8日 ★ 『ゴールデンシロップ』とは、 シュガーケインやビートシュガーが原料の アシッドで処理して作られる濃い琥珀色をしたインバートシュガー。 別名でライトトリークルとも呼ばれる。 1863年、クーパーのオーナーとして成功していたアブラム・ライルは、 借金の代わりにレンフルーシャーのグリーノックにある グリーブ製糖所の所有権を渡される。 ライルは製糖過程の副産物として 動物の飼料に使われる苦い廃糖蜜が生まれるのを知り、 これを人が食べられるように調整して販売が可能かどうかと考えた。 数年後、彼の製糖事業が拡大してロンドンにも進出したのは この考えを試す絶好の機会だった。 ライルの所有するプレイストー埠頭製糖所で、 チャールズ・イースティックが初めて 『ゴールデンシロップ』のレシピを考案した。 それ以前の数年間、イギリスではシュガーが急速に普及していたため、 1880年にロンドン中心部でシュガー分析所を開設。 2つ目の製糖所は分析所を設立した1年後に開業。 1882年にプレイストー埠頭に研究所を設立。 1883年の輸入危機でシュガーの生産が停止。 これが決定的となり危機感に駆られたチャールズは、 副産物の廃糖蜜をトリークルのようにして蜂蜜の味や粘度、 外観を模した口当たりの良いシロップへ変える実験を始め 世界で初めて『ゴールデンシロップ』を作った。 当初『ゴールディ』と呼ばれたそれは 木製の樽でロンドンの食料品店に送られていたが、 1885年には象徴的な金属製の缶に入れて販売。 その豊かな色と強い風味からすぐにイギリス人の生活の定番となった。 缶には腐ったライオンの死骸とハチの大群の絵が描かれ、 「強い者から甘い物が出た」とスローガンが掲げられている。 これは旧約聖書の『士師記』のサムソンの話に因んだ物で 1904年にはこのデザインを商標登録した。 1910年、ロバート・スコットが南極探検を行った際には 補給品として選ばれ、 1911年にはイギリス王室御用達となり 1956年に探検家がスコット隊の倉庫の残骸を発見した時、 完璧な状態で残っておりすぐに使用可能だったため、 国民のこのシロップへの愛情はさらに高まった。 1921年、アブラム・ライルの事業は 1859年にヘンリー・テイトが設立した製糖会社『テイト』と合併し、 『テイト・アンド・ライル』となった。 第一次世界大戦中の砂糖配給の責任者として活躍し 大英帝国勲章を授与 1928年にスラウ工業団地に工場を設立、 特に『ゴールデンシロップ』の製造を開始。 第二次世界大戦が始まると、 全国的にハニーが手に入らない状況を打開するために、 結晶化した『ゴールデンシロップ』から作られた ハニーの代替品を販売。 この代替品を以て トーストやバターに塗ることが可能になった。 最初のガソリン自動車、食品の中では 『コカ・コーラ』、『マーマイト』よりも歴史が古く、 2006年にギネス世界記録が 「世界最古のブランドとパッケージ」として正式に認める。 2010年、同社は砂糖精製とゴールデンシロップの事業を アメリカン・シュガー・リファイニングに売却。 2020年からベーカリー製品への水素化油脂や 非天然の食品添加物の使用が禁止された影響で、 『ゴールデンシロップ』の色合いや味は変わった。 結果的に、1970年代以前に製造されていたものと同じように 色が濃くなり味も強くなっている。 ★★ 『ゴールデンシロップ』はイギリスらしさの代名詞であり、 消費者はヴィクトリア朝のレシピを 殆ど保って使用している点に惹かれた。 ★★ お菓子作りには欠かせないシロップで 特に『フラップジャック』では ブラウンシュガーとアンソルテッドバターと ジャンボオーツと共に欠かす事ができない材料。 ★★ ウィンザーリムラウンドスペクタクルズ : 『アルガワークス 』 ヘンリーネックTシャツ:『パーム』 ブレーシス : 『ロイヤルエアフォース 』 ハイバックハーフトラウザーズ :『ポールスミス』 モーターサイクルブーツ : 『ザ・ブリティッシュミラレイン』× 『トライアンフ』×『ポールスミス』』 アーマーリング:『ヴィヴィアンウエストウッド』 ナックルリング・『ヴィヴィアンウエストウッド』 ★ 注:これらの作品は重田将秀店長の所有物であり オーダースーツSADAでは販売しておりません。 ★