総裏と背抜き。
こんにちは!
オーダースーツSADA 吉祥寺店です。
今回のブログはジャケットの裏仕様について。
ご存知かもしれませんが、テーラードジャケットの裏仕様には幾つかのヴァリエーションがあります。代表的なものが「総裏 full lining」と「背抜き half lining」の2つです。
総裏は内側すべて裏地で覆う縫製仕様で、背抜きは肩甲骨から下の背中には裏地を付けない縫製仕様です。秋冬服地で仕立てるスーツは総裏、春夏服地で仕立てるスーツは背抜き、というのが一般的な使い分けであり、多くの既製品はこの区分に則って製造されています。
オーダースーツの場合は、注文主の意向に従って作られるので、一般的な使い分けを踏襲しないこともよくあります。
数多いのは、春夏用スーツであっても総裏で作るケース。理由としては本格的に夏になればジャケットは羽織らないので、生地がなるべく傷みにくい総裏が良いというもの。また、背抜きは見た目が少しチープに見えるので好きではない、と考える方もいらっしゃいます。
秋冬用スーツを背抜きで注文する方も少なからずいて、背抜きにすれば3シーズン向けになるだろう、というお考えです。これは凄く暑がりな方であれば致し方ないと思いますが、そうでない人にはまったくおススメしません。
何故かと言うと、秋冬服地と春夏服地とでは糸の撚糸、使用する糸の本数、織りの組織という織物設計がそもそも違うからです。要するに、秋冬服地で背抜きにしたところでほとんど涼しくなることはありません(寒さに対応する為なるべく風を通さないように設計しているからです)。
以上、参考になれば幸いです。
オーダースーツSADA 吉祥寺店
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