【スーツジャケット たたみ方】スーツとコートのシワにならないたたみ方とビジネスマナーのアイキャッチ画像
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【スーツジャケット たたみ方】スーツとコートのシワにならないたたみ方とビジネスマナー

「コートの形がもとに戻らない…」「スーツに取れないシワがついてしまった…」「スーツの劣化が妙に早い…」とお悩みではないでしょうか?それ、普段のスーツやコートの扱い方が原因かもしれません。例えばデスクワークや出先のカフェでジャケットを脱いだ時、椅子にそのままかけていませんか?その掛け方だと、肩の部分に負担がかかって生地が傷んでしまいますよ。何かが接触するたびに、襟や表地全体にもダメージを与えてしまいます。そもそも椅子に掛けること自体あまりよくないですが、どうしても椅子に掛ける場合は裏地が表側に来るように掛けると良いですよ。このように普段の扱い方が、スーツにダメージを与えている可能性があるのです。また出先でスーツやコートを畳まざるを得ない場面もあります。このとき、スーツにダメージを与えない畳み方ができるかも重要なポイント。さらに出張でスーツを持ち運ぶ際にも、スーツをスーツケースに入れたりしますよね。「スーツを出したらシワだらけだった」なんて経験がある方もいるのでは?そこで今回は、スーツのプロ集団「オーダースーツSADA」のスタッフが、スーツやコートの正しい畳み方やマナーについて解説します。

スーツやコートの正しいたたみ方をご存知ですか? 普段の何気ないスーツやコートの扱い方が、汚れ、シワ、型くずれの原因になっている場合があります。 今回は、スーツやコートの正しいたたみ方と、訪問先でのビジネスマナーをご紹介します。

シワのでないスーツの基本的なたたみ方

スーツをたたむ場合、折る回数が少ないほどスーツへのダメージも少なくなります。 そのためジャケットを平置きにした状態の半分のサイズ(二つ折り)が理想的なたたみ方です。

スーツの基本のたたみ方

1.パンツのファスナーや前ボタンを全て開けて横置きにします。

2.ウエストやプレスラインを整えて、二つ折りか三つ折りにしておきます。

3.ジャケットのボタンを外し、平置きにします。

4.前身ごろは、ボタンがある側を下に、ボタンホールがある側を上に重ねます。

5.襟を立て、背中側の裾と前身ごろの裾を揃えます。

6.ジャケットの肩から胸の位置にパンツを横向きでのせます。

7.右袖の先を持ち左肩に向かって折ります。

8.左袖の先を持ち右肩へ向かって折ります。

9.袖の織り目がよれてシワにならないように整えます。

10.ジャケットの、裾を持ちパンツと袖の上にのせて完成です。

すぐにたためる簡易的なスーツのたたみ方

デスクワークやカフェ、移動中などに覚えておくと便利な簡易的なたたみ方です。 スーツは汚れを避けるために、外出時は表生地を内側に入れてたたみます。 肩を潰さず、襟を傷めないたたみ方で利用機会が多いため、覚えておくと便利です。

簡易的なスーツのたたみ方

1.脱いだジャケットの両肩に手を入れ、手のひらを合わせます。

2.ジャケットが背中合わせに二つ折りになったら、左手の指で、右手側の肩を内側から摘まみます。

3.左手だけでジャケットを持ち、右手で前身ごろを左側へひっくり返すように重ねます。

4.腕の付け根(アームホール)が綺麗に重なるように整えます。

5.襟を立てます。

6.ジャケットのウエストの位置で二つ折りします。

持ち運ぶ場合は、襟先がある方を肘側へ向け、手首側に裏地が当たるように腕に掛けます。

腕に掛けて持ち運ぶ際には、手首の汗や皮脂がスーツの表生地に触れないように注意しましょう。 たたんだスーツの襟先が、手首に触れた状態で移動すると汚れてしまうためです。 染み込んだ皮脂や汗は、保管中の変色原因になる場合もあるため注意が必要です。

椅子に掛ける場合

持ち歩いたスーツをカフェなどで椅子に掛ける場合は、二つ折りの肩がある方を背もたれの外側に掛け、背中でスーツの肩を潰さないようにします。

社内のデスクワークなどで、椅子の背をハンガーのように利用して掛けてはいませんか? スーツをそのまま掛けると肩に負担がかかり、襟や表生地が摩擦で傷むリスクがあります。 裏地を表に出すたたみ方で椅子に掛けましょう。

持ち運ぶときのスーツのたたみ方

スーツケースに入れる

出張など長時間持ち運ぶ必要がある場合はガーメントバッグが基本ですが、荷物を増やせない場合は、ダメージが少ないたたみ方でスーツケースに入れます。

  • スーツケースが大きめ・・・荷物を詰め終わった最後に、基本の二つ折りにしたスーツをのせて、スーツケースを閉じます。その際にズレを防ぐために、タオルなどでスーツを包んで入れると摩擦から守れるだけでなくスーツケース内で動きにくくなります。
  • スーツケースが小さめ・・・ジャケットを腕に掛けるときのように、簡易的なたたみ方にします。ジャケットの二つ折りの間にパンツを挟み、スーツケースの重みがかかりにくい場所を選んで入れます。その場合もフェイスタオルなどを使って帯状に包むだけでもスーツケース内で動きにくくなります。

一時的に紙袋やバッグに入れる

一時的に紙袋やバッグに入れる場合は、腕に掛ける時の簡易的なたたみ方を使いましょう。 裏地を出す二つ折りは、新幹線や飛行機の機内でスーツのジャケットを紙袋に入れて足元に置く場合などにも便利なたたみ方です。 席についたら簡易的なたたみ方でバッグや紙袋に入れ、一時保管します。 移動中にジャケットのシワや汚れ、置き場所などに困らずリラックスできます。 近年、飛行機の国内線では搭乗口付近で、荷物用の不織布袋を配布しているケースもあるため利用しましょう。 荷物入れは汚れている可能性もあるため、スーツのような汚れて困るものは、そのまま入れることを避けます。

ビジネスシーンでのマナー。正しいスーツのジャケットのたたみ方

夏の就活でジャケットを脱ぐ

夏の就活やインターンシップはクールビズの場合があります。 訪問先でジャケットを脱ぐように勧められた場合は、どうするべきでしょうか? ジャケットを脱ぐことを面接で勧められたら、「ありがとうございます。失礼します」と言って軽く礼(会釈)をしてから脱ぎましょう。 ジャケットを簡易的なたたみ方で、手早く四つ折りにして、バッグにのせます。 この時はアームホールを整える、襟を立てるなどは省略します。 身ごろを返して二つ折り、さらに四つ折りまでにかかる時間は、長くても20秒程度です。 普段からたたみ方に慣れていれば、手早くたたむことが可能になります。

バッグの持ち手が固定されているタイプであれば、ジャケットの谷折りになった部分を持ち手にかぶせるようにして掛け、床に落ちないようにしましょう。

ビジネスの訪問先でジャケットを脱ぐ

訪問先でジャケットを脱ぐように勧められた場合は、「ありがとうございます。失礼します」と言って会釈し、ジャケットを脱ぎましょう。 腕に掛ける際の簡易的なたたみ方で四つ折りにして、バッグの上に置きます。 コートと同様、ホコリや花粉などの汚れがついている可能性があるジャケットは、汚れを落とさないように裏地を出してたたみます。

コートのたたみ方

コートのたたみ方は、ほぼジャケットの簡易的なたたみ方と同じです。

  1. 建物の外で脱ぎ、両肩に手を入れ背中側で二つ折りにします。
  2. 左手で右肩を内側から摘まみます。
  3. コートを左手で持ち、右手で前身ごろを左手側へ裏返して重ねます。
  4. アームホールを合わせて整え、ショートコートは二つ折り、ロングコートは四つ折りにして腕に掛けます。

コートを片手で持つ際は、利き腕など持ちやすい方の手で構いません。 コートは裏地を出してたたむことが基本になるため、ビジネス着用が目的のコートは裏地が無地やダークカラーのものを選びます。

ビズネスシーンや就活でのたたんだスーツの置き場所

ビジネスと就活では、訪問先で脱いだジャケットをバッグの上にのせるのが正解です。 コートやジャケットには外出時のホコリや汚れがついています。 訪問先を汚さないために、椅子の座面に置いたり椅子の背もたれに掛けたりすることを避けましょう。 冬場はジャケットを脱ぐことはないため、コートをジャケット同様にバッグの上に置きます。

コートハンガーを勧められたら?

冬場はコートの着用が基本になるため、訪問先でコートをハンガーに掛けるように勧められる場合があります。 訪問先でコートをハンガーに掛けるようにすすめられた場合は、辞退せずにハンガーに掛けます。 退出時にコートを羽織るようにすすめられた場合も、辞退せずにコートを羽織ります。 ハンガーを使用する時やコートを室内で羽織る時は「ありがとうございます。失礼します」と言葉を添えましょう。 先方の心遣いに感謝を伝えることを忘れないようにします。

コートのビジネスマナー

ここでコートのビジネスマナーもチェックしておきましょう。

着用時期

  • 11月中旬頃から薄手コートの着用が季節感に合っています。
  • 12月から3月上旬までは冬コートを着用します。
  • 3月下旬から4月上旬はスプリングコートを気温に応じて着用しましょう。

着こなしや身だしなみは、訪問先への敬意の現れでもあります。 春先に真冬用コートなど季節感に合わない着こなしは、ビジネスでは準備不足の印象を与える可能性があるため避けましょう。

着用マナー

  1. 建物に入る前にコートを脱ぎ、マフラーや手袋も外してバッグにしまう。
  2. ジャケット同様に裏地を出してたたむ。
  3. 腕に掛ける
  4. 室内では四つ折りにしてバッグの上におく
  5. ハンガーをすすめられたら、辞退せずに従う。
  6. 退出時はハンガーから外し腕に掛ける。
  7. 着用をすすめられた場合は、その場で羽織る。

やってはいけないスーツのたたみ方

スーツの芯地

スーツには肩から胸のシルエットを美しく保つための芯地が入っています。 肩の丸みやアームホールは、複数の工程と縫製技術で立体的に仕上げられているため、圧力で変形しやすい部分です。 スーツをたたむ時は、芯地と肩の立体感を守ることを優先します。 そのため型くずれを招くたたみ方は、避けることが重要になります。

やってはいけないたたみ方

・襟を立てずに折る・・・ジャケットの襟を立てずに縦に二つ折りすると、それだけで首の後ろ部分の襟にシワが出ます。その状態で長期間保存した場合、シワだけでなく襟自体が歪み着用時のフィット感まで変わってしまう可能性があります。

・アームホール(袖の付け根)を潰す・・・たたんだスーツの上に衣類を重ねると、重みでアームホールが潰れてしまいます。複数の工程で立体的に仕立てたアームホールは、重みが長時間続くと、美しい立体感が失われてしまいます。

・肩や胸を折る・・・芯地は肩の縫製ライン付近から胸に向かって入っています。長期間折ったままにしてしまうと芯地が歪みます。

・ラペルを折る・・・スーツの襟は、首周りをカラーと呼び、襟の小さな縫製ラインから下をラペルと呼びます。このラペルは前ボタンに向かって、ふっくらと立体的なカーブを描きます。このロール状になっている部分を潰さないように注意しましょう。たたむ時に襟を立てると、ラペルは裏返しになるため、ロール部分を守ることが可能になります。

・スーツを丸める・・・乱雑にまとめたり、端から丸めたりすると、スーツが歪みます。

・袖がアームホールに引き込まれたまま折る・・・仕事中や忙しいときにありがちなミスです。ジャケットを脱ぐときに、袖がアームホールへ引き込まれることがあります。それに気づかずに、スーツをたたんでしまうと、袖がシワになります。簡易的なたたみ方をするときは特に注意しましょう。

スーツはシルエットで見栄えが変わります。 歪みやシワを作らないように、丁寧に扱いましょう。

芯地の違い

立体的なスーツの形状を維持するための芯地は、その素材によって種類が分かれます。

・化学繊維・・・比較的安価ですが、劣化が早い傾向です。

・ウールやゴートなどの獣毛・・・適度なハリと耐久性があります。

・馬の尻尾(高級素材)・・・ハリと堅牢性があり、高級スーツの本バス芯に使用されています。

スーツの背中側の生地と、胸側の生地に触れて見ましょう。 背中側は芯が無いため薄く、胸側は芯地分厚くなります。 近年増えてきたカジュアルスーツには、胸側と背中側の生地の厚さが同じで、芯地が入っていないものもあります。 略式とも言えるカジュアル用のスーツのため、芯地が省かれているケースです。 テーブルに平置きしたときに、腕の付け根のアームホールが立体的にならない場合は、肩回りの副資材や芯地も入っていない可能性が高くなります。 その場合は、Tシャツやシャツのようにコンパクトに折りたたむことが可能な場合もあります。 しかし、芯地の有無が分からない場合は基本のたたみ方が無難です。

たたんだスーツの収納方法

スーツの収納は肩の厚みが5cm前後のハンガーがベストです。 しかし、スペース的にハンガーを使用できない場合は収納ケースや箱を利用しましょう。

長期収納は二つ折り

長期収納する場合は、できる限り折り目を少なくすることがポイントです。 スーツを平置きして半分に折る二つ折りサイズでケースに一着ずつ収納するのが、最も負担が少ない方法になります。 スーツを二つ折りにしたサイズがゆったりと入る薄い箱や衣料ケースに一着ずつ入れ、防虫剤も使用します。 スーツの肩が潰れてしまうため、たたんだスーツの上に他の衣類を重ねることは避けます。 箱やケースでの収納は湿気がこもりやすくなるため、除湿機や除湿剤を活用するのがおすすめです。 湿気が多い梅雨時に箱やケースでの保管をした場合は、梅雨明け後の天気の良い日に、ハンガーに掛けて湿気を抜くなどの対策も効果的です。

オーダースーツ専門店「オーダースーツSADA」とは?

オーダースーツSADAでは、本バス芯を使用した高級感漂うシルエットのスーツを、フルオーダーで仕立てることが可能です。 本バス芯は、芯地に高級素材である馬の尻尾を使用しています。 しなやかで通気性が良く快適な着心地です。 本バス芯のシルエットは非常に美しく、ラペルの返りが長く維持されるため、スーツが型くずれしにくい特徴があります。 人生の大切な節目に着用するスーツに、本バス芯を使用したワンランク上のオーダースーツを仕立てて見ませんか? オーダースーツSADAでは、型紙から作るフルオーダーでスーツを仕立てられます。 採寸で作る抜群のフィット感と、美しいシルエットを実現する本バス芯を使用したハイグレード仕立ては、ホームページより詳しい情報をご覧いただけます。

スーツを畳む際は、折る回数を少なくしましょう。ジャケットを2つ折りにしたサイズが理想ですが、難しい場合はとにかくシワができないように。持ち運ぶ際は裏地が表側になるように、ウエスト位置での二つ折りで畳んで運ぶのがベターです。襟先がある方を肘側にすると、手首の汗や皮脂でスーツの表地が汚れません。スーツケースに入れる場合も、できれば二つ折りにしましょう。このときタオルなどで隙間を埋めると効果的にシワを防止できます。小さめのスーツケースの時は、二つ折りにしたスーツにパンツを挟みましょう。ケース内の重みがかかりにくい箇所に入れてくださいね。紙袋やバッグに入れる際は、腕にかけて運ぶときのように畳みましょう。また長期収納の際は二つ折りで、防虫剤を忘れずに仕込んでからしまいます。コートの畳み方も基本的にはスーツと同様に、裏地が表側になるように畳んでください。なお建物の外で脱ぎ、利き腕で持ちましょう。ちなみに訪問先や就活でジャケットを脱ぐように言われた場合には、バッグの上に乗せてください。椅子に掛けたりするのは印象を悪くする可能性があります。ハンガーの使用を勧められたら、厚意に甘えてお礼を伝えてから使用するようにしましょう。畳み方を意識して、スーツやコートのシワや形崩れを起こさないようにしましょう。