メンズスーツに合うカジュアルコート。ステンカラーとチェスターそれぞれの特徴や違いは?
寒い季節のスーツスタイルには、ビジネスコートが欠かせません。
「手持ちのコートがカジュアルすぎてスーツに合わない」「どんなビジネスコートを選べばいいのか分からない」と悩む方も多いのではないでしょうか。
スーツに合わせるビジネスコートの定番が、ステンカラーコートとチェスターコートです。どちらもビジネスシーンで使いやすいアイテムですが、デザインや印象には違いがあるため、着用シーンや好みのスタイルに合わせて選ぶことが重要です。
この記事では、スーツスタイルに適したコートとして、ステンカラーコートとチェスターコートそれぞれの特徴や選び方を分かりやすく解説します。これからビジネスコートを購入する方は、ぜひ参考にしてみてください。
スーツにベストマッチする2大コート

冬に着るビジネスコートとして定番の“2大コート”といえば、ステンカラーコートとチェスターコートです。
どちらもスーツに合わせやすい王道アイテムですが、デザインや与える印象には違いがあります。それぞれの特徴を理解することで、自分の好みや着用シーンに合った一着を選びやすくなるでしょう。
ここでは、ステンカラーコートとチェスターコートの特徴について、分かりやすく解説します。
ビジネス感を出すなら「ステンカラーコート」

ステンカラーコートの大きな特徴は、「襟腰」と「比翼仕立て」にあります。
襟腰とは、首の後ろ側に高さを持たせた立ち襟のことで、前側は低く折り返されているのが特徴。「ステン」とはフランス語で「支える」を意味し、大きな襟を支える構造から、この名称が使われています。襟元がすっきりと立ち上がることで、知的で端正な印象を与えます。
もう一つの特徴が比翼仕立てです。第一ボタンより下の前立てを二重構造にし、ボタンやファスナーを外から見えないようにすることで、装飾を抑えたスマートなデザインに仕上がっています。これにより、上品で洗練された雰囲気を演出できるだけでなく、防寒性を高める効果もあります。
また、ステンカラーコートはAラインのシルエットが基本。肩まわりはコンパクトに、裾に向かって緩やかに広がるため、体型を自然にカバーしつつスタイルアップ効果も期待できます。
シンプルで無駄のないデザインのステンカラーコートは、スーツやセットアップとも相性が良く、ビジネスシーンで特に高い支持を集めている定番コートです。
マルチに使うなら「チェスターコート」

チェスターコートは、膝上丈が主流のセミロングコートで、「チェスターフィールドコート」とも呼ばれます。
1840年頃、イギリスのチェスターフィールド伯爵が着用していたことに由来し、貴族階級発祥ならではのフォーマルさとエレガントな雰囲気が特徴です。
ステンカラーコートのような襟腰はなく、ジャケットと同様に「下襟(したえり)」やラペルと呼ばれる折り返しが付いているのが大きな違い。胸元は広めに開いたVゾーンになっており、冬場はマフラーやストールなどの小物使いを楽しめるのも魅力です。
フォーマルなディテールを備えているため、ビジネスシーンはもちろん、結婚式の二次会やパーティーなど華やかな場にも対応可能。スーツにもカジュアル寄りの装いにも合わせやすく、幅広く着まわせる点がチェスターコートの強みです。
シルエットは縦のラインを強調するIラインが基本で、シャープでスマートな印象に。Aラインで体型をカバーしやすいステンカラーコートに対し、チェスターコートはスタイリッシュさを重視したデザインといえるでしょう。
ステンカラーコートのメリット

スーツとの相性が良くビジネスシーンで人気のステンカラーコートには、襟やデザイン面でさまざまなメリットがあります。ここでは、ステンカラーコートの魅力について、3つのポイントを解説します。
シンプルな装飾で合わせやすい
ステンカラーコートは一般的にシンプルなデザインが多く、ビジネスからカジュアルなシーンにも着用できる汎用性の高さが大きなメリットです。
「寒い季節に、仕事とプライベートどちらでも気軽に羽織れるコートが欲しい」という方は、ステンカラーコートを持っておいて損はありません。
装飾が少なくシンプルなステンカラーコートは、スーツと合わせるとまわりに落ち着きや信頼感を与えることができます。流行り廃りがないので、上質なものであれば何年も着用でき、古さや時代遅れな印象を与えることもありません。
立襟仕様で2wayに使える
ステンカラーコートは大きな襟を活かし、襟を立てたり寝かせたり、2wayの着こなしを楽しむことができます。
寒波が強い時は襟を立てれば風よけになりますし、大きめの襟による小顔効果が期待できます。第一ボタンをあけて襟を開いた形状は「バルカラー」と呼ばれ、知的で落ち着いた印象を与えたり、マフラーなどの小物との組み合わせを楽しんだりできます。
スリーブ(肩のライン)が選べる
ステンカラーコートには一般的な「セットインスリーブ」と「ラグランスリーブ」というタイプがあり、好みで選ぶことができます。
ラグランスリーブは襟ぐりから脇に掛けて斜めに入っている点が特徴で、トレンチコートでもよく採用される袖の付け方です。
ラグランスリーブは首元から袖が1枚の生地でつながっており、肩の可動域が広がることからスーツの上からでも楽に着用できます。
肩から脇にかけて垂直に切り替えが入った袖は「セットインスリーブ」という基本的な縫製方法で、こちらを採用しているステンカラーコートもごく一般的に販売されています。
チェスターコートのメリット

フォーマルでもビジネスでもマルチに着まわせるチェスターコートは、特徴的な襟元やフォーマルなデザインにメリットがあります。
ここではチェスターコートのメリットについて、3つのポイントを解説します。
Vネックからネクタイの表情が生きる
チェスターコートはラペル(襟)があるVゾーンが特徴で、ここから見えるシャツやネクタイに目が行きやすく、特にネクタイの表情が生きるコートです。
ネクタイを活かしたスタイリングを楽しみたい時は、チェスターコートがおすすめです。そのほかの首まわりの小物とも相性が良く、マフラーやストールなどで、Vゾーンに工夫すると良いでしょう。
マフラーやストールといった首まわりのアイテムを合わせると、チェスターコートの襟元を首の皮脂から守ることもできます。
ボタンの配置で異なる印象を演出
チェスターコートのボタンには、「シングルプレスト」と「ダブルプレスト」の2種類があります。
ボタンが1列に並んだシングルプレストはスマートさやスタイリッシュさを演出でき、ボタンが2列に並んだダブルプレストは威厳や重厚感を演出することができます。
ビジネスシーンをメインとするならスマートなシングルプレストが向いており、フォーマルシーンも想定しているならダブルプレストが向いているでしょう。年齢や好み、着用を想定しているシーンを含めて選べる点もチェスターコートのメリットです。
フォーマルからカジュアルまで合わせやすい
チェスターコートのメリットはその汎用性の高さで、ビジネスやフォーマルだけでなく、カジュアルなスタイルにも合わせやすいコートです。
デニムやパーカー、カジュアルなパンツとチェスターコートを合わせると洗練された大人カジュアルなスタイルになりますし、足元は革靴だけでなくスニーカーもマッチします。
カジュアルにチェスターコートを着こなしたい時は、ウール素材や明るい色、柄物のデザインがおすすめです。
どちらのコートを選ぶべき?

ステンカラーコートとチェスターコートはそれぞれの魅力があり、どちらのコートを選ぶべきか悩んでしまうものです。
基本的に、ビジネスシーンをメインとして考えているなら「ステンカラーコート」、ビジネス以外にもマルチに着用したいなら「チェスターコート」がおすすめです。
シンプルさが特徴のステンカラーコートは普段着にも使えますが、特に黒やネイビーといったベーシックなカラーは固い印象が強く、私服のようなカジュアルコーデにはぴったりマッチしないかもしれません。
チェスターコートはプライベートでも着用しやすく、汎用性があります。しかし選び方を間違えるとどちらのコートも着こなしが難しくなるので、失敗しないコートの選び方について次で解説します。
失敗しない!ビジネスコートの選び方

ビジネスシーンにおいてステンカラーコートやチェスターコートは大変おすすめですが、どちらも種類が豊富で、シーンや自分に合ったコートを選ぶことが大事です。
ここでは失敗しないビジネスコートの選び方について、3つのポイントを解説します。
無地のベーシックカラーを選ぶ
ビジネスコートとしてステンカラーコートやチェスターコートを選ぶなら、色は無地のベーシックカラーがおすすめです。
スーツスタイルに合わせやすい色としては、落ち着いた黒やネイビー、グレーが人気です。初めてビジネスコートを買う方は、この3色のどれか1色を持っておくと着まわしやすくなります。
スーツスタイルに合わせやすい色としては、落ち着いている黒やネイビー、グレーが人気です。どんな色にしようか悩んでしまう場合には、この3色のどれかを1着持っておくと着まわしがしやすいので試してみてください。
ビジネスコートのコーデに慣れて「そろそろ個性的なコートが欲しいな」と思ったら、柄物のコートに挑戦するのもおすすめです。ビジネスシーンでも着用できる柄といえばチェックや千鳥格子があり、落ち着いた配色ならビジネスシーンにもマッチします。
着丈・袖丈を確認する
ビジネスコートは、スーツと同じくらい着丈・袖丈が自分に合っていることが重要です。
コートの場合、着丈は長くなるほどクラシックな装いになります。ただあまりに長いと野暮ったい印象になりますから、長めのコートは膝下くらいを目安にしましょう。反対に着丈が短くなるとカジュアルな印象になり、動きやすさも加わります。
袖丈は、ジャケットの袖丈が見えない長さで手の甲の半分ほどが目安です。ジャケットの袖が出るほど短いと、ちぐはぐな印象になってしまいます。
コート選びでは身幅もポイントで、コートの正面ボタンを留めた時に窮屈さがなく、肩や胸まわりにシワが寄らないサイズ感のものを選びましょう。
「中に着込めるから」と大きすぎるサイズにすると、だらしない印象になってしまうのでNGです。スーツに合うビジネスコートを選ぶために、スーツを着てから試着することをおすすめします。
着心地を左右する素材もチェック
ステンカラーコートやチェスターコートの素材には、ウールやカシミア、コットンやポリエステルがあります。
ウールは保温性に優れ上品な印象になり、カシミアは肌当たりの柔らかさが魅力です。秋口や季節の変わり目は、コットンも良いでしょう。
ただ、保温性に優れているウールやカシミアのような天然素材は価格が高い傾向にあり、手を出しにくいかもしれません。そんな時は、コスパに優れたポリエステル製のコートもおすすめです。
ステンカラーとチェスター2大定番コートの特徴を押さえて、冬のスーツスタイルを格上げ

ビジネスシーンの2大コートである、ステンカラーコートとチェスターコートについて解説しました。寒い季節のスーツスタイルにビジネスコートはかかせません。ぜひご自分のスタイルやシーンに合ったビジネスコートを手に入れてください。
「自分にぴったりのビジネスコートが欲しい」と思った方には、オーダーコートもおすすめです。誰とも被らない世界に1つだけのビジネスコートは、着るたびにモチベーションを高めてくれるはずです。
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ステンカラーコートとチェスターコートは、冬のスーツスタイルに欠かせないビジネスコートの2大定番です。
比翼仕立てで端正な印象を与えるステンカラーコートは、ビジネス感を重視したい方に最適。一方、Vゾーンが特徴のチェスターコートは、フォーマルからカジュアルまで幅広く活躍します。
それぞれの特徴やシルエット、着用シーンを理解することで、自分のスタイルに合った一着が選びやすくなります。用途や好みに合わせて選び、冬のスーツスタイルをワンランク上へ引き上げましょう。