【スーツ フラップ】スーツのポケットのフラップは出したままでも大丈夫?日本独特のマナーと海外事情のアイキャッチ画像
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【スーツ フラップ】スーツのポケットのフラップは出したままでも大丈夫?日本独特のマナーと海外事情

スーツのポケットに付いているフタは出すの?しまうの? 海外でフラップは出し入れしているの? スーツのポケットは使わないってホント? 今回は、スーツのポケットに関わる日本独特のマナーと素朴な疑問にお答えします。

スーツにポケットってなんでついてるの?

そもそもポケットは何を目的として付けられたのでしょうか? スーツはジャケットとパンツにそれぞれ複数のポケットが付けられています。 しかし、実際に用途が決まっているポケットは2つです。 スーツの胸ポケットと内側にある内ポケットです。 ジャケットの腰ポケットと、パンツのポケットはデザインとしての面が強く、実際には使用しません。 ポケットデザインはスーツの見た目の印象を左右するため、着用シーンに合わせた格式や雰囲気を考慮してスーツを仕立てることがおすすめです。

スーツのポケットの種類

胸ポケット

胸ポケットはスーツの左胸につけられたポケットを指します。 胸ポケットが誕生したきっかけはポケットチーフでした。 最初に貴族の間でポケットチーフが流行し、スーツにポケットチーフのためのポケットが必要だという流れになりました。 その際に、それまではコートに付けられていた胸ポケットが、スーツにも付けられるようになり、そのまま現代へ受け継がれています。 胸ポケットは装飾品であるポケットチーフを入れる場所として使用しましょう。 万年筆など何か物を入れたい場合は胸の内ポケットを使います。

ウェルトポケット

ポケット口に角度やカーブを入れない胸ポケットをウェルトポケットと呼びます。 帯状の生地がポケット口に付けられており、スーツの一般的な胸ポケットになります。

バルカポケット

ポケット口の帯状の生地が船底型にカーブして、先端が鋭角になっているものをバルカポケットと呼びます。 イタリアスーツに多い仕立てで、胸を立体的に見せる効果があります。

腰ポケット

フラップポケット

ジャケットの腰部分に付けられたフタ付きのポケットです。 スーツの裾とほぼ並行で、角度をつけていない標準タイプのポケットを指します。

チェンジポケット

伝統的なブリティッシュスーツでは、腰ポケットが縦に2つ並んでいるタイプがあります。 上の小さなポケットはチェンジポケットと呼ばれ、かつて小銭(コイン)を入れるために使われていたポケットです。 現代では、実用的な意味はあまりなく、デザインとして採用されているケースが多くなります。 クラシックな雰囲気をもつディテールとして、ブリティッシュスタイルと相性がよい仕立てです。 チェンジポケットがウエストの高い位置にあることで、スタイルが美しく見える効果があります。

スラントポケット

スラントポケットとは、ポケットの角度が斜めになっているポケットです。 ポケットの両端の高さが異なり、前ボタンに近い側が高くなっています。 視覚的な効果があり、スタイルがスッキリとして細く見えます。 イタリアンスタイルとの相性が良い仕立てです。

パッチポケット

パッチとは生地を当てて縫い付けるというような意味を持ち、ジャケットの表面に縫い付けられたカジュアルなポケットです。 基本的にはスーツに簡易縫製であるパッチポケットは付けません。 ポケットがカジュアルになりスーツの格式と合わないためです。 そのためパッチポケットは主にジャケットなどに採用されています。

ノーフラップポケット(玉縁ポケット)

フラップポケットのフラップが無く、ポケット口に玉縁(帯状の縁飾り)が付けられているタイプです。フラップを必要としない室内使用が基本のフォーマルなどで採用される仕立てです。

フラップポケットの格式

スーツの着用予定に合わせた仕立てを選びましょう。 フラップポケットの格式は装飾性が強くなるほどカジュアル寄りです。
  • ノーフラップポケット・・・タキシードなどの仕立てでフォーマル感が強いポケットです。
  • フラップポケット・・・床と平行な標準ポケットがスーツでは格式が高くなります。
  • スラントポケット・・・角度が付けられたポケットはお洒落になるため、少し格式が下がります。
  • チェンジポケット・・・伝統的なデザインですが、元が実用面で使われていたポケットのため、スラントポケットよりもカジュアル寄りになります。ビジネスシーンではポケットの存在感が強く、華美に見える場合があります。
結婚式用のスーツとして仕立てる場合は、フラップポケットかスラントポケットを選ぶとフォーマル感が高まります。 一般的なビジネスでもフラップポケットとスラントポケットが場面を選びません。 チェンジポケットは少し個性が出るため、印象が気になるような大切な場面では避けた方が安心です。 ノーフラップポケットは、ドレッシーな雰囲気ですが、ビジネススーツでノーフラップポケットを着用することも可能です。 フラップの無いシンプルな腰回りは、スッキリとして見えます。

パンツポケット

ヒップポケット

パンツのヒップ部分にあるポケットがヒップポケットです。 ピストルを入れていた時代があり、ピスポケットとも呼ばれます。 右側のヒップポケットには、ボタンやフラップがなくピストルが取り出しやすくなっており、左のポケットには物が落ちにくくなるようにボタンやフラップが付けられている場合が多くなります。

サイドポケット

パンツの横部分にあるポケットは、サイドポケットと呼ばれます。 ポケット口が若干前に傾斜して付けられたものがフォワードセットポケットです。 少しカジュアルな雰囲気になります。 パンツの横の縫い目(サイドシーム)に沿った、傾斜がないポケットをバーティカルポケットと呼び、フォワードセットポケットよりも格式高い雰囲気が特徴です。

スーツのポケットは使用しない

スーツは体にピッタリと合うサイズ感で仕立てるため、ポケットに物を入れると、シルエットが崩れてしまいます。 ジャケットの腰ポケットは中身が腰骨に当たることもあり、物の厚みがダイレクトにシルエットを乱すため使用を避けます。 パンツのポケットはジャケットの裾に隠れますが、見えないからと言って使用するとスーツが破れる可能性が高くなります。 スーツの生地はカジュアルな服よりも比較的薄く、柔らかいため強度がありません。 スマホや財布をポケットに入れたまま座ると、ポケットの縁や、ポケットの底近くにピンポイントで圧力が集中して生地が裂けます。 スーツは破れてしまうと修理が難しいため注意しましょう。 ヒップポケットやサイドポケットに物を入れたまま着席することは避け、移動時に一時的に入れたとしても、座る時には取り出すようにすると安心です。

内ポケットを使う

スーツでポケットを使う場合は、胸の内ポケットに限定して使用します。 胸の内ポケットは、物を入れても比較的シルエットに響きにくくなっています。 スーツの適正な着用サイズとして、胸の内ポケットの位置に拳一つ分の余裕を取りますが、これは薄い長財布程度までは、胸周りに入る余裕を持たせているためです。 また、胸から腰骨よりも上の位置にある内ポケットは、シルエットに響きにくいため、使用することが可能です。 内ポケットであっても、名刺入れやボールペン、薄いハンカチ程度が目安です。 3㎝以上の厚みがある物は避けましょう。

フラップって何?

フラップ(flap)とは、雨蓋です。 文字通り雨やホコリが入らないようにするためのフタです。 フラップポケット(flap pocket)は、このフタのついたポケットを指します。 屋外での雨やホコリ対策として付けられたため、室内着であるタキシードなどには付けられていません。 現在は、実用面よりもデザインとしてフラップが残っています。

スーツフラップの幅

フラップの幅は、一般的には5cm程度です。 スーツは全体バランスを重視するため、襟が細いナローラペルのスーツはフラップも細くなります。 クラシックなスーツは襟幅が広くなりますが、フラップが5㎝以上に広くなることはあまりありません。 現在はナローラペルの流行が落ち着き、標準的なラペル幅(8㎝程度)が主流になっているため、フラップの幅は5㎝程度が目安となります。

スーツフラップだけ色を変えられる?

スーツのフラップだけ色を変えることはできません。 ボタン色やボタンホールの糸の色などは変更できますが、スーツ生地自体の部分的な色変更は避けましょう。 スーツの色柄はダークカラーの無地が格式高いため、色数が増えたり、派手になったりするほどカジュアルな印象になります。 ポケットでさり気なくオシャレをしたい場合は、チェンジポケットやスラントポケットがおすすめです。 ブリティッシュスタイルのスーツにチェンジポケット、イタリアンスタイルのスーツにスラントポケットなどを選択すると、統一感があり洗練された印象になります。

フラップってポケットに入れる?出す?

フラップは、屋外では表に出し、屋内では中にしまうのが基本ルールです。 しかし、現代の多忙なビジネスの現場で実践することはかなり困難だと言えます。 一般的なビジネスでは、フラップは出したままで問題ありません しかし、失敗できない場面ではルールを実践しましょう。 実は、日本国内ではフラップの出し入れは人によって、出すべき、できる範囲で良い、どちらでも構わない、出さなくて良い、とかなり意見が分かれます。 比較的、若い世代では気にしない方が多く、長年スーツに親しんできた世代では、ルールが浸透しているため、出したままでは失礼だと感じる傾向にあります。 マナーとしてのルールは、会う相手に不快感を与えないことが目的です。 相手が入れていたら入れるなど、状況に応じて使い分けることも大切です。

スーツポケットのフラップのマナー

フラップのルールは日本独特のルール?

フラップのルールは日本だけのルールという訳ではありません。 ただ、日本人は礼節を重んじる国民性のため、先方に失礼が無いようにという心遣いから、マナーやルールを守ります。 国外よりも少し、ルールに対して厳しい側面があるといえます。 そのため失敗できない場面ではルール通りが無難と言えます。
  • 就活・・・面接官がフラップについて厳しいかどうかを知る方法はありません。 各会社の社風などを考慮して、フラップの出し入れを決めましょう。
  • 外資系・・・フラップのルールは海外ではあまり重視されません。 出し入れは特にしなくても問題ないケースが多くなります。 比較的、フラップのマナーに関しては、国内の方が厳しいと言えます。

世界的なフラップのルールは出したまま

ジャケットの腰ポケットはシルエットが乱れるため使用しないという基本ルールがあるにもかかわらず、フラップのルールが厳しく残っているのは不思議ではありませんか? 実は、使用しない腰ポケットのフラップに関するルールは、世界的に見ると出したままが一般的です。 厳密には、海外ドラマや、首脳会談、各王室の着こなしなどを見ても分かる通り、絶対的なルールというほどでもありません。 屋外でも屋内でもしまっていたり、出したままだったり、ルール通りだったりもします。 いずれにしても共通しているのは、ポケットに物を入れない美しいシルエットが保持されている点です。 重要なのは、出すかしまうかのルールよりもシルエットや着こなしといえます。 フラップのルールを守ろうとして、中途半端に片側だけ出ていたり、綺麗にしまえず、はみ出てしまたりすると、かえって印象が悪くなってしまいます。 フラップの左右が揃っていて見た目のシルエットが美しければ、極端に失礼な印象にはなりません。 フラップをしまうタイミングがなければ、無理せずに、そのままビジネスに臨みましょう。

オーダースーツ専門店「オーダースーツSADA」とは?

オーダースーツSADAでは、立体的で体にフィットするフルオーダーでスーツを仕立てられます。 体型を採寸して作る個人の型紙は、データとして保存できるため、2回目以降の注文はネットで完了できます。 オーダーの醍醐味ともいえる型紙作成を、自動設計システムで現代的に効率化したスーツはコストパフォーマンスが高くシルエットも美しい点が特徴です。 さらに、スーツスタイルに合わせて、ポケットデザインもお好みに変更が可能です。 ブリティッシュスタイルに伝統的なチェンジポケットのアクセントを加えたり、イタリアンスタイルにスラントポケットでスリム効果をプラスすることもできます。 ボタンや裏地など関連するオプション豊富に用意しています。 ぜひ、お気軽にお立ち寄りください。