「アメトラ」とは?魅力やコーディネート、アメリカントラディショナルの伝統と現代のファッションとの融合 – オーダースーツSADAのアイキャッチ画像
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「アメトラ」とは?魅力やコーディネート、アメリカントラディショナルの伝統と現代のファッションとの融合 – オーダースーツSADA

近年、アメリカの歴史や文化が感じられる「アメトラ(アメリカン・トラディショナル)」を取り入れたスタイルの人気が高まっています。欧州の伝統的な装いと比べると、カジュアルな印象があるかもしれませんが、ビジネスの場で扱いやすいアイテムも豊富にあります。

アメトラの代表的なアイテムであるブレザーやチノパンは、働き方の多様化が求められている現代のビジネスシーンにもマッチします。この記事では、アメトラの定義や基本のスタイル、アメカジ・ブリトラとの違いを解説します。アメトラをスーツスタイルに取り入れるポイントについてもまとめているので、ぜひチェックしてみてください。

アメトラとはアメリカン・トラディショナルのこと

アメトラとはアメリカン・トラディショナルの略称で、クラシックなデザインと実用性を両立させたファッションスタイルを指します。まずは、アメトラの定義と魅力、日本における独自の進化について見ていきましょう。

アメトラの定義と魅力

アメトラ(アメリカン・トラディショナル)とは、アメリカ東海岸の上流階級文化をベースにしたクラシックなファッションスタイルを指します。スーツやジャケットはゆったりとしたシルエットとなっており、上品でありながらも堅苦しくないのが魅力です。

紺のブレザー×ベージュのチノパンがアメトラの王道コーデとして知られていますが、ボタンダウンシャツやペニーローファーをはじめ、時代を超えて愛されるアイテムが数多く生み出されています。

アメトラのスタイルに共通しているのは、過剰な装飾を避けた「抜け感」です。エレガントな欧州のスーツスタイルと比べると、シンプルでスタイリッシュなデザインが特徴となっています。

日本におけるアメトラの受容と変遷

アメトラは1960年代以降、日本でも「アイビールック」として若者の間で浸透しました。その後、アメリカ東部の名門私立高校に通う学生たちをモデルとした「プレッピーブーム」を経て、日本独自の解釈を加えたスタイルが次々と世に送り出されてきました。

また、1990年代には日本で進化を続けてきた「和製アメトラ」が本場であるアメリカに逆輸入されるという現象も起きています。2000年代以降は、この和製アメトラが再評価される動きが活発になっており、ファッションシーンに新しい風を吹き込んでいます。

アメトラの起源

アメトラの起源は、19世紀末のアメリカ東部だとされています。当時開発が進んでいた東海岸には名門大学が多く建設され、上流階級の人々が集まっていました。

アメトラスタイルは、東海岸で暮らす上流階級の人々に愛され、広まっていったのです。ここでは、アメトラが生まれた背景や流行の歴史について紐解いていきます。

アメトラの歴史的背景と発祥

アメトラスタイルは、19世紀末から20世紀初頭のアメリカ東部の名門大学(アイビーリーグ)を中心に発展してきました。アイビーリーグとは、ハーバード大学やイェール大学を含む8つの大学の総称です。

英国スタイルをルーツにしつつ、アメリカ独自の実用性と自由な精神を取り込んで形成されたアメトラは、アメリカ経済の成長と共に世界的なトレンドとして広がっていくことになります。

時代ごとのリバイバルと進化

19世紀末から徐々に浸透していったアメトラスタイルは、第二次世界大戦が終わった1950〜60年代の好景気の中で黄金期を迎えます。その後、旧来の価値観に対抗するヒッピー文化の台頭もありながら、1980年代にはプレッピーとしてブームが再燃します。

21世紀以降はモードやストリートと融合した現代的アレンジが登場し、新しい時代にマッチしたファッションとして進化し続けています。

アメトラには3つの基本スタイルがある

アメトラには3つの基本スタイルがあります。

それぞれ紹介していきます。

アメリカントラッド

英国の上流階級の服装にはブリティッシュトラディショナルというスタイルが存在します。

そのスタイルにアメリカ独自の自由で効率性を重視したカジュアルな要素が入り誕生したのがアメリカントラッドといわれています。

当時流行していたブリティッシュトラディショナルに対し、ダーツがなく身体のラインを拾わないゆったりとしたスタイル、肩パッドは薄く3つボタン段返りのスタイルがアメリカントラディショナルのスタイルです。

どちらかというとカジュアルな合わせが多く、幅広い層に人気がありました。

アイビールック

アイビールックとは、1950年代から1960年代にかけてアメリカのアイビー・リーグの大学生たちが着用していたファッションスタイルのことです。

アイビーリーグは、ハーバード大学、イェール大学、コロンビア大学、プリンストン大学、ダートマス大学、ペンシルバニア大学、ブラウン大学、コーネル大学の8つの大学を指し、これらの大学を中心にアメリカ合衆国東海岸の名門私立大学が集まるリーグのことです。

アイビーリーグの学生たちは伝統的なアメリカンスタイルのスーツを着用しており、そのスタイルがアイビールックの基礎となっています。

スーツスタイルをよりカジュアルに自由に着崩したスタイルですね。

金ボタンのついたボックスシルエットのブレザーにチノパンツなどのカジュアルなパンツ。

合わせるシャツもボタンダウンなどカジュアル要素の強いアイテムでした。

アイビールックのスタイルはその後アメリカ合衆国の大衆文化に浸透し、ジャズミュージシャンや俳優たちによっても取り入れられたそうです。

現代でもアイビールックのスタイルはクラシックでありながら、洗練されたスタイリッシュさを持っているため人気があります。

プレッピー

1970年代後半〜1980年代に流行したスタイルがプレッピーです。

社会制度への反発や、新しい価値観を主張する若者達が生み出したスタイルといわれています。

プレッピーのスタイルは、アメリカントラッドやアイビールックと共通する特徴を持っていますが、よりカジュアルでありカラフルな生地や柄物を使うことが多かったそうです。

アメトラとアメカジとブリトラの違い

アメトラとアメカジの違い

アメトラとアメカジは、アメリカンスタイルの中でも特に代表的な2つのスタイルといわれています。

ですが、2つのスタイルには多くの違いが存在します。

アメトラはアメリカン・トラディショナルの略であり、伝統的なアメリカンスタイルを表す言葉です。

一方、アメカジは、アメリカンカジュアルの略であり、カジュアルなアメリカンスタイルを表す言葉です。

アメカジは1950年代から1960年代にかけて、アメリカ合衆国の若者たちの間で流行したファッションスタイルであり、デニムジーンズ、Tシャツ、フラノシャツ、スニーカー、レザージャケットなどが代表的なアイテムだったそうです。

アメカジはカジュアルでラフな雰囲気があり、カジュアルなイベントやアウトドアなどでの着用に適したスタイルです。

アメトラとアメカジは異なるファッションスタイルであり、異なるシチュエーションでの着用が適しているといえます。

しかし最近では、アメトラとアメカジを組み合わせたハイブリッドスタイルが注目されており、新しいアメリカンスタイルとして注目を集めているそうです。

アメトラとブリトラの違い

「ブリトラ」(British Traditional)とは、イギリスの伝統的なスタイルを取り入れたファッションのことを指します。

ブリトラはアメトラと比べると、よりクラシックでエレガントな雰囲気があるスタイルですよ。

ジャケットは肩パットがしっかり入り、ウエスト部分はタックが入り身体のラインを強調した絞られたデザインです。

力強く気品のあるスタイルは、アメトラやアメカジよりもフォーマルなシーンに適しているとされています。

現代でも英国紳士という言葉が広がっている通り人気のあるスタイルです。

スーツスタイルに取り入れるのであれば、シーンに合わせてアメトラとブリトラを使いわけるといいかもしれません。

アメトラをスーツスタイルに取り入れるポイント

アメトラを取り入れることで、いつものスーツスタイルにクラシカルな変化がもたらされます。一方で、カジュアルな要素の強いアメトラは、シーンによってはマナー違反だと捉えられる恐れがあります。ここでは、アメトラスタイルの注意点や素材と色の選び方のコツを解説します。

アメトラ仕様のスーツを確認する

はじめてアメトラスタイルに挑戦する方は、アメトラ仕様のスーツを選ぶのがおすすめです。ビジネススーツはセットアップが基本なので、着崩さずともどこか抜け感のある仕上がりとなり、全身コーディネートに悩む必要もありません。

アメトラ仕様のスーツは、ナチュラルショルダー、センターベント、ボックスシルエットが特徴です。また、フラップポケットやパッチポケットからもアメトラらしさを感じることができるでしょう。

ジャケパンスタイルで気軽に楽しむ方法

スーツ上下ではなく、ジャケットとパンツを分けることで、プライベートにも取り入れやすくなります。アメトラの王道は、紺ブレにチノパン、白シャツの組み合わせです。

アメトラスタイルには、シャープな革靴ではなく、ぽってりとした丸みのあるデザインがマッチします。ボリューム感のあるローファーやブーツを取り入れながら、アレンジを楽しんでみてくださいね。

素材と色の選び方のコツ

季節に合った素材を選ぶことでアメトラの上品さが際立ちます。春夏におすすめの素材としては、シアサッカー、リネン、薄手コットンなどが挙げられます。色味は、爽やかで涼しげな印象のある白・ブルー系がおすすめです。

秋冬はフランネルやツイードなどが定番素材となっています。ネクタイやシャツ、小物に暖色系のカラーを取り入れながら、季節感のある装いを目指しましょう。

モダンファッションと融合するには?

ファッションのトレンドはおよそ20年周期で繰り返すといわれており、アメトラも「プレッピー」「和製アメトラ」など時代に合わせて進化し続けています。

伝統的なアメトラも根強い人気がありますが、現代的なカジュアル要素をミックスした新しいスタイルの注目度も高まっています。「アクセントとしてスニーカーやキャップを取り入れる」「きれいめなTシャツを合わせる」など、これまでにはない組み合わせにチャレンジしてみるのもよいかもしれません。

アメトラにおすすめのアイテム

アメトラスタイルのアイテムは、コーディネート次第でビジネスでもカジュアルでも活用できます。ここでは、アメトラにおすすめのアイテムをピックアップし、選び方のポイントやコーディネートのコツを解説します。

ジャケット

ジャケットにはやはり定番のネイビーのブレザーを取り入れましょう。

ボックス型の身体のラインを拾わないシルエットはアメトラのクラシカルな雰囲気を演出できます。

また、ボタンを金ボタンにすることでよりアメトラらしいコーディネートに仕上がります。

職場がフォーマル色が強い場合は、銀ボタンに抑えておくことも選択肢です。

チノパン合わせはまさにアメトラらしいコーディネートですが、カジュアル要素が強くなります。

グレーのスラックスで合わせることで色合いも良く、よりビジネスにふさわしいコーディネートが完成です。

紺ブレ

金ボタン付きの紺ブレザーは、アメトラスタイルのマストアイテムです。ビジネスシーンでは、シックな色味のスラックスと合わせることでクラシカルに着こなせます。カジュアルな場面では、チノパンやデニムとコーディネートするのがおすすめです。

王道アイテムの紺ブレに遊び心をプラスしたいなら、オーダーで仕立てる方法もあります。オーダーならボタンの種類も自由に選択でき、自分の好みを詰め込んだ1着が作れます。

ネクタイ

アメトラのネクタイといえばレジメンタルタイです。

異なる色の斜めストライプのネクタイはコーディネートのアクセントにもなります。

赤や緑といったフレッピースタイルを連想させるような主張の強い色が人気です。

ビジネスのシーンで取り入れるのであれば、色の組み合わせが同系色のタイプや青系のレジメンタルにすることで主張を控え知的な印象を与えることができます。

ボタンダウンシャツ

襟元にボタンがついた「ボタンダウンシャツ」は、アメトラスタイルを代表するアイテムです。白やサックスが鉄板のカラーとなっており、オックスフォード生地の厚みがアメトラらしさを引き立てます。

ポロ競技からインスピレーションを得て生み出されたボタンダウンシャツは、クラシカルな中にもスポーティさが感じられ、軽快な印象を与えます。

パンツ

パンツはチノパンツが定番です。

素材は綿を使用していることが多く、スラックスと比べるとカジュアルな印象を与えます。

なので、ビジネスに使用する場合はカラーに気をつけるといいでしょう。

定番のベージュや白、ネイビーなどが清潔感がありますね。

ブレザーとの相性もよく、ブレザーとベージュのチノパンの組み合わせはトラッドの鉄板スタイルです。

トラッドのシューズはローファーが好んで選ばれています。

履きやすいスリッポンスタイルは軽快な印象を与えます。

紐靴に比べるとカジュアルに見えるため、オフィスカジュアルなスタイルに取り入れることをおすすめします。

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アメトラの魅力を現代にどう活かすか 〜オーダースーツという選択肢〜

アメトラは、単なるクラシックスタイルではなく、「個性」と「品格」を共存させることができる希少なファッションジャンルです。アメトラのアイテムをおしゃれに着こなすためには、「きちんと見えるけれど、堅苦しくない」という絶妙なバランスを保つ必要があります。

完成度の高いアメトラスタイルを目指すなら、スーツをオーダーしてみるのもひとつの方法です。オーダーなら自分の体に合ったナチュラルなシルエットで仕立てられ、肩の丸みやラペル幅、ポケットの仕様や裏地の色まで細かく調整できます。こだわりを詰め込んだ1着を作り上げて、アメトラの世界観を自分らしく体現してみてくださいね。

アメトラ(アメリカン・トラディショナル)は、アメリカ東部の名門大学文化を背景に生まれたクラシックなファッションスタイルです。

紺ブレザーやチノパン、ボタンダウンシャツといった定番アイテムを軸に、「きちんと感」と「抜け感」のバランスが魅力。フォーマルすぎず、それでいて洗練された雰囲気が、多様なビジネススタイルやカジュアルファッションにマッチします。

また、アメトラは日本独自の進化を遂げ、プレッピーや和製アメトラといったトレンドも生み出してきました。

アメトラを本格的に楽しむなら、オーダースーツで自分だけの1着を仕立てるのもおすすめ。自分の体型や好みに合わせた細部へのこだわりが、クラシックなスタイルに確かな説得力を与えてくれます。

さらに、季節に合った素材選びや、シューズ・ネクタイとの組み合わせを工夫することで、アメトラスタイルはより洗練されたものになります。シアサッカーやリネンなどの軽やかな素材は春夏に、ツイードやフランネルは秋冬に最適です。

靴はローファーやブーツなど、丸みを帯びたデザインが相性抜群。アクセントにレジメンタルタイを取り入れれば、クラシックでありながらも現代的な印象に仕上がります。

シンプルながら奥深いアメトラスタイル。あなたらしい解釈で自由に楽しみながら、装いに品格と余裕をプラスしてみてはいかがでしょうか。

構成・編集/湯浦 孝恵