スーツは肩で着る!ジャケットがフィットするってどういうこと?のアイキャッチ画像
スーツは肩で着る!ジャケットがフィットするってどういうこと?のアイキャッチ画像

スーツは肩で着る!ジャケットがフィットするってどういうこと?

スーツは、どれほど価格が高く上質なものであっても、体のサイズに合っていなければかっこいい着こなしはできません。スーツ全体のサイズも大切ですが、この記事では特に重要なジャケットのフィット感についてをメインに解説します。ジャケットのサイズを体型にぴったり合わせると、見た目が良くなるだけでなく体が動かしやすくなるため、仕事の効率アップにもつながるでしょう。それだけでなく、生地に余計な負担がかかり傷みを促進させる心配も減ります。ジャケットのサイズを体にぴったりと合わせるには、自身の骨格について把握する必要があります。市販されているスーツの多くは、成人男性の平均的な体型を基に作られているため、必ずしも万人に合うわけではないという点に注意が必要です。また、いかり肩や巻き肩などが原因で、ジャケットにシワができてしまう場合もあるので、姿勢のクセについても理解を深めておくと良いでしょう。シワができるメカニズムを知っておくと、事前に対策できるためその点についても解説していきます。「スーツを着るとなぜか野暮ったく見えてしまう」「自分に合うスーツ・ジャケットを購入したい」と考えている方は、ぜひ参考にしてください。

スーツを着た時にスタイルをよく見せたいというのは誰もが望むことですね。オシャレなスーツは沢山ありますが、そもそもフィットしなかったら…とてもコスパの悪い単なる高価な買い物になってしまいます。今回はスーツ、特にジャケットにスポットを当てた記事となっております。

この記事を読むことでわかること
・スーツのジャケットがなぜフィットしないのか
・ジャケットを選ぶ前に知っておきたいこと

ビジネスマンの命とも言えるスーツ。決して安くはないもの。後悔しないためのスーツ選びに是非ご活用ください!

買ったらしっくりこなかった…ジャケットはどこに合わせて買ったらいい?

ジャケットがちょうどいいという指標のひとつに「内ポケットに入っている小物を無理なく取り出せるくらい」があります。

例えば仕事をしていて、
・作業がしづらい
・手を伸ばせない
・息苦しい
・重く感じる
・肩がこる
・前ボタンが閉まらない
・前ボタンをしないときに前端が余って重なる

これらを感じたことはありませんか?スーツは基本、成人平均体型を基に型紙がつくられています。店頭で試着した時はなんとなくシルエットが良かった気はするけど…というような事態に陥りやすいのです。
スーツを選ぶときは主に「A」「B」「Y」「E」シルエットで決めますよね。これらは、身長、胸囲(チェスト)、胴囲(ウエスト)の3つのサイズから成るのが一般的です。また、サイズはJIS規格(日本産業規格)でも定められています。
しかし平均はあくまでも平均。万人にフィットするということではありません。チェストとウエストが合っていても「骨格」まではケアできないのが実情です。チェストやウエストはある程度筋肉で調整がききますが、骨格はそうはいきませんね。

スーツを購入するときにフィットするかどうかのチェック項目を以下に挙げてみました。これらに気を配られている人はスーツ上級者だと言えます。

襟が首から胸にかけて浮いていない

フロントの理想的な形は、襟(ラペル)が胸に沿って前ボタンまで向かっているイメージです。襟が浮くとどうなるでしょうか?ジャケットの前ボタンに向けてキレイにV字を形成するはずがU字になってしまいます。カッコ悪いですよね。

「浮く」と聞くと、サイズが大きくてどこか生地が余っているからだとイメージしがちです。実は逆で、生地が余っているわけではなく、生地が足りなくなって引っ張られた結果、襟が開いてしまうのが正解です。

主な要因は
・胸板が厚め
・胸を張りすぎている
・チェストが合っていない

一人ではデモがしづらいですが、例えばフィットしているジャケットを着ます。前ボタンを閉めた状態から背中の生地をつまみます。すると襟が浮いてくるのですが、これと同じことが起こっています。

肩にシワが無い

「スーツは肩で着る」という言葉を聞いたことはありますか?肩がしっかりしていないとシルエットが一気に崩れます。肩のシワはジャケットを自分の身体に合わせるための重要なポイントです。また、肩だけでなく袖にもシワができることがあります。

主な要因は
・ジャケットの肩幅が小さい
・ジャケットの肩幅が大きい

肩幅が小さければ肩が横に張り出てしまい、パツパツな印象を与えます。肩先の手前に凸型のシワが現れます。また、肩幅が大きければ肩先が落ちてしまい、ぶかぶかで着せられている印象を与えます。袖口には凹んだシワが現れます。

Xシワができない

Xシワは前ボタンをとめたとき、前ボタンを中心に現れるX字のシワのことをいいます。
襟が浮いてしまう件と大きく関係しています。

主な要因は
・ウエストの絞りすぎ
・反り身(反り腰)

確かに昔と違ってタイトなスーツが主流ですが、特にウエストをさらに絞りすぎると横シワに発展します。そもそも男性の場合、女性のような曲線美を出しにくい身体のつくりをしています。ウエストを絞りすぎると不自然に下半身が強調されてシルエットが美しくなりません。また、ボタンに負荷がかかりますし、作業性も悪くなりますよね。
反り身の場合、身体が後方へ反っているので当然、フロントに生地の余裕がなくなってしまいます。

男性はお尻を隠したほうが良いでしょう。目安としては少なくともお尻の3分の2は隠したいものです。長ければあとで補正をして救えますが、最初から短い場合、たいてい生地を余らせていないのでお直しは不可とお考えください。慎重に選ばなければなりませんね。
既製品の場合、例えば背中の生地を縦方向に詰めるような補正をしてしまうと丈が短くなる場合もあります。

ツキジワ

後襟のすぐ下にできる月の形をしているシワのことをいいます。
シワと言えばコレというくらい代表的なシワです。

ツキジワができる原理は、背中の生地が上へ引っ張られるか、後襟が下がると生地が余ってしまうことによるものです。
ちなみにツキジワの反対は「襟抜け」です。シャツの後襟の付け根を覗かせるくらいスーツの襟が後ろに引っ張られている状態です。例えば女性が着物や浴衣を着付けた時に「襟を抜いて」うなじを魅せるアレと同じです。ただしスーツでは襟を抜くことはしません。ジャケットの後襟がシャツの後襟に沿っていることが正解です。

ツキジワの要因のほとんどが主に胸まわりの事情なのですが、もう少し詳しく説明していきます。

意外と見えていない肩のツキジワはなぜできるのか

ツキジワは自分では確認ができませんので気づかない人も多いのではないでしょうか。具体的にどういった要因でなるのか。実は身体のつくりや姿勢に大きく関わっています。

○前肩(巻き肩)
現代人のほとんどが前肩なのではと言われるほどです。スマホやPCの長時間使用により、腕が前のほうに出てきている状態です。例えば、バンザイをしたときに耳より前に腕があると前肩です。
ジャケットの肩の位置より実際の肩のほうが前に位置する分、背中が引っ張られます。するとジャケットは上に引き上げられてツキジワができます。

○いかり肩
前肩(巻き肩)の合併症でもあります。首がすくむことによって肩が持ち上がりそのまま固定されてしまう状態です。別名「両肩甲骨挙上位」ともいいます。
かなり厄介で首まわりの筋肉が硬化してしまいます。その結果、肩甲骨が引き上げられてしまいます。例えば、鎖骨が極端に逆ハの字の場合はいかり肩である可能性が高いです。

ツキジワとは関係ありませんが、いかり肩の反対の関係、「なで肩」についても知っておきましょう。なで肩は肩が落ちてしまっている状態です。この状態でジャケットを着ると、肩先が浮くが、腕の位置は低いためアームホール(袖の付け根)が引き下げられます。すると、脇のあたりに「ダキ落ちジワ」ができて、さらに背後へ腰に向かって生地が余る状態になります。

○反り身(反り腰)
身体が後方に反っているため首の後ろに生地が余ることになります。また、背中のウエストあたりに「逆ハの字のシワ」ができてしまうのも特徴です。逆にフロントは生地に余裕がなくなり、Xシワができやすくなります。
また、反り身の反対は屈伸体です。前傾、猫背とほぼ同じと思ってください。屈伸体の場合、ツキジワではなく「襟抜け」が起こります。

○後首
人の首の骨は垂直ではありません。少し前方向にカーブしています。ところが後首は文字どおり「首が後部へ寄りかかるような形」になります。ストレートネックに近いイメージです。反り身と同じく、首の後ろに生地が余ることでツキジワができます。

○サイズが小さい
特にチェストまわりのサイズが小さいことです。サイズの小さいジャケットを着たことがある方はわかると思います。両脇の生地を持たれて上にグッと引き上げられる感覚です。当然シワができてしまいますね。

肩パットはなぜ入れる?

肩パットと聞いてどんなイメージを持ちますか?時代遅れや古いイメージでしょうか?
肩パットは時代とともに薄めの方向になっています。特にイタリア製のスーツは薄いものが主流です。一昔前は、肩パットを追加できたのですが、今は自分で取ったり外したりできるジャケットは見かけなくなりました。

○肩パットを入れるパターン
・保管時の型崩れ防止
・なで肩補正用
・肩先が落ちて背中にシワができている

○肩パットを入れないパターン
・いかり肩補正(パットを薄くする場合もあり)
・今っぽさを強調
・カジュアルスーツ(セットアップ)

また、肩パットと共にユキワタという材料も使われることがあります。これは袖口の補強のために入れるもので、ソフト感を演出します。

「スーツは肩で着る」とは言え当然、肩パットだけでシルエットが決まらないのは、今までの話からご理解いただけたと思います。体型補正のためのひとつの方法ですね。

自分の体に合ったスーツを買うには

まず、今持っているスーツを着てみてください。もしフィットしていない場合のお直しについていくつか例を挙げてみます。イメージしてみてください。

○いかり肩は「ツキ取り補正」
文字どおりツキジワで発生した余った生地を削って取ります。また、肩先をいかり肩に合わせて上げるかという補正も可能です。ところが仮に肩先を補正するとアームホール(袖の付け根)まで上がってしまいます。当然、胴の厚みは上に行けば行くほど薄くなりますので、アームホールの径を小さくするしかなくなりますね。すると袖回りが合わずしっくりこないという問題が発生します。
肩先を補正するより、シワが発生した襟の部分で補正するほうが良いとされています。

○反身は「反身補正」
背中で余る生地の分量を測定します。背中全体に生地が余るため、縦方向を詰める作業になります。同時にジャケットの前丈と後丈のバランス調整をしないといけなくなりますね。

○前肩は「背中を広げる補正」
背中を広げることで、アームホールを前に移動させます。このままですと胸の襟辺りが抜けやすくなるため胸幅は狭めます。ただし、普段が前肩であることを前提に補正するため、逆に胸を張ったときにフロントの可動域が狭い感じがしてしまいます。

○サイズが小さい場合は胸まわり
単に胸まわりの生地を広げても今度はボリュームとメリハリがなくなりのっぺりとしたジャケットになってしまいます。

どうしてもシワがゼロにできないなら、せめてシワになりにくいストレッチ性能がある生地を選ぶのもスーツとうまく付き合う方法のひとつです。ウール100%にこだわるよりもウール&ポリエステルで機能性を重視しましょう。

○ウール&ポリエステル →機能性重視!
・擦れると毛玉になりやすく、テカリが発生
・ストレッチ性能に優れるものが多く、シワがつきにくい
・洗えるものもある

○ウール100%    →デザイン性重視!
・シワがつきやすい
・強度が弱め
・上質で高級感のある適度な光沢
・発色性がよい

さて、補正のイメージはできましたか?
補正と言っても例えば、肩甲骨が極端に出ていると対応が難しいですし、人の骨格はそう簡単に直せませんね。さらにジャケットは様々な型(パーツ)が合わさってできているので、どこか1ヶ所を直せばいいというわけでもありません。あっちを直せばこっちが合わないという「トレードオフ」な関係になっていることもしばしばあります。全体を調整しながら妥協点を見つけなければいけないのも補正の運命です。

自分の体に合ったスーツを探すためにはまず、
・自分の骨格を知ること
・自分の普段の姿勢や癖を知ること

生まれ持った骨格は直せませんが姿勢であれば、ストレッチや意識付けをすることで、できる限り改善していくことは可能です。

オーダースーツ専門店「オーダースーツSADA」とは

「骨格までもカバーできるスーツがほしい」
「遠目から見るシルエットはバッチリなのに、近くで見るとシワだらけ…」
「既製品の補正は追加コストがかかる」

そんな時はオーダースーツという選択。

「オーダースーツSADA」の魅力
・身体全体20ヶ所を丁寧に採寸
返金保証一ヶ月
・サイズ割り増しなし
・ウエストお直しずっと無料
・一貫体制&マシンの導入によるコスト削減

オーダースーツを選択するという壁をグンと低くしています。
お客様の悩みをひとつひとつ一緒に解決していきましょう。
今回の記事で学んだことを活かした上で是非、「ツキジワが出ていないか?」という相談をしてみてください。
「オーダースーツSADA」の詳しい詳細、ご来店の予約はこちらから承っております。
下見だけでも大歓迎です。お気軽にお越しくださいませ。

スーツのジャケットは大きすぎると不格好に見えてしまい、一方でタイトすぎると体を動かしにくい状態になってしまいます。息苦しさを感じないことや腕を伸ばしやすいこと、体を反らせやすいことなど、日常的に自分がどんな動きをするかに合わせてサイズ調整を行うと良いでしょう。肩幅や形とジャケットの肩部分が合わないと、上質なジャケットであっても思った通りの着こなしができない場合があります。その時は、肩パッド入りのジャケットを選ぶのもおすすめの方法のひとつです。肩パッドを入れると、保管のためにハンガーにかけていても型崩れしにくく、着用時もなで肩を補正でき、ジャケットがずり落ちて背中にシワが寄ってしまう状況を避けられます。市販のスーツは汎用性が高く価格もリーズナブルなものが多数ありますが、体型・骨格によってはフィットする1着を見つけられない方もいるでしょう。その場合頼りになるのが、オーダースーツ専門店です。普段よく着るスーツだからこそ、1着1着採寸して注文することで、着心地の良さを実感しながら日々の仕事に勤しめます。オーダースーツといっても低価格から作れるため、合わないスーツやジャケットに悩んでいる方は利用をおすすめします。