ウイングカラーシャツの特徴とは?着こなし方を教えて!のアイキャッチ画像
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ウイングカラーシャツの特徴とは?着こなし方を教えて!

ウイングカラーのワイシャツを持っていますか?定番のレギュラーカラーやワイドカラーのワイシャツしか持っていない、という方も多いでしょう。ウイングカラーはビジネスシーンではなくフォーマルなシーンで着用することが多いため、結婚式などの冠婚葬祭に出た経験が少ない方には馴染みがないかもしれません。今後結婚式にお呼ばれした時のことも考えて、ぜひウイングカラーシャツについても知っておきましょう。ウイングカラーシャツは襟が立ちあがり、襟先だけが折り返されたまるで「鳥の翼」に見える特殊なデザインのシャツです。まさに華やかさを演出できる見た目で、結婚式をはじめとするフォーマルなシーンで着用されます。一般的なネクタイを締められないため、蝶ネクタイやアスコットタイを合わせるのが基本です。普段は滅多につけることのない蝶ネクタイは、ウイングカラーシャツに合わせるので、ぜひ覚えておいてくださいね。今回はスーツコーデの専門家「オーダースーツSADA」の現役スタッフが、「ウイングカラーシャツの着用シーン」や「ウイングカラーシャツに合わせるスーツ、ネクタイ」「定番コーデや着こなし方、着用するうえでの注意点」について解説します。

ひと口にシャツといっても、その種類は実にさまざまです。特にカラーの違いはスーツの印象を左右することもあるため、選ぶ楽しさもありますよね。そんなカラーの中でも、特によく見かける定番のものが「ウイングカラー」です。今回は、スーツを着る際に知っておきたいウイングカラーシャツの特徴について詳しく解説していきます。

ウイングカラーシャツってどんなもの?

ウイングカラーシャツとは、襟全体が立ち上がり、襟先だけが前に折り返されているタイプのシャツのことです。折り返された襟先が、まるで鳥の翼のように見えることから「ウイング」という名称が付けられました。一般的な形の襟のバタフライカラーのほか、襟先を丸くしたラウンドウイングカラーもあります。立ち上がっている襟のシルエットから「襟高」や「立襟」などと呼ばれる場合もありますが、いずれも同じウイングカラーを示すことに違いはありません。
ウイングカラーは格式高い襟の形として知られており、古くからフォーマルな場で用いられてきました。イギリスでは、伝統ある競馬場の正装として着用が求められていたほどです。この歴史は現在にも引き継がれており、格調高いシャツの正装として広く親しまれています。
ちなみに、ウイングカラーの場合は首周りの襟がほとんど折り返されていないため、一般的なネクタイを締めても固定できません。位置や形がずれやすく、時間が経つと崩れてだらしない印象になってしまいます。これを防ぐため、襟の後ろ部分に「背テープ」という紐が取り付けられているウイングカラーシャツが多いです。ここにネクタイを通して締めると、形が崩れてしまうのをある程度防げます。カッコいい着こなしを維持するために欠かせないものなので、ウイングカラーシャツを選ぶときは背テープが付いているかチェックしましょう。

ウイングカラーシャツのデザイン

ウイングカラーシャツは、襟に特徴があるだけでなく、シャツとしてのデザインもさまざまなタイプがあります。たとえば、シャツ前面の胸の部分にプリーツが付いているタイプや、袖口がダブルカフスになっているタイプ、胸の留めボタンにスタッズを取り付けられるタイプなどが代表的です。また、ボタンを隠せる比翼仕立てと呼ばれるタイプもあり、どれもオシャレなので迷ってしまいますね。
プリーツタイプは、スタンダードなウイングカラーと比べると目立つため、タキシードなどオシャレなスーツに合わせるのがおすすめです。ダブルカフスタイプは、ジャケットの袖口から覗く手元をゴージャスに飾れるため、華やかなシーンにぴったりです。スタッズを取り付けられるタイプは、人目に付きやすい留めボタンにアクセントを与え、オシャレで個性的な印象を演出できます。比翼仕立てタイプは、前立てを二重にすることで留めボタンをすべて隠し、スッキリした印象になります。よりフォーマル感が高まるので、どのデザインを選べば良いか迷ったら比翼仕立てを選んでおくと無難です。
基本的には、ウイングカラーシャツであればある程度フォーマルなシャツと認められるため、どのデザインを選んでも構いません。ただ、シャツを着て行く先によってはドレスコードが厳しい場合もあるため、事前に確認しておきたいところです。デザインひとつで印象ががらりと変わることもあるので、目的に合わせてオシャレを楽しみましょう。

どんなシーンで着用すべき?

一般的な襟のワイシャツとは違い、ウイングカラーシャツは独特の形状をしているためビジネス向きではありません。オシャレだと思い込んで職場に着ていくと、逆に恥ずかしい思いをしてしまうため注意しましょう。ウイングカラーは、あくまでも結婚式や披露宴などフォーマルシーンで着用する華やかなシャツなのです。
礼服の中には、ウイングカラーシャツと一緒に着ることがマナーとされているものもあります。このため、ウイングカラーシャツは礼服を着るような主賓格が着用するのが一般的です。もちろん、主賓格でなければ着てはいけないわけではありません。たとえば、結婚式なら男性ゲストが着ても構わないのです。ただし、新郎がタキシードやモーニングなどと合わせてウイングカラーシャツを着るケースが多いため、新郎以上に目立たないよう注意するのがマナーです。この場合、礼服よりも格が低いダークスーツやブラックスーツなどと合わせて着るようにしましょう。フォーマルであると同時にオシャレな着こなしができるシャツでもあるため、二次会に着てくる男性ゲストも多いです。
また、結婚式や披露宴だけでなく、公式行事や記念の場などで着ても問題はありません。たとえば、入学式や卒業式、パーティーやクラシックコンサート会場など、フォーマルが求められる場であれば違和感はないので積極的に着てみましょう。

ウイングカラーシャツに合わせるスーツ

正装として礼服と合わせるケースが多いウイングカラーシャツですが、ほかのスーツと合わせてももちろん問題はありません。その中でも、比較的よく合わせられるのが「ブラックスーツ」と「ダークスーツ」とです。
ブラックスーツとは、一般的に略礼服と呼ばれるスーツのことです。名前の通り、真っ黒で模様の入っていないシンプルなスーツになります。一方のダークスーツは、ビジネスシーンでも着用されるダークグレーや濃いネイビーなどのスーツで、ストライプやシャドーなど控えめな模様が入っています。
若い世代の男性はダークスーツを好む傾向が強いですが、ある程度年齢を重ねた男性は落ち着いたブラックスーツをよく着ています。結婚式にゲストとして呼ばれた場合は、どちらを着ても構いません。ただ、新郎新婦の親族などホスト側に近い場合はブラックスーツにしておいたほうが無難です。結婚式以外で着る場合は、会場の格式や周囲の人の服装などにも配慮して選びましょう。どちらを合わせればいいか迷った場合は、よりフォーマル度の高いブラックスーツにしておくと安心です。

ウイングカラーシャツに合わせるネクタイ

ウイングカラーは襟が全体的に立ち上がっているため、普通のネクタイでは形が崩れてしまう恐れがあります。では、どんなネクタイを選べば良いのでしょうか。実は、ウイングカラーシャツと相性抜群なネクタイの定番は「蝶ネクタイ」と「アスコットタイ」なのです。これらのネクタイは型崩れしにくいため、ウイングカラーにはよく合います。また、一般的なネクタイより格式高いとされているため、フォーマル度の高いウイングカラーシャツには最適です。
蝶ネクタイと聞くとカジュアルなイメージを持つ人も多いかもしれませんが、そんなことはありません。蝶ネクタイもウイングカラーシャツと同じく、古くからフォーマルの場で愛用されてきた歴史あるネクタイなのです。ただ、基本的には夜の正装であるため、昼間は着けないよう注意しましょう。折り返した襟元を華やかに飾ってくれますが、一方で胸の部分にスペースが空いてしまいます。この余白が気になる場合は、ジャケットの下にベストを着てみましょう。余白が埋まって美しいシルエットになるだけでなく、ベストを着ることでよりフォーマル感を出せるようになります。
アスコットタイは、一般的なネクタイよりも幅広でボリューム感のあるネクタイです。こちらも、ウイングカラーシャツと一緒にイギリスの競馬場では正装とされていた歴史があり、現在でもフォーマルシーンにふさわしいネクタイとされています。蝶ネクタイが夜の正装であるのに対し、アスコットタイは昼の正装です。カラーやデザインが豊富にあるので、好みのものを選んで首元を飾りましょう。
ただし、どちらのネクタイも「黒色」と「動物柄」はマナー違反です。黒は葬儀、動物柄は殺生をイメージさせてしまうため、ウイングカラーシャツを着るような華やかな場にはふさわしくありません。

ウイングカラーシャツの定番コーデとは?

ウイングカラーシャツを着てみたいものの、全体的なコーディネートがわからないという人もいますよね。そんな人のために、定番のコーディネートを紹介しましょう。
まず、フォーマルなウイングカラーシャツにぴったりな「ブラックスーツ」。略礼服であるブラックスーツは、どんなフォーマルシーンでも浮く心配がありません。ダークスーツでも構いませんが、着ていく場所によってはカジュアルになってしまうおそれもあるため、やはりブラックスーツが安心です。
ネクタイは、蝶ネクタイを選びましょう。ビジネスシーンやプライベートではオードソックスなネクタイをする場合が多く、なかなか蝶ネクタイに挑戦する機会はありません。せっかく蝶ネクタイが映えるウイングカラーシャツを着るのですから、普段使わないようなオシャレなものにチャレンジしてみましょう。
次に、ポケットからちょこんと覗くポケットチーフも欠かせません。ブラックスーツはどうしても色が暗くなってしまうため、アクセントとなる色を選びましょう。定番は白ですが、シャンパンゴールドやシルバー、ベージュピンクなど、上品な明るい色を選ぶとオシャレです。ポケットに入れるときは、きちんと四角く折っていれるTVホールド、ふんわりと入れるパフ、角が上に来るように入れるクラッシュなどさまざまな入れ方があります。
最後に、足元はブラックシューズにしましょう。ブラウンやグレーなど明るい色のシューズは格式高いとはいえないため、フォーマルな場では避けたほうが無難です。この点、ブラックの革靴なら格式においても問題なく、マナー違反になる心配もありません。

ウイングカラーシャツの着こなし方

「マナー違反にならないように定番の着こなしをしたい」と思う人もいれば、「定番じゃつまらない!もっとオシャレに着こなしたい」という人もいますよね。そんな人のために、ウイングカラーシャツの着こなし方を紹介していきます。
きちんとした着こなしをしたい場合は、ウイングカラーシャツに黒のボウタイを合わせましょう。ブラックスーツや礼服にウイングカラーシャツ、黒のボウタイのセットはフォーマル度が高いお手本のような着こなしです。年齢にかかわらず、優雅で格式高い雰囲気を演出できます。
オシャレに着こなしたい場合は、ネイビースーツに合わせてみましょう。ネイビースーツは結婚式に着ていく人も多く、ウイングカラーと合わせるとほどよい格式とカジュアル感を醸し出せます。ウイングカラー部分とそれ以外の部分の色が違うクレリックシャツタイプもあり、蝶ネクタイと組み合わせると個性的なセンスをアピールできます。
もっと個性的にしたいなら、ジャケパンスタイルに合わせるのもおすすめです。ジャケパンに蝶ネクタイ、ウイングカラーシャツという、あえてアンバランスさを演出する組み合わせも遊び心があって面白いでしょう。ただし、かなり個性的な着こなしになるので、結婚式の二次会のようにカジュアルなシーンで着ることをおすすめします。また、派手な色を取り入れすぎず、ネイビーのジャケットにグレーのスラックスなど上品なカラーにするのもポイントです。

着用するうえでの注意点

フォーマルシーンでは欠かせないウイングカラーシャツですが、格式高い正装でもあるため、上級者向けのシャツだといえます。オードソックスな着こなしをするなら問題ありませんが、自分でアレンジしてコーディネートするのは容易ではありません。また、結婚式ではゲストが着るべきではないと考える人もいるため、自分の判断だけで着ないようにしましょう。もし、ほかのゲストに不快感を与えれば、招待してくれた新郎新婦にも恥をかかせてしまうおそれがあります。ウイングカラーシャツを着る場合は、本当に着ても問題ないか、コーディネートがマナー違反になっていないかを確認することが大切です。

ウイングカラーシャツを着こなせるようにしよう!

ウイングカラーシャツは、結婚式や二次会、パーティーや演奏会など、幅広いシーンで活躍してくれるアイテムです。ごく一般的なワイシャツでも構いませんが、ウイングカラーシャツを着ることでワンランク上の格式やセンスを醸し出せます。デザインによってはアクセントにもなり、着こなし次第でカジュアルな印象を持たせることもできます。フォーマル向けのシャツだからと気後れする必要はないので、好みのデザインを探してチャレンジしてみましょう。 ただし、アレンジして着こなすときは、これまで紹介してきたポイントを十分にチェックしてください。コーディネートによっては注意が必要な場合もあるため、その場にふさわしい着こなしを意識することが大切です。上級者向きといわれるウイングカラーシャツをオシャレに着こなし、ひと味違ったセンスをアピールしていきましょう。

ウイングカラーシャツは主に、結婚式や入学式、卒業式やパーティーなど「フォーマル」が求められる場で着用します。結婚式ではダークスーツやブラックスーツと合わせ、新郎以上に目立たないように注意してください。それ以外のシーンでも基本はダークスーツ、ブラックスーツと合わせるのがおすすめです。迷ったらブラックスーツにしておけば、会場の格式や周囲の雰囲気を気にしなくても問題ないでしょう。普通のネクタイはつけられないので、ネクタイは蝶ネクタイやアスコットタイを着用します。特にルールはないので、着用シーンに合わせ「黒色」「動物柄」以外から選びましょう。定番コーデとしては「ブラックスーツ」「ウイングカラーシャツ」「シャンパンゴールドやシルバーの蝶ネクタイ」「蝶ネクタイと同じ色のポケットチーフ」「ブラックの革靴」が挙げられます。個性を出してオシャレに着こなしたい場合は、ネイビースーツを選択するのもアリ。結婚式の二次会のようにカジュアルダウンしてもいいシーンでは、ジャケパンスタイルに合わせる選択肢もあります。ただしいずれの場合も、主役や主賓より目立つことの無いよう、適度なオシャレで上手にコーデしてくださいね!