【スーツ 襟】襟から始まるスーツコーディネート。最適バランスと襟の種類。

スーツのコーディネートと言えば、色と柄の組み合わせ。
しかし、どれほど色柄の組み合わせが良くても、各パーツの調和が取れていないとアンバランスになります。
今回は、スーツの襟に注目し、襟から始まるバランスの良いスーツコーディネートをご紹介します。

襟の構成と種類

スーツの襟は、首周りの上襟と下襟の部分に分かれます。
上襟はカラー、下襟はラペルと呼ばれ、この二つの襟の境目となる縫製のラインがゴージラインです。
このゴージラインの位置は、スーツの雰囲気を左右します。
一般的に、細身のスーツはゴージラインが鎖骨よりも上に、クラシックなスーツは鎖骨よりも下になります。

代表的な襟は6種類

  1. ショールカラー
    タキシードの襟として有名なショールカラー。ゴージラインが無く、ショールのような一枚の襟です。
  2. ピークドラペル
    ダブルのブラックスーツ(礼服)やダブルスーツの襟として知られるピークドラペル。
    ラペルの剣先は上向きで襟幅が広く、重厚さと威厳を備えた襟です。
    ピークドラペルのダブルスーツは、地位が高いことを示す軍服が元になっているデザイン。
    そのため、日本でも社会的地位が高い方や年配の方が着用する風潮がありました。
    しかし、ここ数年でそのイメージが変わり、「ダブルスーツはダサい」というイメージすら今は昔。
    現在は「お洒落な人はダブルスーツ」の印象が強くなっています。
    ダブルスーツのシルエットは、以前の物に比べ着丈が短く、肩はナチュラル、ウエスト回りはスッキリとしたものが流行りで、ジャストサイズがオススメです。
    インナーにハイゲージニットを合わせるなど、ラフな着こなしをする方も。
    ビジネスカジュアルな着こなしが定番となりつつある現在では、ダブルスーツはかなり使いやすくなりました。
    とはいえ、ビジネスシーンで目上の方にお会いする時は、その方のダブルに対するイメージを想像して着用するしないを判断する必要があります。
    心配な場合はダブルの着用を避けましょう。
  3. セミピークドラペル
    ピークドラペルよりも剣先が控えめな襟です。
    剣先の角度が水平となるため、ピークドラペルよりも印象が穏やかになります。
    セミピークドラペルのダブルジャケットは、ビジネスカジュアルに取り入れる方が急増中。
    お洒落でセンス良く見えるため、女性にも人気となっています。
    しかし、セミピークドラペルでも幾分華美な印象を伴うので、インターンシップや研修では、ビジネスカジュアルの指定があったとしても避けた方が安心です。
  4. ノッチドラペル
    ゴージラインを中心にカラーとラペルの襟先角度がV字型になっている襟です。
    スーツの襟としては定番中の定番。
    市販のスーツの襟は、ほぼこのノッチドラペルです。
    格式高いブラックスーツからビジネススーツ、カジュアルなジャケットと、この襟を採用したものは多くあり、最も身近な襟と言えます。
    ノッチドラペルは貴族の服から成立した歴史があるので、すっきりとして洗練された印象があり、ビジネスシーンでは最も好まれる襟です。
  5. フィッシュマウス
    カラーの襟先は丸く、ラペルは若干上向きで、魚の口のように見えるフィッシュマウス。
    襟先が丸みをおびていることもあり、穏やかな優しい印象に見える襟です。
    3ボタンスーツと相性が良い襟であることから、2つボタン全盛の現在は、あまり見かけません。
  6. ローリングダウンラペル
    こちらは少し特殊な襟で、ゴージライン付近ではなく、前ボタン近くに特徴があります。
    前ボタン近くの襟のロールの中にボタンがあり、段返りタイプとも呼ばれます。
    厳密には3つボタンスーツの仕様ですが、襟のロールの中に隠れてしまう一番上のボタンは使いません。
    2つボタンスーツのように2番目のボタンのみを使うため。見た目は2つボタンスーツに見えます。
    最近の3つボタンスーツは、ほぼこのローリングダウンラペルになっています。
    さりげないお洒落として、この仕様は人気があります。

襟幅は3種類

襟幅は、下襟の最も広い部分を基準として3種類に分かれます。

  • ワイドラペル
    襟幅10センチ。クラシックなスーツに多い襟幅で、肩幅が強調されがっちりとした印象に見えます。
  • レギュラーラペル
    襟幅9センチ。流行に左右されない基本的なスーツの襟幅。落ち着きのある雰囲気です。
  • ナローラペル
    襟幅8センチ未満。細身のスーツに多いナローラペル。シャープな印象があります。

ラペルの流行は、このワイド、レギュラー、ナローの間を毎年徐々に移行していくため、今年はナローで来年はワイドと言うような急激な変化はしません。
少しずつ幅が広くなったり、狭くなったりを延々と繰り返しています。
現在はというと、長く続いたナローラペルの流れが止まり、襟幅が広めに変わり始め、レギュラーラペルが最近のメインとなりつつあります。当然ハイブランドなどで、独自のデザインを訴求するケースなど例外もありますが、流れとしては、今後もレギュラーからワイドへ進む可能性が高いです。

襟幅から始めるコーディネート

コーディネートは、ラペル(下襟)の一番広い部分の幅が最初の基準になります。
ラペルの最も広い場所に、ネクタイの大剣の広い部分を重ね、ほぼ同じ幅になるネクタイから色柄を選びます。
この幅のものが、結び目を作った時にバランスが良くなるネクタイです。
次に、ネクタイの大剣の幅と、シャツの襟の幅を合わせます。
例えば、ワイドラペルのスーツであれば、大剣が広めのネクタイ、シャツは比較的襟先までの長さがあるワイドカラーがオススメです。
ネクタイの結び目(ノット)が、シャツ襟の先端を直線で結んだ三角形の中に納まれば、ベストバランスの完成です。
ネクタイの種類によっては結び目が小さくなる事もあるので、その場合は結び方をウィンザーノットに変えてボリュームを出し、バランスを取ります。
このコーディネート方法は、スーツスタイルを遠目に見ても非常に美しく見せる効果があります。
コーディネートの基礎となるルールなので、是非活用して下さい。

襟は影の主役。

襟の存在を抜きにコーディネートは語れません。
お祝い事であれば、ネクタイ、ラペルピン、チーフの三角構成を意識するなど、襟を意識することで、昨日までとはちょっと違うコーディネートが楽しめます。
さりげないお洒落や、バランスの良いコーディネートは印象に残ります。
また、好印象は信頼度を上げる効果もあります。
人は視覚からの情報が、最も印象深いと言われています。
ビジネスシーンでは、会った瞬間に信頼できそうだという印象を勝ち取る事で、その後の商談もスムーズになります。
そのため世界トップクラスのビジネスマンは、どれほど多忙であっても、身だしなみを整え、靴を磨く事を怠りません。
これは、会った瞬間の信頼度が、どれほど大切かを知っているからです。
裏を返せば、完璧な見た目こそ対人関係のスタートライン。
人生の様々な場面で、信頼を得ることは非常に難しい反面、得られた信頼は大きな財産になります。

スーツのコーディネートは、是非、襟を含めた全体的なバランスでお選びください。

オーダースーツの裏技

スーツコーディネートの基礎的なバランスは襟幅に合わせる事ですが、もちろん例外もあります。
毎年、様々な流行をふまえて色柄を決め、常にコーディネートの最適解を探すのは大変。
それでも最新の着こなしをしたい、はたまた、プロ級のコーディネートを簡単に手に入れたいと思う方もいらっしゃるはず。
そんな時の裏技をご紹介します。

新しくスーツを新調する際には、そのスーツに合うコーディネートを同時購入する。

実は、こちらが最も安心で無駄がない購入方法です。
スーツを新調した時、そのスーツに合うもので、最近の流行を意識したシャツとネクタイのコーディネート候補を出してもらい、その中から選びます。
このように同時購入することで、最適なコーディネートが手に入り、なおかつ朝悩まなくても済むため、時短にもなります。
その際には、そのコーディネートがオススメの理由をスタッフから聞いておくと、その後の買い足しの際に役立ちます。

スーツは、見ための基本が変わらないため、あまり目立った流行は無いと思われがちですが、スーツの流行とコーディネートが同調しながら変化しています。
違和感の目安は、3年から5年。
コーディネートに「変ではないけど、何か違う。」という違和感を覚えるのはこのためです。
特に、何年か前に購入し放置したネクタイを使う場合などは注意が必要です。
旬なデザインは今使いましょう。

また、店舗スタッフとコーディネートを選ぶ際は、普段使わないカラーに注目する良い機会になります。
普段使っていないカラーや柄で、似合うものを発見する楽しさ、コーディネートの醍醐味を体験して下さい。
オーダースーツSADAでは、そんな発見のお手伝いをさせて頂きます。

まとめ

今回は、襟にスポットを当ててご紹介しました。
ポイントは以下の4つです。

  • ピークドラペルは地位が高い、年配の方が着用するイメージがあるため、着用シーンは慎重に選ぶ。
  • ピークドラペルのビジネス用はジャストサイズで選ぶ。
  • ノッチドラペルは、ビジネスからカジュアルまで最も汎用性が高い。
  • スーツは襟幅に合わせて、ネクタイ幅とシャツの襟幅を決めるとコーディネートが整う。
  • 流行に合わせたコーディネートを維持したいなら、シャツ、ネクタイはスーツと同時購入。

襟はスーツの見た目を決める、重要な役割を持っています。

この役割と存在を意識することで、ぐっとバランスの良いコーディネートに変わりますので、是非お試し下さい
「あれ?ちょっといつもと違う?」と周囲の人に驚かれるかもしれません。
職場に、きちんとバランスよくスーツを着こなしている人がいると、見るだけで爽やかに、気持ちが明るくなるものです。
ほどよいお洒落は、人間関係の潤滑油。
周りの方を楽しませるような素敵なコーディネートでお出かけになってください。

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