センターベントとサイドベントのどっちがいい?おしゃれに着こなすポイントからセンターベントの歴史まで紹介のアイキャッチ画像
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センターベントとサイドベントのどっちがいい?おしゃれに着こなすポイントからセンターベントの歴史まで紹介

センターベントという言葉を聞いたことのあるビジネスマンは多いと思いますが、詳しいことについては知らない人も多いでしょう。そこで今回は、そもそもセンターベントとは何かからセンターベントをオシャレに着こなすポイントについて紹介していきます。

センターベントとは?

 ベントとは、ジャケットの裾に仕立てられた切れ込みのことです。ベントの種類は大きく分けて3つあり、それは両端に2本の切れ込みのあるサイドベンツ、真ん中に一本の切れ込みがあるセンターベント、切れ込みのないノーベントです。ジャケットにベントがあると着たときに動きやすくなるだけでなく、シルエットにも大きな影響があります。

 サイドベンツはジャケットの後ろにある裾の両側に切れ込みのある仕立て方法です。ベントが二つあるので、複数形となって「ベンツ」となっています。このサイドベンツですが、別名として剣吊りと呼ばれることもあります。その名前の由来はかつての英国では騎士がサーベルを腰に綺麗に差せるように、ジャケットの裾の双方に切れ込みが入っていたことから来ています。このサイドベンツは騎士が使っていたことからもわかるように、もともとは軍服のディテールとして生まれました。威厳や貫禄というものを非常に感じやすく、まさに紳士の国で生まれた装いです。エレガントさを醸し出したい人や、キャリアを重ねて自身の貫禄を表に出したい人にとっては、サイドベンツは非常におすすめです。また先述したようにサイドベンツは腰にサーベルを差すために切れ込みを入れたものですが、現在ではその切れ込みはヒップ周りの圧迫感を抑えるためにも役に立っています。ヒップが大きめな人には、サイドベンツはまさにあっています。とは言え着丈があまりにも短かった場合は本来持っているエレガントさは薄れてしまいますので、気を付ける必要があるでしょう。

 それに対してセンターベントは、ジャケットの後ろに切れ込みが一本入っているデザインであり、馬乗りという別名で呼ばれています。その名の通り由来は、騎士がコートを着た状態で乗馬する場合に、馬の上の鞍に引っかからないように中心部分に切れ込みを入れるようにしたことです。なおコートは元々スーツの原型でしたが、元々は後ろ裾に切れ込みはなかったとのことです。このセンターベントはスタイリッシュな印象があり、周りにはスポーティな雰囲気を与える傾向があります。センターベントはシンプルなスーツスタイルを好んでいる人におすすめです。また最近では着丈のあまり長くない細身のスーツが増加しつつあるということもあり、センターベントのスーツに関する人気が一段と高まっていっています。着丈があまりにも短いジャケットにてサイドベンツを取り入れると、裾が広がることによってかなり不格好になります。

 またセンターベントの上の部分がカギ型になっているデザインもあり、それはブックベントと呼ばれています。ブックベントはアメリカ合衆国にて1950年ごろにアイビールックの一環として生まれ、以来アメリカントラッドにおいて主流のデザインとして扱われています。シンプルなセンターベントはありとあらゆる年代にフィットするというだけあって多大なる人気を博しています。そちらには軽やかな印象を与えやすいという効果もあって特に20代の若いビジネスマンの間ではそちらが主流となっています。サイドベンツの場合と異なり、ヒップの大きな人がセンターベントのジャケットを着るとヒップが強調されて非常に不格好になるため、ヒップの大きな人は着用するのを控えたほうがいいでしょう。

 また中には裾に切れ込みの入っていないノーベントのジャケットもあり、そちらは切れ込みがないので非常に動きにくくなっています。普段使いのスーツには全く適していませんが、ディレクターズスーツなどといった礼装用のジャケットとしては結婚式などの儀礼用の礼装として今でも使われています。ちなみにディレクターズスーツといってもあまり聞きなじみのない人もいるかもしれませんが、黒とグレーのストライプ柄のスラックスに黒色のシングルの2ボタンジャケットを組み合わせたスーツです。スーツは機能性が低ければ低いほどフォーマルとみなされやすいですので、動きにくいノーベントスーツはサイドベンツスーツやセンターベントスーツよりもフォーマルであるといえます。

 このノーベントスーツは先述したように機能性が低く、それゆえ着心地に関してはかなり窮屈ですが、その分後方の裾がしっかりとしていますので、周りにエレガントな印象を与えることが出来ます。普段からエレガントさを演出したい人は普段使いのスーツとしてノーベントのものを使ってみてもいいですが、ビジネスシーンには全くと言っていいほど不適ですので、気を付けるべきでしょう。

 以上の3つがメジャーなベントのタイプですが、ベントのタイプは他にもあり、それはボックスベンツです。このボックスベンツは裾の真ん中に切れ込みがあるという点ではセンターベントに非常に酷似しており、中にはボックスベンツはセンターベントの亜種であると解釈している人も多いです。別で名前がついているというだけあって当然違いがあり、ボックスベンツの場合は切込みが不完全であり、センターから生地が直接開いているような印象になっています。このボックスベンツのスーツはセンターベントが持っている座りやすさや歩きやすさといった動きやすさを演出しつつ、決してヒップを見せないことによって高貴なイメージを作り出すことが出来るという面があります。その上後ろから立ち姿を見た場合、ノーベントのようにも見えますので、動きやすさとエレガントさを両立させることができるのです。たとえボックスベンツのスーツだったとしても、ノーベントスーツのようにフォーマルな場所で着ることはあまり適切ではありませんので、その点は気を付けなければなりません。このボックスベンツのスーツはアメリカントラディショナルスタイルに採用されていますが、日本においてはあまり見かけません。もしボックスベンツのスーツを着たいのであれば、オーダースーツ店に注文して作ってもらうのがベストです。

センターベントとサイドベンツどちらを選ぶべきか?

 センターベントとサイドベンツは双方ともにビジネスシーンでは着用可能なスーツスタイルですが、周りに与える印象や見た目は大きく異なっています。センターベントの場合はスタイリッシュな印象を周りに与えることができ、それゆえシンプルでスッキリとしています。センターベントはジャケットの裾が広がってしまうのを抑えますので、とても動きやすいです。最近のビジネススーツではセンターベントが取り入れられていることも多いですので、選択肢もかなり多くあります。

 それに対してサイドベンツは威厳があってクラシカルであり、それゆえ優雅な印象を周りに与えます。サイドベンツスーツが風の流れなどに合わせて裾が靡くスタイルはかなりエレガントです。またパンツのポケットから何かものを取り出すとき、サイドベントだとシルエットに変化がありません。それに対してセンターベントの場合はウエストから裾の間にヒダが少し入ってしまいますので、少し美しくなくなります。クラシカルな雰囲気が好きな人は、サイドベンツのスーツを着用しても良いかもしれません。

センターベントが似合う年齢や体型

センターベントに関してはどの年代でも似合いますが、強いて言うのであれば20代が一番合っているといえます。センターベントには軽快な印象があり、若々しい雰囲気と非常にマッチするのです。また体型に関しては、ヒップの引き締まった人が一番マッチします。というのもセンターベントの着丈は基本的に短く、それ故ヒップに筋肉があればシルエットがかなり美しくなるからです。逆にヒップに筋肉がない状態で着丈の短いジャケットを着用した場合、ヒップラインが下がっているのが目立ってしまい、非常にだらしなくなってしまうのです。

 またセンターベントの長さは、ヒップが丁度隠れるくらいがいいです。短めが好きな人の場合は、ヒップが少し見える程度が望ましいです。とは言え、あまりにも着丈が短すぎる場合はカジュアルになってしまい、ビジネスシーンにそぐわないものとなってしまいますので、長さには気を付けたほうがいいでしょう。

センターベントをおしゃれに着こなすポイント

 センターベントのスーツを着こなすポイントは前の章でも少し触れていましたが、他にも色々あります。まずはシャツとネクタイのバランスに気を付けることです。センターベントに限らず、スーツを着るときに欠かせないものはシャツとネクタイですが、それらのバランスがとれていないと、カジュアルすぎてしまったり、逆に重くなりすぎたりします。そのようなことになってしまえば、せっかくのセンターベントが台無しですので、シャツやネクタイのバランスには細心の注意を払いましょう。周りにいい印象を与えるためには、スーツ、シャツ、ネクタイを1.5柄でコーディネートするのがベストであるといわれています。この場合は無地を0柄、織柄を0.5柄、普通の柄を1柄と考えます。これの組み合わせでスーツ、シャツ、ネクタイの柄の和が1.5柄になるようにスーツスタイルを決めると、非常にバランスが良くなるのでお勧めです。もしどうしても華やかさを出したいのであれば、素材を光沢感のあるものにすることによって、清潔感を保ったまま華やかさを出すことが出来ます。

 また忘れてはいけないのは、ジャストサイズのスーツを着ることです。いくら素晴らしいデザインのスーツであったとしても、大きすぎるサイズだと野暮ったさ、小さすぎるサイズだと窮屈さを周りに与えることとなります。センターベントの場合はヒップの窮屈さが余計に強調される形となりますのでなおさらです。スーツを購入する際には、絶対に自分の体型に合ったものを選ぶようにしましょう。オンラインでスーツを購入する人も最近では増えていますが、そのような場合は持っているスーツのサイズを確かめながらサイズ選びをすることによって、スーツ選びが失敗することを避けられるでしょう。

 またスーツスタイルをかっこよく見せるためには、ベルトと靴の色を合わせることによって統一感を出すことも重要です。注意してほしいのは、色だけでなくトーンも一緒に合わせるということです。同じ色だったとしても、トーンが異なっていると不格好になってしまいますので、靴とベルトの色を合わせるときはトーンも忘れずに合わせましょう。

 他にもカフスやチーフなどといった小物をアクセントとして加えるのもおすすめです。いくら小物がアクセントになるからといって、ネックレスやブレスレットはビジネスの現場にふさわしくなく、もし間違えて付けて出席してしまえばたちまちビジネスマン失格の烙印を押されるでしょう。ネックレスに関してはTPOによってはOKと判断されることも多いですが、基本的には控えたほうがいいです。

オーダースーツ専門店「オーダースーツSADA」とは?

オーダースーツSADAは宮城県の仙台と中国に自社工場のあるオーダースーツメーカーです。スーツ製造だけでなく中国国内での人材の育成にも力を注いでおり、そちらも海外では高い評価を得ています。

オーダースーツSADAの特徴としては、マシーンメイドのイージーオーダーで作られていることが挙げられます。最初に自動設計システムで購入者の採寸結果からパターンを選び、次に自動裁断マシーンを使って自動設計システムのパターン通りに生地を一枚一枚丁寧に裁断していきます。これらの工程は人力で行うと非常にコストが高く、それが今までオーダースーツの価格が高かった一因なのですが、オーダースーツSADAではこれらを全てオートメーション化・機械化することによって、リーズナブルな価格でのスーツの提供を可能にしました。また店舗は、北は北海道、南は熊本県まで幅広く展開しており、日本全国津々浦々で自分だけのスーツを作ることができるのです。