ポケットチーフの意味と折り方。スーツをおしゃれにする結婚式でのコーディネートを解説!のアイキャッチ画像
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ポケットチーフの意味と折り方。スーツをおしゃれにする結婚式でのコーディネートを解説!

スーツをおしゃれに着こなしたいのなら、ポケットチーフを積極的に使ってみてはいかがですか。胸元にポケットチーフを挿すだけで、華やかさとおしゃれ感をプラスできます。ポケットチーフとは何かの基礎知識から解説し、結婚式やビジネスにぴったりの効果的な使い方、スーツ・ネクタイとの合わせ方、折り方などを紹介していきます。日本のビジネスシーンでは、海外ほどポケットチーフが一般的ではないため、ポケットチーフを使って良いのか、使わない方が良いのか、迷う方も多いのではないでしょうか?海外では一般的でも、日本では華美に見えるため避ける傾向があるなど国民性の違いも含めて解説します。また、ビジネス以外でポケットチーフを使用する代表的な場面として、結婚式があります。結婚式のポケットチーフには、特別な意味があるため、必ず使用しましょう。スーツの着こなしには、細かなルールがあり、ポケットチーフにも素材の選び方や折り方のルールがあります。それほど難しいルールではないため、この機会に覚えてしまいましょう。今回は、ポケットチーフの素材の格式から、場面に合わせた色柄の選び方まで詳しく解説します。ビジネス、結婚式、オフでのジャケットスタイルまで、ぜひポケットチーフのコーディネートを楽しんでください。

ポケットチーフって何?

ポケットチーフと言われても、ピンとこない人もいるかもしれません。結婚式などのフォーマルな場や、テレビのニュースキャスター・タレントなどが胸に入れているハンカチ、という程度の人も多いでしょう。

ポケットチーフとは、胸ポケットに挿す布のことで、ハンカチーフに対してポケットチーフと区別されています。ただし、ポケットチーフという言葉は英語では通用せず、一般的にはポケットスクエア(pocket square)と呼ばれています。

目的は装飾のためであり、純粋におしゃれのためのメンズアイテムと言っていいでしょう。したがって、汗を拭いたり、洗った手を拭くためのハンカチとしては使うことはありません。

また、いる・いらないでいうと必ずしも必要というものではありません。

あくまで、胸元を飾るファッションアイテムとして用いられるのが一般的です。しかし、実用的に使わなくとも、ハンカチを胸ポケットに挿す場合もあります。例えば、カジュアルなジャケットにも合うコットン(綿)のハンカチなどをポケットチーフとして挿すようなケースです。ただし、ビジネス向けのポケットチーフは、もう少し範囲が狭くなります。

ポケットチーフの起源

ポケットチーフの歴史や起源にはさまざまな説がありますが、19世紀末期から20世紀初頭に古代エジプト人やギリシャ人が白いハンカチーフを使っていたのが初めと言われています。また、このタイミングでスーツなどのジャケットに、ポケットチーフのための胸ポケットが付くようになりました。

19世紀中盤に英国で登場したスーツは、その後、約半世紀をかけ室内着から室外着、そしてビジネスウェアと少しずつ世間に認知されて地位を高めていきました。さらに、手を拭いたり鼻をかんだりなど、今よりも遥かに多用したハンカチを収納する胸ポケットは、実用的に改良されました。

古代では、豊富な亜麻の植物があったため、リネンから作られたハンカチーフを使用していました。気候が暖かいので、軽くて強く通気性や柔軟性のあるリネンをメイン繊維として使用していたためです。

14世紀頃は、フランスの貴族が香水を染み込ませて使用し、それから西ヨーロッパに広まり、ハンカチーフが流行します。婚約の約束として女性から男性へハンカチーフを贈るなど、プレゼントとしても使用されていました。また、有名なフランスの王妃、マリー・アントワネットが、ハンカチーフは正方形でなければならないと進言したことで、国王のルイ16世が法律まで作ったという歴史が残っています。シェークスピアの舞台では、ハンカチーフが大切な役割となる場面もあります。

ハンカチーフは女性のイメージが強いですが、少しずつ男性にも広まっていき、スーツの胸ポケットに入れて使用されるようになりました。始めはパンツのポケットにハンカチーフを入れていましたが、ツーピースのスーツが登場してからは、今と同じくジャケットの胸ポケットに収められるようになり、徐々にファッションアイテムとして変化していきました。

ポケットチーフとハンカチの違い

ポケットチーフとハンカチの違いは何でしょうか。ポケットチーフは装飾品ですから、濡れた手を拭くためなどの吸水性はありません。胸元が膨らみすぎると不格好になるということから、ポケットチーフは薄くかさばらない生地でできている特徴があります。また、エレガントに見えるシルクやリネンなどの生地が好まれます。

一方、ハンカチは、手を拭いたり口元をぬぐったりする実用性がなければならないため、吸水性と厚みがある、木綿やタオル地のものが主流です。

ポケットチーフは利便性を考えて作られた胸ポケットに、ハンカチを挿すことからはじまった習慣です。そのため、ポケットチーフがない場合に、ハンカチで代用してもマナー違反にはならないという慣例があります。

しかし、あまりに実用的な汗拭き用ハンカチのようなものをポケットチーフとして使っても、不自然に胸ポケットが膨らむため逆効果です。基本的に、ポケットチーフとハンカチは分けて使うと覚えておきましょう。

ポケットチーフの効果って?

胸元を飾るアイテムであるポケットチーフですが、あらためて、ポケットチーフの魅力は何か考えてみましょう。まず、その人なりのおしゃれなセンスを演出できるアイテムと言えます。例えば、フォーマルシーンに織柄のあるシルバーのポケットチーフは華やかさを与えられるでしょう。

シーンによっては派手なものは避けた方が無難ですが、ポケットチーフでワンポイント加えることで、華やかになりますし、おしゃれに気を使う人として好印象を与えられることもあるでしょう。また、上手に使うことで、スーツ全体のバランスを整える効果もあります。

このように、日本では、フォーマルの場以外ではあまり使われることの少ないポケットチーフですが、ビジネスシーンでも上手に活用できるアイテムです。ビジネスシーンにおいては、ブラックやネイビーなど単調になりやすいスーツ姿の胸元に、アクセントとして白いポケットチーフを使う方法があります。

ポケットチーフを胸ポケットに挿すことで、胸元に清潔感や華やかさがプラスされます。また、スーツ全体にまとまりを与えたり、おしゃれに見せたりするなどの効果があります。シーンに合わせて折り方や色を変えるなど、さまざまなバリエーションがあります。胸元にボリュームを与えることで、スーツ全体に立体感が増します。仕立ての良いスーツを立体的に見せることで、スーツ全体を美しく見せられます。

ポケットチーフは華やかさが演出できるため、結婚式や二次会のパーティーで使用するものと思っている方もいるのではないでしょうか。また、卒業式、成人式などのセレモニーで使用するものと思われがちです。しかし、海外では日常的にポケットチーフを使用しており、ビジネスシーンで使用されることもあります。プレゼンや商談などの特別な時だけでなく、日常的にコーディネートに取り入れられています。日本でも葬式、就職活動など、おしゃれにする必要のない場合を除いて普段使いのスーツにも使用できます。地味になりがちなビジネススーツに合わせることで、鮮やかな雰囲気となります。フォーマルな雰囲気にしたい場合は、無地にしたり、目立たない折り方にしたりすることで、ビジネスシーンにも利用できます。

胸ポケットにペンは挿してもよいか

スーツの胸ポケットは、基本的に装飾としての役割があります。スーツには長い歴史があり、ちょっとした着方にもマナーがあります。マナーを押さえないと、相手に悪い印象を与えてしまうため注意が必要です。

では、そもそもスーツの胸ポケットにペンを挿してもいいのでしょうか?
原則として、胸ポケットにペンなどの小物を挿すのは避けた方が無難です。スーツの胸ポケットは収納するというより、装飾のためのアイテムとして使用するために作られているからです。

そのため、胸ポケットは装飾としてチーフを挿すものであり、便利だからといって仕事で使用するペンなどを挿すものではありません。しかし、例外があり装飾やおしゃれとして挿しているペンの場合は、マナー違反にはなりません。

スーツの本場であるヨーロッパでは、シルバーなどの美しいデザインの万年筆を胸ポケットに挿して、一つのポイントとして活用されています。このような使い方であれば、胸ポケットにペンを挿しても問題はなく、上級者向けのスーツの着こなし方になります。そもそも胸ポケットは当初、手袋を入れるために付けられたといわれています。

19世紀に「チェスターフィールドコート」というアウターがイギリスで使用されていましたが、寒い冬に必須の手袋を収納する場所として使用されていました。また、無造作に押し込むのではなく、手袋をきれいに畳み、チーフのように飾りとしても挿していました。このような設計がコートからスーツにつながり、徐々に室内着であるスーツにも胸ポケットが付けられるようになりました。

しかし、コートはあくまでもアウターですが、スーツは室内着のためフォーマルな装いになります。そのため、コートのように機能性を重視するものではなく、よりエレガントな雰囲気にする必要があります。

以上のことから、スーツの胸ポケットはコートとは違う使い方となり、機能性より装飾のための一つのパーツとして見られるようになったのです。

そのような由来から、スーツの胸ポケットは装飾となるポケットチーフや万年筆などを入れることが望ましいとされています。同じペンでも普段、日常的に使うようなペンを挿すのは避け、バッグや胸の内ポケットにしまっておくのがベストでしょう。

また、コーディネートと統一感を持たせるのがポイントの一つとなります。例えば、シルバーのクリップが付いているペンであれば、ベルトのバックルなども似た素材のものにするなどがおすすめです。

ポケットチーフの素材は主に2種類

ポケットチーフの素材は、主にシルクかリネンの2種類です。それぞれの特徴を解説していきましょう。

1.リネン

リネン(麻)は、ポケットチーフの素材のなかで最もフォーマルとみなされています。結婚式などの格式の高い場に出るときには、リネンのポケットチーフを選んでおけば間違いありません。

リネンの生地の特徴は、張り感があることです。そのため、折りたたんでも型崩れがしにくい特徴があります。また、光沢感があまりないため、爽やかな印象を与えられます。

一般的に、軽やかな素材であるリネンのポケットチーフを結婚式で使用する場合には、朝から昼までの時間帯に向いていると言われています。夜はシルクのポケットチーフの方が最適です。できれば2種類のポケットチーフを用意しておき、時間帯によって使い分けましょう。 

2.シルク

シルクのポケットチーフは艶と光沢感が特徴です。シルクのほうがフォーマルと感じる人もいるでしょうが、シルクはリネンの次にフォーマルなポケットチーフとされています。エレガントな雰囲気と光沢を持つので、夜の時間帯の結婚式などのフォーマルな場でよく用いられます。

一方、無地のシルクは高級な印象が出やすいため、カジュアルなジャケットには合わないのも特徴です。カジュアルなジャケットには、柄物かコットンがおすすめです。

3.その他の素材

ポケットチーフの素材には、リネンやシルクの他にも、季節に合わせた素材で作られたポケットチーフもあります。例えば、コットン素材でしたら風通しが良く、吸湿性に優れています。そのため、春夏のパーティーにおすすめの素材です。カジュアルな印象があるため、あまり派手に見せたくないシーンで活躍します。

秋冬にはウール素材のポケットチーフが合います。暖色系を選べば柔らかな印象になり大人の風格が漂う雰囲気になるでしょう。

ポケットチーフのお手入れが苦手な方には、シワになりにくく洗えるポリエステル素材がおすすめです。

結婚式に使うポケットチーフの選び方

結婚式という華やかな席においてポケットチーフを用いると場の雰囲気に合った魅力的な印象をプラスしてくれます。

必ずしも必要というものではありませんが、ポケットチーフを挿しているのといないのでは、写真映えも変わってきます。ここでは、結婚式におけるポケットチーフのマナーをご紹介します。

結婚式でのマナーから考える

結婚式でのポケットチーフの選び方にはマナーがあります。

基本は清潔感のある白かシルバーの無地を選びましょう。
派手な柄物は避けますが、シンプルな生地の織柄は使用が可能です。
華やかさをプラスしたい場合は、光沢で模様が浮かび上がるシルバーの織柄が選択肢になります。

素材はリネンやシルクといった上質で華やかな印象を与える素材がおすすめです。
正式には昼がリネン、夜はシルクですが、現在シルクは昼夜どちらにも使用可能です。

お祝いの場ではネクタイやシャツも白やシルバーがマナーです。ポケットチーフも同じように考えると良いでしょう。

挿し方で選ぶ

挿し方によっては相性のいい素材も存在します。

形状をはっきりさせることが重要なTVフォールドはリネンの素材が、抽象的な形でふわっとした上品さを演出するパフドはシルクの素材がおすすめです。

初心者の方にはリネンの素材で挑戦するのがおすすめですが、スリーピークスなどのフォーマルで定番とされている挿し方はどちらの素材でも綺麗にみせてくれます。

与える印象で選ぶ

リネンはパリッと清潔感のある印象に、シルクは柔らかく上品な印象に見せてくれます。

ネクタイやカフスボタン・時計などとの相性でも考えてみるといいかもしれません。

どんな見せ方をしたいのか選択する時のポイントにしてみるのもおすすめです。

結婚式で使うポケットチーフの色は何色がいい?

結婚式のポケットチーフの色のマナーを解説します。

結婚式のおすすめの色は白とシルバー

結婚式での必須のマナーとも言えるポケットチーフの色は、白かシルバーがおすすめです。

特に格式の高い結婚式では、白を選択しましょう。柄は出来るだけ無地か無地に近い織柄のものを選びます。

最近ではシルバーのカラーも許容されてきてます。

結婚式の場では目立つことよりもTPOを守ってお祝いの気持ちを大事にすることが一番大事とされています。

そして、もちろん主役は新郎新婦。マナーを守ったアイテム選びを心がけましょう。

友人の結婚式ではカラーもOK

親しい友人であれば、ネクタイの色に合わせたパステルカラーも使用が可能です。

おしゃれでカジュアルなコーディネートが可能な結婚式であれば、パーティースーツ(カラータキシード)などに、ポケットチーフとネクタイを濃色のボルドーで統一するなども良く見られます。

二次会やカジュアルなパーティーではダークカラーもOK

結婚式後の二次会やカジュアルなパーティシーンではアクセントになる、ネイビーなどのダークカラーのポケットチーフを使用するのもいいでしょう。

色の選び方はネクタイと同系色カラーを選択することがおすすめです。

ネクタイと同柄のポケットチーフも販売されているブランドも多いので合わせ方には困りませんね。

スーツコーディネートの色は使用しても3色程度に抑え、全体のバランス感を損ねないようにしましょう。

ポケットチーフに黒はダメ?

一般的な結婚式では、喪の色である黒のポケットチーフはNGと考えましょう。

本来、黒のポケットチーフは、格式高い葬儀で着用する正喪服のモーニングコートに使用します。つまり、黒のポケットチーフにはお葬式の意味があるため、結婚式に使用することは避けます。また、黒のポケットチーフは格式高い場面に限られ、日本の一般的な葬儀には使用しないことがマナーです。

しかし、現在ウェディングの着こなしが変化しています。

花嫁が黒のウェディングドレスを着用することがトレンドになるなど、格式にとらわれない新たなスタイルも見られるようになりました。
花嫁のドレスが黒になると、会場の装飾に黒をアクセントとして使用するケースも発生します。

このように新郎新婦が現代的なおしゃれを楽しみたい場合は、かならずしも黒がNGとは言えません。そのため、場の雰囲気や主催者である新郎新婦が望む場合は、使用が可能と言えます。

また、近年注目度が高まっているカラータキシードの場合は、黒のボウタイ(蝶ネクタイ)に黒のポケットチーフが一般的です。

黒のポケットチーフが使用可能かどうかの条件としては、新郎新婦が親しい友人であること、新郎新婦が許容している場合、式場の雰囲気に合っている場合などが挙げられますが、ごく限られたケースとなります。一般的な結婚式で、黒のポケットチーフを使用することは避けましょう。

ビジネス向きの素材って?

ビジネスシーンでポケットチーフを挿すならば、「リネン」が向いていると言えます。

シルクという選択もありますが、シルクはフォーマルシーンやパーティで使われることの多い素材です。日本においては、ビジネスシーンでポケットチーフを挿すこと自体が一般的でないため、多少違和感を与えてしまうこともあるでしょう。人によっては、キザな印象を与えないかと気にする場合もあるかもしれません。そのため、清潔感があり誠実な印象になるリネンを選んでおけば基本的に間違いがありません。

特に、夏場の軽い生地には、リネンのポケットチーフがよく合います。どうしてもシルクのポケットチーフを使いたい場合は、よりフォーマルで重い生地の場合に限ったほうが無難と言えるでしょう。

ビジネス向きの色って?

ポケットチーフにはビジネス向けの色があるのでしょうか。また、色の合わせ方について解説します。

1.ネクタイと同系色が基本

ビジネスシーンではポケットチーフの色で主張しすぎないことが基本です。したがって、ネクタイの色に関わらず、白無地が、もっともビジネスシーンに向いている色と言えるでしょう。

また、ビジネススーツを着こなすためのアイテムのひとつとしてポケットチーフを用いる場合には、ネクタイと同系色にするのが一般的です。最も基本的な合わせ方なので、ネクタイとポケットチーフがセットで販売されていることもあります。

例えば、ブルーのネクタイならば、ブルーのポケットチーフが基本です。また、茶系のネクタイならば、一般的には茶色のポケットチーフを選びます。また、赤のレジメンタルタイの場合は、赤系のポケットチーフにすることで統一感が出ます。逆に、ポケットチーフのなかの一色を選んでネクタイを選ぶという方法もあります。ただし、上級テクニックとなるので、基本はネクタイのメインの色に、ポケットチーフの色を合わせると覚えておきましょう。

また、ネクタイの柄と同じものに揃えることでも全体に統一感が出せます。例えば、ドットのブルーのネクタイに、ドット柄のブルーのポケットチーフを合わせるなどです。コーディネートが引き締まり、ビジネススーツも含めた統一感が生まれます。

ただ、ビジネスシーンでは、柄物のポケットチーフが華美に見える場合があるため、使用場面に配慮する必要があります。

2.シャツの色に合わせる方法もある

ネクタイの色の他に、シャツの色に合わせるという方法もあります。例えば、ホワイトのシャツにホワイトのポケットチーフを合わせるなどです。この「ホワイト×ホワイト」は覚えておきたい組み合わせです。ビジネスでは、ポケットチーフはリネンの白を一つ持っておけば、どんなシーンにも対応できると言われます。

ホワイトシャツも必ずもっているシャツなので、ビジネスからフォーマルまで幅広いシーンで活用できるでしょう。

また、ブルーのシャツに淡いブルーのポケットチーフを合わせるなどもオーソドックスです。

3.結婚式には白かシルバー

結婚式でポケットチーフを挿すときは、白かシルバーを選ぶようにしましょう。白かシルバーで迷ったら、白が最もフォーマルな印象です。特に格式が高かったり、主賓に近い立場の結婚式だったりする場合は、白を使用します。ネクタイの色は何色でも、白のポケットチーフが最もフォーマルでしょう。

白やシルバー以外の色を使う場合は、ネクタイかシャツの色に近いものを選びます。ネクタイかシャツの色の近いものを選ぶことで、コーディネートに統一感がみられるので失敗しません。さらに、ポケットチーフとネクタイを同色・同素材にすることでよりまとまります。ブルー系で統一すると爽やかな印象になり、ピンクやパープル系だと華やかな印象になるでしょう。

逆にネクタイやシャツの色と違う色を使うテクニックもあります。コーディネート全体とは違う色をポケットチーフで使用することで、強調できます。ポケットチーフを違う色にする場合は、ポケットチーフ以外の色はできるだけ同系色にするのがポイントです。違う色を何色も使うと、アクセントにならず、まとまりのないコーディネートになるので、注意しましょう。

ワンランク上のポケットチーフの選び方

1.ポケットチーフを「差し色」に

上級者になるとポケットチーフを「差し色」として用いる場合もあります。

差し色とは、コーディネート全体のカラーとは異なる色のアイテムでアクセントをつけることです。

例えば、ネイビーのネクタイにブルーのシャツのときに、あえて鮮やかなグリーンのポケットチーフなどを選びます。

ビジネススーツも含めた全体のコーディネートを見た上で遊び心とおしゃれ心をプラスするので、上級テクニックとされています。

2.カジュアルジャケットには「ペイズリー柄」がおすすめ

カジュアルなジャケットにはカラフルな「ペイズリー柄」のポケットチーフがぴったりです。

カジュアルなジャケットにシルクの無地のポケットチーフを合わせると、フォーマルな印象となり、コーディネートのバランスが崩れます。

ペイズリー柄とは、松かさやヤシの葉など植物をモチーフにすることが多い、緻密で色の多彩な柄のことです。カシミール模様などと呼ばれることもあります。

ペイズリー柄は使われている色が多く柄が細かいので、カジュアルな印象になり、全体になじみやすく、比較的簡単に抜け感を出しやすいと言われています。差し色を楽しむには、ペイズリー柄からはじめてみてはいかがでしょうか。
その他、チェック柄や千鳥格子(ハウンドトゥース)のポケットチーフも、カジュアルジャケットにマッチする柄です。

3.カードタイプのポケットチーフ

ポケットチーフは、動作によってポケットの中に沈むことがあります。

おしゃれにコーディネートしたポケットチーフが見えなくなってしまうことを避けるため、カードタイプのポケットチーフを使用する方法があります。

ポケットチーフが乱れることを気にせず使用できるためおすすめです。

ポケットチーフに慣れると、ポケットチーフが沈んでしまったときに、取り出して挿し直すことも自然な動作で可能になります。

ポケットチーフを持ってない人はどこで買えばいい?

魅力的なアイテムポケットチーフ。

実際はどこで買えるのか気になる方も多いのでないでしょうか。

普段ポケットチーフに馴染みのない方は、知識のある店員さんがいるお店で買うことをおすすめします。

百貨店

百貨店は様々なスーツブランドがはいっていることも多く、ブランド専門店はもちろんですが大抵の百貨店の紳士服コーナーではポケットチーフが販売されているコーナーがあります。

多種多様なブランドや価格から選択したい方におすすめします。

スーツ専門店

スーツ専門店にはポケットチーフはマストで用意されています。

また、スーツ専門店だからこそスーツの知識に特化した店員さんが丁寧に選び方から挿し方まで案内してくれる可能性が高いです。

特にポケットチーフ初心者の方にはおすすめの購入場所といえるでしょう。
オーダースーツ専門店であれば、スーツに選んだ生地と合うポケットチーフを選べるため、統一感のあるコーディネートが完成します。

ネット通販

便利なのはネット通販です。忙しい方もスマホで簡単に注文ができます。

ただ、どんなものを購入するとしても言えることですが、実物と写真では色や質感のイメージが異なることがあります。

説明文をじっくりと読み、返品や交換が可能かどうかもチェックしておいたほうがいいでしょう。

また、好みのブランドやショップを実際に見て、見つけておくとだいたいの要領が把握できて、次回からネットでも購入しやすくなります。

ポケットチーフの折り方

ポケットチーフには、主に「TVホールド」「パフ」「クラッシュ」「スリーピークス」「トライアングラー」という5種類の折り方があります。それぞれの折り方と、どのようなシーンに向いているのかなど特徴を解説します。

1.TVホールド

ビジネス向きの折り方であるTVホールドですが、スクエアとも呼ばれます。オールマイティな折り方とも言え、結婚式のようなフォーマルな場から、ビジネス、華やかなパーティまで幅広く使える折り方です。

TVホールドは折り方もシンプルです。まず、縦に2つに折り、次に横に折って4分の1の大きさにします。ポケットの幅に合わせて3つ折りにしましょう。ポケットにそのまま入れば3つ折りにする必要はありません。さらにポケットから1~2cmポケットチーフがのぞくようにポケットの下になる部分を折り曲げ、ポケットに挿し込めば完成です。

2.パフ

パフは、ふんわりとしたボリューム感が特徴です。柔らかなで華やかな印象を出せる折り方で、ラグジュアリーな折り方と表現されることもあります。相性がよいのはシルクのポケットチーフです。また、自然にふんわりとすればカジュアルなパーティにもぴったりです。

折り方は以下の通りです。
まず、ポケットチーフを広げ、中心をつまみあげます。もう片方の手で下の部分を絞るように握りましょう。ポケットの上に出る部分を考えて、下部を折りたたみます。ポケットに挿し込み、ポケットから出ているふくらみを調整して完成です。

3.クラッシュ

クラッシュはエレガントさに遊び心を加えたスタイルです。
柄物であれば、カジュアルなジャケットに合わせやすく、シルクの無地であれば、パーティーシーンの華やかなコーディネートに合います。

折り方は以下の通りです。
ポケットチーフを広げ、中心をつまみあげます。上部を絞るように握ります。上下逆さにして、ポケットに入る下部分を折り曲げて、縁部分のみが見えるぐらいに調整します。ポケットに挿し込み、ポケットチーフの縁の広がりを整えたら完成です。

4.スリーピークス

スリーピークスとは「3つの山」のことで、ポケットから3つの山がのぞいているような様子から名付けられました。華やかな印象があり、結婚式など祝いの席で好んで使われる折り方です。そのため、モーニングコートやテールコート(燕尾服)ブラックスーツ(礼服)など、スーツ以外のフォーマルな服装に合わせます。

折り方は以下の通りです。
ポケットチーフを広げて、三角形に折ります。さらに三角形に折りますが、このとき、少し角をずらして折りましょう。さらに半分の三角形を、同じように角をずらして折ると3つの山ができます。ポケットの深さに合わせて、山の部分だけがポケットからのぞくように下部と横を折り曲げて調整し、ポケットに挿し込めば完成です。

5.トライアングラー

トライアングラーはトライアングルともよばれます。フォーマルからビジネス、カジュアルパーティーまで幅広く使われる折り方ですが、ポケットから見える角度の付け方がやや難しいと言われる折り方です。

折り方は以下の通りです。ポケットチーフを広げて縦半分に折り、続いて横半分に折って4分の1の大きさにします。

次に、ひし形に置きます。このとき、自分から見て奥の方がポケットから出る三角の部分になります。ポケットの幅に合わせて左右の角を折り曲げます。あまり、きっちり二等辺三角形になる必要はなく、多少アンバランスで曲がっていてもかまいません。

ポケットの深さに合わせて、ひし形手前の部分を折り曲げて調整し、ポケットに挿し込んだら完成です。

ポケットチーフをスーツに取り入れる!

まだ使いこなしている人が少ないポケットチーフですが、ネクタイなどと同じように、ビジネススーツをおしゃれに着こなすことのできる重要なアイテムのひとつです。

ビジネスシーンに向いている色や柄の合わせ方、折り方を覚えることでワンランク上のコーディネートとなるでしょう。

胸ポケットにポケットチーフを挿すだけで各段におしゃれ度がアップするので、スーツをおしゃれに着こなしたいのなら積極的に取り入れてみましょう。

ポケットチーフのお手入れ方法

ポケットチーフのお手入れ方法は素材によって変わります。

1.リネン

麻が原料であるリネンは、吸水性があり汚れやすいため、取扱いに注意が必要です。

汚れを見つけた場合や、使用でついたシワは洗ってアイロンをかけることで、元の状態に戻すことが可能です。

リネンのポケットチーフは薄い生地のため、手洗いがおすすめです。

リネンの洗い方

衣類用中性洗剤を使用します。
合成界面活性剤を含むものは皮膚への刺激が強い場合があるため、炊事用手袋などを事前に用意しておき使用しましょう。

手洗い用の刺激が少ない中性洗剤もおすすめです。

洗剤は、ぬるま湯で溶かしてから、やさしくポケットチーフを洗います。

何度かぬるま湯を換えてすすぎ、水気を切る際には強く絞らないようにします。

キッチンペーパーやタオルで水気を吸い取り、シワを伸ばします。
ポケットチーフに残っている湿気を利用しながら、裏側からアイロンをかけます。

ポケットチーフの裏とは、縁の折り目が見える側です。商品タグが付けられている側を目安にすることも可能です。
アイロンが終わったら、風通しの良い場所で乾燥させます。

2.シルク

シルクは水に弱い繊維のため、洗うことは避けます。
お手入れはドライクリーニングを利用します。

シミがある場合は、シミ抜きを同時に依頼します。

短時間の使用でも、ポケットチーフはシワになります。
帰宅後は、ポケットから出し湿気を抜くことがポイントです。

シワを伸ばす場合アイロンは低温で、あて布を使用してポケットチーフの裏側からかけます。中心から外側へ向かってアイロンを動かしますが、その際に縁をアイロンで押し広げないように注意しましょう。

3.ポリエステル

ポリエステル素材のポケットチーフは、ネットを使用すれば洗濯が可能です。
脱水は1分から2分程度の短時間がおすすめです。
また、洗濯機が停止したあと放置するとシワがつくため、停止したらすぐに取り出します。
洗濯機の乾燥機能は使用せずに、風通しの良い場所で乾燥させます。

あて布をして、低温から中温で裏側からアイロンをかけます。

ポリエステルは高音で溶ける可能性があるため、アイロンを一箇所に止めずに常に移動させながらシワを取りましょう。

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今回はポケットチーフについて解説しました。スーツの胸ポケットはポケットチーフを入れるために考案されました。スーツはポケットチーフが使用されることで完成形になります。実際、ポケットチーフを使用することに慣れると、ポケットチーフがないと物足りなさを感じるようになるほどです。特にダークカラーが多い日本のスーツスタイルでは、白いポケットチーフは非常に見栄えが良く、視線を上にあげる効果もあります。ビジネスでは、白のTVフォールドで正式感を、オフィスカジュアルではダークカラーのチーフをさりげなく挿してもおしゃれです。結婚式では、それぞれの式のスタイルに合わせて、素材、色、柄で絞ります。素材は格式高いリネンか一般的で華やかなシルクのどちらかを選び、色は正式な白、無難なパステルカラー、カジュアルな濃色で検討します。柄は、無地であれば格式高く、ペイズリーの織柄にはラグジュアリーな雰囲気、ドットには親しみやすい印象、チェックは快活さなど、スーツスタイルにちょっとしたアクセントを加えることも可能になります。ポケットチーフは、胸元に近くネクタイと同様に視線を集めるポイントとなります。ぜひ、場面に合わせた効果的な色合わせでスーツスタイルを引き立ててください。

三好星良