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スーツの静電気が冬に多い理由とは?その原因と解決策を徹底解説!

乾燥の激しい冬になると、静電気で悩む方も多いのではないでしょうか。
ドアノブを触ったときに静電気を感じて不快に感じたという経験をしたことも多いはずです。また、衣類などに付くホコリは静電気が原因ともいわれています。
スーツを着用する際にはホコリが付いていない状態で、綺麗な姿でコーディネートしたいものです。
「乾燥する冬シーズンの静電気対策はどうしたらいいのだろうか」
「スーツにホコリが付いてしまう原因って何?」
「静電気ってなんで発生するの?」
など、静電気に関して悩みを持っている方のためにこの記事では
スーツにホコリが付く理由
静電気の発生原因
静電気を防ぐ方法
などを解説していきます。
この記事を読んで、冬に悩まされる静電気を攻略していきましょう。

スーツにホコリや花粉が付く理由

スーツを着用していると、気付かないうちにホコリが付いてしまっていたという経験をした方も多いのではないでしょうか。

スーツに限らず、衣類全般にホコリが付いてしまう原因は「静電気」です。空気中に舞っているホコリや花粉は、衣類に帯電した静電気に引き寄せられることで、付着してしまいます。特に空気の乾燥している冬は、1年を通して静電気が発生しやすいシーズンのため、要注意シーズンといえるでしょう。

冬はホコリが付着しやすい環境となっているため、静電気対策を行うようにすることが大切です。

静電気はなぜ発生するの?

静電気の発生が冬に多い理由を知っていますか?

それは、静電気の発生が「湿度」と「摩擦」の2つによって起きるのが原因です。それぞれ見ていきましょう。

乾燥

1年を通して、特に湿度が低くなる秋から冬にかけて静電気を感じるという方が多くなっています。それは湿度が低く、空気が乾燥していることが原因です。

本来、静電気は空気中にある水分を通して体外へと放電されます。しかし、空気中の水分が少なくなる10月ごろから自然に放電されにくくなり、体に蓄積されやすくなってしまうのです。そのため、空気中の水分量が少ない12月ごろが静電気のピークと感じる方も多くなります。

乾燥は静電気を発生させる原因のひとつです。

摩擦

そして、もう一つの原因が「摩擦」です。

私たち人間はプラスとマイナスの電気を持っています。通常、プラスとマイナスの電気はバランスの取れた状態で保たれていますが、摩擦などによって電気量のバランスが崩れてしまうことが「帯電」といわれる現象です。バランスが崩れている帯電状態が「静電気を帯びている」状態で、物に触れたときに「バチッ」とくる静電気特有の現象へと繋がります。

静電気が発生する摩擦は、「衣類と体」「衣類と衣類」などにとる摩擦が主な原因です。

静電気の発生しにくい生地

乾燥するシーズンに気になる静電気ですが、生地によって発生しやすい素材と発生しにくい素材があります。できることなら静電気を発生しにくい素材を選んで快適に過ごしたいものです。

ここでは静電気を発生しにくい生地を紹介していきます。

天然繊維

コットンやシルク、ウールなどの天然繊維は静電気が発生しにくい生地となっています。その理由としては、天然繊維は吸水性や吸湿性に優れており、水分を保持しやすい特徴を持っているからです。保持している水分を通して電気を逃がしているため、静電気が発生しにくくなっています。

また、天然繊維は静電気だけでなく、お肌に優しいことも嬉しいポイントです。水分を保持しやすい素材のため、肌と擦れあっても肌を傷つける心配も少なくなります。スーツなどはもちろんのこと、パジャマやシーツ、枕カバーなどさまざまな場面で活躍してくれる生地です。

スーツ選びでどんな生地を選んだらいいのか迷った場合には、天然繊維が使用されている生地を選んでおくのがおすすめといえます。

帯電列が近い素材

静電気を発生しにくい生地として天然繊維をおすすめしましたが、なにも天然繊維100%の生地でないといけないというわけではありません。ポリエステルやナイロンなどといった合成繊維が含まれていても静電気を発生しにくい生地は存在します。

見分ける方法として、含まれている合成繊維の「帯電率が近いかどうか」で判断しましょう。簡単に説明すると、プラス電荷かマイナス電荷のどちらかに近い繊維に統一すると静電気が発生しにくくなります。

プラス電荷は

  • コットン
  • ウール
  • ナイロン
  • シルク

などです。

マイナス電荷は

  • ポリエステル
  • ポリエチレン
  • アクリル
  • ポリウレタン

などが挙げられます。

「コットン」と「シルク」の組み合わせはプラス電荷同士、「ポリエステル」と「アクリル」の組み合わせはマイナス電荷同士なので、静電気は起きにくくなります。

しかし、プラス電荷とマイナス電荷といったように帯電列の遠い素材が組み合わさってしまうと静電気が発生しやすくなるので、秋冬には避けるのがおすすめです。

スーツの静電気を防ぐ方法

冬の時期の静電気はバチっと電気が走り、痛い思いをして不快に感じる方も多いはずです。周りの人と手が触れただけで静電気が発生してしまうこともあり、相手に迷惑をかけてしまうことも考えられます。

そうならないためにも静電気の発生を防ぐような手段を覚えておくことが大切です。ここではスーツの静電気を防ぐための対処法を解説していきます。

静電気が帯電しにくい素材を選ぶ

前の章でも解説した通り、帯電列の近い素材を選ぶことで静電気の発生を防ぐことが可能です。

衣料に使用される繊維は、保水量の関係からプラス電荷を帯びた素材とマイナス電荷を帯びた素材に分けられます。加工が簡単で速乾性のある「ポリエステル」は、帯電しやすい素材ですが、コットンのような吸水性の高い自然素材と合わせることで通電がスムーズになってしまいます。その結果、静電気が起きやすくなってしまうので、帯電列の遠い素材が組み合わさった生地は避けるようにしましょう。

まずは、生地にどのような素材が使われているのか、使われている素材の帯電列はどうなのかを意識することが大切です。

静電気防止スプレーを使う

市販で販売されている静電気防止スプレーも効果的です。

スプレーには界面活性剤といわれる成分が含まれており、スーツの表面に付着すると大気中に静電気の元となる電気を逃がす効果が発生します。

使用する際の注意点として、使用前に付着しているホコリや花粉を綺麗に取り除いてから使うようにすることが大切です。静電気防止スプレーには、ホコリや花粉を取り除く効果はないので覚えておきましょう。

また、使用不可の素材があることを忘れてはいけません。コットンやレーヨンなどといった水に弱い素材や洗濯機やドライクリーニングができないものは使用に向いていないので注意が必要です。

クリーニング店の静電気防止加工を利用する

スーツを着用する機会が多いと、クリーニング店を利用する機会も多いのではないでしょうか。

クリーニング店の中には「静電気防止加工」「帯電防止加工」を行っているクリーニング店も多くあります。静電気を起こさないようにあらかじめ予防しておきたいという場合には、クリーニング店のオプションを活用してみるのもおすすめです。

静電気防止加工の効果は永久的に続くものではありませんが、シーズン中の静電気を予防することはできるので気になる方は試してみましょう。

付いたホコリの取り方

スーツに付いてしまったホコリや花粉を取り除くにはどうしたらいいのでしょうか。付いてしまったホコリを間違った方法で取ろうとすると、生地を傷めることに繋がってしまい、最悪の場合は生地に穴を開けてしまうことも考えられます。

生地の長持ちさせるためにも最適なホコリの取り方をマスターしましょう。

ここでは、自分でできるホコリの取り方を紹介していきます。

ブラッシングをする

スーツのホコリを取る方法としておすすめなのがブラッシングです。

衣類用のブラシで繊維に沿ってブラッシングをすることで、生地表面のホコリや花粉を取ることができます。また、ブラッシングをすることで毛玉の原因となる繊維の絡まりを解消できるため、毛玉やテカリの防止をすることも可能です。

ブラッシングをする際には、ブラッシング前にスーツを軽く叩いてホコリを浮き上がらせるのがポイントとなります。あらかじめ浮き上がらせておくことで、優しい力でホコリの除去ができるのでおすすめです。

衣類用のブラシを使ったことがない方にとっては、ブラッシングをすることでスーツの生地を傷めてしまうのではないかと心配する方もいるのではないでしょうか。しかし、実際はその逆で、ブラッシングをすることで生地の寿命を延ばすことができます。

ウールやカシミヤなどといったデリケートな生地にも使用できるため、積極的にブラッシングをして綺麗な状態を保つように心がけましょう。

コロコロを活用する

広範囲のホコリを取り除くには、コロコロやガムテープを使用することが便利です。

特にコロコロは、ホコリが付着している生地表面に粘着面をくっつけて転がすだけなので簡単にホコリを取ることができます。また、ホコリだけでなく生地の繊維に絡み付くペットの毛なども一緒に取り除くことができるので、便利なアイテムといえるでしょう。粘着シートを剥がすだけで再度使用できるようになるのでお手入れも簡単です。

注意点としては、コロコロの粘着力です。フローリング用の粘着力が強いコロコロを使用してしまうと、生地を傷めることに繋がってしまいます。スーツに使用する際には衣類用の記載があるものを使用するようにしましょう。

スポンジを活用する

衣類用のブラシやコロコロがないときにおすすめなのが「スポンジを活用する」方法です。スポンジは片面が固めの素材、もう一方の片面が柔らかい素材になっているスポンジを使用します。

コンビニや100円ショップで簡単に手に入るので、出先などでも気軽に活用することが可能です。

使用方法は、スポンジの柔らかい面でホコリが付着している生地の表面をこするだけでホコリを取ることができます。乾いているスポンジの繊維にホコリが絡んで取れるという原理です。

スポンジのサイズも小さく、持ち運びをするのにもかさばることはありません。また、価格帯も非常に安いので気軽に手に入れることができます。

スポンジの柔らかい面でホコリを取るため、生地を傷めることもなく安心して使用することができるでしょう。安いエチケットブラシよりも綺麗にホコリを取り除くことができるので、試してみるのがおすすめです。

濡れた手でなでる

ブラシやコロコロがない場合の応急処置として「濡れた手でなでる」ことでホコリを除去することができます。

使うのは水だけなので、出先などでも簡単にホコリを取ることができる方法です。ホコリが付いてしまっている服の表面を濡れた手でなでるように優しく動かします。そうすることで簡単にホコリを取ることができるのです。

注意点としてホコリを取る前にしっかりと手を洗っておくことがポイントといえます。手の油分が生地に付着してしまうと、生地の劣化や傷みに繋がってしまうので、しっかりと油分を取り除いてから行うようにしましょう。

また、手が濡れすぎてしまっているとスーツ生地の表面がびちゃびちゃになりかねません。そうなってしまうとカビの原因にも繋がるので、適度な濡れ具合で行うことが重要です。

この記事では、スーツの静電気についてみてきました。

静電気はホコリや花粉を付着させてしまうため、静電気自体を発生させないようにすることが一番です。

しかし、乾燥した冬では静電気が起きやすく、気付いたらホコリが付いてしまっていたということも少なくありません。スーツにホコリが付いてしまっていると、だらしなく見えてしまい、相手への印象も良くありません。ホコリが付く原因の静電気を抑えるようにして、ホコリや花粉の付着を最小限に抑えることが重要です。

まずは、自分でできる「静電気防止スプレー」やクリーニング店の「静電気防止加工」を依頼して対策してみましょう。

山畠光優