タキシードを着用するときに履く靴は?結婚式で困らない靴の選び方をご紹介のアイキャッチ画像
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タキシードを着用するときに履く靴は?結婚式で困らない靴の選び方をご紹介

ビジネススーツとは着るシーンも雰囲気も異なるタキシード。スーツには精通していても、タキシードとなると苦手意識が強い人もいるでしょう。あるいはスーツに比べて圧倒的にタキシードを着る機会が少ない人は、タキシードのマナーまで気にしていられないかもしれません。しかし、スーツもタキシードも人前で礼儀として着る服。その本質には、TPOに合わせる、周りにいる人からの信頼を得るというものがあるでしょう。タキシードのジャケットはスーツのジャケットと衿の形が異なったり、カマーバンドという略式ベストを着用したりします。このように目に見えて分かる違いはいいのですが、分かりづらい違いの一つに靴があります。タキシードを着用するときに、スーツを着用するときと同じ様に革靴を履いても良いのでしょうか?タキシードに合わせる靴には大きく4種類あります。このうち2種類の靴はタキシード専用の靴であり、ビジネスでは履く機会がありません。また、他の2種類はビジネスでも履く靴ですが、その中でもフォーマル度が高いタイプです。そのため、革靴であれば何でもよい、という訳ではなくカジュアルな紐のない革靴や、紐のある革靴でも装飾性の高い紐靴はタキシードには向いていません。タキシードを着る場面で恥ずかしい思いをしないためにも、ぜひこの記事を最後まで読んでみてください。

タキシードとは

タキシードに合わせる靴の話をする前に、タキシードについて基本的なことを述べます。

タキシードの基本

モーニングや燕尾服に次いで格式が高いとされているのがタキシード。もともとタキシードは準礼装でしたが、現代では燕尾服と並ぶ格式となっています。タキシードは基本的に結婚式の新郎や主賓として招待されたとき、それに友人代表としてスピーチを頼まれたときなどに着用することが多いものですが、マナーを守れば一般ゲストが着用することもできます。

タキシードは本来夜の礼装(正確にはイブニング以降)のため、昼間に着用するのはNG。イブニング以前の時間はモーニングが正礼装、ディレクターズスーツやブラックスーツが準礼装といわれています。

タキシードのマナー

タキシードを着用するときにはいくつかのマナーがあります。着用するものに分けて解説していきます。

ジャケット

ジャケットの色は基本的にブラック、あるいはそれに近いミッドナイトブルーとされています。衿は先の尖ったピークドラペルか、一枚衿のショールカラーが定番。前身頃につくボタンは一つでベントやポケットのフラップは基本的にありません。袖のボタンはジャケットと同じ生地を使った布ボタン(くるみボタン)がついています。また、胸元に白のポケットチーフを付けるとおしゃれでドレッシーな雰囲気になります。

シャツ&ネクタイ

シャツの形として一般的なのは襟先だけが小さく折り返してあるウイングカラーか、一般的なレギュラーカラー。どちらでもOKですが、蝶ネクタイを締めることを考えれば白無地のウイングカラーの方が良いかもしれません。胸元にプリーツの入ったシャツを着ると、熟れている感が出て落ち着いた印象になるでしょう。シャツの袖には黒蝶貝のカフスボタンがおすすめです。

カマーバンド

タキシードでは一般的ですが、ビジネススーツでは一般的でないのがカマーバンド。ヒダがある太いベルト(腹巻きのようなイメージ)であり、以前は国際的に着用が求められていましたが、現在では省略可能となっています。色やデザインが入ったカマーバンドも良いですが、黒を着用するのが一般的です。

パンツ

タキシードのパンツが、ビジネススーツのスラックスと異なる点は、両サイドに一本ずつ入った白い線。側章(かわしょう、そくしょう)と呼ばれており、裾は折り返しのないシングルとなっています。また、カマーバンド着用時にはベルトをつけないのが一般的。ウエストはアジャスターにより微調整できるようになっています。

タキシードにはどんな靴を合わせる?

タキシードにはどのような靴を合わせれば良いのでしょうか?

オペラパンプス

オペラパンプスはもともとオペラや観劇、それに音楽会や舞踏会で着用する靴とされており、リボンの飾りがついていて光沢のあるエナメル素材でできています。ラインに丸みがあるためレディースシューズのような印象もありますが、れっきとしたメンズシューズです。次に紹介するエナメルシューズよりフォーマル度が高く、タキシードに合わせる靴としては最も格式高くなっています。

一般的な革靴と違って紐がなく、形はローファーに似ています。しかし、ローファーは結婚式で履くにはカジュアルすぎる靴ですので、間違っても履いてはいけません。

エナメルシューズ

エナメルシューズはウェディングなどの正装で履くシューズで、現在ではオペラパンプスより主流となっています。エナメルシューズとはエナメル素材で光沢のある靴のことを言い、靴の形としては内羽根式のプレーントゥやストレートチップがありますが、その中でもストレートチップの方がフォーマル度が高いものとなります。

もともと夜会でエナメルシューズを履くのは、社交ダンスを踊るときに、男性が女性のロングドレスを靴墨で汚さないようにするためと言われています。一般的な革靴であれば靴墨が必要ですが、エナメルシューズなら靴墨が必要ないのです。

内羽根式のプレーントゥストレートチップもOK

エナメルシューズの内羽根式プレーントゥやストレートチップの他に、カジュアルな印象のタキシードでは一般的な革靴の内羽根式プレーントゥやストレートチップが相応しい場面もあります。基本的はオペラパンプスやエナメルシューズを履けば間違いありませんが、雰囲気によっては一般的な革靴でも問題ない場合もあります。

靴を選ぶ時のポイント

タキシードに合わせる靴を選ぶときには、いくつかのポイントがあります。

オペラパンプス or エナメルシューズ

フォーマル度が高いオペラパンプスとエナメルシューズ。どちらを履けば良いか迷いますよね?実は両者は履く時間で分ける必要があるのです。

欧米のイブニングとナイトの境は17時から18時と言われています。それ以前ならエナメルシューズ、それ以後ならオペラパンプスが良いでしょう。ただし、カジュアルウェディングの場合、オペラパンプスだとフォーマル過ぎる場合もあるでしょう。そのときはあえてイブニング前でもエナメルシューズを履いても問題ありません。そのときはストレートチップのエナメルシューズが良いでしょう。

ただし、オペラパンプスやエナメルシューズはタキシード専用の靴です。より汎用性が高いのは内羽根式のプレーントゥやストレートチップですので、覚えておきましょう。

内羽根式と外羽根式

靴には内羽根式と外羽根式がありますが、よりフォーマル度が高いのは内羽根式です。内羽根式は紐を通す羽根が甲革の内側に入り込んでおり、外羽根式は羽根が外側に付いています。

見た目が上品でエレガントな内羽根式は、ヴィクトリア女王の夫であるアルバート公がスコットランドのバルモラル城で考案したもの。そのため、別名「バルモラル」とも言われています。

一方、外羽根式はもともとプロシア(プロイセン)の元帥が考案し、ワールテローの戦いで使用されて広まったという説があります。外羽根式は内羽根式に比べてスポーティーな印象であり、競馬の競走馬がスタートするときのゲートに似ていることから「ダービー」という別名があります。また、考案者の名前から「ブルーチャー」と呼ばれることもあるそうです。

ストレートチップとプレーントゥ

ストレートチップとは甲の部分に横一文字の折り返しがあるデザインで、革の紐靴の中ではもっともフォーマル度の高いデザインとなります。ストレートチップによく似たデザインで横一文字の折り返しにパンチング(飾り穴)がついているものがありますが、それはパンチドキャップトゥと呼ばれる別の革靴です。ストレートチップは飾り気がないのに比べてパンチドキャップトゥは装飾性が高くカジュアルな革靴となっています。

一方、内羽根式のプレーントゥも一般的な革靴の中ではフォーマル度が高く、内羽根式のストレートチップの次にフォーマルな靴と言われています。外羽根式のプレーントゥはフォーマル度と実用性のバランスがよく、ビジネスシューズとしてよく履かれるタイプの革靴です。

タキシードはフォーマルなシーンで着用する場合が多いもの。そのため、基本的に靴の色は黒になります。あるいはタキシードが白の場合は白の靴となります。ただし、カジュアルな印象があるタキシードを着用する場合は、シーンにもよりますがブラウン系の靴を履いても良い場合もあります。

靴下はどうしたらいいのか

座ったときに足元が見えるため、意外に気が抜けないのが靴下のチョイス。しかし、靴下は基本的に二択になるため、安心して下さい。

黒やブラウン系の靴を履くときは基本的に黒の靴下を履きます。そして、タキシードの色の都合で白の靴を履く時は、靴に合わせて白い靴下を履きます。そのため、結婚式の新郎がお色直しをしてタキシードの色が変わる場合は、靴下も履き替える必要があるのです。

タキシードを着用するときの靴マナー

基本的はオペラパンプスかエナメルシューズを履いておけば間違いないタキシード着用時の靴ですが、中にはマナーとして履いてはいけない靴があります。

まずローファーは履かない方が良いでしょう。「loafer」(ローファー)とはもともと「怠け者」という意味があり、紐なしで簡単に履いたり脱いだりできる靴のことを指します。ローファーはあくまでもカジュアルシューズであるため、フォーマルシーンやビジネスシーンで履くのは好ましくありません。履けるのは、ジャケパンスタイルやクールビズに合わせるときです。

また、ポインテッドトゥやウイングチップのような先の尖ったタイプの靴もカジュアル度が高くてフォーマルな場所には向きません。模様(パンチング、メダリオン、ブローグ系など)も同様です。新郎が履くのはもちろんNGですが、一般参加者として参列する場合もフォーマルな場には向きません。同様にUチップもカジュアル度の高い靴のため、向かないことを覚えておきましょう。いくらスタイリッシュな体型で似合うとしても、ドレスコードに合わないおしゃれやマナーのなっていないおしゃれは良しとされません。

【タキシード色別】おすすめの靴の組み合わせ

タキシードの色別におすすめの靴を紹介いたします。

ブラックタキシード

定番のブラックタキシードに合わせるのは黒のオペラパンプスかエナメルシューズがおすすめ。エナメルシューズなら内羽根式のストレートチップがもっともフォーマル度が高いですが、プレーントゥでもOKでしょう。ホテルウェディングなど格式高い結婚式ならオペラパンプスの方が良いですが、ややカジュアルな結婚式ではエナメルシューズでも良いでしょう。

ネイビー・ブルータキシード

ネイビーやブルーのタキシードにも黒い靴が似合います。内羽根式ストレートチップの革靴がおすすめですが、あえてエナメルシューズでカッチリめに決めるのも良いでしょう。ネイビーやブルーのタキシードや、ブラックタキシードに比べると柔らかい印象があるもの。着こなしは難しいですが、シーンによってはファッションの一環としてブラウンの革靴を履くのも良いでしょう。中でもブラウンの内羽根式ストレートチップは人気があります。

ブラウン・ベージュタキシード

ブラウンやベージュのタキシードはネイビーやブルーのタキシードと比べてもカジュアルな印象が強いもの。靴もよりカジュアルなブラウンのシューズが似合います。

落ち着いたブラウンの内羽根式ストレートチップなら足元をすっきりと引き締められます。カジュアル度の高い色ですが大人っぽい雰囲気もあるため、暗めのブラウンで渋く決めることも、明るめのブラウンでカジュアルに決めることも可能です。

ホワイトタキシード

結婚式の新郎くらいしか着る人はいないかもしれないホワイトタキシード。これを着るときは、白のシューズ一択です。エナメルシューズだと足元が引き締まって良いでしょう。

タキシードはスーツとは似て非なるスタイルです。もともとは準礼装でしたが、現代では燕尾服やモーニングに次ぐ格式高い服装となっています。タキシードではジャケットの衿の形が異なったり、カマーバンドという略式のベストを着用したりしますが、分かりづらい違いが靴です。タキシードを着るときは、基本的にオペラパンプスかエナメルシューズ、あるいは一般的な革靴でも内羽根式のストレートチップかプレーントゥを選びます。オペラパンプスはその名の通り、もともとはオペラや観劇を見る時に履いていた室内用のシューズです。曲線的なラインでリボンの飾りがついているため、一見レディースに見えますがメンズシューズとなっています。エナメルシューズは、エナメル素材で作られて靴で、形としては内羽根式のストレートチップやプレーントゥと同様です。エナメルシューズは光沢が強く靴墨を塗る必要がありません。そのため、夜会で社交ダンスを踊る時、女性のロングドレスを靴墨で汚さないように考えられたという説もあります。また、一般的な革靴でタキシードに合わせられるのは、内羽根式のストレートチップやプレーントゥのみ。装飾性の高いポインテッドトゥやウイングチップはタキシードには合わせられませんので、注意してください。

大久保一雄