
話題のSDGsをスーツで実現?リサイクル・下取りの方法や注目の新素材
着なくなったスーツや着られなくなったスーツは、そのまま家に置いておいても無駄になってしまいます。廃棄処分している方も少なくありませんが、いらなくなったスーツは下取りや買取に出すことで再利用され、SDGsに取り組むことが可能なのです。下取りは、古いスーツを引き取ってもらい、新しいスーツの購入代金から値引きしてもらうことを指します。一方で買取は、スーツを売却して現金化することです。「洋服の青山」「AOKI」「はるやま」「Right-on」などの有名衣料品店では、スーツを下取りに出すとクーポン券が貰える仕組みを取り入れています。中でも洋服の青山は、下取りしたスーツを海外でのリユースに利用する他、荷物の緩衝材・車の断熱材などへのリサイクルを行っているのが特徴です。また、「リサイクルショップ」「フリマアプリ」「オークションサイト」などを活用し、買取の形でリサイクルに取り組む方法も手軽で効果的でしょう。他にも、スーツを発展途上国や被災地などに寄付する方法もあり、こちらも立派なSDGsの取り組みといえます。最初からSDGsを意識したスーツを買うのもおすすめで、糸や生地に注目するだけでなく、受注生産であるオーダーメイドスーツを買うことで無駄のない生産・消費が可能です。
私たちは、毎日さまざまな服を着て生活をしています。「着なくなった服をどうするか」という課題に対し、衣服の生産や販売に関連した企業を中心にさまざまな方法で解決しようとしています。今回は数ある服のなかでもスーツに注目し、SDGsの実現を目指す企業の取り組みや、私たちができる取り組みの例を解説します。
SDGsという言葉を学校や仕事、ニュースなどで知ったという方もいるでしょう。SDGsとは、2015年9月に国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」で掲げられた世界共通の目標のことです。この「2030アジェンダ」ではSDGsに関して17の目標が掲げられていますが、12番目に「つくる責任つかう責任」という目標があります。
SDGsの12番目「つくる責任つかう責任」について
人類は今、貧困や不平等、気候変動や環境問題などさまざまな問題に直面しています。この問題へ早急に取り組まなければ、人類はこの地球で安定して暮らし続けるのが困難になる恐れがあります。そのため、2015年9月に世界150国以上のリーダーが一堂に会した「国連持続可能な開発サミット」が開催されました。
サミットにおいて世界中のさまざまな立場の人たちが議論し、課題の整理と解決方法を考え、2030年までに達成すべき具体的な世界共通の目標を決めたのです。この目標がSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)と呼ばれ、「17の目標」と「169のターゲット(具体的な目標)」から構成され、「誰ひとり取り残さない」という包摂的でと多様性のある持続可能な社会の実現を目指しています。
SDGsの目標12は「つくる責任つかう責任」であり、考え方や対策を示した11のターゲットがあります。現代はさまざまな技術の進歩やノウハウの蓄積により、生産性が高まり多くの物にあふれているのが現状です。私たちの地球は資源が限られているため、このまま物を生産し続ければ、いつかは資源が枯渇してしまう恐れがあります。そのため、各企業などの「つくる側」と私たち消費者「つかう側」には以下のような取り組みが求められています。
(つくる側)
・資源や地球環境に配慮しながら、より少ない資源で高品質の物を生産する生産方法の確立
・生産過程において、廃棄物の発生やエネルギー消費の抑制
(つかう側)
・無駄なゴミを減らす
・一度使った物でも、繰り返して使う
・使用済みの物や不要な物を、再度資源に生まれ変わらせる取り組みへ協力する
SDGsを進めるスーツの下取りはどこでできる?
いらなくなったスーツは、そのまま廃棄処分している方も多いのではないでしょうか。しかし、いらなくなったスーツは、下取りに出すことで再利用されSDGsを進めることが可能です。ここでは、スーツの下取りをしてくる企業について紹介します。
洋服の青山
洋服の青山では、エコ活動として「リサイクル」「リユース」に積極的に取り組んでおり、下取りした資源は産業用資材や災害用備蓄毛布などに再利用されています。エコ活動の一環として、スーツだけでなく、フォーマルウェアや他社の衣服なども幅広く下取りを行っています。スーツを下取りする特典として、スーツやフォーマルの購入に使える「10%OFFクーポン券」がもらえます。下取りの流れは以下の3ステップです。
・ステップ1:スーツのポケットに物が入っていないか確認し、近くの店舗に来店する
・ステップ2:店頭で店員に「下取りをしたい」と声をかける
・ステップ3:衣類の確認ができ次第、クーポン券がもらえる(合わせて商品の購入も可能)
AOKI
AOKIでは、「ウール・エコ・サイクル」というプロジェクトを行っており、スーツなどのウール衣料を店頭で下取りし、提携工場でさまざまなリサイクル製品への再生を行っています。AOKIでは、不要になったスーツ・フォーマルに加え、パジャマスーツや他社製品を店頭で下取りしてもらえ、AOKIの商品が割引で購入できるクーポン券がもらえます。下取りの流れは以下の通りです。
・ステップ1:ポケットに物が入っていないか確認し、袋に入れて店頭に持参する(1人5着まで可)
・ステップ2:店頭のスタッフに声をかける
・ステップ3:衣類の確認が出来次第、クーポン券がもらえる(合わせて商品の購入も可能)
はるやま
はるやまでは、下取りしたスーツなどは「リユース」や「リサイクル」を行っており、ECO活動に積極的に努めているのです。活動の一環としてスーツやフォーマルに加え他社製品の下取りを行っています。お一人につき5点まで下取りしてくれ、下取りすると「20%OFF割引券」がもらえます。
セレクトショップや衣料品販売店でも実施している
ほかにも、人気セレクトショップであるユナイテッドアローズ系列のブランド「グリーンレーベルリラクシング」では、定期的にビジネスアイテム下取りキャンペーンが開催されています。他社製品を含むさまざまなビジネスアイテムの下取りを行っており、下取りすると通常アイテムが割引になるチケットがもらえます。
またRight-onでも、全衣料品を対象に下取りを行っています。1回の取引につき割引クーポン券がもらえ、回収されたスーツは繊維の一部が製品の原料として再利用され、衣類の破棄による環境負荷の軽減に役立てられているのです。
(全て2022年12月時点)
SDGsのためにスーツをリサイクルする方法
SDGsを意識した場合、スーツの処分方法には「下取り」のほかに「買取」によるリサイクル方法もあります。下取りは、古いスーツを処分し新しいスーツの購入代金を値引きするのに対し、買取はスーツを売却によって現金化します。ここからはリサイクルに出す前の準備や、各リサイクル先の特徴を解説します。
リサイクルに出す前の準備
買取によるリサイクルの方法には、「リサイクルショップ」「フリマアプリ」「オークションサイト」が代表的です。基本的なスーツの査定額は、ブランドにより大きく左右されます。ブランド物でも、シミや汚れがあるコンディションの悪い物は査定額が下がってしまうので注意しましょう。
事前にクリーニングに出しシミや汚れを可能な限り取ってから、買取に出すことで査定額アップが期待できます。ただしノーブランドスーツは購入額を考えると、クリーニング費用で赤字になることもあるので注意してください。綺麗な状態を長く保つためにも、日頃からスーツブラッシングや消臭ケア、スチームアイロンなどをこころがけましょう。
リサイクル先|リサイクルショップ
リサイクル先のひとつに、リサイクルショップがあります。多くのリサイクルショップでは、ブランド物やノーブランドスーツを始め、各種ビジネスアイテムまで幅広く買取をしてもらえるでしょう。業者によっては出張買取や宅配買取も行っているため、店舗に行く手間が省けるなど手軽に利用できる点もメリットのひとつです。ただし出張買取の場合は担当者の労力や時間が加味されるため、査定額は低めになる傾向があります。
リサイクル先|フリマアプリ
メルカリなどのフリマアプリでも、スーツを手軽に売却できます。自分で販売価格を決めることができますが、ある程度の価格で売却するにはコツが必要です。そのため、慣れていない方が売却する場合は低価格になる傾向があります。また、出品や撮影、梱包や発送などを自分で行わなければならないため、取引相手とのやりとりや商品の扱いに注意が必要です。
リサイクル先|オークションサイト
ヤフオクなどのオークションサイトでも、スーツを売却できます。フリマアプリに比べオークションサイトでは、年代物でもブランドスーツであれば、希少価値があるため思わぬ高値が付くこともあります。オークションサイトの場合もフリマアプリ同様、取引相手とのやりとりを伴うほか、商品の扱いに注意しましょう。
スーツを寄付するのも立派なSDGs
スーツを発展途上国や被災地などに寄付するのも、立派なSDGsに対する取り組みです。アパレルや小物を販売するユナイテッドアローズでは、実店舗「グリーンレーベルリラクシング」で下取りしたスーツを、特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパン(以下PWJ)に寄付を行っています。PWJは寄付されたスーツをリサイクル業者に売却し、売却で得た資金をさまざまな災害支援に活用しているのが特徴です。
また洋服の青山では、下取りしたスーツを海外へのリユースや、荷物の緩衝材、車の断熱材などへのリサイクルを行っています。このほか全国的な自然災害への支援も行っており、下取りしたスーツの原材料を使用し「災害用備蓄毛布」を製造しているのが特徴です。製造された「災害用備蓄毛布」は、災害対策の備えとして各地方自治体に寄付され、地域の防災に役立てられています。
SDGsを実現するスーツの選び方
近年、アパレル業界が環境に与える問題が問題視されています。理由として、服の生産工程や生産・販売におけるロス、着用後の廃棄などが環境問題につながっているからです。この問題に対し、「つかう責任」として私たちはスーツの選び方でSDGsを進められます。ここでは、SDGsを実現するスーツの選び方を3点紹介します。
サスティナブルスーツを買う
各社が販売しているサスティナブルスーツを買うことも、SDGsへの貢献につながります。今回は、婦人服の製造販売を中心に行うソーイングアサヒ株式会社の「100%リサイクル糸のスーツ」を紹介します。
現在の日本では、縫製工場はOEM生産(委託先の企業で生産する方法)が主流であり、日本の縫製工場は縮小傾向にあるのが現状です。このような風潮のなか、ソーイングアサヒは「自社で作り、自社で販売する」「日本の縫製業界の技術を持続可能なものにしたい」という思いから、オリジナルブランドを立ち上げたのです。
このオリジナルブランドは「サスティナブルスーツ」と名づけられ、100%リサイクル糸で作られた生地で作られています。本来は廃棄されるはずだった服や生地、繊維クズやペットボトルが回収され、糸にリサイクルして新たな生地として生まれ変わるというサイクルを実現しました。
ホームスパン生地のスーツを買う
ホームスパン生地とは、羊毛などの比較的短い毛や、再生毛などで作られた太い糸を使って手織りで仕上げられた生地のことです。ハンドメイドのような素朴な風合いでありながら、クラシカルで暖かみが特徴です。ホームスパン生地で仕立てられたスリーピーススーツは特に、秋から冬のシーズンに活躍してくれるでしょう。
オーダーメイドスーツを作る
オーダースーツを作ることも、SDGsを進める取り組みのひとつです。オーダースーツは受注生産のため、大量生産の必要がなく在庫の廃棄がありません。また自分の体にぴったり合っているため、スーツに余計な負荷がなく、しっかりケアをすれば長く着用することが可能です。さらに、生産工程において生地を無駄にしないことや、展示用ハンガーなどを減らせることもSDGsにつながるメリットといえるでしょう。
オーダーメイドスーツなら「オーダースーツSADA」にご相談を
「オーダースーツSADA」は、全国に実店舗を展開する老舗のオーダースーツ専門店です。長い歴史のなかで培われた技術とノウハウにより、これまで数多くのスーツを提供してきました。オーダースーツSADAではお客様のさまざまなニーズにこたえる、多種多様なスタイルや生地などを取り揃えています。そのため、お客様一人ひとりが満足できるぴったりの1着を作れるでしょう。
オーダーメイドは、SDGsの実現に寄与することが可能です。オーダースーツでSDGsに貢献したい方は、ぜひオーダースーツSADAに足を運んでみてください。経験豊富なスタッフがお客様のニーズや悩みを真摯に伺い、解決に向けた最適な提案をしてくれます。SDGsを進めながら、自分だけのお気に入りのスーツを見つけられるでしょう。
スーツの下取りもしておりますので、是非ご利用ください。
SDGsの目標12は「つくる責任つかう責任」であり、多くの物があふれている現状をなんとかしなければ、地球の資源が枯渇する恐れがあるとして掲げられた目標です。そのため、企業などの「つくる側」には「生産過程において、廃棄物の発生やエネルギー消費の抑制」などが求められ、「つかう側」には「使用済みの物や不要な物を、再度資源に生まれ変わらせる取り組みへ協力する」取り組みが求められています。目標を実現するためにスーツを例に挙げると、「つかう側」は使い終わったスーツを各企業が実施している下取りに出したり、「リサイクルショップ」「フリマアプリ」「オークションサイト」などを利用したりといった行動が大切です。また、SDGsの視点からスーツを選ぶことも重要といえます。100%リサイクル糸のスーツを買う、ホームスパン生地のスーツを買うといったことはもちろんのこと、オーダーメイドスーツを注文することもSDGsの取り組みに沿っているといえるでしょう。オーダーメイドスーツは受注生産のため、在庫の廃棄がありません。また、自分の体にぴったり合っているためスーツに余計な負荷がかからず、しっかりケアをすれば長く着用できます。「オーダースーツSADA」で、SDGsなスーツを作りましょう。