オールシーズンスーツとは?春夏・秋冬ものとの違い、使い方について解説-オーダースーツSADAのアイキャッチ画像
オールシーズンスーツとは?春夏・秋冬ものとの違い、使い方について解説-オーダースーツSADAのアイキャッチ画像

オールシーズンスーツとは?春夏・秋冬ものとの違い、使い方について解説-オーダースーツSADA

基本的に、スーツは季節に合わせて選ぶ必要があります。しかし、コストや収納スペースの問題で季節ごとのスーツを揃えるのが負担に感じることもあるでしょう。そんなとき、おすすめしたいのが季節を問わずに着用できる「オールシーズンスーツ」です。

この記事では、オールシーズンスーツの特徴や春夏・秋冬スーツとの違い、購入するメリット・デメリットを解説します。季節別の素材や着こなしのポイントについても触れているので、ぜひチェックしてみてください。

オールシーズンスーツとは

オールシーズンスーツとは、年間を通じて着用できるよう設計されたスーツ全般を指します。スーツを日常的に使用している方はもちろん、スーツを着用する機会が少ない方にとっても時期やシチュエーションを選ばないオールシーズンスーツは重宝されています。季節を問わず幅広いシーンで使えるのが特徴で、大人の必須アイテムといえるかもしれません。

スーツは基本的に「春夏スーツ」「秋冬スーツ」「オールシーズンスーツ」の3つに分類できます。まずは、それぞれの特徴や違いから見ていきましょう。

オールシーズンスーツと春夏スーツの違い

春夏スーツは、使われる生地も明るめの色合いが多く、爽やかな印象があります。生地は目が粗く通気性があり、質感もサラッとしているので、気温や湿度が高い日に向いています。クールビズの普及により夏はジャケットを着ないことも増えましたが、重要なビジネスシーンなどではスーツスタイルが必要な場面もあるため、1着は用意しておくと安心です。

一方のオールシーズンスーツは、春夏スーツと比べると、厚めの生地が採用されています。また、季節感を抑えた色味が好まれるため、グレーやネイビーといった王道カラーが中心です。夏場でもスーツの着用を求められる仕事の場合は、春夏秋の3シーズンの着回しをイメージして生地を選ぶと快適に過ごしやすくなるでしょう。

オールシーズンスーツと秋冬スーツの違い

秋冬スーツは、使われる生地もダークな色合いが多く、落ち着いた印象があります。目の細かい厚めの生地が採用されており、保湿性も高いので、気温が低い日に向いています。

秋冬スーツと比べると、オールシーズンスーツは通気性が良い素材が使われているため、重ね着で調整するのがポイントです。寒さが厳しい時期は、ニットやカーディガン、コートなど重ね着に使用できるアイテムも多くなるのでコーディネートの幅も広がります。クールビズの普及により、夏場はスーツを着用しないケースも増えていることから、春秋冬の3シーズン着回せるスリーシーズンスーツの需要が高まっています。

おすすめの着数

スーツは「1着3休」という言葉があるように、1日着たら3日は休ませるというローテーションが理想と言われています。

週5回毎日スーツを着られる方でしたら、最低4着は必要となります。

そこで季節感や快適に過ごすためにはもっと必要になりますので、目安としては

春夏スーツ → 1~2着

オールシーズンスーツ → 2~3着

秋冬スーツ → 1~2着

をご用意していただくと、年間を通して快適かつ季節にあったコーディネートを楽しめると思います。

上記の数字はあくまで目安となり、職業や勤務体系によって変化します。

また、冠婚葬祭用のフォーマルスーツや勝負用のスーツなどシーン別のスーツも用意することをお勧めします。

仕事や働き方も多様化しているので、ご自身のワードローブを確認し、どれくらいのスーツが必要かをこの機会に考えてみるのも良いと思います。

オールシーズンスーツのメリット

ここでは、オールシーズンスーツのメリットを解説します。オールシーズンスーツの魅力や着こなし方のポイントを押さえて、おしゃれを楽しんでいきましょう。

年間を通して着用できる

1番の魅力はやはり、年間を通して着用できることです。

真夏で一番暑い時期や、真冬で一番寒い時期などは温度調節が難しくなりますが、着こなしや重ね着をすることにより調節は可能です。

真夏ならば、ジャケットを脱いでワイシャツもしくは、ベストをきたベストスタイル。

真冬でも、インナーにニットやコートを着ることにより暖かく過ごすことも可能です。

スーツの手持ちを調整できる

上記でご紹介した「1着3休」を春夏・秋冬それぞれで分けようとするとそれなりの着数のスーツが必要になります。

もちろんスーツを長く綺麗に着るならば、それが理想的ではあるのですが、コスト面やワードローブの広さなどから難しい人も多いと思います。

そこで、年間通して着用できるオールシーズンスーツをうまく活用すれば、スーツの総数は少なくとも、春夏スーツはより春夏らしく秋冬スーツはより秋冬らしいデザインにすることもできるので、メリットの一つとなります。

定番のデザインでコーディネートしやすい

春先には、春色の淡いネクタイや爽やかな明るめのブルーのネクタイでコーディネートを楽しめます。

秋には、深みのある濃色のボルドーや大人の落ち着いた雰囲気になるダークブラウンのネクタイもおすすめです。

コーディネートの色合わせで季節を表現できるため、着回し力も高く便利です。

オールシーズンスーツには明確にこうしないといけないという決まりや定義はありません。

こういったデザインは定番である分、ワイシャツやネクタイなど他の小物と合わせやすく、少し華美なコーディネートを包み込んでくれる懐の深さも兼ね備えています。

スーツ自体の季節感の薄さはコーディネートを多種多様に楽しめる余白でもあるのです。

ファッション性がある

オールシーズンスーツは、ファッション性の高いアイテムとしても活用できます。たとえば、周囲の人より少し早くクールビズから通常のスーツスタイルに切り替えることで、季節を先取りすることが可能です。

ただし、9月や10月に厚手の秋冬スーツを着用してしまうと、不自然な印象を与えてしまう恐れがあります。そんなときに役立つのが、季節を問わず着こなせるオールシーズンスーツです。温度調節もしやすいオールシーズンスーツなら、快適性を保ちながら、ファッションを楽しめるでしょう。

オールシーズンスーツのデメリット

オールシーズンスーツを購入する際は、いくつか注意したいポイントがあります。ここでは、オールシーズンスーツのデメリットを解説します。

生地が傷みやすい

オールシーズンスーツは、1年を通して着用できるため、使用頻度が高いと生地が傷みやすくなります。一般的に、スーツは1日着たら3日は休ませる「1着3休」のローテーションが理想だといわれています。つまり、週5回スーツを着る場合、最低4着は必要です。着数としては、下記が目安となります。

春夏スーツ1~2着
秋冬スーツ1~2着
オールシーズンスーツ2~3着

オールシーズンスーツを用意することで総数を調整できますが、便利だからといって連続着用してしまうと寿命が短くなってしまうため注意しましょう。

気温差が激しい場合は対応しにくい

オールシーズンスーツは、春夏スーツよりも保温性があり、秋冬スーツよりも通気性のある生地で作られています。年間を通して着られるよう工夫されていますが、気温差が激しい場合は対応が難しいケースもあります。

たとえば、夏メインのオールシーズンスーツでは、真冬の寒さをしのぎきれないこともあるでしょう。反対に、冬メインのオールシーズンスーツを夏場に着用すると暑さを感じやすくなります。空調の効いた室内なら問題なく過ごせますが、外出が多い仕事では、真冬と真夏を同じスーツで過ごすのは不便かもしれません。

オールシーズンスーツに関するよくある質問

オールシーズンスーツに関するよくある質問と回答を紹介します。

夏用スーツを冬に着ても良いのか?

スーツの季節に関する疑問は、以下の3つが代表的です。

「夏用スーツを冬に着てもいいのか」

「冬用スーツを夏に着ることは可能か」

「一年中着られるスーツがあるのか」

季節が違うスーツを着用することは可能です。

冬に夏用スーツ、夏に冬用スーツといった、季節が違うスーツを着てはいけないというルールはありません。

しかし、夏用スーツは冬の気温ではかなり寒く、特に屋外では、コートでカバーできない足が冷えやすいです。
逆に、冬用スーツは、夏の気温では袖を通すだけでも暑く、実用的ではありません。

春夏用スーツを冬に着ていたらバレるのか

ダークカラーのスーツであれば、数メートル離れるとその違いはほとんど分かりません。

ただ、春夏用スーツを冬に着た場合、周囲の人にバレるのかどうかは、生地や仕立てにもよります。

また、見る人がスーツを頻繁に着用する人なのか、普段着用しない人なのかでも、気づかれる確率は変わります。

会う相手が普段スーツを着用しない人であれば、春夏スーツを冬に着ていても、おそらく気づかないでしょう。

しかし、色には注意が必要です。

冬にライトグレーの夏用スーツを着用した場合は、「夏用スーツだな」とすぐに気づきます。これは、色の持つ季節感で分かるケースです。

春夏用スーツでも濃紺の場合は、スーツを羽織っていれば、気づかれる可能性は低くなります。
しかし、ジャケットを脱ぐ際に生地に光が透けることで薄さが目立ち、春夏用と分かる場合があります。
特に盛夏用の非常に薄い生地では、着用中に風にベントが煽られたり、動作で生地に光が透けると、夏用だと分かります。

会う相手が普段スーツを着用する人の場合は、至近距離で話をするとスーツ生地の違いに気づく可能性が高くなります。

夏生地には平織独特のシャリ感があり、冬生地には綾織独特の厚みや起毛感があります。
これらの違いが見える至近距離では分かります。

大切なビジネスの場では、季節に合わないスーツを着ていることは、マイナスな印象を与えてしまうため避けた方が良いといえます。

季節違いの違和感を感じさせずにスーツを着回すには、3シーズンが限界です。
ダークカラーの春夏スーツをインナーで調節して秋の終わりまで着用することは可能です。

秋冬スーツは、春の3月末程度までが着用の目安です。

オールシーズンスーツは一年中着用できる?

オールシーズンスーツと呼ばれるスーツは、厳密には3シーズン対応です。

夏がメインのオールシーズンと、冬がメインのオールシーズンに分かれます。

現在は、夏はクールビズの企業が多いため、冬がメインのオールシーズンを着用する傾向があります。

また、空調のある室内でのデスクワークが主となる着用では、オールシーズンのみでの着回しも可能です。

オフィスカジュアルにおいて、インナーにタートルネックニット、半袖のクルーネックTシャツなどが着用できる場合、オールシーズンのセットアップスーツでの着回しが可能になります。

スーツのシーズン(季節)の違いとは?

春と夏に着用する春夏スーツは、気温が次第に高くなる季節に最適な生地や仕立てになっています。衣服内に熱がこもらず、通気性が良く、肌触りもシャリ感があります。

秋冬スーツは、次第に気温が下がる季節に着用するため、衣服内に熱を留める仕立てになっています。生地は、織目が詰まって厚みがあり手触りはなめらかで、生地によっては起毛感があります。

オールシーズンスーツは、シャリ感や起毛感がなく、季節感を感じさせにくい生地が特徴です。

【季節別】「素材」「生地」「裏地」「色」の特徴と見分け方

スーツは使用される素材や生地、色合いにより、その特徴が変わります。それぞれのシーズンに適したものや特徴をそれぞれご紹介いたします。

素材

【春夏】

・サマーウール

スーツの代表的な素材で明確に夏用の素材ということはありませんが、織り方によって様々なシーンに対応できる素材です。

サマーウールの場合は、生地を織り上げる糸を強撚糸という糸で織り、薄手の生地にすることによりハリコシがあり、通気性の良い生地にすることができます。

・リネン

夏素材の定番であるリネンには優れた吸水性・発散性があり、衣服内の蒸れを防いでくれます。通気性がよく、肌触りはさらっとしてるので暑い夏にぴったりです。

・コットン

ジーンズなどにも使われる頑丈で吸水性も高い素材で通気性にも優れています。

ウールと同じように織り方によって、色々なシーズンに対応できるのですが、コットンスーツといえば夏用というイメージも強く、カラーバリエーションも豊富で夏らしい明るい色の生地も豊富なので、今回は夏向けの素材としてご紹介します。
ウールよりもカジュアルな雰囲気のスーツになります。

・モヘア

アンゴラヤギという、ヤギの毛を紡ぐことで生産される素材になります。

耐久性が高く、光沢感があり他の夏向け素材と同じく通気性・放熱性も高いので夏素材として最適です。

シワにも強くハリコシがあるので、夏でもキッチリとした印象にしたい方にもおすすめです。

【秋冬】

・ウール

秋冬用のウールは保温性に優れていて、生地も厚めのものが多くなります。

生地はシックで上品な光沢があるものが多く、高級感のある仕上がりになります。

また、起毛した肉厚な生地で耐久性が高い物も多くあります。

・カシミヤ

美しい光沢を持ち、軽くしっとりとした肌触りの高級感あふれる生地になります。

高級素材の代名詞であるカシミヤは寒い地域の暖学地帯に生息する「カシミアヤギ」の毛から生産されます。

冬スーツの重厚でシックな雰囲気にカシミヤを使用することにより、ワンランク上の上品な生地が出来上がります。

カシミヤは繊細で耐久性が低いので、ウールなどと混紡で使われることが多いです。

【オールシーズン】

正確にはオールシーズン向けの素材というのはありません。オールシーズン向けというのは主にウール素材を厚さや目の細かさなどで調整するからです。なので、今回はオールシーズンスーツ向けの機能的な素材である、化学繊維をご紹介させていただきます。

・ポリエステル

弾力性があり、シワに強く軽く実用性が高い素材になります。

高い復元性と耐久性があるので、アクティブに動いて外回りをされるサラリーマンの方には特にお勧めの素材になります。

動物性・植物性の素材と比較すると価格を抑えられることがメリットの一つとなります。

・ナイロン

耐摩耗性に優れていて、伸縮性が高いのでよく伸びてくれるのが特徴の素材となります。

シャカシャカとした素材感で、セットアップなどによく使われます。

ウールと混紡することにより、見た目はきっちりしつつ動きやすいスーツを作ることができます。

生地

スーツの生地は素材を糸にして織り上げることで作られます。織り方によって性質も変わりますので、季節にも向き不向きがあります。

【春夏】

・シアサッカー

経糸と緯糸の伸長率を変えることにより、波のような縞が特徴の生地です。

肌への接地面積が小さくなるので、サラッとした肌触と高い通気性で、夏の暑く湿度が高い状態でも着心地が快適です。

・ソラーロ

亜熱帯地域で紫外線から体を守るために開発され、紫外線を反射し玉虫色に輝く魅力的な生地

独特の光沢感が魅力で大人の雰囲気を演出してくれます。

【秋冬】

・フランネル

ウールを起毛加工し、保温性を高めた柔らかな生地になります。

秋冬素材の定番となります。表面が起毛しているため、優しく穏やかな印象を与えてくれます。

防寒性も高く、コーディネートもしやすいので、秋冬用のスーツが欲しい場合はオススメです。

・サキソニー

フランネルと同様起毛加工していますが、フランネルほど重くなく、軽く艶感のある生地になります。

高級感があり、フォーマルな装いにもよく使われるので、シックな大人らしいスーツを作りたい時などオススメです。

・ツイード

イギリスの伝統的な生地で、凹凸がありゴツゴツとした厚めの生地になります。

厚手で空気を多く含むのでかなり保温性が高く防寒性に富んだ生地になります。また、頑丈で摩耗にも強く耐久性があるので長く着ることができます。

【オールシーズン】

・ウール・ポリエステル混紡

耐久性が高いポリエステルとウールを混紡した生地になります。

通年でスーツを着る場合耐久性は欠かせないポイントとなります。しかしポリエステルだけではカジュアルな印象になってしまいますので、ウールと混紡させることにより、耐久性とスーツの高級感を両立することができます。

裏地

スーツの裏地は大きく分けて2種類に分類されます。

主に春夏用を「背抜き」、秋冬用を「総裏」という仕立てにするのがオススメです。

また、市販のスーツが、春夏スーツか秋冬スーツかを見分けるには、裏地が付けられている範囲が目安になります。

・背抜き(春夏・オールシーズン)

背中部分の裏地がないので、通気性がよく涼しく感じることができます。

また、ジャケットの見た目も涼やかになるので、春夏の軽やかなアイテムとのコーディネートもしやすくなります。

・総裏(秋冬)

ジャケットの内側全面に裏地をつけることにより保温性を高め、温度を調節することができます。

また、裏地を全面につけることにより型崩れと表地を守ってくれるので、スーツの寿命を伸ばすことができます。

スーツの色は印象を決める大きな要素となります。基本的に春夏スーツは色味が明るく、秋冬用のスーツは暗めな色合いが季節感を演出してくれます。

オールシーズンスーツには年間通して使いやすいネイビーとチャコールグレーがおすすめです。

ネイビーとチャコールグレーはスーツに使われる色で最もポピュラーな色になるので、年間通して着ていても違和感はありません。

衣替えはいつ?スーツに合わせて小物も衣替えが必要

季節ごとに使い分けるスーツですが、どのタイミングで衣替えすればいいか、難しいと言う声をよく聞きます。地域や気候によっても変動しますが、今回は一般的な目安をご紹介します。

春夏スーツの衣替え

最高気温が15~20°Cを超えるような3月から5月くらいに衣替えをしましょう。
地域にもよりますが、一般的には3月頃から春物に変え、6月1日から夏物を着用します。
スーツの場合は、3月の気温が高い日から春夏スーツに変え、6月以降で暑い日は盛夏用のスーツにする方法もあります。

日によっては朝と夕方の寒暖差が激しい日や風が肌寒い日もあります。
3月中はインナーで調節したり、秋冬スーツをすぐに収納せず、寒い日に着用できるようにしておくと安心です。

春夏のおすすめアイテム

・サマーニット

コットンやリネンなどの素材を使用した春夏用ニット。

繊維が太く通気性も良いので、春夏でも快適に切ることができます。

半袖や長袖のもので、スーツのインナーとして使っても良いですし、ニットベストをワイシャツと合わせると上品な着こなしができます。

・スプリングコート

軽めのコットンやポリエステルやナイロンなどの化学繊維で作られたコート。

衣替えの時期は天気が不安定だったり、まだ肌寒い時期に最適な温度調節ができて、防風性が高いコートになります。

春夏らしく明るめのベージュがオススメです。

上記などのアイテムをうまく活用し、衣替えの時期もオシャレやコーディネートを楽しみながら、過ごしましょう。

秋冬スーツの衣替え

最高気温が20°Cを下回り始める9月から11月くらいの間に衣替えをしましょう。
9月に入ったら、秋色のダークカラースーツやミディアムグレーのオールシーズンスーツがおすすめです。

秋の衣替えは温度調節や季節の移り変わりを楽しむためにも、前もって準備しておきましょう。

秋冬におすすめのアイテム

・マフラー・手袋

秋冬アイテムの定番コートを着るほどではないが、肌寒くなってきた時期にマフラーで首元を暖めてあげるだけで、風邪も防げます。手袋もレザーのものやニットのものを使い分けることにより秋冬の寒さを調整できます。

・オータムコート

春夏のところで説明させていただいたスプリングコートと役割は同じになります。

ウールの厚いコートを着るほどではない時期に温度調整ができ、防風性もあり重要です。

オータムコートもスプリングコートと同じようにコットンや化学繊維を使用した軽めのコートがおすすめになります。

カラーはブラウンやカーキなどの暗めの色合いにすると秋冬用のアイテムとの相性がよくコーディネートしやすいです。

オールシーズンスーツの活用

オールシーズンスーツは良い意味でも悪い意味でも季節感が薄く温度調節も難しくなってしまうので、衣替えの時に便利なアイテムや季節ごとの色合いのアイテムを活用しオシャレかつ快適に過ごしましょう。

オールシーズンスーツに関連するキーワード

スーツスタイルで快適に過ごすためには、スーツの生地や仕立て、色合いデザインによって変わる着こなしや印象を理解する必要があります。これまで、その大きな要素である季節にまつわるスーツの要素や着こなし方をご紹介させていただきました。

ここでは着用シーン、トレンド関連、気候のキーワードから特にオールシーズンスーツにスポットを当ててポイントをまとめてみました。

オールシーズンスーツでは年中同じスーツを着用するため、スーツ自体のデザインを変えることはできません。ちょっとした一工夫が季節感やTPOをうまく乗りこなすコツになります。

内勤

リモートワークや在宅勤務の流れから内勤が増えたという企業も多いのではないでしょうか。空調が効いていることと、社外の人に対面で会う場面が少ないため、スーツに対してそこまで神経質になる必要はなくオールシーズンスーツは向いていると言えます。

また、内勤では上着を脱ぐことも多いため、夏場はベストスタイルもおすすめです。スーツの歴史を紐解けばイギリスの17世紀まで遡ります。本来ワイシャツは下着の意味を持っているため、シャツだけの姿では失礼に当たるとされていました。そこで登場したのがベスト(ジレ)を含めたスリーピーススタイルとも言われています。日本のクールビズではワイシャツのみのスタイルが一般的になっていますが、空調が効いている室内ではベストを着て周りと差をつけるのもありでしょう。

職場で襟付きシャツの着用がルールでなければ冬場はタートルネックやニットをインナーにもってくると保温効果が上がるだけでなく、差し色を楽しめたりオシャレ度も上がります。

この後説明するセットアップも内勤には適したアイテムになります。

セットアップ

勤め先ではスーツ以外もOKという企業も増えてきています。そこで登場するのがセットアップです。

セットアップとはトップスとボトムスが同一生地でつくられているものでスーツほどフォーマルではありません。スーツもセットアップの仲間ではありますが、スーツとセットアップを区別して呼ぶことが多いようです。

オフィスカジュアルにはもってこいのアイテムで「防シワ性」「ストレッチ性」「ウォッシャブル」「高コスパ」とオールシーズン着用するにはありがたいアイテムとなっています。

コーディネートとしてはアイビーカラー、Vネックニット、チェック柄シャツなどプレッピーなスタイルも人気です。セットアップでは肌見せも可能です。アンクルパンツとカバーソックスで足首を見せるのもよいですし、靴はスニーカースタイルにすることもできます。

ただし、営業などの外回りでは現代においてもスーツスタイルがマストな企業もありますので、相手に敬意を払い、相手に合わせたコーディネートを意識しておきたいところです。

就活・インターンシップ

就活は3月受付開始、6月選考開始、10月内定出しが一般的なスケジュールですが、近年は企業側も年中通して採用活動やインターンシップを行っているところが多い傾向にあります。インターンシップは特に実際の職場や現場で仕事を体験するわけですから就活生のスーツ着用シーンは意外と多いことに気づきます。

就活やインターンシップではスーツにこだわることがメインではありません。選ぶポイントとしては機能面とコストです。生地はウール100%よりもウールとポリエステルの混紡にすることで「速乾性」「防シワ性」「高耐久性」「高コスパ」を実現できます。混紡比率は6:4などウールが多めになっていると安っぽくならずに着こなすことができます。また、忙しくなると手入れの時間も削られますのでシワやほつれには最新の注意を払いましょう。年中実施している就活とインターンシップにはまさにオールシーズンスーツがぴったりなのではないでしょうか。ぜひ検討してみてください。

トレンドカラー

2024年のトレンドカラーは「ピーチ・ファズ」です。これはPANTONE社が毎年発表しているカラーで正式名称は「PANTONE 13-1023 TCX」。桃色に少しオレンジを混ぜたようなあたたかく心地よい色です。シャツが白系や青系が多ければ、あえてピンク系も揃えておいてもいいかもしれませんね。

シャツだけではありません。ネクタイも季節によって変えてみてはいかがでしょうか。ネクタイに限らず基本的な色使いとして、暖色系と寒色系を使うのはご存知の方もいらっしゃるかもしれません。パリ、ミラノ、ロンドン、ニューヨークでの2024春夏コレクションを調べてみましたが、鮮やかなカラーが多く見受けられました。ブルーまたはライトブルー、シルバー&ゴールド、レッド、ナチュラルカラーです。ネクタイはスーツのコーデに重要な差し色の役割を担いますから、暖色系・寒色系のルールを守りつつトレンドを入れてオールシーズンスーツに華を添えましょう。

例)春夏:ブルーまたはライトブルー、シルバー&ゴールド
  秋冬:レッド、ナチュラルカラー

遅い秋

エルニーニョ現象によって平均気温が高く、日照時間が長いのは事実です。気象庁のデータで月別で見てみます。

9月:過去30年で一番高い平均気温で27.9℃
10〜11月:過去30年と比べて実はあまり変わらない

10〜11月って対して変わっていないの?と思われるかもしれませんが、9月が暑いというのがポイントです。つまり、残暑から急激に温度が下がることで、より肌寒いと感じやすくなった。言うなれば秋が短いというよりは秋が来るのが遅くなったと考えるのが妥当でしょう。

「25℃を下回った時期」がオールシーズンスーツの得意とする時期です。9月は昔ほど着る機会がないかもしれませんが、スーツを休ませる期間が増えたと思えばよいでしょう。

暖冬

近年は暖冬と言われる年が多くなっているイメージがありますよね。気象庁の12〜2月のデータを見てみると、ここ5年では平均気温が平年より下回ったのが一度だけです。

暖冬はオールシーズンスーツにとってはメリットです。なぜなら、寒い期間が短ければ、それほど生地を厚くする必要がないからです。仮に生地を厚めにしてしまうと当然、春夏には着られなくなりますね。春秋中心に着ることを優先して、冬はコートなどアウターで調整しましょう。そもそも室内は空調が効いているため、寒さに合わせた生地の厚みにそこまで神経質になる必要もないのです。

スーツ着用機会が少なめ

そもそもスーツは普段着ないし、何かのイベントにしか着ない場合こそオールシーズンスーツ1着あれば事足りますよね。葬式で着用する礼服の黒は漆黒の黒であり、いわばスーツで使っている黒とは全く異なります。したがって葬式以外では特にオールシーズンスーツでも問題ありません。ちょっとした工夫でイメージをガラリと変えることができますのでシャツやネクタイ、バッグなどで色使いを楽しみましょう。

オーダースーツSADAとは

オーダースーツSADAは、個人の体型に合わせた型紙を作成し、美しいシルエットを実現するフルオーダー専門店です。

フルオーダーであれば、いつでもお好きな色柄で季節に応じた生地を選ぶことが可能です。仕事に最適なスーツを生地から選びませんか?体にフィットするスーツは動きやすく、長持ちします。
コストパフォーマンスも高いためおすすめです。

ぜひ、お気軽にご予約ください。

こちらからお近くの店舗のご来店予約ができます >

おしゃれと実用性を兼ねたオールシーズンスーツもオーダーがおすすめ

スーツは基本的に春夏スーツ・秋冬スーツ・オールシーズンスーツの3つに分類されます。1年を通して快適に過ごすためには、季節に合ったスーツの生地や色合い、デザインを理解することが大切です。

オーダースーツSADAでは、オールシーズンスーツのお仕立ても承っております。専門のスタッフがしっかりとサポートさせていただきますので、着こなしに関するお悩みなどもお気軽にご相談ください。フルオーダーならではのフィット感や快適さを、ぜひこの機会に体験してみてはいかがでしょうか。

いかがでしたでしょうか。今回は、スーツの季節別の素材・仕立てやそれに併せた着こなし・着用シーンやスーツをオーダーする際のポイントなどを紹介してきました。スーツは基本的に春夏スーツ・秋冬スーツ・オールシーズンスーツの3つに分類されますが、快適に過ごすためには、季節に合ったスーツの生地や仕立て、色合いデザインを理解する必要があります。春夏スーツの場合には、通気性が良く、生地の色味も明るめの色合いを選べば、爽やかなスーツスタイルに仕上がります。秋冬スーツの場合には、保温性が高く、生地の色味もダークな色合いを選ぶと、落ち着いたシックなスーツスタイルに。オールシーズンスーツの場合には、春夏スーツよりは保温性があり、秋冬スーツよりも通気性が良い素材が使われているのかチェックし、色味も季節に左右されず通年通して使いやすい色を選ぶといいでしょう。それぞれの季節ごとのスーツとその着こなし方を理解するだけで、コーディネートの幅は広がりますし、コーディネートを考えること自体が楽しくなると思います。どのような季節で着用するかを想定しておくと、迷いがちな生地の選択もスムーズに進むので是非今回の記事で得た知識をご活用ください。オーダースーツSADAでは、専門のスタッフがしっかりサポートするため、フルオーダーの楽しさ、快適さ、フィット感はもちろんのこと、着回しの相談や着こなしに関しての些細なお悩みにも親身にお答え致します。
それぞれの季節ごとのスーツとその着こなし方を理解するだけで、コーディネートの幅は広がりますし、コーディネートを考えること自体が楽しくなると思います。

奴賀 鈴桜