クラシックスタイルのトレンドスーツをオーダーする際のポイントは?のアイキャッチ画像
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クラシックスタイルのトレンドスーツをオーダーする際のポイントは?

クラシックスタイルがトレンドとなっていますが、伝統的なブリティッシュスタイルのスーツとトレンドのクラシックスタイルのスーツは若干シルエットが異なります。ビジネスシーンや冠婚葬祭で着用するスーツは、基本を守りつつ現代的なアレンジを加えたものが主流となっているため、その違いについて解説します。現在は、ビジネスシーンのカジュアル化、冠婚葬祭シーンの多様化により、これまでの格式やルールがそれらに対応する形で変化しています。カジュアル化によって、これまでタブーだった着こなしが許容され、実用性が優先されるといった、時代に即した新たなルールも誕生しています。現代は、あらゆることが効率化されており、何もかもが快適であることが求められています。そのためスーツスタイルも、より動きやすく快適であることが重視されるようになりました。また、トレンドもゆっくりと繰り返しています。初期の日本のスーツスタイルは、余裕のあるシルエットが主流でしたが、2000年代からはタイトなシルエットのスリムスーツに流行が移りました。そして2020年以降は再びスリムから、余裕のあるシルエットへ移行しています。今回は、このような時代によって変わるトレンドと、スーツをオーダーする際のポイントをご紹介します。

スーツのトレンドの歴史

スーツのルーツは19世紀中ごろ、英国の貴族が好んで着用したラウンジスーツです。
当時、食後の歓談で着用されていたラウンジスーツは、その快適さに多くの人が夢中になりました。
19世紀後半には、現在も続くスーツ生地の老舗メーカーやテーラーが続々と誕生し、ラウンジスーツは次第に洗練されたシルエットへと変わります。

その後、ヨーロッパからアメリカに渡ったスーツは、当初お洒落着としてジャズを愛する人々に着用されていました。
スーツはアメリカで大ブームを巻き起こし、その需要に応えるために既製服が発展しました。
大量生産が可能になると、スーツは新たにビジネスウェアとしての地位を確立します。
実用性を重視するアメリカでは、動きやすいボックススタイルのスーツが歓迎されました。
ウエストのくびれがないボックススタイルのスーツは、既製服で大量生産することにも適していました。

アメリカで誕生したビジネススーツは、ビジネスシーンのスタンダードとして、国境を越えて世界中に普及します。

さらにスーツは、イタリアで劇的に変化しました。
温暖な気候のイタリアでは、生地はやわらかく薄いものが好まれました。
そのため、イタリアのスーツはナチュラルで美しいシルエットが特徴です。
胸のラインを美しく見せるバルカポケットや袖のキッシングボタンなど、仕立て職人の技術やセンスが反映されたスーツスタイルが発展しました。

スーツのトレンドは3つ

スーツのトレンドは3つです。
スーツの原点である構築的でシャープなブリティッシュスタイル、ナチュラルで華やかなイタリアンスタイル、実用性重視のアメリカンスタイルです。

スーツの歴史の中で作られた3つのスタイルを中心に、スーツの流行は移り変わっています。
数年前は、シャープでスリムなブリティッシュスタイルが主流でした。
現在は、ナチュラルで標準的な余裕があるイタリアンスタイルが主流です。

スーツの種類

シングルスーツ

前ボタンが1列で、1つボタン、2つボタン、3つボタンがあります。
現在の主流は2つボタンと3つボタン段返りです。

ダブルスーツ

前ボタンが2列で、4つボタン、6つボタンがあります。

前ボタンのボタンホールが2つある二つ掛けと、ボタンホールが1つの一つ掛けに分かれます。

二つ掛けはボタンの位置が高く、Vゾーンが狭くなり、1つ掛けはボタン位置が低くなるためVゾーンが広いです。

近年はカジュアルに着こなす、肩パットが薄めのダブルスーツも人気です。

近年のスーツのトレンド

かっちりとしたビジネスシーンやフォーマルシーンに着用されるスーツは、英国調クラシックスタイルが人気です。

現在のトレンドを反映した英国調スーツは、ブリティシュスタイルとは異なり、肩パッドが薄く、柔らかなイタリア生地を使用していることが特徴です。

ブリティッシュスーツには、ハリが強く厚みのあるイギリス生地が使用されます。
しかし、現在は世界的に軽く柔らかなイタリア生地がトレンドのため、ブリティッシュスーツにイタリア生地が使用されるケースが増えています。

各社が発表しているスーツのシルエットも、ブリティッシュスーツの特徴である強いウエストの絞りが入ったものが減少し、イタリアンスタイルに近いシルエットが主流です。
全体的に、スーツシルエットはナチュラルで標準的なサイズ感となりました。

そのため、現在流行しているスーツは、厳密には本来のブリティッシュスーツではなく、英国調のクラシックな雰囲気を持つイタリアンスーツと言えます。

トレンドのスーツをオーダーするポイント

現在のトレンドを取り入れたスーツを作る場合には、スーツスタイルをイタリアンスタイルで選び、肩パットを薄くすることがポイントになります。

英国調の雰囲気は、生地の色柄で楽しみます。
柄は、英国調のグレンチェックやウィンドーペンがトレンドです。
色はブラックやグレーなどのモノトーンが注目されています。
冬生地であれば、起毛感のあるフランネルのグレーに印象の強い白のチョークストライプがおすすめです。
コーディネートしやすく生地の質感を楽しめる起毛素材は、秋冬のオフィスカジュアルやビジネスカジュアルに適しています。
人気のフランネルですが、少しカジュアル寄りの素材のため、結婚式や堅めのビジネスシーンでは避けましょう。

結婚式など華やかなフォーマルシーンでは、クラシックな雰囲気があるスリーピーススーツや、スーツとは異なる色柄の生地を使用したオッドベストが人気です。

市場にはモードな雰囲気をもつナローラペルの細身スーツや、オーバーサイズのカジュアルスーツなど、バリエーションが増えてきました。
スーツスタイルは、これまでよりも自由な着こなしを可能にするお洒落着として注目されています。

スラックスの太さもトレンドに左右される

スラックスの太さはスーツの襟幅に影響を受けます。
襟幅が細くなると、スラックスはスリムになり、襟幅が広くなると太くなる傾向があります。

現在の襟幅は、標準である8cmから8.5cmが目安のため、スラックスも標準的な太さになっています。
スーツを着て立った状態で、ふとももの後ろの生地を親指の第一関節くらいまで摘まめる余裕があるものが主流です。

オフィスカジュアルなどで着用される、カジュアルウェアに近いデザインのセットアップスーツは、標準よりも太めの傾向があります。

生地のトレンド

イギリス生地

2本の糸を撚る双糸を使用したハリの強い生地です。
ブリティッシュスーツの持つ構築的なシルエットを作るのに適した生地です。
現在のトレンドのスーツには、打ち込みの強いイギリス生地は適さないため避けます。
イギリス生地でも、イタリア生地に近い風合いの生地が誕生しており、そのようなタイプはトレンドスーツに使用できます。

イタリア生地

単糸を使用して織られた、軽く柔らかい生地です。
滑らかな風合いで、近年主流の生地です。
英国調の柄であるグレンチェック、ハウンドトゥース、ウィンドーペンなどが人気となっています。

オフィスカジュアル向きの生地

ストレッチ性のあるジャージー素材など、合成繊維を利用した実用性重視の生地です。
主にセットアップスーツなどに使用され、オフィスカジュアルで着用されます。

流行を押さえるポイント

ビジネス、結婚式などのフォーマルシーンでの着用を目安として用意するスーツは、トレンドの標準的なシルエットがおすすめです。コーディネートにトレンドの色柄を取り入れることで、着回し力も高くなります。

ネクタイやワイシャツの流行

ワイシャツ

ワイシャツは、スーツのラペル幅が広くなったためセミワイドカラーが人気です。

その一方で、ネクタイのノットを小さく結ぶ際に、胸元をタイトにまとめるタブカラーも注目されています。

ネクタイ

ネクタイの大剣の幅は、ラペル幅と同様に8cmから8.5cmが目安です。

柄は、クラシックな雰囲気を持つペイズリーなどの大柄や幾何学模様、ストライプはラインのピッチが広いものやブロックストライプなどが人気です。
小紋柄は、クラシカルな雰囲気を演出するだけでなく、胸元に奥行きを出す効果を持ちます。

スーツのサイズ感

スーツはサイズが合っていないと、全体的な魅力が半減します。

ジャストフィットするサイズとは、体を動かした際に変わる体型をカバーする余裕があるスーツです。

体を動かす際に必要な余裕があるスーツは、着用シーンの基本的な動作で不自然なシワが入らないため洗練された印象になります。

立ち姿の印象は、ジャケットの袖丈と着丈、パンツの裾丈で大きく変わります。
スーツを仕立てる場合は、袖丈、着丈、裾丈のバランスチェックが重要です。
適正サイズで仕立てたスーツは、スーツのスタイルアップ効果を最大限に活用できるためおすすめです。

採寸するときには、「フォーマルシーンで姿勢を正して立っているとき」をイメージしましょう。
首を横に向ける、下を向くなどの姿勢の変化で、採寸される着丈や裾丈の数値は変わってしまいます。
ジャストサイズでフルオーダースーツを仕立てるためには、正確な数値が採寸できるように、姿勢を意識することがポイントです。

トレンドを押さえたスーツを購入するには

トレンドのスーツを仕立てるタイミングは、新作生地が入荷する頃が目安です。
トレンドを意識したスーツ生地や人気の生地は、完売する前に早めにチェックしましょう。

春夏生地は1月下旬、秋冬生地は8月下旬から入荷が始まります。
入荷開始から2ヵ月程度で商品が揃いますが、先に入荷した人気生地から完売します。
ネットオーダーなども活用して生地をチェックすると、好みの生地を見つけやすくなります。

また、スーツの流行は海外の生地ブランドが主導するケースも多いため、トレンドを意識した生地でスーツを仕立てる場合には、「マーチャント」が販売する生地から選ぶことがおすすめです。コスパ重視の場合は、「ミル」の生地が手頃です。

ミルとマーチャント

スーツの生地メーカーには「ミル」と「マーチャント」があります。
「ミル」は織物工場を保有する、企画と生産が主体となっている生地メーカーです。

「マーチャント」は、簡単に説明すると「服地卸商」です。
スーツ生地の企画から流通までを手掛けます。
生産は、工場を保有する「ミル」に企画を持ち込み依頼します。

「マーチャント」は、老舗の「ドーメル」、大手の「スキャバル」、発色が魅力の「ドラッパーズ」などがおすすめです。

スーツに合わせてコーディネートする

お洒落に着こなすには、「購入したスーツ用のコーディネート」を2セットは用意しておくと安心です。

スーツは全体的な統一感が重要なため、流行生地やスーツのスタイルに合わせたワイシャツやネクタイが流行します。

トレンドのスーツをお洒落にコーディネートするには、スーツとワイシャツネクタイを同時購入することがおすすめです。

また、スーツシルエットの流行は変化がそれほど早くないため、最新トレンドのスーツを購入後、2年程度は違和感なく着用できます。

ネクタイの幅や柄にも流行があるため、新しいネクタイは、すぐに使用する方がお洒落に見えます。
新しいネクタイを、後日使おうとして収納してしまうと、柄やネクタイ幅のトレンドなどが過ぎてしまう可能性もあるため、積極的にコーディネートしましょう。

おすすめトレンドカラー

ここ数年ネイビーが人気でしたが、グレーやブラックなどモノトーンが注目されています。

また、少数派であったブラウンやベージュなどが、オフィスカジュアルの普及に伴い定番化しました。
ダークブラウンからベージュまで、濃淡のバリエーションも豊富になっています。

その影響を受けて、かっちりとしたビジネススーツでもダークブラウンの需要が増えつつあります。

オーダースーツSADAとは

オーダースーツSADAは、おひとりおひとりを採寸して型紙のパターンを作成するフルオーダーです。
「なで肩」や「いかり肩」などにも対応できる肩パットは、厚さの調整が0.5mm単位で可能です。
見栄えを左右する袖丈、着丈、裾丈もバランス良く仕立てられます。

海外生地、本水牛などの高級ボタン、台場仕立てなどのオプションも豊富です。
スーツスタイルに新しい流行が到来した今は、スーツを新調するベストタイミングと言えます。

ぜひ、お気軽にご予約ください。

今回は、スーツのトレンドについて解説しました。現在のビジネススーツや冠婚葬祭向けのスーツは、リラックス感のある柔らかなイタリア生地が主流で肩パットは薄め、サイズ感は標準サイズか、少しスリム寄りのシルエットです。オフィスカジュアル向けのスーツは、若干オーバーサイズです。お洒落着としてのスーツは、オーバーサイズのアレンジが目立ちます。スーツが改まった席で着用するものから、お洒落として着用するものに変わりつつあり、特に若い世代でそのような傾向が顕著です。市場のスーツも多彩になっており、着用場面に合わせた選択が必要です。また、その一方で、トレンドのサイズ感が標準になったことで、お洒落なスーツが世代を問わず、誰にでも楽しめるようになっています。生地の色柄も、クラシックで洗練されたグレンチェックやチョークストライプ、モードな黒無地、新鮮なダークブラウンなど選択肢が多く、オーダースーツを作るには最適なシーズンでもあります。標準サイズのスーツは、「標準」であるからこそ、今の流行が過ぎ去った後でも、長く定番として着用することが可能で、コーディネート次第で雰囲気を変えられます。この機会に、ぜひフルオーダースーツをご検討ください。

三好 星良