
スーツとベストの色違い(オッドベスト)のコーディネートは問題ない?選び方のポイントやおしゃれな着こなしのコツをご紹介-オーダースーツSADA
スーツとベストを異なる色で組み合わせる「オッドベスト」なら、個性的でおしゃれな着こなしを楽しめます。しかし、スーツ初心者の方にとって、色違いのベストを取り入れるのは少しハードルが高く感じられるかもしれません。本記事では、オッドベストの基本や一般的なマナー、選び方のポイントなどを解説します。シーン別の着こなしのコツまで紹介するので、ぜひ参考にしてください。
オッドベスト(スーツとベストの色違い)とは?

オッドベストとは、スーツの上下とおそろいではない、色や柄が異なるベストのことです。
通常のスリーピーススーツは、ジャケット・ベスト・パンツが同じ生地・色のセットで作るのが一般的です。一方、オッドベストは単品で購入するため、手持ちのスーツと組み合わせると自然に色違いのコーディネートになります。
スーツとベストの生地や色柄が違っても、場違いになったりマナーにそぐわなかったりしない限り問題はありません。カジュアルなシーンであれば、スーツと色違いのベストで自由にファッションを楽しむことが可能です。
色違いのベストを使ったコーディネートは、上級者向けのように感じる方もいるかもしれません。しかし、初心者でも基本的なポイントを押さえれば、自分なりにオッドベストを着こなせます。
例えばビジネスシーンの場合、グレーのスーツにネイビーのベストを合わせても、サイズが適切であればスタイリッシュな印象を損なうことなく着こなせます。
スーツが無地であれば、チェックやストライプなど柄物を合わせるだけで、いつものスーツスタイルのイメージが変わります。
ベストとスーツを色違いにする場合のポイント3つ

スーツとベストの色を変えると、ベストは脇役ではなく主役に変わります。なります。着用シーンに合わせて、同系色でまとめたり、スーツとあえて異なる配色を意識したり、柄物を取り入れたりして、色違いコーディネートを楽しみましょう。
スーツとベストを同系色にする
落ち着いた印象で着こなしたいなら、ベストはスーツと同系色または色の濃淡をつけるのがおすすめです。同系色でまとめると、ビジネスシーンの会議や商談などでも違和感なく着こなせます。
スリーピーススーツのように、同素材のベストなら迷うことなく合わせられます。
ただし、あまりにも色合いがかけ離れてコントラストが強すぎると、場違いになることもあるので、色の合わせ方は適度に加減しましょう。スーツとは違う色で合わせるのに抵抗がある場合は、まずは同系色のベストを合わせれば間違いありません。ぜひ試してみてください。
スーツとの配色を意識する
ベストはスーツと同系色で合わせるのが一般的ですが、あえてスーツと違う色合いのベストを使うと、コーディネートの幅はグッと広がります。ベストを目立たせるような、個性的なスタイリングを楽しんでみてはどうでしょうか。
柄物でコーディネートする
無地のスーツに柄物のベストを合わせると、おしゃれ感が上がり、スリーピーススーツにはない、個性的なコーディネートでベストを引き立てることが可能です。
スーツと同系色のチェック柄やストライプ柄は、英国紳士スタイル風のコーディネートになります。花柄やペイズリー柄は、パーティーなど華やかな演出をしたいときにおすすめです。
ベストにストライプ以外の織柄(組織柄)が入っているものは、スーツの柄を問わず合わせることが可能なため着回し力が高くなります。組織柄で無彩色のグレーはコーディネートしやすいため、おすすめです。
奇抜な柄は手を出しにくいという方は、織柄のチェックやストライプなど親しみ深く控えめな柄から、コーディネートを楽しんでみてください。
スーツとベストの色違いはマナー違反?基本の考え方

スーツとベストの色違いコーディネートは、基本的にマナー違反ではありません。ただし、ビジネスシーンやフォーマルな場面では、TPOに応じた判断が必要です。
保守的な業界や重要な商談では、ベストを着るならスリーピーススーツを選ぶのが無難です。一方、カジュアルなオフィスやパーティーシーンでは、オッドベストを活用したおしゃれなコーディネートが歓迎されるでしょう。
また、どのようなスタイルでも、アンボタンマナーなどの基本的な着こなしルールを守ることは大切です。
ベストの一番下のボタンは留めない
アンボタンマナーは、一番下のボタンを留めないルールのことで、ジャケットやベストに適用されます。
一番下のボタンを留めない理由は、余計なシワが入りシルエットが崩れたり、締め付けを苦しく感じたりするのを避けるためです。
ベストのデザインは、シングル、ダブルを問いません。ベストのボタンの数にも左右されないため、6つボタンでも5つボタンでも、すべて一番下のボタンを開けます。
なお、ベストの裾がスクエア型の場合は、アンボタンマナーが適用されません。裾がスクエア型のベストを着る際は、ボタンを全部留めるのが一般的です。
ベストを着るときのジャケットのボタンマナー
スーツの下にベストを着た場合、ジャケットのボタンは留めるべきか?開けたままでもいいのか?意外と分からなくなってしまうのではないでしょうか。
ベストを着ているときのジャケットのボタンは、基本的には留めないのがベターです。ジャケットの前を開くとベストが引き立ち、粋でおしゃれな演出ができます。
ただし、マナー違反ではないのでジャケットのボタンを留めても問題はありません。その場合もアンボタンマナーを守って一番下は開けておきましょう。

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オッドベストはどこで買う?

オッドベストは、スーツを取り扱っている店舗で販売されています。
ビジネススーツ用、結婚式のスーツ用、礼服用など種類も色柄も豊富です。また、オーダーが可能な店舗であれば、好みの生地やボタンで仕立てることが可能です。
手持ちのスーツに合わせる場合は、膨大な既製服の中から理想のデザインを探すよりも、オーダーで理想のデザインに仕立てたほうが時短にもなっておすすめです。
合わせるスーツをオーダーの際に持って行くか、スマートフォンで写真を撮っておくとスタッフに相談しやすくなります。
オッドベストはスリーピーススーツよりもコーディネートの難易度は上がりますが、うまく着こなしたときは格段にかっこよく見栄えがします。色使いに気を付けて、スーツの色と相性のいい生地やボタンでベストをオーダーしてみてください。
スーツに合うオッドベストの選び方

ここからは、スーツに合うベストの選び方をご紹介します。おしゃれに着こなせるベスト選びのポイントは、スーツに合うベストを選ぶことです。
素材で選ぶ
ベストは、スーツの素材に合わせて選ぶことが大切です。
春から秋に着用することが多いナイロンやポリエステルのスーツに厚手のウール素材のベストを合わせると、季節感が合わないだけでなく見た目もやぼったい感じになってしまいます。
またシルクのような光沢のある素材は結婚式などのフォーマルなシーンでは使えますが、ビジネスシーンではベストだけが浮いてしまいます。
基本的には同じ素材同士を合わせるのがベストです。ウールのスーツにはウールのベストを選ぶと、質感に統一感が生まれます。
季節感も重要なポイントです。春夏の軽やかなスーツに厚手のウールベストを合わせると、ちぐはぐな印象になるのでNGです。スーツとベストの素材感をそろえることで、全体のバランスを整えましょう。
梳毛と紡毛
ビジネス向きのベストに使用される生地の素材感は、梳毛と紡毛で変わります。梳毛とは表面が滑らかなウール生地です。紡毛とは表面が起毛しているウール生地で、スーツでは主に秋冬用に使用されます。
スーツが梳毛生地の場合は、梳毛生地のベストを合わせ、スーツが紡毛生地の場合は紡毛生地のベストを合わせることが基本になります。生地の素材感が違うとアンバランスな印象になるため注意しましょう。
オッドベストは梳毛生地が多いため、秋冬の紡毛生地のスーツにベストを合わせる場合は、スリーピースで仕立てておくのもおすすめです。紡毛生地のスリーピースは保温性が高く、春先や秋口の多少の寒さであればコートが不要になります。室内であれば、ジャケットを脱いでデスクワークが可能になるため、スタイリッシュで着こなしの幅も広がります。
色で選ぶ
スーツと合わせやすいのは、ブラック、ネイビー、グレーの3色です。この定番カラーは汎用性が高く、ベストの色に選べばどんなスーツとも相性良くまとまります。
特にチャコールグレーのベストは一枚あると便利。ネイビーやグレーのスーツと組み合わせれば、落ち着いたビジネススタイルが完成します。
同系色で濃淡をつけるコーディネートも効果的ですが、日本のビジネスシーンでは控えめな濃淡差を心がけましょう。
パーティーシーンでは、逆に色の濃淡を強めにします。お祝い事では、ブラックスーツにシルバーグレーを合わせるコーディネートが、もっとも華やかな印象になります。
ベストの色は濃度がシルバーやライトグレーに近いほど軽やかで華やかになり、ダークカラーに近くなるほど落ち着いた大人の雰囲気に変わります。友人の結婚式などで少しクールに合わせたい場合は、ネイビースーツに光沢のあるブルーグレーのベストなどを合わせます。グレーに少し青を加えた色合いでスーツとの統一感が増します。
色違いのベストの合わせ方
グレーベスト
色違いのベストで、コーディネートしやすい色はグレーです。ビジネスではチャコールグレー(黒に近いグレー)、結婚式では、ミディアムグレーやライトグレーがおすすめです。グレーは無彩色になるため、スーツの色が何色でも合わせられます。ビジネスでは、本来スーツと同じ生地で仕立てたスリーピースが無難です。色違いのオッドベストを合わせる場合は、スーツの色よりも少し暗い色が、引き締め効果もありおすすめです。
ネイビーベスト
ネイビーのベストはグレーのスーツと相性が良く、鮮やかな色であれば結婚式などパーティーシーン向きの色合わせになります。ビジネスでは、濃色のネイビーベストをグレースーツに合わせます。
ビジネスシーンに限っては黒とネイビーの色合わせは若干難しい面があります。色の差が大きくなると違和感が強くなるため、ダークカラーの色合わせが良いでしょう。
また、ダークネイビーのスーツにネイビーのベストを合わせる場合は、オッドベストであることが分かる組織柄などを選ぶ必要があります。オッドベストであることが分かりにくい柄にすると、間違えて生地違いのネイビーベストを着たように見えるリスクがあるためです。
ブラックベスト
無地のブラックベストはフォーマル感が強くビジネスには不向きです。
ビジネスでブラックベストを使用する場合は、柄があるものを選びます。合わせやすいスーツは、グレースーツやブラックスーツです。ネイビースーツは色調節と柄合わせが難しくなります。遠目に見てもハッキリと濃淡が分かるベストは、ビジネスにあまり向きません。
パーティーシーンでの無地のブラックベストは、メリハリのある華やかなコーディネートになります。
柄で選ぶ
スーツとベストは柄の合わせ方で雰囲気が変わるため、バランスを考慮して選ぶことがポイントになります。
スーツ無地・ベスト無地
スーツとベストをどちらも無地で揃えると格式高い雰囲気になり、優雅なパーティーシーンや結婚式向きのコーディネートになります。
お祝い事では、シルバーからミディアムカラー、ブラックまで色の濃淡も自由に選ぶことが可能です。格式高い場所では、シルバーかブラックがおすすめです。カジュアルな結婚式では、ミディアムカラーでシックにまとめてもスタイリッシュです。
無地のスリーピーススーツは、ビジネスでも使いやすくおすすめです。ビジネスでオッドベストを無地で合わせる場合は、色の差が派手にならないように注意します。
スーツ無地・ベスト柄
カジュアルな結婚式であれば、スーツは無地でアクセントとしてベストを柄にするのもおしゃれです。
ネイビーやチャコールグレーの無地か織柄のスーツに、細かい柄のハウンドトゥースやグレンチェック、大きな格子柄のウィンドーペーン、生地に斜めの織りが見えるツイルなどを合わせます。柄のベストは華やかですが、スーツスタイルはおしゃれ感が強いほど格式が下がるため、着用場面には注意しましょう。
親しい友人の結婚式で、レストランウェディングやガーデンウェディングなど、格式張らない場面での着用が目安になります。ベストが目立つおしゃれなコーディネートのため、ビジネスでの着用は服装規定が自由な業種に限られます。
スーツ柄・ベスト無地
スーツが柄でベストが無地のパターンもおしゃれです。
成人式などで、手持ちのストライプスーツにオッドベストを合わせるときは、無地がおすすめです。華やかにドレスアップできます。無地のベストは結婚式にもおすすめのコーディネートで、手持ちのスーツに無地のライトグレーやミディアムグレーのベストを合わせると、手軽にパーティースタイルに変えることが可能です。
スーツの柄がシャドーストライプ(織柄)やピンストライプのような薄い柄であれば、一般的な結婚式にも使用できるコーディネートになります。ビジネスシーンでは、派手にならない組み合わせであれば着用可能です。
スーツ柄・ベスト柄
スーツとベストが、どちらも柄の場合は、柄のパターンを変えることがポイントです。スーツがストライプの場合は、ベストをチェックやハウンドトゥース、組織柄(柄が小さいもの)にします。
スーツの柄とベストの柄のサイズを変えることでも同じ効果があります。スーツがマイクロチェックの場合、ベストを大きいチェックのウィンドーぺーンにすることですっきりとまとまります。ビジネスでの着用は、服装規定が自由な業種に限られます。
ボタンで選ぶ
ベストのボタンは、シングル(縦1列)とダブル(縦2列)があります。着用シーンに合わせて、シングルかダブルかを選び分けることが大切です。
ビジネスシーンで着るスーツに合わせるなら、シングルボタンのベストがおすすめです。すっきりとした印象で、会議や商談でもきちんとした着こなしが叶います。
一方、ダブルのベストはフォーマルなシーンでドレッシーな雰囲気が演出できるので、パーティーなどで華やかに着こなしたいときにおすすめです。少しクラシカルなイメージもあるので、日常の着こなしに新しさをプラスしたいときにも使えます。
襟のデザインで選ぶ
マナー的にはスーツに合わせるなら、どちらでも構いません。
ベストの種類
- シングルベスト襟なし
- ダブルベスト襟なし
- シングルベスト襟あり(ノッチドラペル)
- ダブルベスト襟あり(ピークドラペル)
- シングルベストショールカラー
- ダブルベストショールカラー
襟なしベストは最も合わせやすく、ビジネスシーンでも安心して着用できます。シンプルな形状でVゾーンがすっきりまとまるのが特徴です。ブリティッシュスタイルのスーツで、トレンドのピンホールシャツを合わせるのであれば、襟のあるシングルベストがおすすめです。
襟ありベストはクラシカルで華やかな印象を演出できますが、着こなしの難易度は少し上がります。結婚式やパーティーなど、フォーマルなシーンでは襟ありベストが映えますが、着こなすのが難しいと感じるときは、襟なしを選んでおくのが無難です。
ショールカラーはタキシードのようなドレッシーな雰囲気が特徴です。結婚式の二次会などで蝶ネクタイと合わせた特別なコーディネートも楽しめます。
自分の体型にあったサイズで選ぶ
かっこよくベストを着こなすなら、自分の体型に合ったサイズ感で選ぶことが大切です。
デザインに目がいきがちですが、サイズは重要なポイントです。
ベストの丈
ベストの丈の目安は、ウエストが隠れるくらいです。ベルトのバックルが少し見える長さが理想的です。短すぎるとシャツやネクタイが見えてだらしない印象になり、長すぎると胴長に見えてバランスが悪くなります。
身幅
身幅はからだにフィットし、動きやすいくらいの余裕を持つことがポイントです。大きすぎてウエストの生地がつかめるほど余裕がありすぎると、ベストのスタイリッシュ感がなくなってしまいます。
反対にウエストに横ジワが出るような小さいサイズだと、窮屈な印象になっておしゃれとは言えなくなってしまいます。座ったときのシワも気になるので注意しましょう。
既製服の尾錠でウエストを調節する際は、きつく締めすぎるとシワの原因になります。胸回りとウエストの落差(ドロップ寸)が大きい場合は、フルオーダーがおすすめです。
体型のカーブに合わせた型紙でベストを仕立てると、ジャケットを脱いだ際のシルエットが非常に美しくなります。ベストのサイズ感やシルエットを重視する場合は、型紙作成があるフルオーダーを選ぶのが良いでしょう。
アームホール
アームホールは脇が開きすぎることなく、適度なゆとりが保てるくらいが理想です。脇に食い込んでしまうようでは、見た目が悪い上に動きにくくなってしまいます。
ベストの生地が肩のラインから浮いている部分があれば、サイズが合っていないサインです。ベストの前ボタンを留め、腕を下げたときに、ベストの生地が肩のラインに吸い付くように密着しているかをチェックしましょう。
目安としては、着用するシャツとベストのアームホールの直径が同じくらいだとちょうどいいサイズ感になります。スーツとベストはフィット感にこだわり、お腹や背中からシャツが見えないものを選びましょう。

ベストの種類を徹底解説!着用のポイントも紹介
ベストはスーツ用として一般的な「ジレ」のほか、クラシックな「ウエストコート」アウトドアテイストな「トレイルベスト」など、非常に多くの種類があります。まずは「ジレ」と「ウエストコート」あたりを押さえておけば、コーディネートは問題ないでしょう。
ベストを着用するメリット

ジャケットを脱いだときの印象を変えてくれるだけではなく、ベストのメリットはいろいろあります。ではベストを着用すると、どのようなメリットがあるのか見ていきましょう。
おしゃれなコーディネートができる
スーツだけよりもベストを合わせて着こなせるようになると、おしゃれ度がグッと上がる効果があります。スーツとシャツ、ネクタイの襟もとにベストが加わることで、Vゾーンに華やかな空間が生まれるためです。
またベストでネクタイが立ち上がるように着こなせると、結婚式やパーティーなどでより華やかさが演出できます。いつものスーツスタイルをもっとおしゃれに着こなしたいときは、ベストを合わせてみましょう。上品でクラシカルな雰囲気が加わり、おしゃれなコーディネートになります。
スタイリッシュに見える
スーツをスタイリッシュに着こなすには、ベストがおすすめです。ベストにはおしゃれに見せるだけでなく、体型をカバーしてくれる効果もあります。
年齢とともにお腹周りが気になる方でも、体型に合わせてサイズとデザインを選べばスタイルアップできます。ベストを使って、自分の理想的なスタイルのファッションを楽しみましょう。
ジャケットなしでもフォーマルになる
ジャケットを脱いでもフォーマルな印象を保てることも、ベストを着用するメリットです。
もともとヨーロッパではワイシャツが下着と考えられているため、フォーマルな場でジャケットを脱いでシャツ姿になるのはマナー違反とされます。しかし、ベストを着ていればジャケットを脱いでもOKです。結婚式などの格式高い場面でも、暑さでジャケットを脱ぎたいときにはベストが重宝します。
なお、日本ではビジネスシーンでのシャツ姿は一般的ですが、より上品な印象を与えたいときはベストが効果的です。
季節に合わせて体温調節できる
ベストには着こなす楽しみだけでなく、着脱することで寒暖差に対応できるという機能性もあります。コートを着るほどでもない、少し肌寒いときなどはベストがとても重宝します。
季節に応じて暑いときは薄手の素材のベストで涼しく過ごし、寒いときはウールなどの厚手の素材で防寒するなど、素材を選んで調節するのもありです。また、ベストはコンパクトで、脱いでもかさばらないのでじゃまになりません。
ベストはおしゃれに着こなせるだけでなく、寒暖差を調節して快適に過ごせるアイテムでもあるのです。
ベストのたたみ方
スーツに使用するベストは気軽に洗えるものではないため、汚れや傷を避けるためのたたみ方があります。出先で暑くなって脱いだときなどに覚えておくと便利です。
脱いだベストの両肩に掌を入れ、手を合わせるように背中合わせで折ります。左手で両肩のアームホールをつまみ片手で持ちます。右手でボタンホールがある前身ごろを持ち、表生地を反対側へ回して重ねます。二つ折りにしてバッグなどに入れます。このたたみ方では、表生地が内側に重なるため汚れや傷を防ぐことが可能になります。飲み物や他の持ち物に注意して、シワにならない場所を選んで入れましょう。
ベストの着こなしのコツ

スーツを着る機会は多くても、ベストを合わせるとなると難しく感じる方もいるかもしれません。ここではベストの着こなしのコツをご紹介します。
Vゾーンを魅力的に見せる
ベストを着こなす上では、いかにVゾーンを魅力的に見せるかがポイントになります。
細身の体型の方は、Vゾーンが浅めのベストを選ぶと胸周りをよりたくましく立体的に見せることができます。反対にふくよかな体型の方は、Vゾーンが深めのベストで胸元にゆとりを持たせると、すっきりとした印象になります。
体型に合わせてVゾーンを加減することで、より魅力的な着こなしができます。
スーツとベストの色合いにメリハリをつける
スーツとベストの色合いを変えると、ベストが際立ち主役級の役割を果たしてくれます。スリーピーススーツのようにスーツの色と同じでもおしゃれ感は出ますが、ベストに差し色を持ってくるといっそうこなれ感が出ます。
パーティーシーンなどで、おしゃれなコーディネートが可能になります。
スーツが濃い色合いならベストを淡い色合いにする、また、スーツが淡い色合いならベストを濃い色合いにするなど、ベストをおしゃれに着こなしたいなら、スーツとベストの色合いにメリハリをつけてみましょう。
スーツとベスト全体の色使いを3色までにする
スーツとベストを合わせるときの色数は2色、多くても3色までに抑えるのが原則です。
これ以上になると見た目がごちゃついて、うるさい印象になってしまいます。
例えば、グレーのスーツ + 白シャツ + グレー系ベストなら、合計2色ですっきりまとまります。アクセントカラーとしてベストの色を変えるなら、グレーのスーツ + 白シャツ + ネイビーベスト + ネイビーネクタイなら合計3色に抑えられます。身につける色を3色までに絞って、統一感のある洗練された着こなしを心がけましょう。
シャツの襟先はベストで隠す
うっかりやりがちなのが、シャツの襟先がベストから出てしまうことです。せっかくおしゃれに着こなしても、襟先がベストから出ているだけで全体的にだらしなく見えてしまいます。
襟先を隠すには襟の開きが大きいデザインのシャツを選ぶといいでしょう。現在トレンドの「ワイドカラー」や「セミワイドカラー」がおすすめです。
セミワイドカラーやワイドカラーは襟の角度が100~140度くらい大きく開いており、現在のトレンドの襟幅は、8cm前後のため、バランス良く着用が可能です。ショートポイントやボタンダウン、タブカラーは襟先が隠れないデザインなので、基本的には避けたほうが無難です。
シーン別|スーツ×ベスト色違いコーディネート例

ビジネス・結婚式・パーティー・セレモニーなど、シーン別の具体的なコーディネート例を紹介します。実例を参考に、マナー違反の心配なく、スーツ×ベストの色違いコーディネートを楽しんでください。
ビジネスシーンでの着こなし
カジュアル寄りの職場なら、ベストの色違いコーディネートを取り入れられます。代表的な組み合わせは、ネイビースーツ×グレーベストです。ネイビーの「青み」とグレーの「中立性」が視覚的にバランスを取りやすく、洗練された印象を与えます。
ベストの柄に迷ったら、ビジネスシーンで着用するアイテムであることを考慮し、無地を選ぶのが安全です。
ストライプを取り入れる場合は、スーツとのバランスを考慮しましょう。無地のスーツには主張のあるストライプも合わせられますが、柄物のスーツには控えめなストライプを選ぶのが安心です。全体が派手になりすぎないよう、柄同士の調和を意識してコーディネートしましょう。
結婚式・パーティーでの着こなし
結婚式やパーティーでは、ドレッシーな配色でおしゃれを楽しめます。落ち着いた色のスーツでも、ベストの選び方次第で華やかなスタイルに変身します。
例えば、ネイビースーツ×黒ベストは、黒の高級感が加わることで華やかかつ上品な印象を与える組み合わせです。グレースーツ×ワインレッドベストなら、重厚感がありつつも彩度の高いワインレッドが目を引き、おめでたい席にふさわしい装いとなるでしょう。
結婚式では注意すべき点もあります。全身を黒でまとめるとお葬式のような暗いコーディネートになるため、明るい色味を取り入れる必要があります。また、新郎新婦とかぶる白に近いスーツや、派手すぎる装いは避けるべきです。
入学式・卒業式・セレモニーシーンでの着こなし
入学式・卒業式などのセレモニーシーンでは、どれくらいフォーマルな雰囲気が求められるかがポイントになります。
格式高い式典や厳粛な雰囲気の場合は、色違いベストよりもスリーピーススーツでまとめるスタイルが無難です。統一感のある装いで、場の雰囲気に配慮した着こなしを心がけましょう。
一方、ややカジュアルなコーディネートが許される場合は、控えめながら品格のある配色を選ぶことで、おしゃれ感をプラスできます。例えば、ネイビースーツ×グレーベスト、グレースーツ×ネイビーベストといった落ち着いた組み合わせがおすすめです。
主役である子どもを引き立てつつ、きちんと感のある印象が理想的です。
色違いベストのおすすめカラー&組み合わせパターン
ビジネスシーンをはじめ、幅広く活用できるスーツの定番カラーは、ネイビー・グレー・黒の3色です。
ネイビー系スーツは寒色系との相性が抜群です。グレー、ブルーグレーなどと組み合わせることで、知的で洗練された印象を演出できるでしょう。
グレー系スーツは無彩色のため、暖色・寒色を問わず多彩な色とコーディネートできます。ネイビーやブラックと合わせれば落ち着きのある雰囲気に、ブラウンやキャメルと組み合わせれば柔和な印象を作れるでしょう。濃いグレーには明るい色、薄いグレーには暗い色を合わせるのもバランスよく仕上げるポイントです。
スーツとベストの色違いコーデ成功のポイント
スーツとベストが色違いのコーディネートは少し難しいイメージがあるかもしれません。スーツとベストの色違いコーデを成功させるために、最も重要なのはサイズ感です。体型に合わないサイズでは、どんなによい色合わせでも台無しになるためです。
素材選びでは、生地をそろえるか、あえて質感を変えるかで印象が大きく変わります。ベストのボタン数やデザインも全体のバランスに影響します。さらに、シャツ・ネクタイ・ベルトといった小物との調和まで含めて考えることも、全体をまとめるために必要です。
こうした細部へのこだわりを実現するなら、オーダースーツがおすすめです。
オーダースーツなら、個人の体型に合わせた細かな調整で美しいシルエットを作れるだけではなく、生地やボタンの素材・配置まで自由に選択できます。より個性的で完成度の高いスタイルを実現できます。ここからはどんな風に着こなしているのか、実際にメンズスーツとベストが色違いのコーディネートをタイプ別に紹介します。
ブラウンのチェックジャケットと明るいブラウンのベストを合わせた温かみのあるコーデ

ブラウンで統一した、秋らしい遊び心のあるコーディネート例です。ベストの明るいトーンが、全体の印象をおしゃれにまとめています。
ジャケットとネクタイに柄が入っていますが、ブラウン系の色使いをしているので違和感がありません。ブラウン独特の温かみのある感じが、ウールの素材感ともマッチしています。
全体の配色が絶妙に融合した、個性的な印象が素敵です。
ブルーのスーツにグレーのベストを合わせたフォーマルコーデ

グレーのベストが全体をまとめて、上品な印象のコーディネートになっています。ベストは襟が付いたタイプなので、Vゾーンの華やかさが増しています。
鮮やかな色合いのジャケットとネクタイは、品格のあるデザインのベストにぴったりです。パーティーなどで使いたい着こなしです。
柄物ジャケットにダブルボタンのベストでクラシカルスタイル

柄物のジャケットにダブルボタンのベストを合わせて、クラシカルな雰囲気にしています。
ブラウン系はグレーやネイビーとも相性がいいので、差し色として使うとコーディネートの幅が広がります。
全体のトーンを落ち着かせる中で、ネクタイのカラーを明るくしているため、Vゾーンが華やかに見えておしゃれです。
ロイヤルブルーのスーツとグレーのチェックベストのフォーマルスタイル

濃い鮮やかなロイヤルブルーのスーツにグレーのチェック柄のベストで、グッとクラシックな印象を与える着こなしです。チェックの中に青い線が入っているところも、このコーディネートのポイントです。
柄物を合わせるときは、スーツと同系の色を入れるとまとまりやすくなります。パーティーシーンではとかく華やかになりがちですが、チェックのベストで落ち着きのある雰囲気が出せます。フォーマルな着こなしでも、ベストにポイントを持ってくるとイメージを変えることができます。
チェックオンチェックのモノトーンコーデ

チェックオンチェックで、上手に柄物のベストを合わせているコーディネートです。大きさの違うチェックを合わせていますが、全体をモノトーンにすることで統一感を出しています。
ジャケットとは違う柄のベストを合わせても、色使いがシンプルなのでうるさくなりません。むしろおしゃれに精通した貫録を感じます。柄物のベストのコーディネートは難しいですが、トータルでまとまった印象になるように合わせてみましょう。

スーツベストの上手な着こなし方とは?種類やコーディネートのポイントを徹底解説?
この記事では、ベストの正しい着こなしやおすすめコーディネートを紹介していきます。
オーダースーツならではの色違いベストの魅力

思い通りのコーディネートでスーツにベストを合わせるなら、断然オーダースーツがおすすめです。既製品は体の一番大きい部分に合わせるため、他の部分にゆとりができすぎて「スーツに着られている感」が出てしまいがちです。オーダーなら一人ひとり採寸するため、ジャストフィットで仕上げられます。
体型に合わせられるだけでなく、細かいデザインや素材も自分の好みで選べることも、オーダースーツの魅力です。同じネイビーの生地でも光沢感や肌触りに違いがあります。生地選びから楽しめるのはオーダーならではの醍醐味。スタイルや生地、ボタンや裏地まで選択肢が豊富で、理想のアイテムを実現できます。こだわりの詰まったオリジナルのスーツは、仕事へのやる気にもつながるでしょう。
オーダースーツSADAは、完璧なフィット感と豊富な生地の選択肢が魅力。既製品では難しい微妙な色合わせも可能で、理想のコーディネートを実現できるでしょう。初めてのオーダースーツで不安のある方でも、専門知識を持ったスタッフが失敗しないコーディネートをご提案し、生地やボタン、裏地選びまで丁寧にサポートします。
ご来店の際は事前予約をいただくと、スムーズなご案内が可能です。採寸から仕上がりまでは通常1ヶ月前後で、1ヶ月以内なら無料でお直しができるなど、購入後のサービスも充実しています。ぜひオーダースーツSADAで、自分だけのスーツを着る楽しさを味わってください。
まとめ:色違いベストでワンランク上のスーツスタイルに

スーツとベストの色違いについて解説しました。スリーピーススーツのようにスーツと同じ色のベストは確かに無難です。しかし物足りないと感じる方は、スーツと色違いのベストを合わせるのがおすすめです。ぜひスーツに色違いのベストを合わせて、男性ならではの個性的でおしゃれなファッションを楽しんでください。
オーダースーツなら、既製品では実現できない微妙な色合わせや完璧なフィット感で、理想のコーディネートが可能です。さらにベストの襟やボタンのデザインにこだわれば、上級者の着こなしになること間違いありません。
さらに、プロのスタイリストが色選びからサイズ調整まで丁寧にサポートするため、初心者でも安心してチャレンジできます。適切なサイズ感と色合わせで、失敗のリスクを大幅に軽減できるのもオーダースーツならではの魅力です。
オーダースーツにご興味がある方は、ぜひお近くのオーダースーツSADAにご来店ください。
スーツとベストの色違いをさまざまな角度から徹底解説しました。スーツとベストの着こなしのポイントは「スーツと同系色にする」「スーツとの配色を意識する」「柄ものでコーディネートする」の3点です。個性を演出したい方は、今回紹介したコーディネートにぜひ挑戦してください。スーツに合うベストは、素材や色、ボタン、ベストの襟やデザインにこだわれば、上品で華やかな着こなしに仕上げられます。スーツスタイルをスタイリッシュでおしゃれに見せるベストを作って、自分の理想的なスタイルのファッションを楽しみましょう。