サスペンダー(ブレイシーズ)とは?種類や選び方・付け方をわかりやすく紹介!のアイキャッチ画像
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サスペンダー(ブレイシーズ)とは?種類や選び方・付け方をわかりやすく紹介!

スーツをスマートに着こなしたいのに、パンツのずり落ちやウエストの締め付けが気になる……。そんな悩みはありませんか?
「サスペンダー(ブレイシーズ)」を使えば、快適さと美しいシルエットを両立できます。
本記事ではサスペンダーの魅力や種類、付け方や初心者におすすめのタイプをわかりやすく解説します。毎日の装いにサスペンダーを取り入れて、ワンランク上のスーツスタイルを実現しましょう。

サスペンダー(ブレイシーズ)とは?

一見クラシックで敷居が高そうに思えるサスペンダー(ブレイシーズ)ですが、メンズはもちろん、近年ではレディースのスーツスタイルでも取り入れられている注目のアイテムです。

フォーマル感を演出しつつ、さりげなくおしゃれな雰囲気も加えられるため、大人から子どもまで幅広い世代に支持されています。100円ショップでも販売されるなど、ますます身近な存在になっています。

そんなサスペンダーの基本的な役割や魅力についてチェックしていきましょう。

パンツを吊って支えるクラシックな紳士アイテム

サスペンダーは、パンツを肩から吊って支えるクラシックなファッションアイテムです。イギリスでは「ブレイシーズ」、アメリカでは「サスペンダー」と呼ばれています。

ベルトがウエストを「締めて」固定するのに対し、サスペンダーは「吊る」ことで自然なフィット感と美しいシルエットを実現します。

18~19世紀ごろからフランスやイギリスをはじめヨーロッパで広まり、現代ではトラッドな雰囲気を演出する「コーディネートのアクセント」として再び注目されています。

個性的でおしゃれ感をプラスできる点は、多くの人に選ばれる理由の1つです。

サスペンダー(ブレイシーズ)のメリット

サスペンダーの魅力は、クラシックな見た目だけではありません。着用感や機能性に注目して、メリットを解説します。

ウエスト位置が安定して足が長く見える

サスペンダーはパンツを肩から吊り下げて固定することで、常に一定のウエスト位置を保てるのが特徴です。

パンツのずり下がりを防げ、ウエストラインを理想的な高さで維持することができます。その結果、足が長く見え、全体のシルエットもすっきりと整います。

また、スーツパンツのセンターラインの折り目が崩れにくくなり、縦ラインが美しく際立つのもポイントです。

スーツスタイルでは、こうした細部の整いが全体の印象を大きく左右します。その点、サスペンダーは快適さとスタイルアップの両方を叶える頼もしい存在といえるでしょう。

近年はメンズだけでなくレディース用のサスペンダーも増えており、性別を問わずスタイルづくりに取り入れらています。

お腹周りを締め付けず、長時間でも快適

サスペンダーは、パンツを肩から吊るす構造のため、ベルトのようにウエストを締め付ける必要がありません。そのため、お腹周りに圧迫感がなく、長時間の着用でも快適に過ごせます。

デスクワークや会食など、座っている時間が長いビジネスシーンでもお腹周りが窮屈に感じることなく、自然な姿勢を保ちやすいでしょう。

適度に余裕のあるウエストサイズでも美しく着こなせるのも、サスペンダーのメリットの1つです。将来的な体型変化を見越して少しゆとりを持たせても、サスペンダーを使用すれば自然なシルエットを保てます。

このように着る人の体にやさしく寄り添いながら、スマートな印象を損なわないのが、サスペンダーならではの魅力なのです。

パンツにシワが入りにくく、シルエットが崩れにくい

生地にシワが寄りにくい点もサスペンダーの魅力です。

ベルトでウエストを締めると、座ったときに生地が押し上げられてシワができたり、ヒップや太ももにたるみが出たりしがちです。しかし、サスペンダーならそうした崩れを防げます。

パンツの形が安定することで、全体のシルエットも整いやすくなり、装いに落ち着きと品のよさが生まれます。

さらに、サスペンダーはウエストまわりに厚みが出やすいベルトとは異なり、ベストを重ねた際に裾が跳ね上がる心配もありません。

ベストのラインが乱れず、スーツ全体のバランスが美しく保たれるので、立ち姿だけでなく、ふとした動作や所作にもスマートな雰囲気が漂います。

フォーマル度が上がり、上品な印象になる

サスペンダーはビジネスシーンだけでなく、会社の式典や取引先との会食、結婚式などのフォーマルな場でも活躍します。

サスペンダーは、イギリスの伝統的なドレススタイルにも用いられるアイテムで、スーツに取り入れることでフォーマル度がぐんと高まります。

ちなみに、タキシードやモーニングなどの格式高い服を着る際は、ベストやカマーバンドとともにサスペンダーを着用するのが正式とされています。これはパンツの位置を直す動作を避けるための配慮でもあります。

サスペンダーの主な種類

サスペンダーと一口に言っても、いくつかのタイプがあり、それぞれ印象や使い勝手が異なります。

特にバンド部分の仕様は、フォーマル・カジュアルの使い分けにも関わる重要なポイントです。それでは、サスペンダーの代表的な種類を紹介します。

X型

X型のサスペンダーは、背中でバンドが交差するタイプ。前2点、後ろ2点の4点留めにより安定感が高いのが特徴です。動きの多い場面でもズレにくく、長時間でも快適に着用できます。

バンドが左右対称に配置されているため、肩への負担が分散されやすく、姿勢を保ちやすいのも利点の1つ。しっかりとしたホールド感があり、アクティブな動きにも対応します。

ビジネスからフォーマルまで幅広いシーンに対応できるため、実用性を重視する方にはぴったりでしょう。

Y型

Y型のサスペンダーは、背中側で1本にまとまり「Y字」を描くデザインです。後ろ1点、前2点の3点留めで、背中のラインがすっきり見えるため、スタイリッシュでおしゃれな印象を与えます。

X型に比べて背面の構造がシンプルな分、椅子にもたれた際の違和感が少ないのもうれしいポイント。

またファッション性が高く、カジュアルな着こなしに取り入れやすいのも魅力です。フォーマルさを保ちつつ、軽快な雰囲気を演出したい方におすすめのスタイルです。

H型

H型のサスペンダーは、背中側でバンドがH字型に配置された種類です。X型とは違い、左右のバンドが背中で交差せずに、中央のパーツで連結されています。

背中のパーツそれぞれが身体の動きに合わせて柔軟に可動し、自然なフィット感と快適な着用感を実現。クラシカルで落ち着いた印象があり、フォーマルな装いにも違和感なく馴染みます。

サスペンダーの中で特に歴史が古いといわれるH型は、機能性と品格を兼ね備えたスタイルとして今もなお人気です。

ホルスター型

ホルスター型のサスペンダーは体のサイド2点で留めるタイプで、たすき掛けでパンツを吊り下げるスタイルが特徴です。

この構造により、着用時にバンドが後方へ引き込まれる力が働き、自然と背中が伸びるだけでなく、バンドが肩からずり落ちるのを防ぎます。

また、ほかのサスペンダーに比べて肩への負担が少ないのも大きなメリットです。

着脱しやすいため、従来のサスペンダーで不便さを感じていた方に、ぜひ試してほしいアイテムです。

サスペンダーの留め具の種類

サスペンダーの留め具は、タイプによって見た目の印象だけでなく使用感も異なります。ここでは、サスペンダーの留め具の種類や、それぞれの取り付け方を解説します。

クリップ型

サスペンダーの中で主流とされるクリップ型は、バンド先端の金属クリップで直接パンツの生地を留めるタイプです。

サスペンダー用のボタンホールが不要で、どんなパンツでも簡単に装着できます。着脱もスムーズなので、毎日の忙しい朝や出張先でも手軽に使えるでしょう。

ただ、いつも同じ位置にクリップを留めると、その部分にクリップの跡が残りやすくなってしまう場合があります。

その際は、クリップにクッションが付いたものを選んだり、位置を少しずつずらして留めたりといった工夫をすると安心です。

ボタン型

ボタン型のサスペンダーは、バンドの先端にボタンホールが付いたものです。着用の際は、パンツの内側に縫い付けられたサスペンダー専用のボタンに留めて固定します。

金属クリップを使わないため、生地を傷めにくいのが魅力。スーツを長く愛用したい方にはおすすめです。

着脱には少し手間がかかりますが、その分しっかりと固定され、安定感があります。

ただ、ボタンの位置が固定されているため、ボタンを留める位置の調整が難しい点には注意が必要です。不安な方は、クリップとボタンホールの両方が付いた2WAYのサスペンダーを選びましょう。

クリップボタンを使えば「ボタンがないパンツ」でも使える

別売りのクリップ付きのボタンを使えば、ボタンがないパンツにもボタン型のサスペンダーを取り付けることができます。

クリップ付きのボタンは、パンツのウエスト部分に挟むだけでボタンの代わりになる優れもので、縫い付けの手間は不要です。取り外しが簡単で、複数のパンツで使い回せるので、コーディネートの幅が広がります。

市販のクリップボタンは種類が豊富なので、お手持ちのスーツに合う色や形を選んで、装いのアクセントとして楽しんでみましょう。

初めての人におすすめのサスペンダー型は?

初めてサスペンダーを使う方には「クリップ式×Y型」の組み合わせがおすすめです。

クリップ式はパンツに直接留めるだけで装着できるため、初めてでも手軽に取り入れられます。背中側が1本にまとまるY型は、肩への負担が少なく、すっきりとした印象に。

スーツに合わせるなら、白・黒・グレー・ネイビー・茶などのダークな色や、無地といった控えめな柄が好印象です。

バンドの幅は3〜4cm程度がバランスよく、スーツスタイルに自然に馴染みます。迷った際はまずはこの組み合わせから試してみましょう。

サスペンダーの付け方

サスペンダーは正しく装着することで、見た目の美しさと快適なホールド感が最大限に引き出されます。スーツスタイルを格上げするサスペンダーの基本的な付け方を、3ステップに分けて解説します。

STEP1:背中側から留める

サスペンダーは、背中側から取り付けるのが基本です。背中側から取り付けることで全体のバランスが整いやすくなります。

Y型の場合は背中の中央、X型の場合は背中心からそれぞれ左右5cmほど離れた位置が目安。

肩こりが気になる方は、後ろのバンドを長めにとって、背中で交差している部分を上側に調整しましょう。このひと工夫だけで、肩に重さが感じにくくなります。

背中の位置を整えておくと、着用中のズレも起こりにくくなるので、この段階でしっかりと長さを整えておきましょう。

STEP2:次に前側を留める

背中側を固定したら、次に前側の留め具をパンツに留めます。

留める位置は、パンツのセンタープレスの延長線上が目安です。前のバンドの位置は、見た目にも影響するため、左右対称に留め具をセットするのがポイントです。

クリップ型の場合は生地を傷付けないよう、奥まで生地を挟まず、先端で挟み込んで固定します。ボタン型の場合は、ボタンホールがねじれていないか確認をしてから留めましょう。

STEP3:立った状態で長さ微調整する

最後に、立った状態でサスペンダーの長さを微調整します。

長さの調節は、金具部分で行うのが一般的です。ベルトの穴式とは違い、細かく調整できるのがサスペンダーならでは。

金具の位置は胸より少し下あたりが目安とされていますが、体型や着心地に合わせて柔軟に調整しましょう。

人の体は左右対称ではないため、着用後に左右のバンドの長さを見比べて、違和感がないよう整えることが大切です。

サスペンダーに適したスラックスの選び方

スラックスによって、サスペンダーを付けた際の印象は大きく変わります。ビジネスにもフォーマルにも映える、サスペンダーにふさわしいスラックスの選び方を押さえておきましょう。

ウエストサイズは“やや余裕”があるもの

サスペンダーに合わせるスラックスは、ウエストに少し余裕をもたせたものを選びましょう。

ベルトとは違い、サスペンダーの場合はスラックスを吊るす構造です。この構造により、スラックスが下がらず、座った際に前部分が上がって腹部を圧迫することがあります。

ベルト仕様のパンツと同じ寸法で作ると動きづらさを感じやすいため、通常より1~2cmほどゆとりのあるサイズを選ぶと安心です。

股上は深めの方がシルエットがきれい

サスペンダーをスラックスに装着する際は、ウエストの位置がベルト着用時よりも高くなるため、前後の股上(ウエストから股下に至る深さ)をしっかり確保することが重要です。

浅めの股上を選ぶと、吊られた状態でパンツが食い込んだり、お尻周りが引っ張られてラインが崩れがちです。

股上が深めであれば、スラックスの前後に余裕が保たれ、自然なドレープやきれいなシルエットが生まれます。

スラックスを購入する際は、股上寸法を通常より数cm深めのものを選びましょう。

タック入りはセンタープレスがきれいに見えやすい

サスペンダーを使ってパンツを吊るスタイルでは、前中心に細く入ったセンタープレスが縦のラインを強調し、スタイル全体をシャープに見せてくれます。

センタープレスがクリアに出ることで、スタイルアップも期待できます。特にタックが左右に1本ずつ入った「ワンタック」のスラックスは、ゆるめのフィット感とフォーマル感のバランスが絶妙です。

サスペンダースタイルをきれいに決めたい方は「ワンタック+センタープレスあり」のモデルを検討してみましょう。

裾幅は細すぎない方がバランスがよい

サスペンダーに合わせる場合、裾幅が細すぎるスラックスは避けましょう。

パンツの裾幅があまりにも細いと、太ももや裾に不自然な引きつれやシワが発生しやすくなります。逆に、裾幅にある程度ゆとりがあると、スラックスがまっすぐ自然に落ち、足のラインがきれいに見えます。

サスペンダーと組み合わせるスラックスを選ぶ際は「裾幅が20cm以上で、なおかつ股上が深め」を意識してみてください。

ベルトループはない方が上品

サスペンダーを付けることを前提にスラックスを選ぶなら、ベルトループのない「ループレス仕様」が上品でおすすめです。

ベルトループがないことで腰周りの凸凹がなくなり、美しいシルエットを保てます。サスペンダーを付ける際も、ベルトループが邪魔になることなくスムーズに装着できます。

ただ、現在は既製品では見つけるのが少し難しいことも。ループレス仕様をお求めの場合は、オーダースーツ専門店で仕立ててもらいましょう。

知っておきたいサスペンダーのマナー2つ

サスペンダーをスマートに着こなすためには、見た目だけでなくマナーにも気を配りたいものです。ここでは、知っておきたいサスペンダーのマナーを2つ紹介します。

ジャケットは“脱がない”前提

サスペンダーは本来、見せるためのアイテムではなく、スーツのシルエットを美しく保つための裏方的な存在です。

近年はファッションとしてあえて見せるスタイルもありますが、ビジネスシーンでは基本的にジャケットの下に隠して着用するのがマナーとされています。

動作の中で少し見える程度がスマートです。あえて意識的に露出させるような着こなしは避けましょう。

ホルスター型なら、上着を羽織った際にもサスペンダーが見えにくい構造なので安心です。

ベルトとサスペンダーは同時に使わない

サスペンダーとベルトは、どちらもパンツを支える役割を持つため、どちらか一方を使うのが一般的です。併用すると見た目の印象がちぐはぐになり、装いの品格を損ねることもあります。

ベルトループが付いているパンツでも、サスペンダーを使用する際はベルトを外して着用しましょう。

体型に合わせて仕立てるオーダーメイドスーツなら、ベルトなしでも美しくフィットするパンツが叶いますよ。

サスペンダーを着こなしてワンランク上のスーツスタイルを

サスペンダーは、スーツスタイルをより快適に、美しく見せるためのメンズの必須アイテムです。ウエストの締め付けを軽減し、自然で上品なシルエットをキープします。長時間の着用でも快適に過ごせるほか、立ち姿も座り姿もスマートに見せてくれます。

オーダースーツSADAでは、サスペンダーが美しく映えるスーツを、一人ひとりの体型に合わせて丁寧にお仕立てしています。肩からの落ち感やウエスト位置、パンツのシルエットまで細かく調整できるため、既製品では叶えにくい理想のバランスが実現します。

「サスペンダーをもっとおしゃれに見せたい」「着心地も見た目もワンランク上にしたい」という方は、ぜひ一度ご相談ください。あなたの魅力を最大限に引き出す、特別な一着に出会えるはずです。

(構成・編集/yoko)