ツイードスーツとは?コーディネートやメンテナンスの方法、着こなし方について紹介のアイキャッチ画像
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ツイードスーツとは?コーディネートやメンテナンスの方法、着こなし方について紹介

イギリスの伝統が息づくツイードスーツは、秋冬のフォーマルウェアとして長い歴史を持つアイテムです。クラシックで素朴な風合いのツイードスーツは、着る人に品格と落ち着きを与え、ビジネスからプライベートまで、幅広いシーンで活躍します。本記事では、ツイードスーツのメンズとレディース両方のコーディネートや生地のメンテナンスの方法、着こなし方などを、日頃からスーツを着慣れない方に向け紹介します。ツイードスーツの魅力を知り、素敵に着こなしましょう。

ツイードスーツとは?冬に選ばれる理由や特徴

ツイードスーツとは?冬に選ばれる理由や特徴

ツイードは、イギリス発祥の伝統的な織物です。ツイードは着れば着るほど風合いが良くなったり味わいが出てきたりするため、一生ものと呼ばれるほど長く着られます。ここでは、ツイードスーツにまつわる歴史や素材の特徴を解説します。 

イギリス生まれの伝統生地「ツイード」とは 

イギリス生まれの伝統生地「ツイード」とは 

ツイードは、ウール製の毛織物の一種で、主にイギリス、スコットランドやアイルランド地方で18世紀頃から伝統的に作られてきた織物です。当時は、主に漁師の作業着などとして織られ、着用されていました。1930年代頃からは、メンズファッションの素材として用いられるようになったといいます。 

スコットランドでは、夏でも冷たい風が吹いたり、突然強い雨が降ったりすることがあります。そんなスコットランドの荒天の中で育った羊の毛は独特の質感とたっぷりと油分が含まれているため、雨風に強く、保温性が高いといった特徴があります。ツイードは他の生地にはない素材感が魅力で昨今見直されている生地です。

ツイードは、元々はハンティングやアウトドア用として着用されてきた歴史がありますが、その性能の高さから、冬が長いイギリスでは現在でも紳士服の定番ファブリックとして重宝されています。

「ツイード」は土地の言葉であり、当初は「Tweel(トゥイール)」と呼んでいました。当時のペンのインクは滲みやすく、字が読みにくかったため、1825年頃、ロンドンの生地商に伝票を送ったときに間違えてロンドンの担当者が「Tweed(ツイード)」と読んでしまったことから、ツイードという名前になったといわれています。他にイギリスにあるツイード川という川からつけられたなど諸説あります。

ツイードの特徴と冬に最適な理由

ツイードには紡毛糸と呼ばれる太くて短い羊毛が使用されています。凹凸があってゴツゴツした独特なざらつき感があり、頑丈で摩耗に強く、耐久性があって長く着られることが特徴です。

また、ツイードは荒い折り目の間に含まれる多くの空気が断熱材の役目を果たすことから、防寒性と保湿性にたいへん優れています。ツイード素材のコートなどが秋冬のコレクションに多く登場するのはそのためです。 

同じ秋冬に用いられる素材にフランネルがありますが、フランネルが起毛があるのに対してツイードは起毛がありません。そのため織り目がはっきり見えるのも特徴で、それがツイード素材ならではの高級感を醸し出しています。羊毛の染め方次第で、赤や黄色、緑などいろいろな色合いのものを作れるのも魅力です。

そして、ツイードはストレッチ性がありません。しっかりとした硬めの布地でできています。長く着用することで伸びてしまうことがほとんどないので、いつまでも愛用できます。特に孫の代まで着用できるともいわれるほど丈夫な造りのヘリンボーンは、気候の影響を受けにくいためどんな地域でも着用できるのも大きな特徴です。

しっかりした厚手の生地でありながら、加工次第で程よく通気性を確保できる点もツイードの魅力。ツイードにシルクやリネンを混ぜることで、夏でも着用できる「サマーツイード」という素材に変身します。

とはいえ、ツイードスーツは基本的に冬場の着用に適しています。空気を多く含むツイード生地は、比較的軽量でありながら優れた保温性を発揮するためです。また、耐久性が高いため、冬の雪や雨、風などにも耐えうる実用性を備えています。

フォーマルからカジュアルまで幅広いスタイルに対応できるツイードスーツは、日本においても男女問わず多くの方に、冬の定番スーツとして愛され続けています。

クラシックで素朴な雰囲気が魅力

ツイード素材の製品は、その独特な風合いからクラシックで古典的な雰囲気が特徴的です。素朴で、どこか懐かしい雰囲気があるのもツイードならではといえます。チェック柄の製品も多く、カジュアルすぎない上品な大人の印象のコーディネートを作ることが可能です。

ツイードは素朴な風合いのため男性的なイメージが強いですが、いわゆるシャネル・ツイードの登場により、レディースファッションの素材としても一躍注目を集めることになりました。現在でも、パリ・コレクションなどで一流ブランドが女性のトラッドスタイルの素材として使用しています。

ツイード生地の魅力は他にもあります。ツイード生地には杢(もく)感のある独特な風合いがあり、同じ色味でも、他の生地と比べると深みのある表情を演出できます。また、ツイードの柄にはチェックやヘリンボーンなどの伝統的なものが多く、素材感のみでクラシックな雰囲気をかもしだせることも魅力のひとつ。ツイードのざっくりした見た目は、ビジネスシーンはもちろん、カジュアルな場にも溶け込めるシーンレスなスタイルを実現します。

ツイードスーツのメリットデメリット

ツイードスーツのメリット・デメリット

ツイードスーツのメリットとデメリットを解説します。耐久性が高く活用シーンも幅広いツイードスーツですが、メンテナンスには注意が必要です。

ツイードスーツのメリットや魅力

ツイードスーツのメリットや魅力

前述の通り、ツイードは防寒や保湿の面において非常に優れているため、秋冬用のスーツとして一着持っておくと安心です。繊維が太く丈夫で耐久性が高いツイードスーツは、良いものを長く愛用したい人にとって大きなメリットでしょう。

また、使えば使うほど生地が体型になじむため、経年変化を楽しみながら着用できる点も嬉しいポイント。経年変化といっても型崩れすることはなく、柔らかさの中にもイギリスらしい美しく立体感のあるシルエットをキープできます。

ツイードは同じく秋冬素材として用いられるフランネルと比べて起毛がないため、織り目の特徴がハッキリと見えます。その鮮やかな折り模様や、かつて英国紳士が愛用していたという背景から、高級感のある装いに仕上がることも魅力です。

カジュアルさもありつつ上質な印象も与えられるため、ビジネスシーンに限らずプライベートなカジュアルシーンにも着用できるでしょう。シーンを問わない着こなしを楽しめるのも、ツイード生地をスーツに使用するメリットです。

ツイード素材のデメリットや注意点

ツイード素材のデメリットは、手入れが必須なことや洗濯不可の製品が多い点にあります。

ツイード素材は、手入れをきちんと行えば孫の代まで使えるといわれるほど耐久性に優れています。しかし、多くのツイード素材を使用したアイテムは自宅での洗濯ができません。自宅での手入れは専用のブラシでホコリなどの汚れを落とすなどが主になり、何かをこぼして汚してしまった、という場合にはクリーニングが必要です。

アイテムによっては洗濯できるものもありますが、洗濯可能な表示のないツイード素材を誤って洗濯してしまった場合、ウールの繊維が縮んだり、風合いが変化したりする可能性も。せっかくのツイードの素材感が損なわれてしまいます。毛玉やホコリも付きやすいため、普段から丁寧なケアが必要です。自宅で洗濯が出来ず、手入れの手間やクリーニングが必須となる点はデメリットといえるでしょう。

加えて、ツイードジャケットやツイードスーツを「おじさんっぽくなる」と考えている人もいるようです。理由としてはツイード生地が18世紀ごろから作られている伝統ある織物であること、ツイード生地は値が張るため若い世代には手に入れにくいものだったことがあげられます。

また、ツイード生地を使ったジャケットなどは、独特の風合いがあり重厚感も漂います。そのため、若い世代よりは40代や50代、60代といった大人世代の人に良く似合います。

さらに元々は英国貴族が乗馬をする際にカントリージャケットとして着用していた背景や、1950年代~1960年代に流行したことなどもあり「お父さん(おじいちゃん)が着ていた」とおじさんが着る服というイメージを持っている人がいるのかもしれません。

しかし実際にはそんなことはなく、近年ではツイード生地は再流行していますし、ハリウッドスターやモデルなどもツイードジャケットをオシャレに着こなしており、全くおじさんっぽく感じさせません。組み合わせるアイテムや色柄、サイズ感でもガラっとイメージが変わるため、おじさんっぽく感じさせないツイードジャケットやスーツなら、オーダースーツもおすすめです。

その他、ツイードは保湿性や防寒性が高いぶん通気性が低いことや、重さがあることにも注意が必要です。また、ハリスツイードなどの高級素材は価格が高いこともデメリットといえるかもしれません。

ツイードスーツの着こなしポイント【メンズ編】

ツイードスーツの着こなしポイント

ツイードスーツの着こなしポイントを、カラーや柄選び、インナー選び、パンツやシューズとの相性に関して解説します。

カラーの選び方

ツイードスーツのカラーは、ブラック系、ブラウン系、グレー系などが定番です。

あらゆるシーンに対応できるカラーはブラック系です。ブラックは締まって見えるので体型をカバーできます。バッグ、靴もすべてブラックにしてしまうと、全体的に重くなるので、コサージュなどで差し色をいれるのが良いでしょう。

ブラウン系のスーツは温かみのある印象を演出します。シャツに青色を取り入れることで、ブラウンカラーが持つ柔らかな雰囲気を崩さず、カラーバランスを重視したコーディネートに仕上がるでしょう。

さまざまな色と合わせやすいのがグレー系のスーツです。同系色でまとめるのもスタイリッシュですが、小物で差し色となるカラーを取り入れるのもおすすめです。

ネイビー系のツイードスーツはダークカラーですが、華やかさを与えます。セレモニーの場のように、上品で華やかな着こなしが求められるシーンにピッタリです。特に華やかに見えるのが、ワンピースやノーカラーのスーツ。コサージュやハンカチの色も工夫すると、ネイビーがより映えてくれます。

柄の選び方:ヘリンボーン柄に注目

柄の選び方:ヘリンボーン柄に注目

ツイードの中でも代表的な柄にヘリンボーンがあります。ニシンの骨という意味があるヘリンボーンは、杉の葉、魚の骨のような模様が特徴的です。柔らかな風合いをもち高級感があるため、大人の渋さを魅力的に引き出してくれます。上品な英国の紳士のようなスタイルになるため、ワンランク上の着こなしを楽しみたい人におすすめです。

ただし、ヘリンボーンはダーク系が多いため、少し渋さが強くなります。初心者はグレーやブラウンなどの柔らかい色のほうが、ビジネスカジュアルにも対応できて使いやすいでしょう。落ち着いた印象を目指すなら、無地もおすすめです。

ヘリンボーンよりもカジュアルな雰囲気を楽しみたいなら、チェック柄はいかがでしょうか。チェック柄は独特な素材感があり、他の生地とは違う印象を与えます。模様のライン一つひとつの柄も立体的になり、おしゃれな感じが際立ちます。遊び心を加えたい場合は、グリーンチェックやガンクラブチェックなどで自分らしさをプラスしましょう。

インナー選びのコツ

ツイードスーツと合わせて季節感を演出できるインナーとして、タートルネックやニットベストがあります。タートルネックを選ぶ際は、カジュアルすぎるデザインは避け、上品さを意識しましょう。首元をワンロール(1回折り)にすることで、自然な高さに仕上がります。

ニットベストを合わせる場合は、細かな編み目が特徴のハイゲージニットを選ぶと、上品な印象を演出できます。また、薄手の生地を選ぶのも、洗練された着こなしのポイントです。

パンツやシューズとの相性

ツイードスーツの着こなしは、パンツやシューズの選択で大きく印象が変わるものです。

ツイードの風合いはデニムパンツとよく調和します。ゆったりしたデニムを合わせるとカジュアルな雰囲気に、やや細身のデニムを選ぶとスマートな印象に仕上がります。

足元に関しては、革靴が定番です。また、カジュアルさが許容されるシーンであれば、スエードなどの質感あるシューズも、ツイードの素朴な風合いと好相性です。

ツイードのジャケットはパンツやシューズとの組み合わせ次第で、オフの日にも使いやすいおしゃれなアイテムとなります。

レディースのツイードスーツ|華やかで上品な着こなし方

レディースのツイードスーツ|華やかで上品な着こなし方

女性がレディーススーツにツイードを取り入れるなら、ピンクやベージュなどの華やかな色合いをチョイスするのがおすすめです。レディーススーツの特徴や、シーン別コーディネートを紹介します。

レディースツイードスーツの特徴

女性がツイードスーツを着るなら、ノーカラージャケットやショート丈ジャケットを選択して軽く仕上げるのが好印象。襟付きのツイードジャケットはきっちりとしていてフォーマルな印象を与える一方で、着用シーンが限定され、着回しには向かないというデメリットがあります。

セレモニーや学校行事など複数のシーンで活用したい場合は、凸凹感が少なく、カラーもベーシックなものを選ぶと良いでしょう。とくに、ネイビーのノーカラージャケットがおすすめです。

ノーカラーのジャケットなら、入学式などのセレモニーだけでなく普段着としても気軽に着られます。無地のワンピースを合わせると、圧倒的に着回し力が上がりツイードジャケットを引き立ててくれます。

また、ネイビーはきちんとした印象と清楚感を演出できるので、お祝いの席には最適な色です。中でも濃い色のネイビーは季節問わず着られる万能な色なので、1枚あるととても重宝します。

職種・シーン別コーデ(オフィス/セレモニー/デート)

ここからは、着用シーン別のレディースツイードスーツのコーディネートを紹介します。

オフィス

オフィスでは、ジャケット×スカートが定番です。上下ツイードでは重たい印象になるため、お手入れがしやすい素材のタイトスカートやフレアスカートなどを合わせると良いでしょう。

セレモニー

華やかさや特別感を演出したいセレモニーでは、ジャケット×ワンピースや上下セットアップがおすすめです。通称「シャネルスーツ」と呼ばれるセットアップなら、エレガントな魅力をプラスできます。

式典

入学式ではベージュやホワイトなどの明るいカラーを、卒業式ではネイビーやグレーなどのダークカラーのジャケットがおすすめです。動きやすさを重視するなら、パンツを合わせても良いでしょう。

デート

デートではフリンジの入ったジャケットで女性らしさをプラス。スカートとパンプスを組み合わせた清楚なスタイルはもちろん、デニムにスニーカーやブーツなどを合わせた甘辛MIXコーデもおすすめです。

おすすめカラー

レディースのツイードスーツなら、華やかな雰囲気を演出できるホワイトもおすすめです。ただし、スカートやパンツもホワイトにしてしまうと、かなり明るい印象になってしまうので、どちらかをネイビーやブラックなどにしても良いでしょう。

また、ホワイトよりもやや落ち着いた印象になるのが、ベージュです。温かみのあるベージュを選ぶと入学式、卒業式にもおすすめです。

若々しく見える色としてピンクがあります。上下セットでピンクを着ると女性らしい雰囲気を演出できるため、入学式などの華やかなシーンにぴったりです。

初心者はシックで落ち着いた色のセットアップからスタート

初心者はシックで落ち着いた色のセットアップからスタート

ツイードは染め方次第でいろいろな色が作れますが、初めて着るならシックな色合いのものが良いでしょう。ツイード素材は、ネイビーやグレー、ブラウンなどの落ち着いた色合いの製品がたくさんそろっています。秋冬らしいダークカラーはコーディネートしやすいので、ツイード初心者にはとくにおすすめです。最初の1着は、無地かヘリンボーン柄が違和感なく着られるでしょう。

できればジャケットだけでなく、セットアップでそろえるのがおすすめです。上下をツイードで統一することで品格がいっそうアップします。ベストも合わせてスリーピースにすれば、上質でクラシックな英国紳士スタイルの完成です。

同系色のブーツやハットを取り入れるなどして、さらに統一感のあるスタイルに仕上げましょう。 

シーン別:ツイードスーツのコーディネート実例

着回し力を考慮する

ツイードスーツのシーン別おすすめスタイルを解説します。ビジネスカジュアルや式典、パーティーなどにツイードスーツを活用しましょう。

ビジネスカジュアルで活躍

落ち着いた色合いや控えめな柄のツイードスーツは、オフィスの雰囲気によく調和します。洗練された印象を保つために、スーツが体にフィットしているかも重視しましょう。インナーは無地、またはシンプルなシャツやカットソーを合わせ、足下は革靴やローファーなどきっちりしたものを選びます。

温かみのある色のツイードスーツに白シャツを合わせれば、堅くなりすぎず信頼感のある装いとなり、オフィスや商談などビジネスシーンで幅広く活用できます。

式典・セレモニーでの上品コーデ

子どもの卒業式や入学式といった記念すべき日にも、ツイードスーツはおすすめです。特に女性は、ツイードのレディーススーツやジャケットで式典に臨む人が多く見られます。

セレモニースーツは、顔合わせや子どもの七五三など、さまざまなイベントで着用できます。長く着られるようシンプルながらも上質な一着を選びましょう。ダークカラーのスーツやジャケットを選ぶ場合は、明るいインナーを合わせると、式典にふさわしい華やかさを演出できます。

結婚式・パーティーでのツイードスーツスタイル

結婚式やパーティー、各種イベントにもツイードスーツは活躍します。特に秋冬シーズンでは、温かみのある質感が季節感を演出します。

華やかな場にふさわしい装いにするためには、光沢のあるラメ糸が織り込まれたファンシーツイードを選ぶと効果的です。シルクのポケットチーフやきらびやかなタイピン、上質なカフスボタンなどのアクセサリーを取り入れて、ドレッシーに仕上げましょう。

ハリスツイードのスリーピースなど、ベストを取り入れたコーデにすれば、さらに上品な印象に仕上がります。

休日カジュアルコーデ

ツイードのジャケットを程よくカジュアルダウンさせると、休日のお出かけやデートなどにも活用できて便利です。デニムやコットンなどのパンツを合わせるだけで、普段使いコーデに早変わりします。

ツイードは高級感がある素材なので、デニムやチノパンに合わせてもカジュアルになり過ぎることがありません。カジュアルにしたいけれどあまりくだけ過ぎた装いにしたくない場合や、年齢が高めの人のカジュアルファッションにおすすめです。

ツイード素材を部分使いで楽しむ方法

ツイード素材を部分使いで楽しむ方法

ツイード素材を初めて着るなら、まずは小さな部分にツイードを使ってみることをおすすめします。 

バッグなどの小物で季節感をプラス

手軽にツイードを楽しみたいなら、バッグやポーチなどの小物に使うのもおすすめです。秋冬シーズンは、バッグやポーチの一部にチェック柄のツイード布地がついたものが人気です。その他、グローブにツイード素材が施されているものや、ツイードでできたハットなどもあります。自分なりに取り入れやすいものを模索して、小物で季節感をプラスしてみましょう。

小さな部分に使うだけでもしっかりファッションのアクセントになってくれるのは、ナチュラルな風合いで独特な存在感を放つツイード素材ならではの魅力です。

首回りにあしらう

ツイード素材を着たことがなくて、いきなりスーツに挑戦するのは難しいと感じる人は、小物からスタートしてみることをおすすめします。ツイードは服だけでなく、ネクタイやポケットチーフにも使われています。

ネクタイをいつものシルク素材からツイードに変えれば、いっきに季節感のある装いが作れます。チェック柄などアクセントになる柄を選べば、ダークカラーを多用しがちな冬のコーディネートがぱっと華やかに。ツイード素材はウールとの相性もよいので、冬物のスーツを引き立ててコーディネートを数段ランクアップしてくれます。

また、ツイード素材のポケットチーフを使うこともおすすめです。さりげなく胸ポケットからのぞかせるだけで冬の装いをぐっと素敵にしてくれます。

ツイードコートで大人の冬スタイルもおすすめ

ツイード生地は、耐久性の強さや暖かさが楽しめるため、コートに取り入れてみましょう。ツイードは防寒性にとても優れているため、スーツの上から羽織るコートにも向いています

コートにツイード生地を取り入れる場合には、ネイビーやグレー・ブラウンといったダークカラーがおすすめです。ダーク系の定番カラーは、中に着るスーツとの相性を選ばないので着回しがしやすくなり、ビジネスシーンでもカジュアルシーンでも着用できます。

最高級素材「ハリスツイード」とは?

ツイードの生地メーカーとして有名なのは、ハリスツイードです。別名「キング・オブ・ツイード」とも呼ばれ、最高級のツイードを提供し続けています。

ハリスツイードの歴史と特徴

ハリスツイード(Harris Tweed)は、英国スコットランドにあるハリス地方のハリス島、アウターヘブリデス島、ルイス島で織られているツイードの総称です。ツイードの中でも最高級品といわれています。

ハリスツイードと認定されるためには、以下の4つの条件を満たさなければなりません。

  • 指定の場所で有機栽培のえさを食べて育った子羊の新毛を使うこと
  • 3島の島人が手で紡いだ糸だけを使用すること
  • 糸の撚り・染め・仕上げの全工程を島人が行うこと
  • 手織りであること

こうした細かな条件をすべて満たしたもので、ハリスツイード協会が認定したものだけがハリスツイードとして認められるのです。染めにもこだわりがあり、植物性の染料を使って染め上げられています。

正式に認定されたハリスツイードには、地球の上に十字架がついたロゴマーク(認定ラベル)がつけられており、これがハリスツイードであることの証になります。そして、この認定ラベルは英国王室許可証でもあることからも、ハリスツイードの歴史と伝統をうかがい知ることができるでしょう。

英国法による保護

ハリスツイードの貴重さは、ハリスツイード条例(Harris Tweed Act of 1993)という法律で保護されている生地だということからもわかります。このような扱いを受けているのは、世界でもハリスツイードしかありません。それだけ織物としても文化としても保護の対象となるにふさわしい伝統と技術を持っている布地なのだといえます。

豊富なラインナップの柄と色を展開

ブランドとしてのハリスツイードは、実にさまざまな製品を展開しています。スーツやコートだけでなく、マフラーやバッグ類、手袋やコインケース、パスケースなどいろいろなものがそろえられるのも魅力のひとつといえるでしょう。ギンガムチェックなどかわいいチェック柄のものが多く、長く愛用できるブランドとしてファンを増やし続けています。

ツイードスーツのお手入れ&メンテナンス方法

ツイードスーツのお手入れ&メンテナンス方法

ツイードスーツを長く美しく保つには、適切なお手入れが必須です。日常のケアからクリーニングまで、正しいメンテナンス方法を紹介します。

1.ツイード製品の基本的なお手入れ方法 

使用後は全体を手でたたいて、ついたホコリや汚れを軽く落とします。次に、ブラッシングです。ツイードはざっくりとした風合いが魅力ですが、そのぶん目の間にホコリが入りやすいというデメリットがあります。そのため、使ったあとは丁寧にブラシがけをして、目に入ったホコリをしっかり落としておくことが大切です。

放置してしまうと、後から後からホコリが入って落ちにくくなることもあるので、使ったらその日のうちにブラシをかけるようにしましょう。長く着用できるツイード製品です。一生ものにするためにも、毎日のお手入れはしっかりと行いたいですね。 

2.ブラッシングするときは専用ブラシで丁寧に 

ブラシがけは2段階で行います。まず、繊維と逆方向にブラッシングします。これで、目に入り込んだホコリが浮いてくるので優しく取り除きましょう。次に、繊維に沿ってブラッシングし、布地の表面を平らにならします。特に縫い目の部分には、ホコリが溜まりやすいので丁寧にブラッシングするよう心がけましょう。

ジャケットの袖や帽子など、凹凸がある部分は手を中に入れてブラッシングするのがおすすめです。使用するブラシは、天然毛でできたツイード専用のものが市販されているので、それを使うと安心です。 

3.しまう前にもうひと手間かけると長持ちする 

ツイードはウール素材なので、静電気でホコリを吸着してしまうことがあります。仕上げに静電気防止剤をさっとひと吹きして、ホコリがつくのを防ぎましょう。ジャケットなどは型くずれしないようにきちんと保管することも大事です。

肩の部分が厚くなっている立体ハンガーなどにかけておくと、きれいなシルエットを維持できます。また、ツイードはウール製品ですから、虫食いのリスクもあります。きれいにブラッシングしたあとは不織布などをかけてホコリを避け、できるだけ風通しのよい場所に保管するようにしましょう。

型崩れ防止のためのハンガー選び

肩部分に厚みのある立体ハンガーを使用すると、ジャケットのシルエットを維持しやすくなります。

ハンガーのサイズはジャケットの肩幅に合わせて選びましょう。長すぎるとジャケットが引っ張られ、短すぎると肩が沈んでしまうため、適切なサイズのハンガーを選ぶ必要があります。

クリーニングのタイミングと注意点

ツイードスーツのクリーニングを検討する際は、誤った方法での取り扱いを防ぐために必ず洗濯表示タグを確認しましょう。

ほとんどのツイード素材は自宅で洗濯できません。洗濯できない理由は、以下のとおりです。

  • 水に濡れるとツイード素材のウールが縮む可能性がある
  • 織り目が潰れる・風合いが変わってしまうなどの変化が起きる可能性がある

まれに手洗いOKのツイード生地もあるので、それについては手洗い後、乾燥機を使わずに陰干しすることで自宅での洗濯も可能です。ぬるま湯におしゃれ着洗い用の洗剤を溶かしておき、衣類を静かに入れ、強くこすらずやさしく押し洗いしましょう。

なお、クリーニングが必要なアイテムは、最低でもワンシーズンに一度はクリーニングに出して、清潔感のある着こなしを心掛けましょう。

ツイードスーツをオーダーで仕立てる魅力

ツイードスーツをオーダーで仕立てる魅力

ツイードスーツは厚みがあるため、ジャストサイズで仕立てたほうが着用したときにバランスよくまとまります。オーダースーツ専門店で肩やウエストのラインをしっかり測ってもらったうえで、体型にぴったりのスーツを作成しましょう。オーダースーツなら生地や柄も選べるため、自分だけのオリジナルスーツを仕立てられます。

ツイードスーツは秋冬のみの取り扱いになる店舗も多く、受注開始に合わせて早めに注文するのがおすすめです。生地にもよりますが、ツイードスーツの価格帯の目安は6〜10万円程度。オーダースーツSADAでは、ツイード生地定番のヘリンボーン柄や、高級生地のハリスツイードなども取り扱っています。ツイードスーツにご興味のある方は、ぜひお近くの店舗までご相談ください。

まとめ:ツイードスーツで冬をもっと楽しもう

まとめ:ツイードスーツで冬をもっと楽しもう

ツイードスーツは秋冬に活躍するアイテムです。カラーや柄、合わせるインナーやアイテムしだいで、ツイードスーツはさまざまなシーンで活躍します。

理想のツイードスーツを手に入れるには、オーダースーツがおすすめです。ただし、オーダースーツは既製品より高価になる傾向があり、特にフルオーダーの場合、20万円を超えるケースも少なくありません。

オーダースーツSADAでは、マシンメイド方式の本格フルオーダーを手頃な価格で提供しています。生地、裏地、ボタンも豊富に取り揃えているので、あなただけの一着を仕立てられるでしょう。

通販ではサイズ合わせが難しいため、最適なフィット感を得るには店舗でのオーダーがベストです。ぜひお近くの店舗で、あなたに合ったツイードスーツをご注文ください。

ツイードスーツは冬にぴったりの上品であたたかみのあるアイテムです。ビジネスや式典など幅広いシーンで活躍し、男女問わず人気があります。自分に合った一着を長く愛用するなら、オーダーがおすすめです。おしゃれを格上げする一着をぜひ手に入れてみませんか?

(構成・編集/志田実恵)