ミュージカルから見るスーツの流行と役割
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先日、ミュージカル「ミス・サイゴン」を観劇してきました!
「ミス・サイゴン」は世界4大ミュージカルのひとつで、「レ・ミゼラブル」のクリエイティブチームが手掛ける大ヒット作品です。
1970年代のベトナム戦争末期、サイゴン(現在のホーチミン市)を舞台に描かれた悲恋。
今回は、この作品に登場する1人の人物の衣装について紐解いていきたいと思います。
その人物は「エンジニア」という、キャバレーの経営者。
キャバレーで知り合ったアメリカ兵の力を借りてアメリカへ行く事を夢見ている、そんな人物です。
エンジニアが主に着用しているのは、派手なジャケットとフレアパンツ。
いかにもキャバレーのオーナーといった風貌です。
第一幕では紫のジャケットに白のパンツ、中には柄シャツを合わせた姿で登場しますが、サイゴン陥落でその身なりはボロボロに。
そして第二幕では、国から離れてバンコクに来たエンジニアがキャバレーの客引きとして働いています。
その際に着ているのが、この衣装です。

—戦争、難民、そして文学/早稲田大学国際文学館 展示衣装より
ワイドなピークドラペルに、チェンジポケット。前ボタンは1つで、パンツは大胆なベルボトム。
第2ボタンまで開襟したシャツも相まって、派手なキャラクターというのは衣装だけでも一目瞭然ですが、このデザインにはしっかりと時代背景が反映されています。
舞台となっている1970年代は、衿幅が広いソフトスーツとベルボトム(フレアパンツ)が流行していた時代です。
また、ドレッシーなデザインの象徴であるピークドラペルと1つボタンと、スタイルアップにも繋がるチェンジポケットとベルボトムは、羽目を外す場であるキャバレーの客引きとして華美にみせるための必須要素。
アンサンブルの客引きも同様のデザインのジャケットを着ており、様々なカラーリングのジャケットを着用していました。
エンジニアが歌う劇中歌「アメリカン・ドリーム」では、黒のフレアパンツから赤に黒の模様が入ったこれまた派手なフレアパンツに衣装チェンジをして登場します。
華やかな舞台セットとアンサンブルキャストたちの衣装に負けない強さを持つ赤のジャケットとフレアパンツが、エンジニアの欲深さとアメリカへの壮大な夢を感じさせるのです。
「ミス・サイゴン」という作品を通して見る歴史と史実は、改めて戦争の惨さや悲痛な想いを感じ、大変勉強にもなった時間でした。
その中で今回はエンジニアという一人の人物と衣装についてフォーカスしてみました。
アメリカ兵に向けてキャバレーで商売をしていたため、サイゴン陥落でベトナム兵から罰を受け、風貌は天と地ほどの差になりますが、その後赤いスーツを身に纏いアメリカン・ドリームを思い描くその姿はボロボロの姿と大きな対比となって、さらにエンジニアという人物像を輝かせていました。
ぜひ皆さまも、観劇の際は衣装にも着目して楽しんでみてください(^^♪
それでは、また次回のブログで🎶
