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ノータックってどんなパンツ?タックパンツの種類や特徴、着こなしをご紹介します!

スーツのパンツにある「タック」とは何か説明できますか?よくある勘違いが、パンツの前面にある折り目「センタープレス」をタックだと思っていること。タックはパンツの前面の腰の部分にある折り返したひだ状の部分です。センタープレスとは全く別なので、ぜひ覚えておきましょう。タックにはひだのない「ノータック」左右1本ずつの「ワンタック」左右2本ずつの「ツータック」と、一般的には3種類が存在します。タックが入っているパンツは腰周りにゆとりができ、履き心地がよく動作も快適になるのがポイントです。ただし少しウエストが広がって見えるので、体型などの要素によっては注意して選ぶ必要があります。さて今回解説するのは、「ノータック」です。ノータックパンツは腰周りにゆとりがないので、一見すると不便に感じるかもしれません。ですがノータックにはノータックの魅力があるので、特に若い世代には人気を博していますよ。そこで今回は、スーツコーデのプロ集団「オーダースーツSADA」の現役スタッフが、ノータックパンツの「与える印象」「選ぶべき人」「サイズの選び方」「スーツとの合わせ方」「着用に向いているシーン」について詳しく解説します。

ビジネスシーンに欠かせないスーツスタイルですが、パンツのデザインにもさまざまな種類があります。パンツのタックについてご存じでしょうか?タックの数によってシルエットや着心地も変わります。今回はそのタックパンツの中でもノータックパンツをメインにご紹介します。

ノータックのパンツとは?

タックって何?

タックというのはパンツの前側にある生地が畳まれた部分のことで、語源は「押し込む、挟み込む」という意味の英単語「tuck」です。内側に畳まれているものをインタック、外側に畳まれているものをアウトタックといい、タック部分はウエストから伸びるひだ状になっています。ノータックというのはそのひだ状の部分がないことをいい、タックが左右の足に1本ずつ入っているものはワンタック、2本ずつ入っているものはツータックと呼ばれます。タックが入ることによって、影が生まれるのでウエスト部分を細く見せてくれる効果もあります。スタイルアップして見えますが、タックが増えれば増えるほど裾幅が広くなりますので、自分に合ったデザインを選ぶ必要があります。タックパンツのことを「プリーツパンツ」という呼称が使われる場合がありますが、厳密には異なるデザインです。プリーツは、全体的に立体感を出すために生地を折り畳んでつくられたひだ状のことをさします。例えば、裾までひだ状の折り目が続いたデザインのスカートの場合はプリーツと呼ばれます。メンズのパンツでひだが入ったデザインは、タックパンツと呼ぶのが一般的です。

タックパンツの種類

ノータック
ノータックパンツとはタックが入っていないスーツ用のパンツのことです。パンツは「緩い」という意味の英単語「slack」からきている言葉で、本来はゆったりしたパンツのことを指しましたが、現在はスーツのパンツを指すのが一般的です。もともとノータックというのもカジュアルパンツのデザインでしたが、スーツのパンツにも取り入れられるようになりました。また、ノータックパンツにはウエストの位置が低くなっているデザインのものが多くなっています。これは、腰回りとヒップ回りの長さの差が小さくなることで動きやすくするためです。ウエストが低い位置にあることは、ベルトをした時などにウエスト部分にシワが寄るのを防ぐ働きもしてくれます。

ワンタック

パンツの左右の足に1本ずつタックの入ったものをワンタックといいます。ワンタックはクラシックなスーツによく使われるデザインで、上品な印象を与えます。腰回りにゆとりが出て動きやすく、立ったり座ったりの動きも非常にスムーズです。仕事で動き回ることが多い日は、ワンタックのパンツを選ぶと良いですね。デザイン性と動きやすさを兼ね備えていると言えるでしょう。ワンタックパンツは腰回りにゆとりがあるので、体型が変わりやすい人にもおすすめのデザインです。タックパンツの中でも、足首に向かって細くなるテーパードシルエットであれば、タックパンツの動きやすさとシルエットのシャープさの両方の良さがあります。初めてタックパンツにチャレンジされる方は、テーパードシルエットを選ばれると良いでしょう。

ツータック

パンツの左右の足に2本ずつタックの入ったものをツータックといいます。ワンタックと比べてもツータックは、より裾幅が広くなります。そのため、腰回りに大きくゆとりが出て、よりクラシカルな雰囲気になります。そのため、サイズが合わないパンツを着用しているとだらしない印象に見えますので、サイズ選びには注意するようにしましょう。体型をカバーしてすっきりと見せてくれるツータックは、腰回りや太ももが大きい人におすすめのデザインです。ツータックパンツはジャケットと合わせたスーツスタイルでのコーディネイトが大切です。全体のサイズが体型にあっていれば、クラシカルで上品なスーツスタイルとなります。逆にサイズが合っていなければ、オーバーシルエットになり、野暮ったい印象になるので注意しましょう。

センタープレス

センタープレスはパンツの腰から裾にかけて、1本の折り目が入っている部分のことをいいます。かつてイギリス皇太子エドワード7世が、雨に濡れてしまったパンツを仕立屋に預けた際、アイロンで折り目がつけられたのが発祥と言われています。センタープレスはフォーマルな印象がありますが、今ではカジュアルなパンツにも取り入れられています。縦のラインが入ることで、スタイルアップして見える効果があります。センタープレスはタックと異なり、アイロンでつけられているものですので、徐々に取れてしまいます。アイロンをかけることで、またセンタープレスを付けることができますが、クリーニングの際にも行ってくれるので定期的にクリーニング店に依頼するのがおすすめです。

タックパンツのメリット・デメリット

メリット

タックパンツの一番のメリットはパンツの腰回りにゆとりを持たせ動きやすくなることです。タック部分は女子学生の制服によくあるプリーツスカートのように生地が畳まれて縫われているので、体の動きに合わせて生地が広がります。そのため足の曲げ伸ばしなどもスムーズにできるのです。タックの数が多いほど、パンツにできるゆとり部分が大きくなります。パンツのサイズにゆとりを持たせると、オーバーサイズでだらしない印象になりますが、タックパンツであれば、腰回りのみにゆとりを持たせているので全体のシルエットは損なわずに済みます。

デメリット

タックパンツはゆとりが生まれる反面、カッチリとしたクラシカルな風貌です。そのため、スリムシルエットを好む方にはおすすめのデザインではありません。またタックパンツは印象が固定されてしまうため、さまざまなスーツスタイルを楽しみたい方にも物足りない印象となるでしょう。タックパンツは自分に合ったサイズでなければ、野暮ったい印象を与えてしまいます。自分に合ったサイズや似合うデザインのタックパンツを選ぶようにしましょう。

ノータックパンツが与える印象

タックにはパンツの腰回りをゆったりさせる以外にも大切な役割があります。それは、パンツを履いた立ち姿を上品に見せるということです。パンツの足の部分に余裕を持たせようとすると、どうしてもウエスト部分に余りが出来てダボついてしまいます。そのダボついた余り部分の前側にタックを入れることですっきりとしたシルエットとなります。タックが入ることで、歩くときには足さばきしやすくなり、動かずに立っているときは縦長のタックがスラリとした陰影をつけてくれます。動きやすさが加わるだけでなく、見た目にもエレガントな印象を与えてくれます。タックが入ることによって、実用性とファッション性の両方の良さを兼ね備えているのです。 
一方、ノータックパンツは、あえて生地に余裕を作らず体の線にぴったり沿うようなデザインになっているので、タックパンツと比べて見た目はカジュアルな印象になります。また、タックを入れていないことで、タックの入っているものに比べると裾幅が細くなります。それにより全体的に細身に見えるため、スリムな印象を与えます。ノータックパンツのこのスリムなシルエットは着る人を若々しく見せてくれるので、スタイリッシュに見せたい人に人気のデザインです。さらに、ノータックパンツのように足にフィットするデザインには足を長く見せてくれる効果もあります。これは、ゆったりしたパンツに比べて足の横幅が狭いので、比率的に縦の長さが長く見えるようになるためです。通常、スーツ用のパンツはテーパードというパンツの裾の方に近づくほど先細りしていくデザインが主流です。裾の先細りの度合いを少なくしたパイプド・ステムという形であれば、より一層の足長効果が期待できます。ノータックパンツは細身でスタイリッシュな印象を与えてくれますので、おしゃれなスーツスタイルとして若い世代に人気があります。

 

ノータックを選ぶべき人

ノータックパンツはタックがない分、生地が体にフィットするデザインなので細身の人や細く見せたい人にはおすすめです。ただ、タイトなノータックパンツは動きにくくなりやすく、体型によってはヒップが強調されて見た目にもバランスが悪くなってしまうこともあります。スタイリッシュに見せようとして体型に合っていないものを着るのは逆効果です。標準的な体型の人や細身でもヒップが大きめの人はワンタック、さらに大きめ体型の人はツータックを選ぶとゆったりと着られて動きやすいですし、着こなしも上手に見えます。 ノータック、タックパンツ、それぞれのメリットに違いがありますので、着用するシーンによって選ぶと良いでしょう。

ノータックパンツのサイズ選び

ノータックのデザインはウエストが低い位置にあることが多いため履き慣れていない人は違和感があるかもしれません。ノータックパンツを選ぶときには体型とパンツの形が合っているかを実際に試着してしっかりチェックしましょう。例えば履いてみたときに横のポケットが前後に引っ張られて開いてしまうのは体型に合っていない証拠です。その際はワンサイズ上のものか、タックの入っているものから選ぶ方が良いでしょう。ノータックパンツはタックパンツと比べて腰回りがタイトなデザインのため、動いたときに引っ張られるような違和感がないか確認してみてください。動きにくいスーツを選ぶと仕事に支障がでることもあります。履いたときに太ももが張ってしゃがめないようなものを選ばないように気を付けましょう。

タックパンツのお直しは可能?

タックパンツのお直しですが、タック入りパンツをノータックパンツやツータックパンツをワンタックパンツにお直しすることは可能です。タックを外し、ウエストやヒップ周りのサイズをスリムに合わせることができます。タックパンツをノータックパンツにする際は、ひざ周りや裾幅も細くスリムシルエットにすることで、タックパンツとはまた違ったパンツスタイルに生まれ変わります。

タックパンツのお直しは、洋服リフォーム専門店に依頼するのがおすすめです。店舗へ直接持ち込み、どのようなデザインにしたいか相談し、採寸を行って依頼する方法がスムーズです。大きめのパンツをお持ちの方はお直しを検討してはいかがでしょうか。

ノータックパンツからタックパンツへお直しする場合は、お直しするノータックパンツが今のサイズよりも大きめのものに限り、可能です。パンツのサイズが大きめのものや、タックを作れる縫い代が残っている場合のみ可能ですので、希望する際は洋服リメイク専門店で相談してください。

 

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パンツのデザインによってベストな丈があり、着こなしのイメージに大きく影響を与えます。またパンツの丈には流行がありますので、丈によっては古臭い印象を与えることもあります。印象を左右するパンツ丈の測り方からデザイン別でのベストな丈の選び方をご紹介いたします。

ノータックパンツはスーツに合うもの?

ノータックはタックの入っているものに比べると細身でカジュアルな印象なので、スーツファッションに合うのか気になる人もいるかもしれません。タックが入っているとエレガントな印象になるため、フォーマルなビジネスの場で使われるスーツファッションにはワンタックのパンツが多いです。しかし、細身の人の場合はタックが入っていると、かえって腰回りに生地が余ってだぶつき不格好になってしまうこともあります。その場合は、ノータックパンツを選んだ方がすっきりとした印象を与えることができます。また、スーツをおしゃれに着こなしたい人、特に若い人の間ではモッズスーツといった細身のシルエットを特徴とするスーツも人気です。ノータックのパンツはそんな細身のスーツに合わせるのにも向いています。 ノータックパンツはウエスト位置が低いものが多いので、自分に合ったデザインを見つけるようにしましょう。サイズやデザインが合っていないと、足が短く見えてしまい、せっかくのノータックパンツのスリムな印象が台無しになります。ジャケットとのバランスによっても印象が異なるので、スーツ全体のバランスを見て選ぶようにすると良いですね。
ノータックパンツはプライベートのファッションにも取り入れることができるのがポイントです。カラーやデザインによっては、セットアップスーツ以外にもジャケパンスタイルでコーディネイトすることも可能です。スマートカジュアルのドレスコードにも対応できますので、自分に合ったものを見つければいろいろなシーンで活躍してくれます。ビジネスシーン以外に着用するノータックパンツは、ライトグレーやベージュなど明るいカラーを取り入れるのもおすすめです。

 

着用に向いているシーン

ノータックパンツはすっきりとしたシルエットで若々しく見えることから人気があり、ワンタック同様スーツ用パンツの定番になっています。比較的カジュアルな印象ではありますが、ビジネス用として普段使いするのに問題はありません。カジュアルなイメージを持たれるノータックパンツですが、ビジネスシーンで着用するのは可能です。スリムなシルエットを好む方も多く、若い世代を中心にノータックパンツのスーツスタイルを取り入れる人が増えています。着用する、着用する人の体型に合った細身のシルエットはスタイリッシュな印象を与えてくれるでしょう。 ノータックパンツは体型に合っていないと、腰回りがパツパツと張った状態になる場合やシワが入る場合もあります。せっかくのスマートな印象が台無しになりますので、サイズ選びには注意するようにしましょう。
ビジネスシーンで着用可能なノータックパンツですが、冠婚葬祭などのフォーマルなシーンではタックの入っているパンツの方が好まれます。フォーマルシーンには、ワンタックのパンツを着用しておく方が無難です。また、腰回りがぴったりとフィットするデザインのため、立ったり座ったり動き回ったりする必要のある場面にはあまり向いていません。生地に余裕がないので、タックが入っているものよりも動きにくくなるからです。そのためノータックパンツはあまり動く必要のないデスクワークなどのシーンに向いているデザインだといえるでしょう。動き回る作業の多い日はタックパンツ、デスクワーク中心の日はノータックパンツ、といった形で仕事の内容によって使い分けるのがおすすめです。

ノータックパンツは体の線にぴったりと沿うようなデザインになっており、タックパンツと比較すると若干カジュアルな印象を与えます。どうしても裾幅は細くなるので、シルエットをスリムに見せてくれるのもポイントです。脚長・細身のスタイリッシュな印象を与えてくれるのが、若い世代に「ノータックパンツ」が流行っている理由でしょう。ノータックパンツはヒップが大きめの人にはあまり向きません。全体的に細身で、より細く見せたい方におすすめです。ガッチリ体型の人やゆとりのある着心地が欲しい人は、ワンタック・ツータックを選んだ方が良いでしょう。ノータックパンツのサイズは低めのウエストで、横のポケットが開いて見えないくらいがベスト。ふとももが張ってしゃがめないほどの細さは避けた方が良いですね。スーツと合わせる際も細身スーツと組み合わせるのがベスト。全体を細く見せて好印象を保ちましょう。ノータックパンツはカジュアルめな見た目にはなりますが、ビジネスで着用してもなんら差支えはありません。ただし冠婚葬祭では、上品な見た目になるタック入りのパンツの方が好ましいでしょう。また動き回る作業が多い日には、動きにくいノータックパンツは避けた方が良いですね。適切なタック選びで、オシャレで快適なスタイルを確立させてください!