スーツのシミ汚れって落とせるの？シミの種類・シミ抜き方法も合わせて解説

皆さんが普段着用しているスーツ。気づかないうちにシミや汚れが溜まってしまっていることをご存じでしょうか？ この記事では、スーツのシミの種類とシミ汚れの落とし方を解説していきます。

シミの種類や判断基準

気づいたら付いていたコーヒーのシミ、ランチでパスタのソースがはねてしまったなど普通に生活をしていてもシミ汚れがつく瞬間は多々あると思います。 そんなシミには種類があるのはご存じでしょうか？ そんなシミ汚れには大きく分けて

• 水溶性のシミ汚れ
• 油溶性のシミ汚れ
• 不溶性のシミ汚れ

が存在します。 そしてビジネスで必須のアイテム。

• ボールペンのシミ汚れ

よくシミトラブルを起こすボールペンのシミではありますが、ボールペンの種類によって対処法が違うので要注意です。 詳しく解説していきますね。

水溶性のシミ汚れ

水溶性と油溶性のシミの違いは水がしみこむか、しみこまないかということです。 主な原因はこちらです。

• しょうゆなど調味料系
• コーヒー
• ワイン
• 血液

上記の共通点にははやい段階で対策をすれば水洗いだけでも落ちる可能性があるということです。 水洗いでは対処しきれなくても食器洗剤などでは落とせる可能性は高いです。 ただスーツに汚れが付着するタイミングは出先であることが多いと思います。 そこで時間が経過してしまうと落ちずらいシミに変わってしまうのです。

油溶性のシミ汚れ

油溶性のシミとはその名の通り油分を含んだシミになります。 主な原因はこちらです。

• 化粧品
• チョコレート
• カレー

そのもの自体に油分を多く含むことが共通点ですね。 油は油で溶けるので、水洗いではほとんど対処が難しいです。 台所洗剤やクレンジングオイルなどで対処できる可能性が高いです。 汚れが水溶性のシミなのか、油溶性のシミなのか迷った場合は霧吹きなどで水をかけ10秒ほど様子をみてみましょう。 その際に、水がしみこむ場合は水溶性。 水がしみこまない場合は油溶性のシミになります。 まずは試してみてくださいね。

不溶性のシミ

不溶性のシミは水や油では対処しづらく厄介な汚れになります。

• 泥汚れ
• サビ

などが主な原因です。 公園などにスーツで行く機会は少ないので問題ないかと思われますが、雨の日に靴の水跳ねでついてしまう可能性があります。 一度つくと落ちづらく、対処が早くてもあまり変わりはありません。 水はもちろん、食器洗剤やクレンジングオイルなどでも対処が難しくクリーニングで対処することが望ましいでしょう。

ボールペンのシミ

ボールペンのシミは意外とやっかいで対処方法はそのボールペンの種類によります。 ボールペンは大きく分けて

• 油性ボールペン
• 水性ボールペン

が存在します。細かく解説していきますね。

油性ボールペン

その名の通り油性のボールペンです。 染料という水や油などに溶かして着色するような材料を使用しています。 消毒用で使われているアルコールやエタノール、食器洗剤などで対処できる可能性もあります。

水性ボールペン

水性ボールペンは、顔料という水や油に溶けない材料を使用して着色するタイプです。 油性と水性の特徴を兼ね備えていることもあり家庭での染み抜きはほぼほぼ対処できないといえます。 水洗いなどをしてしまうと、シミが広がる可能性が高いのでクリーニングで対応するようにしましょう。 シミをつけてしまったボールペンがどの種類かによって対処方法が変わるので、まずシミを見つけたらボールペンの表記をチェックするようにしましょう。

自宅でできるスーツについたシミ抜きのやり方

スーツについてしまったシミはどの範囲なら自宅で染み抜きをすることができるのでしょうか？ シミの種類別と自宅では対処しない方がいいケースまで解説していきます。

水溶性のシミ

水溶性のシミは基本は水で落とし対処が可能なことが多いです。 まずは、シミ汚れがついてしまった箇所を乾いているハンカチなどの布やティッシュなどで汚れの部分をつまみとるように拭き取ります。 この時にこすったり、押し付けたりしないようにすることがポイントです。 そしてできるだけはやく洗い流し、できるだけはやく洗濯をしましょう。 ここの対処がはやければはやいほど綺麗に落ちる確率は上がりますし、対処が遅れることで酸化して落ちづらいシミになる可能性が高いです。 また、水で流す前に乾いた布で汚れを取り除くことも重要なポイントです。 そのまま水で流してしまうと汚れの原因が繊維の中に入り込み、汚れが取れずらくなってしまうのですね。 ただひとくちに水溶性といっても、原因により対処方法は異なります。 細かく説明していきますね。

調味料

しょうゆ・ソース・ケチャップなど調味料系の対処方法を紹介します。

1. 水かお湯で湿らせて絞った布または乾いた布で原因をつまみとる
2. 使用した布を清潔な面に変え、叩いて汚れを取る
3. シミが取り切れない場合は食器洗剤を薄めた液を布につけ、叩いて汚れをとる

ワイン

パッと見るだけで、とくに赤ワインのシミは手強い感じがしますね。 ワインだけではなく果汁の多いジュースなどの場合でも同じ方法で対処していただけますよ。

1. 乾いたタオルで水分を拭き取る
2. 清潔なタオルに変えて食器洗剤を薄めた液を布につけて叩いて汚れをとる
3. 対処できなかった場合は消毒用のアルコールやエタノールを使用して叩いて汚れをとる

出先ではなかなか難しいかもしれませんが、まずは水分を拭き取ることが大切です。 そして清潔な布を使用することもポイントですね。

コーヒー

落ちやすさはブラックかそうでないかで変わってきます。 紅茶などの場合は紅茶染めという言葉があるくらい染まりやすいので出来るだけはやく対処するようにしましょう。

1. 乾いたタオルで水分を拭き取る
2. 水を絞ったタオルで叩く
3. 食器洗剤を薄めた液を布につけて叩いて汚れをとる

血液

意外と付着しがちなのが血液です。 怪我の対処を優先に、できるだけはやく汚れの対処もするようにしましょう。

1. 乾いたタオルで血液を拭き取る
2. 酵素入りの洗剤などを溶かした液をつくり付着箇所につける
3. 少し放置して水を絞ったタオルで汚れを叩く

血液はお湯で固まる性質があります。お湯は使用しないように注意しましょう。 以上が、よくある水溶性のシミの対処方法です。 水溶性の汚れは他の汚れと比べると落ちやすく自分でも対処ができるものも多いですが、時間が経過してしまったものや落ちないと判断したものはクリーニングに任せましょう。

油溶性のシミ

化粧品や口紅、チョコレートやカレーなどといった油を含む油溶性の汚れは、水溶性と違い水だけでは対応できません。 油分がただの水でははじいてしまう為ですね。 また落とし方としては食器洗剤やクレンジングオイルがおすすめですが、ウールなどを使用しているスーツの生地にクレンジングオイルを使用することは向いているとはいえません。 油溶性のシミの落とし方について細かく紹介していきますね。

化粧品

口紅やファンデーションなどのシミ汚れが付着する可能性がありますね。 ここでもいえることは汚れが広がってしまうのでこすることは厳禁です。

1. 乾いたタオルで汚れを叩いて取り除けるだけ取り除く
2. アルコールやエタノールをタオルに含ませ叩く
3. 食器洗剤を薄めた液をタオルに含ませ叩く

カレー

食事の際の汚れで、パスタのソースやハンバーグのソースなど落ちにくい物は多々ありますが、その中でも特に落ちにくいとされているものはカレーではないでしょうか。 スーツを着用中でもどうしてもカレーを食べたくなってしまうこともありますよね。 カレーは油溶性ではありますが、水溶性の性質ももち頑固な汚れとして染みつくことが多く、応急処置をしたらクリーニングにだすことをおすすめします。

1. ティッシュなどで汚れを取れるだけつまみ取る
2. カレーのシミに食器洗剤を薄めた液を含ませる
3. 軽く叩く
4. 水を含ませたタオルで叩く

スーツでなければ、洗濯機でまわしたり漂白剤の対応もできますがスーツでできる応急処置はこのあたりが無難といえるでしょう。

不溶性のシミ

不溶性の泥などの汚れは、水にも油にも溶けないため手強く頑固です。 汚れが落ちないからといってこすったりして対応はせずに応急処置をしてクリーニングにだすことをおすすめします。

泥

1. 乾いたタオルやティッシュで汚れをつまみとる
2. 食器洗剤を薄めた液を軽くつけ優しく揉みこむ
3. 同じ液をつけたタオルで叩き汚れを落とす
4. 生地の間に入り込んだ泥は歯ブラシなどでブラッシングする

上記の方法で応急処置を試みるかすぐにクリーニング店に駆け込みましょう。

ボールペンのシミ

ボールペンのシミはその原因となったボールペンの種類によって異なります。 すぐに、油性のボールペンや水性のボールペンかを確認し正しい方法で対処するようにしましょう。

油性ボールペン

油性のボールペンの場合は消毒用のエタノールやアルコールを使用しましょう。

1. アルコールを汚れの箇所につける（ジェルのタイプがおすすめ）
2. 上から乾いたタオルで汚れ部分を叩く
3. 水を絞ったタオルで叩く

中性洗剤を使用するパターンもあります。何度か繰り返すことで薄くなり対処できる可能性があがります。

水性ボールペン

水性ボールペンの場合は油分と水分両方を含んでいる為、汚れを広げる可能性がある水洗いはNGです。

1. 汚れが付着した箇所に石鹸と水を少量混ぜて優しく揉み洗う
2. インクが浮き出たら乾いたタオルに染み込ませる
3. 何度か繰り返す

ボールペン汚れの場合も応急処置を行い、クリーニングで対処することをおすすめします。

スーツの染み抜きの注意点

どんな種類の汚れでも、スーツの染み抜きをする際に注意するべきことはいくつかあります。 解説していきますね。

対処方がわからない・応急処置で対処できなかった場合

いつの間にかついた汚れで、なんのシミなのかいつの汚れなのか把握できず、水溶性なのか油溶性なのかはたまた不溶性なのか分からない時もあると思います。 そんな時は、迷わずにクリーニングにだして対処することをおすすめします。 時間がたったものや自分の応急処置で対処できなかったものでもクリーニングなら対処できる可能性も高いです。 自分で対処することで生地を痛めたりスーツの型崩れにも発展することも。 クリーニングで働いている方は汚れのプロなのでお任せする選択も大事です。 またクリーニングに出すともちろん費用がかかりもったいないと考える方もいるかもしれませんが、何万円かするスーツの汚れを間違った対処や放置することで不格好にしてしまうよりも、都度正確な対処をして綺麗にたもつ方が総合的にみたコストパフォーマンスはいいといえるでしょう。

自分で対処する場合

なるべく早い対処

スーツの汚れは基本的に出先での対処が多くなると思います。ですが、時間がたつことでどんなタイプの汚れであっても落ちにくくなる可能性はあがります。 できるだけはやく染み抜きの対処をするためにも日頃から会社のデスクやカバンの中に清潔なハンカチや小さめの洗剤などの染み抜きグッズを備えておくことをおすすめします。

強い刺激を与えない

シミ汚れを対処する際にしてはいけないことは、強い刺激を与えることです。 生地に強い摩擦や刺激を与えることで毛羽立ちや痛みを進める原因になります。また、汚れが繊維の奥に入り込んでしまうことも考えられますね。 汚れを取り除きたい一心でこすりたくなる気持ちもありますが、強い刺激は与えないように心がけましょう。 また洗剤なども間違った使用方法や使用量の場合、生地を痛めることに繋がるので気を付けましょう。

大きいシミの場合

自分では対処できないような大きいシミの場合はクリーニングにお任せするようにしましょう。 対処する場合は、2～3センチくらいの目立たないシミ汚れに留めておくことがおすすめですよ。

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