ブラックフォーマルと喪服の違いとは?生地の濃淡と光沢の有無や見分けるポイントを紹介-オーダースーツSADAのアイキャッチ画像
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ブラックフォーマルと喪服の違いとは?生地の濃淡と光沢の有無や見分けるポイントを紹介-オーダースーツSADA

「ブラックフォーマルと喪服は何がどう違うの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。格式やマナーが重んじられる冠婚葬祭の場に出席する際には、正しい知識を身に付けておくことが大切です。この記事では、ブラックフォーマルと喪服の違い、見分け方、選び方のポイントを分かりやすく解説します。男女別の着こなしマナーや素材の違いも紹介しますので、オーダースーツを仕立てる際にもぜひ参考にしてください。

ブラックフォーマルと喪服の違いとは?

ブラックフォーマルと喪服の違いとは?

ブラックフォーマルと喪服、礼服にはどのような違いがあるのでしょうか?まずは、基本的な知識や歴史を押さえておきましょう。

ブラックフォーマル・喪服・礼服の違い

ブラックフォーマルとは、冠婚葬祭で着用する黒い色の礼服のことを指します。ブラックフォーマルは、結婚式や入学式、卒業式などのお祝い事の他、葬儀まで幅広く着用できる装いです。

喪服は、お通夜や葬儀など、弔事のときに着る専用の服装を指します。

礼服は、結婚式、入学式や卒業式、お通夜や葬儀、公式イベントなど、あらたまった場に参列するときに着用する服装のことです。

ブラックフォーマル・喪服・礼服はシーンに応じて使い分けが必要とされます。

カラーフォーマルとは

カラーフォーマルとは、主な目的として慶事にあたる結婚式・披露宴・結納式・祝賀会・記念式典・入学式・卒業式・パーティーなどに着る洋服のことをいいます。

一般には、弔事に着用するのが目的のブラックフォーマルを結婚式や卒業式などのセレモニーに着用してもマナー違反ではありません。しかし慶事には慶事用のカラーフォーマルがあるのに、なぜブラックフォーマルを慶事に着ても良いのでしょうか?その理由は日本のフォーマルウェアの歴史にあるようです。

日本のフォーマルウェアの歴史

1970年代初頭頃まで、女性の喪服は黒の和服が正式で洋装は略式とされていたようです。しかし徐々に合理的な生活を求められ、衣生活も変化し始めます。「葬式の時だけ着物を着るのは面倒」「盛夏の着物は苦痛」と感じる女性が増えたことと「一着の服で冠婚葬祭をカバーできたらいいな」と望む女性のニーズに応える形で1969年、女性が冠婚葬祭のすべてのシチュエーションで着られる洋服が誕生。和服に代わる喪服としてブラックフォーマルで、フォーマル服メーカーで開発されました。

ブラックフォーマルは百貨店のフォーマルコーナーに並んだのがきっかけとなり需要が一気に高まり、定着したようです。当時は「シンプルに着こなすとお葬式用になります」あるいは「アクセサリーをプラスして華やかにすれば結婚式用としても使用できます」と宣伝していたようです。

カラーフォーマルが開発されたのは1980年代初めになってからのことでした。つまりブラックフォーマルの方がカラーフォーマルより先に誕生し、冠婚葬祭全般を担っていたので、その名残が先ほど触れた「ブラックフォーマルを慶事に着る」という習慣なのでしょう。

その後景気が一気に加速し、フォーマルメーカーは戦略の一案としてファッションデザイナーとライセンス契約を結ぶようになりました。デザイナーが「ファッショナブルなブラックフォーマル」を次々に打ち出し、その後も多くのデザイナーと提携しながら進化を遂げて今に至るのです。

一方、世界では1920年代からココ・シャネルの活躍により黒色の新しいドレスやスーツが人気を博していました。黒は他の色に染まることがないことから「誠実さ」「正式な」「真面目」「高級」といったイメージがあり、女性を美しく魅せるのに、黒色の心理効果を狙ったのでしょう。

さらに男性だけのものだったスーツを女性が着ることで、喪服のイメージしかなかった黒は万能選手となります。黒のドレスが流行し、パーティードレスとしても選ばれるようになります。それまで喪服としてしか使えなかった黒のアイテムが、華やかなフォーマルシーンでも使われるようになりました。

後に日本がブラックフォーマルやカラーフォーマルを開発した背景には、黒いドレスやスーツをオートクチュールとして昇華させたココ・シャネルの影響も大きいのではないでしょうか。現代のブラックフォーマルにはファッション性も求められており、各ブランドでもファッショナブルなブラックフォーマルが多く扱われています。

見分けるポイント|生地・光沢・色の違い

ブラックフォーマルと喪服を見分けるポイントは、色味・素材感・装飾の有無です。ブラックフォーマルには、一般的に濃い黒色の生地が使われています。

結婚式や卒業式など華やかな場で着られることから、サテンやシャンタンなどの光沢のある生地が使われることが多いです。

一方、お通夜や葬儀、法事などで着用される喪服は、より黒の色が深い漆黒の生地が使われています。また、喪服に使われる生地には光沢がなく、ウール100%などのマットな素材が基本です。喪服は故人への敬意と哀悼の意を表すため、生地の装飾も抑えられたシンプルな印象になっています。

男女で異なる?ブラックフォーマルと喪服の着こなしの違い

男女で異なる?ブラックフォーマルと喪服の着こなしの違い

ブラックフォーマルと喪服はどのように選べばよいのでしょうか。ブラックフォーマルと喪服は着用するシーンが異なるため、選び方にも注意が必要で、マナーを押さえておく必要があります。ここからは、男女別にブラックフォーマルと喪服の選び方と着こなしのポイントを紹介します。

女性の場合の選び方と注意点

ブラックフォーマルの定番は、黒色のワンピースとジャケットを組み合わせたアンサンブルスタイルです。ジャケットを組み合わせることできちんとした感じがあり、夏はワンピース1枚で着用できます。光沢のある生地やレースなどの素材は結婚式向きなので、葬儀に着ていくことは避けましょう。肌の露出は控えることが基本です。

ワンピースは五分袖を選んでおけば、夏場に1枚で着る場合も安心です。スカート膝が隠れる長さを選びます。パンプス、バッグも黒色でシンプルなデザインを選びましょう。

男性の場合の選び方と注意点

男性のブラックフォーマルは濃い黒色のシングルスーツが基本です。これは略礼服と呼ばれるスタイルで、冠婚葬祭で着用される礼服の中で最も格式が低いタイプのものとされます。格式が低いというのはカジュアルというわけではなく、正式な場でなくても着用できるスーツという意味です。

ジャケットはノーベント、シャツは白無地が基本となります。ネクタイは黒無地、靴も光沢を抑えた黒色を選びましょう。スーツの生地に光沢のあるものは結婚式用です。葬儀に参列する際は光沢のないものを選びましょう。

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ブラックフォーマルのTPO別マナー

ブラックフォーマルのTPO別マナー

ブラックフォーマルを着用するTPO別に、押さえておきたいマナーを紹介します。

葬儀・通夜・法事の場での注意点

喪主や遺族は正喪服(和装または濃黒の礼服)を着用します。友人や仕事関係の人など一般の参列者として葬儀に出席する立場なら略喪服(ブラックフォーマル)でも問題ありません。

男女問わず身に着けてもよいアクセサリーは結婚指輪のみです。

アクセサリーを身に着ける場合は「涙を流す」とされる白または黒のパールネックレスにしましょう。「不幸を重ねる」という意味に繋がることから、2連・3連のネックレスは控え、1連のネックレスとイヤリング(ピアス)のみにとどめます。

殺生を連載させるファーや革製品も避けましょう。

メイクはナチュラルメイクを心がけましょう。ネイルは派手なものでなければそのままでも構いませんが、できれば落としていくほうが安心です。

髪型はヘアアクセサリーを黒で統一しまとめ髪にしておきましょう。焼香の際やおじぎをしたときにバサッと広がらないようにします。ショートやボブの人はアレンジせず、そのままおろしておいてOKです。いずれにしても清潔感を大切にしましょう。

法事に出席する場合は多少カジュアルな服装でも構いませんが、黒を基調としたものを選びます。

結婚式など慶事の場での選び方

結婚式などの慶事に参列する際にブラックフォーマルを着る場合は、華やかな雰囲気になるよう心がけましょう。同じブラックフォーマルでも素材によって慶事向きと弔事向きがあります。たとえば光沢のある素材、部分的に透け感のある素材やレースが使われているデザインは慶事向きです。

コサージュやアクセサリーを着けることで、華やかさをプラスすることもできます。男性の場合は白やシルバーグレイのネクタイを選べば、結婚式の装いとしてふさわしいです。いずれにしても、結婚式などに出席する際は、喪服をそのままの状態で着ていくことは避けましょう。

喪服・礼服を持ってない人は買うべきか?

葬儀というものはいつ参加することになるか予測ができません。学生時代は制服で代用できますが、社会人になるとそうはいきません。是非1着は用意しておきたいものです。

大人としてあらかじめ喪服を購入しておくことは、慌てずに葬儀へ参加できるための心構えとして大切です。これを機会に喪服の購入を検討してみませんか?

50代以上なら喪服や礼服を一着以上持っておくと良い

葬儀への出席機会が増える50代の方なら、男女ともに正喪服として着られる礼服を準備しておくべきでしょう。


デザインはシンプルなもの、スカート丈は膝下が無難です。襟元の開きは、より小さいものをチョイスしてみてはどうですか?

男性は喪服と一緒に黒色のネクタイも忘れずに揃えます。購入の際は試着して着脱のしやすさも考慮しましょう。

喪服や礼服を購入するなら、どこのお店がおすすめ?

喪服や礼服の購入先は、スーツ専門店やショッピングモールなどに入っている実店舗とネット通販があります。

実店舗では、商品を試着してサイズ感や着用感を確認したうえで購入できるため、失敗しにくいでしょう。オーダースーツ専門店なら、自分のサイズにぴったりのスーツが仕立てられる点も魅力です。

ネット通販は近くに実店舗がない人も購入しやすく、24時間いつでも注文できます。他店との価格の比較も実店舗を何軒も回るのと比べて簡単にできることもメリットです。

喪服や礼服の購入とレンタルの違い

喪服や礼服の購入とレンタルの違い

喪服や礼服は頻繁に着るものではないので、レンタルで済ませるか購入した方が良いのか迷いますよね。ここでは、購入・レンタルそれぞれのメリット・デメリットを紹介します。

喪服を購入するメリット・デメリット

メリット1:急な葬儀でも慌てずに対応

葬儀はほとんどの場合、急に参加しなければいけません。喪服を持っていれば服装で悩むことはないでしょう。

メリット2:事前に用意しておけば購入価格を最小限に抑えられる

前もって準備しておけば、かなり安く買えることもあります。安価で購入できると毎回レンタルで済ませるよりトータルとしては安上がりになるでしょう。

デメリット1:体型の変化にあわせて買いなおしが必要になり得る

太ったり痩せたりして体型が変わると、せっかく購入した喪服がいざという時に限って着られない、ということもありえます。喪服を再度購入するとレンタルで済ませたほうが安くなってしまいます。

デメリット2:レンタルと比べると1着あたりの値段が高い

頻繁に着用するものではないので、安く済ませたい場合は購入よりレンタルが向いています。

喪服をレンタルするメリット・デメリット

メリット1:喪服が低予算でまかなえ

基本的に購入するよりも一回あたりのレンタル料の方が安いです。

メリット2:体型が変わっても対応できる

レンタルならそのときの体型にあわせてサイズを選ぶことができるので問題ありません。

デメリット1:自分のサイズの喪服がレンタル中の場合がある

突然の葬儀の場合、自分のサイズの喪服が用意できない場合があります。そうなると自分に合った喪服を探すためにレンタル店をハシゴすることにもなり兼ねません。

デメリット2:葬儀の回数が頻繁になると購入したほうが安い場合がある

一度や二度のレンタルなら購入するより安いですが、葬儀が続くと喪服を購入したほうが安く済む場合があります。

また、葬儀は結婚式などのように数か月前から決まっているものではなく突然訪れるものです。長くても一週間後、短いと当日に参加する場合も少なくありません。そうなるとレンタルでは葬儀に間に合わなくなってしまいます。社会人としてマナーを守り、正しい服装で葬儀に出席するためにも、喪服はあらかじめ一着は用意しておきたいものです。

オーダースーツで喪服や礼服を用意するメリットとは?

オーダースーツで喪服や礼服を用意するメリットとは?

オーダースーツは自分のサイズや体型にぴったりと合った一着を仕立てられることが魅力です。そのため、着心地が良いだけでなくシルエットも美しく、人に与える印象が良いでしょう。結婚式などの慶事と葬儀などの弔事では、マナーにかなう礼服は異なります。

オーダースーツなら、自分が礼服を着たいTPOに合わせて黒色の濃さ、素材のマット感、シルエットなどを自由に選ぶことが可能です。急に葬儀や法事に参列しなければならなくなったときに、喪服や礼服が事前に準備してあれば、慌てることもないので安心です。

ブラックフォーマル・喪服選びでよくあるQ&A

ブラックフォーマル・喪服選びでよくあるQ&A

ブラックフォーマル・喪服選びで気になるポイントをQ&A形式で紹介します。

Q.ブラックスーツを喪服代わりにしてもいい?

急なお通夜などで喪服を持っていない、すぐに喪服を用意できない場合はブラックスーツで参列することはマナー違反にはなりません。ただし、葬儀、告別式に参列する場合はできればブラックスーツではなく、喪服で参列するほうが望ましいです。

ビジネスで着用するブラックスーツは黒色であっても色が明るめであったり光を反射しやすかったりするため、喪服の代わりにはなりません。どうしても用意ができない場合は、濃い黒で光沢なしのスーツを選びましょう。

Q.女性でパンツスタイルはマナー違反?

一般的に、女性の喪服はスカートスタイルが定番とされてきました。しかし、多様性が認められるようになってきた時代の流れを受けて、パンツスタイルの喪服の需要は増加傾向にあります。

一般の弔問で参列者としてパンツスーツを着用する場合は問題ありません。また、受付や親族側のお手伝いを依頼されている場合は、より動きやすいパンツスタイルを選ぶのも一つの手です。ただし、年配の方の中には、パンツスーツに対して抵抗感を持つ人がいる可能性があるため、年配の方が多い場では控えめにしておいたほうが無難でしょう。

Q.夏と冬で違いはある?夏は半袖でもいい?

喪服には夏用とオールシーズン用があります。一着しか購入しないのであれば、オールシーズン用がおすすめです。男性も女性も、葬儀に参列する際は季節を問わずジャケットの着用がマナーとされています。

男性の場合、夏場にジャケットを脱がないのであれば、半袖シャツを中に着ることは可能です。女性の場合、ワンピースとジャケットやボレロのアンサンブルで、ワンピースが半袖の場合は着用できます。ただし、なるべく肌が露出しない服装が望ましいため、ワンピースのみで葬儀に参列することは避けたほうが無難です。

まとめ:違いやマナーを理解して、正しい装いを

まとめ:違いやマナーを理解して、正しい装いを

ブラックフォーマルと喪服は、同じ黒色の装いではあっても、使われている素材や用途によって色合いなどが明確に異なります。冠婚葬祭などの格式やマナーが重んじられる場では、TPOに合わせた適切な服装選びが大切です。

オーダースーツでブラックフォーマルを用意しておけば、自分の体型にぴったりと合う一着で安心して冠婚葬祭に臨むことができます。オーダースーツSADAで着心地の良い一着を作ってみてどうでしょうか。

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ブラックフォーマルと喪服は同じ「黒の服」でも用途や素材、マナーに明確な違いがあります。シーンに合った装いを選ぶことで、大切な場でも安心してふるまえます。体型やTPOに合った一着を用意するなら、オーダースーツSADAのブラックフォーマルがおすすめです。

(構成/志田実恵)