モーニングとは？燕尾服との違いや着用場面について紹介 - オーダースーツSADA

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スーツの知識・コラム

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結婚式や公式行事などで目にすることのあるモーニングスーツは、一見すると燕尾服やタキシードに似ていると感じるかもしれません。しかし、実際はそれぞれ役割や着用シーン、合わせる小物が異なります。

この記事では、燕尾服・タキシードとの違いや慶事・弔事の着用マナー、購入・レンタルにかかる費用から選び方まで、モーニングスーツに関する基本情報をわかりやすく解説します。

モーニングスーツとは？

モーニングスーツとは、フォーマルな場で男性が着用する礼服の一種です。まずは、モーニングスーツの意味と特徴、歴史から紐解いていきましょう。

モーニングスーツの意味と特徴

礼服は、「正礼装」「準礼装」「略礼装」の3種類に分けられます。モーニングスーツは、男性が着用する礼服の中でもっとも格式高い「正礼装」のひとつで、「モーニング」「モーニングコート」「カット・アウェイ・フロックコート（カッタウェイコート）」とも呼ばれます。

その名前の通り、もともとは午前中に着用する礼服でしたが、現在は原則として18時までの慶事・弔事に相応しい装いとされています。

モーニングスーツの主な特徴は次のとおりです。

ピークドラペル
シングル1つボタン
前裾から後裾にかけての曲線的なカット

ピークドラペルは、日本語で「剣襟（けんえり）」と表現されるように、襟の先端が上方向に尖った形状です。ボタンはシングルタイプになっており、慶事・弔事で留め方が変わります。

前裾は腰から後ろにかけて大きく斜めにカットされています。「カット・アウェイ・フロックコート（カッタウェイコート）」の呼び名は、この独特のカットの仕方に由来しています。

モーニングスーツが誕生した歴史的背景

モーニングスーツは、産業革命やフランス革命の時代に流行していた「フロックコート」を改良したものです。フロックコートは、現在のスーツの起源ともいわれており、正礼装であるモーニングスーツや燕尾服の原型にもなっています。

当時ヨーロッパの貴族は乗馬をたしなんでいましたが、膝丈まであるフロックコートは実用性に欠けていたため、前を短く・後ろを長くしたモーニングスーツが好まれるようになりました。この時代、上流階級の人々は一日に何回も着替えをしていたため、次第に朝はモーニングスーツ、夜は燕尾服を着用するのが定番化しました。

日本では、明治時代にフロックコートと燕尾服が伝わり、その後昭和20年頃モーニングスーツが入ってきたとされています。よって、モーニングスーツが入ってくるまでは、昼夜問わず燕尾服が男性の新たな礼服として着用されていました。現在は、日本でも昼間の正礼装としてモーニングスーツが定着し、夜の燕尾服と使い分けられています。

モーニングと燕尾服やタキシードの違い

礼服には、モーニング以外にも「燕尾服」「タキシード」などがあります。ここでは、モーニングと燕尾服やタキシードの違いを解説します。

燕尾服の特徴とモーニングとの違い

燕尾服とモーニングは、着用する時間帯が異なります。基本的には、燕尾服は夜、モーニングは日中に着用する正礼装としての位置付けです。

モーニング

前裾がカーブしている
シングル1つボタン
拝絹（はいけん）は付いていない

燕尾服

前裾がスクエアにカットされている
飾りボタンが6つ付いている
拝絹が下襟に付いている

どちらもジャケットの後ろ側が長いため、シルエットは似ていますが、細部のデザインには違いがあります。たとえば、モーニングは前裾がカーブしていますが、燕尾服はスクエア型にカットされています。

また、ボタンの数もモーニングは1つであるのに対して、燕尾服は左右に３つずつの計６つ付いています。燕尾服のボタンは飾りのため、留めることはありません。下襟に拝絹と呼ばれるシルク素材の生地が付いているのも燕尾服のみとなっています。

燕尾服のスラックスはジャケットと同じ生地を用いており、両脇に側章が2本付いています。一方、モーニングのスラックスはコールパンツと呼ばれるグレー×黒のストライプで、側章はありません。

タキシードの特徴とモーニングとの違い

タキシードとモーニングは、格式と着用する時間帯が異なります。モーニングはもっとも格式が高い「正礼装」ですが、タキシードは燕尾服のデザインを簡略化した「準礼装」となります。燕尾服を簡略化した装いとなるため、着用する時間は原則として18時以降となります。

ただし、近年はモーニングや燕尾服を着用する機会が減少しており、時間帯を問わない正礼装としてタキシードを取り入れるケースも増えています。

モーニング

後裾が長い
シルバーグレーまたは白黒ストライプのネクタイ
スラックスに側章がない

タキシード

裾は水平
黒い蝶ネクタイ
スラックスに側章1本

デザインの大きな違いとしては、後裾の長さが挙げられます。また、モーニングにはシルバーグレーまたは白黒ストライプのネクタイを合わせますが、タキシードは黒の蝶ネクタイが基本です。タキシードは、燕尾服と同様に側章が付いていますが、本数は1本となっています。

モーニングスーツはいつ着るの？

同じ正礼装でも着用できるシーンは異なります。たとえば、燕尾服は葬儀や告別式で着用できませんが、モーニングは慶事・弔事の両方で着用できます。ここでは、具体的な着用シーンと注意したいポイントを解説します。

慶事で着用する場合

慶事で着用する男性用のフォーマルウェアは、格式によって下記の3つに分類できます。

【正礼服】モーニング・燕尾服
【準礼服】ディレクターズスーツ・タキシード
【略礼服】ダークスーツ・ブラックスーツ

ドレスコードの指定が「ホワイトタイ」の場合は燕尾服、「ブラックタイ」の場合はタキシード、「平服」の場合はダークスーツやブラックスーツを着用します。

正礼服であるモーニングは、次のようなお祝いの場で着用できます。

園遊会
叙勲（じょくん）
地鎮祭や竣工式などの記念式典
祝賀会の主催者として出席する場合
結婚披露宴で新郎新婦の父親として出席する場合

慶事で着用する場合は、ボタンは左右が重ならない「拝み合わせ」で留めるのがマナーです。結婚式で着用する際は、両家で格式の差が生じないよう、事前に打ち合わせておきましょう。

弔事で着用する場合

弔事で着用する男性用のフォーマルウェアは、格式によって下記の3つに分類できます。

【正喪服】モーニング
【準喪服】ブラックスーツ
【略喪服】ダークスーツ

ブラックスーツは、光沢のない深い黒色（漆黒）が特徴で、一般的なビジネススーツとは仕様や素材が異なります。ダークスーツを着用する場合も、マナー違反だと思われないよう光沢のある色合いは避けましょう。

正喪服であるモーニングは、次のようなお悔やみの場で着用できます。

正式な葬儀
告別式
一周忌までの法要
お別れの会
偲ぶ会

弔事で着用する場合は、ボタンは通常のスーツのように留めるのがマナーです。モーニングはもっとも格式が高くなるため、喪主や近親者など限られた人だけが着用します。ただし、規模の大きな式では、立場にかかわらずモーニングを着用するケースも見られます。

モーニングスーツの値段は？

モーニングスーツを着用したい場合は、「購入」「レンタル」という2つの選択肢があります。それぞれのメリット・デメリットを理解し、自分に合った方法を選んでいきましょう。

購入する場合

「モーニングスーツを何度も使用する予定がある」「細部にまでこだわりたい」という場合は、購入が向いています。

モーニングスーツの相場は7万〜15万円程度ですが、ブランドや素材によって価格は変動します。シャツやネクタイ、カフスボタン、サスペンダー、靴など、小物も揃える必要があるため、10万円〜30万円程度を用意しておくと安心です。

また、有名ブランドやフルオーダーのモーニングはスーツだけで数十万円することも珍しくありません。購入価格を抑えたい場合は、既製品がおすすめです。既製品を購入する際は、試着をしてサイズやフィット感を確認しましょう。

レンタルする場合

「初期費用を抑えたい」「季節に合わせて着用したい」という場合は、レンタルが向いています。

モーニングスーツのレンタル相場は、小物込みで2万〜6万円程度となっており、購入に比べると費用を大幅に抑えられます。また、レンタルであれば体型の変化にも対応しやすく、季節に合わせた素材を選ぶことも可能です。

保管スペースやクリーニング代が不要な点もレンタルのメリットといえるでしょう。ただし、レンタルの場合はデザインやサイズの選択肢が限られます。「肩幅が広い」「下半身に筋肉がついている」といった体型の方は、ぴったり合うサイズが見つからない可能性もあるため注意が必要です。

レンタルでも試着ができたり、採寸してもらえたりする店舗もあるため、サービス内容を比較しながら選んでみてください。

モーニングスーツを選ぶポイント

モーニングスーツは、特別な日の格式高い装いです。着用のポイントを押さえ、品位を保った着こなしを目指しましょう。

適正サイズを選ぶ

モーニングスーツは、体型に合ったサイズを選ぶことが、もっとも重要となります。どれだけ上質なモーニングスーツでも、小さすぎたり大きすぎたりすると、台無しになってしまいます。

サイズ表などから自分の体型に近い商品を探すことができますが、不安な場合は試着や採寸ができる店舗で購入・レンタルするのがおすすめです。スーツの専門店であれば、スタッフに相談しながらシャツ、ネクタイ、ポケットチーフなどの小物も一括で揃えられます。

モーニングスーツは伝統と格式のある装いとなるため、流行に左右されない普遍的なデザインを選びましょう。

オーダーを検討すると安心

体型に合った美しいシルエットでモーニングスーツを着こなしたいなら、オーダーがおすすめです。オーダースーツなら肩幅や胸囲、太ももなどを細かくサイズを調整できるため、フィット感のある仕上がりが実現できます。

オーダースーツSADAは、結婚式やパーティーシーンで活躍する華やかなタキシードから、喪服として着用できる漆黒のブラックスーツまで幅広いスタイルに対応しております。安心してご利用いただけるよう「全額返金保証サービス」「納期短縮サービス」などもご用意していますので、ぜひチェックしてみてください。

オーダースーツSADAはスーツやシャツのフルオーダーに対応

モーニングスーツは慶事・弔事の両方で着用できる「正礼装」です。着用するシーンによってボタンの留め方や合わせる小物が変わってくるため、基本的なマナーを押さえて、正しく着こなしていきましょう。

オーダースーツSADAでは、フォーマルウェアのお仕立ても承っております。また、スーツに合わせて、シャツをフルオーダーいただくことも可能です。

「生地にこだわりたい」「小物も揃えたい」など、お客様のご要望を伺いながら、経験豊富なスタッフが理想のスーツを作るお手伝いをさせていただきます。ぜひ、お気軽にご相談ください。

モーニングスーツは、男性用礼服の中でもっとも格式が高い「正礼装」で、主に日中の結婚式や公式行事で着用されます。
前裾がカーブしたシングルボタンのデザインが特徴で、慶事・弔事の両方に対応できるのが大きな魅力です。夜に着用する燕尾服や準礼装のタキシードとは、用途やデザイン、合わせる小物が異なります。

慶事では結婚披露宴で新郎新婦の父親が着用するほか、祝賀会や式典でも用いられます。弔事では葬儀や告別式で喪主や近親者が着用し、立場の重さを示します。購入とレンタルのどちらも可能で、使用頻度や予算に応じて選べますが、体型に合ったサイズ感が何より重要です。
格式ある装いだからこそ、オーダーメイドで仕立てると美しいシルエットと安心感が得られます。

構成・編集/湯浦孝恵