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ネクタイを結ぶ際の基本とは?初心者でも簡単に結べる結び方を徹底解説!

近年では、オフィスカジュアルという言葉が浸透してきた中で、ビジネススタイルがカジュアル化されることが多くなってきました。また、テレワークで業務を行う方が多くなってきたことで、スーツを着用する機会も以前より少なくなってきたという方もいるのではないでしょうか。
そんななかスーツの着用機会が減ると同時に、ネクタイを使用する機会も少なくなっています。そのため、ネクタイの結び方に不安を持っている方も多いです。
ネクタイの結び方をしっかりと理解し、綺麗に結ぶことで好印象を持たれることもあるので適切な結び方を理解しておくようにしましょう。
「ネクタイをうまく結ぶ際のポイントを知りたい」
「うまくネクタイを結べない」
「いつも結び目が綺麗にならない」
など、ネクタイの結び方に悩みを持っている方のためにこの記事では、
・ネクタイの種類
・ネクタイを結ぶ時のポイント
・ネクタイとスーツの組み合わせ
など、ネクタイの結び方を中心に解説していきます。

まずはネクタイの呼称を覚えよう

ネクタイには部位によって名前が付けられています。適切な締め方を理解するにはネクタイの呼称をしっかりと把握しておくようにしましょう。

大剣

ネクタイの太い方の先端を「大剣」と呼びます。

ネクタイの幅はこの大剣の幅のことを指すことが多く、大剣幅の違いでネクタイの種類も変わってくることを覚えておきましょう。

小剣

ネクタイの細い方の先端が「小剣」です。

小剣の幅によって種類が変わるということはありません、大剣と小剣の柄が異なるネクタイもあるため、少し変わったデザインがいいという場合には試してみましょう。

ノット

ネクタイを結んだ際にできる結び目を「ノット」と呼びます。

ネクタイの結び方にはさまざまな名称があるのが特徴です。例を挙げると「プレーンノット」や「ダブルノット」などのように多くがこの「ノット」という言葉が使われています。

ネクタイの結び方においてはこの「ノット」が大きなポイントといえるので覚えておきましょう。

ディンプル

ノットの下にできるくぼみが「ディンプル」です。

えくぼという意味があり、ディンプルを作ることで立体感のあるスタイリッシュな印象に仕上げることができます。ディンプルがないと立体感がなく、のっぺりとした印象になってしまうため、ビジネスシーンや結婚式など、お洒落にコーディネートしたいシーンでは意識的にディンプルを作ることがおすすめです。

注意点として、お葬式など故人を偲ぶような式でディンプルを作ることはマナー違反になる場合もあるので、できるだけ立体感を出さないように結ぶようにしましょう。

ディンプルの作り方は、指で折り目を付けながら結ぶとうまく作ることができます。ノットの中からディンプルを作っていくことで崩れにくく、綺麗なディンプルに仕上げることが可能です。

ネクタイの種類

ネクタイは種類によって印象が大きく変わるため、状況に合わせたものを身に付けるのがおすすめです。ここでは、代表的な5種類を紹介します。

ダービータイ(レギュラータイ)

ネクタイの種類のなかで最も王道なタイプが「ダービータイ」です。

なかでも大剣が7㎝〜8㎝のものが一般的で「レギュラータイ」と呼ばれています。幅が7㎝〜8㎝と太すぎないため、どんなコーディネートにも相性良く合わせることが可能です。全体的なバランスがとれたネクタイといえるでしょう。

ナロータイ

ダービータイ(レギュラータイ)と同じデザインですが、大剣の幅が大きな違いとして挙げられます。

「ナロータイ」の大剣は4㎝〜6㎝とダービータイよりも細く作られてるのが特徴です。ネクタイが細いため、細身のスーツと相性がよく、スタイリッシュな印象を与えることができます。

スタイリッシュな印象を演出することができる反面、ビジネスシーンやフォーマルシーンなどのきっちりとしたシーンにはカジュアルさが強くなってしまうので、避けるようにしましょう。

スクエアタイ

先端部分が水平に四角くカットされているデザインのネクタイが「スクエアカット」です。

大剣の幅が細いナロータイよりもカジュアル要素が強いネクタイになります。スクエアタイ特有のカジュアル要素の強さは、ビジネスシーンやフォーマルシーンには向いていないため、パーティーなどの華やかなシーンなどに身に付けることがおすすめです。

スーツのスタイルをカジュアルダウンしたいというときに身に付けることが多いデザインといえます。カジュアル要素が強いこともあって、コーディネートに取り入れる際にはTPOをしっかりと意識して取り入れるようにしましょう。

ボウタイ(蝶ネクタイ)

「ボウタイ」は主に夜のパーティーなどに身に付けられることの多いデザインです。ネクタイの結んだ際の形が蝶の羽根を開いたような姿に似ていることから、蝶ネクタイといわれています。

主に結婚式やパーティーなどといった華やかなシーンに身に付けられることが多いデザインです。

元々は自身で結ぶボウタイが主流でしたが、ここ数年で結び目がすでに作られている簡易的なボウタイも多く流通するようになりました。簡易的なボウタイは、ホックやボタンなどで留められるようになっており、慣れていない人でも気軽にコーディネートに取り入れることができるので人気です。

簡易的なボウタイではなく、自身で結ぶタイプのボウタイを取り入れたいと考えている場合には、事前に練習しておくと着用当日にスムーズに身に付けることができるでしょう。

アスコットタイ

「アスコットタイ」は、結んだ際にスカーフを巻いているかのような幅広さが特徴で、結び方には多くのパターンが存在しています。アレンジのしやすさや見た目の豪華さから、結婚式などの華やかなシーンはもちろんのこと、カジュアルシーンにもおすすめのネクタイです。

ネクタイを結ぶ時のポイント

いざ、ネクタイを締めてかっこよく見せようと考えても、身に付け方を理解できていないと「常識を理解していない」「だらしない」など、マイナスなイメージを持たれてしまうことも多いです。

そこでここでは、ネクタイを結ぶ時のポイントを解説します。目的や状況に合った身に付け方を覚えるようにしましょう。

適切な長さで締める

ネクタイを身に付けるとき、長すぎても短すぎてもだらしなく見えてしまうため、適切な長さで身に付ける必要があります。

おすすめの長さは「ベルトに丁度かかるくらい」の長さがベストです。ネクタイの先がベルトにかかるかかからないかの長さで締めるのが最適な長さといえます。ネクタイは、首回りの太さや体格によって、大剣、小剣の長さがどのくらい必要かが変わってくるものです。自身に最適な長さで結べるように練習しておきましょう。

ディンプルをしっかりと作る

先に説明した通り、ディンプルがあると立体感が生まれ、スタイリッシュに仕上げることができます。

ディンプルを作ることで清潔感や誠実さを演出できるため、しっかりとディンプルが作れるように日々のネクタイ締めを意識するようにしましょう。

ディンプル自体はネクタイを締めると自然にできますが、綺麗に作るためにはコツを覚えておくことが重要です。

ネクタイを締める際に緩く形を整えるように締め、大剣を親指と中指でつまみます。その際、人差し指はくぼみを整えながら添えることが大切です。できたくぼみを意識しながら結び目を上に引き上げれば完成です。

身に付けるシーンをしっかりと理解する

ネクタイを身に付ける際、状況によってはマナー違反となる場合もあることを覚えておきましょう。

例えば、お葬式においては「ディンプルを作ること」「ネクタイピンをつけること」はマナー違反となる場合があります。

また、結婚式などは黒のネクタイはマナー違反となるので状況に合ったネクタイを身に付けることが大切です。

身に付けるシーンによって適切なネクタイの色や柄が異なるので、状況に合うようなネクタイを1本ずつは持っておくようにしましょう。

基本の結び方をできるようになろう

ネクタイの結び方にはいくつか種類がありますが、すべて覚えるのは現実的ではありません。ここでは、どんなシーンにも活用できる代表的な結び方を4つ紹介します。

プレーンノット

ネクタイの結び方で最も基本的な結び方である「プレーンノット」を紹介していきます。

プレーンノットの特徴

プレーンノットは、ネクタイの結び方の中で最も基本的な結び方です。結び目が小さく、レギュラーカラーのシャツと相性がいいため、ビジネスや就職活動、冠婚葬祭など、シーンを選ばず身に付けることができる結び方となっています。

ネクタイを結ぶのに慣れていない方はまず「プレーンノット」をマスターしましょう。

プレーンノットの結び方

①ネクタイを首に掛け、大剣が小剣の二倍の長さになるように調節する。

②大剣を上にしてクロスさせる。

③大剣を後ろに回り込ませ、一周回す。

④後ろ側にある大剣を前に持ってくる。

⑤前にできたループに大剣を差し込む。

⑥結び目の形を綺麗に整えて完成。

ウインザーノット

定番の結び方のなかで一番ボリュームのある結び方の「ウインザーノット」を紹介していきます。

h4 ウインザーノットの特徴

結び目が正三角形に近い形状になるのがウインザーノットの大きな特徴です。結び目が大きく、営業や商談など、相手に印象を残したいシーンで活用するのがおすすめです。襟先が開いたワイドカラーやホリゾンタルカラーなど襟の広いシャツに適しています。

結び目が大きくて存在感があるため、自分を印象づけたいときに効果的です。

ウインザーノットの結び方

①大剣が自分から見て左に来るようにし、小剣は短めにとる。

②大剣を小剣の上に持ってきて、交差させる。

③大剣を首周りの輪に内側から通し、折り返す。

④そのまま大剣を後ろに回り込ませる。

⑤③と同じように今度は外側から輪に通し、折り返す。

⑥大剣を前に回り込ませる。

⑦大剣を首元の輪に通す。

⑧大剣を首の正面の輪に通す。

⑨結び目の形を調整して完成。

ダブルノット

プレーンノットと同様、簡単に結ぶことができ、初心者にもおすすめの結び方である「ダブルノット」を紹介します。

ダブルノットの特徴

ベースはプレーンノットですが、巻きつける回数が2回なのでダブルノットと呼ばれています。結び目が縦に長く、プレーンノットよりは少し大きめの結び目が特徴です。

プレーンノットでは結び目が小さいと感じるときに、ダブルノットで対応できるように覚えておきましょう。

ダブルノットの結び方

①小剣を短めにとり、大剣が前に来るようにしてクロスさせる。

②そのまま大剣を二周させ、小剣の裏側に持っていく。

③首元にできたループに下から上へ大剣を通す。

④正面のループに上から下へ大剣を差し込む。

⑤結び目を綺麗に整えて完成。

セミウインザーノット

ボリュームを抑えて、落ち着いた結び方が特徴の「セミウインザーノット」を紹介します。

セミウインザーノットの特徴

ウインザーノットに近い形状ですが、ウインザーノットよりも結び目が小さいのが大きな特徴です。

ビジネスや就職活動など幅広いシーンで活用できるため、プレーンノットと同様に、最初に覚えておきたい結び方といえます。

セミウインザーノットの結び方

①大剣を長めに持ち、小剣の上に持ってきてクロスさせる。

②大剣を後ろから前に持ってくる。

③大剣を首元のループに外側から通す。

④大剣を前に回す。

⑤大剣を首元のループに通す。

⑥大剣を新しくできた正面のループに通す。

⑦結び目の形を整えて、完成。

個性的なネクタイの結び方

上記では、基本的な結び方を紹介しましたが、基本的な結び方に慣れてきた際にまわりの人とは少し違った結び方で注目を集めてみましょう。

ここでは、個性的な結び方を3つ紹介します。

エルドリッジノット

「エルドリッジノット」は折り目が特徴的で、遊び心のある結び方が大きな魅力です。華やかなシーンに最適な結び方で、結婚式やパーティーなどで周りと差をつけたいときに採用してみましょう。

エルドリッジノットの結び方は以下の通りです。

①小剣を大剣の上にして交差させる。

②小剣を大剣に一周させて、首元のV字部分に上から下に向かって通す。

③さらに小剣を一周させ、下から上に向かって首元のV字部分に通す。

④再度、小剣を一周させ、できたループに小剣を通す。

⑤小剣を首元のループに巻きつけ、反対側の首元へ持っていき、できたループに小剣を通す

⑥小剣を引き抜き、首の裏に余った部分を隠したら完成。

トリニティノット

トリニティノットは、ノットの折り目が3つに分かれていることが大きな特徴として挙げられます。華やかな印象を演出できるので、ビジネスシーンよりも華やかなパーティーや結婚式などに向いている結び方です。

トリニティノットの結び方は以下の通りです。

①小剣を長めに取り、大剣の上に交差させる。

②結び目となる大剣を押さえながら、小剣を一周させて首元のV字部分の下から上に通す。

③小剣をさらに一周させて、上から下に向けて首元のV字部分に通す。

④②と同様に小剣を一周させ、首元のV字部分に下から上へ通す。

⑤④でできたループの中に小剣を通す。

⑥再び小剣を一周させて、首元にできたループに小剣を通す。

⑦小剣を引き抜いて、余った部分を首の裏に隠す。結び目の形、剣先の位置など、全体的なバランスを整えたら完成。

クロスノット

「クロスノット」はノットに斜めのラインが入ったデザインが特徴の結び方です。きちんとした印象になるネクタイを、あえて崩したように結ぶスタイルのため、結婚式の二次会や合コン、パーティーなど少しカジュアルなシーンで使用するのがおすすめの結び方といえます。

一般的なネクタイは大剣を使って結んでいきますが、クロスノットは小剣を使って結ぶのが特徴です。

クロスノットの結び方は以下の通りです。

①小剣を長めに取り、大剣の上に交差させる。

②小剣を大剣の裏側で交差させ、反対側へ巻きつける。

③②の小剣を、今度は大剣の表側を通って反対側へ持っていく。

④②と③の動作を1セットとし、もう1セット繰り返す。

⑤2セット繰り返して巻きつけた小剣を、首元のV字部分の上から反対側の襟元へと通す。

⑥⑤の小剣を中心の結び目に通す。 

⑦小剣を引き抜き、小剣が大剣の下にくるように形を整えて完成。

この記事では、ネクタイの結び方について見てきました。

ネクタイには、さまざまな結び方が存在しています。ネクタイを結ぶことに慣れていない方はまず、基本的な4パターンの結び方をマスターしましょう。基本的な4パターンは、ビジネスシーンはもちろん、カジュアルシーンやフォーマルシーンなど、どんなシーンにでも対応することができます。結び方に迷った際には基本の4パターンを取り入れましょう。

基本的な結び方をマスターし、まわりの人とは違った結び方をしたい場合には
エルドリッジノット
トリニティノット
クロスノット
の3種類に挑戦してみることをおすすめします。華やかさが特徴の結び方のため、取り入れるシーンは限られてしまいますが、他の人とは違ってお洒落さを演出することができ、注目を集めることができるでしょう

さまざまな結び方があり、どんな結び方をすれば迷ってしまう場合もあると思いますが、TPOをしっかりと意識し、状況に適した結び方を心がけましょう。

山畠 光優