
ネクタイの結び方と長さとは?スーツスタイルに合った初心者におすすめの結び方や小剣・大剣の長さについても紹介-オーダースーツSADA
スーツスタイルを格上げするアイテムといえばネクタイ。その中でも「長さ」と「結び方」は、全体のバランスや印象を大きく左右するポイントになります。大剣と小剣の長さのバランスが悪いと、せっかくのスーツスタイルが台無しになることもあるでしょう。
また、初心者には扱いが難しいネクタイの長さ調整やディンプル(くぼみ)の作り方にもコツがあります。
そこで本記事では、ネクタイの長さの基本から、初心者向けの結び方、上級者向けの個性的なノットスタイルまで幅広く解説します。さらに、知らないと損するネクタイの裏の糸「スリップステッチ」についても紹介しますので、ネクタイを正しく美しく身につけたい方は、ぜひ参考にしてください。
一般的なネクタイの長さとは

まずは一般的なネクタイの長さを解説します。具体的には、長さの目安を紹介した後、ネクタイの長さに関する問題点についても説明するので参考にしてください。
ネクタイの長さの目安
基準と言われるベルトの長さは、ベルトのバックルに半分かかるくらいの長さと言われており、一番綺麗に見える丈感です。
日本男性の平均身長170〜176cmに合わせた140cm前後のネクタイの長さが一般的に売られているため、購入時には大体140cm前後のものを選ぶと失敗はないでしょう。
ぴったりのものを選ぶのも大切ですが、結び方や体型によって長さが足りなくなってしまう事があるので、+2〜3cmを意識しておくとより安心&長く使用できます。
ネクタイを上手に結ぶためには、基本のネクタイの結び方を習得しましょう。
一般的な商品のネクタイの長さは140cmほどです。ネクタイの表をよく見ると途中に縫い目があることに気づきます。
ネクタイを首にかけて、シャツの上から3番目と4番目のボタンの間にネクタイの縫い目を合わせるように左右のネクタイの長さを調整してから、ネクタイを結び始めるとうまく結べます。
シャツの3番目と4番目のボタンの間にネクタイの縫い目を合わせて長さのバランスをとると、標準的な体型の方は完成したときにちょうど良い長さになります。
結び始める時に左右の長さのバランスは身長、体型によって少し変わってきます。
そのため、この方法を目安にして何度か試すことで、自分なりのベストな左右の長さのバランスが見つかるでしょう。
しかし、身長が低い方はこの結び方の場合、130cmほどの長さのネクタイが丁度いいかもしれません。反対に身長が高い方は、もう少し長めのネクタイの方がバランスがとれます。何度か試してみて、自分の体形に合うネクタイの長さや結び方について確認しておきましょう。
ネクタイの長さに関する問題点
ネクタイには大剣と小剣があります。大剣はネクタイの太くて目立つほうの先端部分。小剣はネクタイの細いほうの先端部分です。
小剣が大剣よりも長い場合、動くたびに小剣が揺れて不自然な位置に出てしまうため、周囲にだらしない印象を与えかねません。ネクタイピンを使ってもバランスを取りづらくなり、装いに締まりがなくなるでしょう。
また、小剣が長すぎると大剣の幅に収まらず、横方向にはみ出る可能性があります。そのため、スーツスタイルを整えるには、小剣の長さと位置に注意することが大切です。
ネクタイの小剣を隠すためのコツ

ネクタイの小剣をきちんと隠すことで、全体の見た目が整うため、洗練された印象につながります。ここでは、ネクタイの小剣を隠すためのコツとして以下を解説します。
- 小剣は大剣の後ろに収める
- 大剣と小剣のバランスを整える
小剣は大剣の後ろに収める
小剣を大剣の後ろに収めるには、小剣をループに通すことを意識してください。基本的にネクタイの裏側には布製のループが付いているため、小剣を通すことで安定した状態を維持できます。
小剣をきれいに隠すには、結び目の位置も大切です。大剣と小剣の長さのバランスを調整することで、小剣が収まりやすくなります。結び方によっても収まり具合が異なるので注意しましょう。
小剣がどうしても長くなる場合は、折り返してループに通すという工夫もあります。それにより、短く見せつつ、形を崩さずに整えることが可能です。
大剣と小剣のバランスを整える
ネクタイの見た目を整えるには、大剣と小剣の長さのバランスが大切です。大剣を小剣の約2倍の長さに設定すると、仕上がりがきれいになります。
特にウィンザーノットのような結び目が大きいタイプは、大剣が短くなることがあるため、最初から長めにすると調整しやすいでしょう。
結び終えた後は、小剣が大剣の裏に隠れているかどうかを確認し、必要があれば微調整します。身長や体型に合ったネクタイを選ぶことも、自然なバランスを保つコツです。
【初心者におすすめ】基本的なネクタイの結び方

初心者におすすめの基本的なネクタイの結び方には以下があります。
- フォアインハンドノット(プレーンノット)
- ハーフウィンザーノット
- ウィンザーノット
- ダブルノット
それぞれ解説するので参考にしてください。
フォアインハンドノット(プレーンノット)
プレーンノットとしても知られているフォアインハンドノットは、手軽に結ぶことができ、少し非対称の結び目が特徴で最も一般的な結び方となっています。
フォワードポイントやボタンダウンのような襟の開きが小さく、襟先が長いカラーと相性がいいです。特別なフォーマルなシーンを除いて、ビジネスシーンやフォーマルシーンなど様々なシーンに取り入れられる結び方となっています。初めてネクタイを着用される方におすすめの結び方です。
フォアインハンドノットの結び方は、
①大剣を左に、そして小剣を右にします。
②左側の大剣を右側の小剣の上に交差させます。
③大剣を小剣の下側を通して左身頃へ持ってきます。
④大剣をもう一度反対側へ交差させます。
⑤大剣を首まわりのループに下から通します。
⑥手前のループに大剣を通し、下に引っ張ります。
⑦結び目を締め、ディンプルの形を整えて完成です。
ハーフウィンザーノット
ハーフウィンザーノットは、フォアインハンドノットよりもフォーマルな機会に使用され、結婚式やビジネスなどのほとんどのフォーマルなシーンにふさわしい結び方となります。
結び目はそれほど大きくないので、フォワードポイント、スプレッド、ボタンダウンなど様々な襟と相性が良いです。
ハーフウィンザーノットの結び方は、
①大剣を左に、そして小剣を右にします。
②大剣を小剣の上に交差させます。
③首回りのループに大剣を下から通します。
④大剣を下に引き右身頃の方に持ってきます。
⑤大剣を小剣の下を通して左身頃の方へ持っていきます。
⑥大剣を真ん中に持ってきて、巻き付けて結び目を作ります。
⑦大剣をループに通します。
⑧大剣の先端を持ち、結び目に通して下に引っ張ります。
⑨結び目を締め、ディンプルの形を整えて完成です。
ウィンザーノット
ウィンザーノットはフルウィンザーとも呼ばれており、人気があるクラシックな結び方の一つです。
他の結び方と比較すると、結び目が大きく、左右対称になっているため、ウィンザーノットを習得するには練習する必要があります。清潔感がありエレガントな印象を与えることから、フォーマル、セミフォーマルなシーンに用いられる結び方です。
また、ワイドカラーのシャツとの相性がいいため、ドレスアップしたい時におすすめの結び方になります。
ウィンザーノットの結び方は、
①大剣を左に、そして小剣を右にします。
②大剣を小剣の上に交差させます。
③首回りのループに、大剣を下から通します。
④大剣を下に引き、右身頃の方に持ってきます。
⑤大剣を、小剣の下を通して左身頃の方へ持っていきます。
⑥首回りのループに、大剣を上から通します。
⑦左から大剣をループに巻き付け、結び目を作ります。
⑧首回りのループの裏側から、大剣を通します。
⑨ゆるくできた結び目に大剣を通して引っ張ります。
⑩結び目を締め、ディンプルの形を整えて完成です。
ダブルノット

ダブルノットは結び目が縦型に整う結び方です。初心者にも扱いやすく、シャツの襟型を問わず使えるという特徴があります。ビジネスシーンやフォーマルな装いとも相性がよく、礼服にも自然に馴染みます。
ダブルノットの結び方は、
①小剣を短めに首にかけ、大剣が前、小剣が後ろになるように交差させます。
②大剣を小剣の後ろから2周巻きます(小剣を軸に後ろから前へ)。
③大剣をVゾーンの下から上へ通します。
④結び目に大剣を上から差し込みます。
⑤結び目を押さえながら大剣を引いて形を整えます。
⑥小剣を引いて全体の長さを調整し、結び目が首元にあれば完成です。
【上級編】個性を出したい人におすすめ

個性を出したい上級者におすすめの結び方には以下があります。
- エルドリッジノット
- トリニティノット
- クロスノット
- スモールノット
- ブラインドフォールドノット
- ノンノット
それぞれ解説するので参考にしてください。
エルドリッジノット
エルドリッジノットは、結び目に段差が生まれる結び方です。全体は逆三角形のシルエットでありつつも、編み込んだような構造が印象的です。プライベートなパーティーや結婚式の二次会などに適しています。
エルドリッジノットの結び方は、
①大剣の上に小剣を交差させます(大剣の先端がバックル中央に届くように長さを調整)。
②小剣を1周巻いたあと、上から下へVゾーンに通します。
③もう一度小剣を1周させ、下から上へVゾーンに通します。
④さらに一周し、輪の中に小剣を通します。
⑤小剣を首元の輪に結び、八の字を描くように反対側の首元へ流します。
⑥首元の輪に差し込み、余った小剣は襟の内側に隠します。
⑦襟を下ろして完成です。
トリニティノット
トリニティノットは、結び目に3つの層が重なり合うデザインが特徴的な結び方です。結び目にボリュームが出るため、襟開きが狭いシャツと合わせるとバランスよく決まります。華やかさを出したいパーティーシーンに合ったスタイルです。
トリニティノットの結び方は、
①小剣を長めに首にかけ、大剣の上に重ねます。
②結び目の大剣を指で押さえつつ小剣を1周巻き、Vゾーンの下から上へ通します。
③もう一度巻き、今度は上から下にVゾーンへ通します。
④再び1周巻き、下から上へ通した後、全体の形を整えます。
⑤輪の中に小剣を通します(小剣が大剣の上に重なるように調整)。
⑥小剣をさらに1周させ、輪の中に通します。
⑦残った小剣を首の後ろで隠し、結び目のバランスを整えて完成です。
クロスノット
クロスノットは、結び目に斜めの一本線が入る構造が特徴的な結び方です。シンプルな形状に工夫が加わるため、個性を出したい中級者以上におすすめといえます。素材は薄手のほうが形を整えやすく、全体のバランスを取りやすいでしょう。
クロスノットの結び方は、
①小剣をやや長めにし、ネクタイを首にかけて大剣の上に重ねます。
②小剣を大剣の裏側でクロスして反対側に持っていきます。
③今度は小剣を大剣の表側に巻き、再び反対側へ持っていきます。
④②と③の動きをもう一度繰り返します。
⑤小剣を上からVゾーンに通し、反対側の襟元へ出します。
⑥小剣を中央の結び目の隙間に通し、ゆっくり引き締めます。
⑦小剣が大剣の下になるように整えて完成です。
スモールノット
スモールノットは結び目を小さく仕上げることに特化した結び方です。全体の印象をシャープに見せられるため、首まわりがしっかりした人や、高身長の人におすすめです。襟がタイトなシャツにもよくなじみます。
スモールノットの結び方は、
①ネクタイを首にかけ、小剣が左側にくるようにし、裏地が見えるように180度ひねります。
②大剣の下で小剣を交差させます。
③交差させた小剣を右前に巻きつけるように動かします。
④小剣を下からVゾーンに通し、上に出して結び目に差し込みます。
⑤小剣を引いて形を整え、襟元にしっかり収まれば完成です。
ブラインドフォールドノット
ブラインドフォールドノットは、結び目を正面から見せず、アスコットタイのような優雅な印象を演出する結び方です。格式は高めながらも、ブラックタイ指定ではないシーンに適しています。
ブラインドフォールドノットの結び方は、
①大剣を長めにして首にかけます。
②大剣が上になるように交差させます。
②小剣を軸に大剣を1周巻きます。
③大剣を下からVゾーンに通し、上に出します。
④結び目に大剣を通して形を整えます。
⑤小剣と大剣を揃えたまま持ち上げ、首元のVゾーンに下から上へ通します。
⑥長さや形を整えて完成です。
ノンノット
ノンノットは、結び目が美しくなる結び方です。結び目のシルエット自体はプレーンノットと共通しているものの、斜めにラインが入るという特徴があります。パーティーのような花々しい場に適しているでしょう。
ノンノットの結び方は、
①小剣をやや長めにし、ネクタイを首にかけて大剣の上に重ねます。
②大剣の裏側で小剣を交差させて反対側に持っていきます。
③今度は表側から反対方向へ持っていきます。
④②と③の動きをもう一度繰り返して、大剣に2周巻きつけた状態にします。
⑤小剣をVゾーンの上から反対側に出します。
⑥小剣を中央の結び目に通して完成です。
完璧なディンプルを作るコツ

ディンプルとは、ネクタイを結んだ時にできる「結び目のくぼみ」のことをいいます。
完璧なディンプルを作るには練習が必要で、完璧なディンプルを作れるようになると見た目も綺麗になり、まわりからの印象も良くなるため、努力する価値は十分あるでしょう。
完璧なディンプルを作るには、親指と中指でネクタイをつまんでひだを作ります。人差し指で崩れないように押さえながらネクタイを締めましょう。そうすることで綺麗なディンプルを作ることが可能です。
ネクタイを結ぶ時は、つい気に入った結び方や慣れた結び方ばかりをしてしまう方が多いのではないでしょうか。
しかし、ご紹介したネクタイの結び方を習得することで、装いの幅が広がります。ウィンザーノットは特別なシーンの時に、フォアインハンドノットは日常使いに用いるのがおすすめです。ウィンザーノットとフォアインハンドノットの結び方を選べれば、シーンによって使い分けができます。
また、もう一つ大切なことが、顔の輪郭と相性の良い結び方があるということです。例えば、丸顔の方は結び目が小さめのフォアインハンドノットと相性が良く、面長の方は結び目が大きいハーフウィンザーノットや大きいウィンザーが合います。
自身がどの結び目と相性がいいのか把握しておくとすっきりとしたスタイルを実現できるでしょう。
ディンプルは、つくってよい場面と作ってはいけない場面にわかれています。まず、ビジネスシーンではディンプルを作って問題ありません。また、ディンプルは華やかなものと考えられているため、結婚式などおめでたい場所でディンプルを作らないのは反対に失礼になります。
葬式など不幸があったときにディンプルを作るのは失礼です。礼服の場合は絶対にディンプルを作らないようにしましょう。

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ボウタイの結び方

ボウタイは特別な存在となっており、特別なシーンでしか身に付けることがないネクタイの一種です。
ボウタイの正しい結び方を把握しておくことで、華やかなシーンなどで取り入れる際に苦労することがなくなります。そればかりか、紳士として気品さを醸し出すことができるでしょう。定番であるネクタイよりも注目度が高いボウタイは、ファッションのポイントとなります。
また、プレッピースタイルには必要なアイテムです。ぜひ、ボウタイの結び方を習得し、普段のワードローブに加えましょう。
ボウタイを結び始める前に、ボウタイを首回りより約0.6cmから約1.3cm長く調整することが大切です。
ボウタイの結び方は、
①ボウタイの一方を約4cm長くして首にかけます。
②長い方を短い方の上に交差させます。
③長い方を短い方の下にくぐらせ、首回りのループに下から通します。(長い方はしっかりと引っ張り、肩にかけておきましょう)
④短い方を真ん中から折ってドレープ部分に引き寄せ、リボンの形を作ります。
⑤もう一方をリボンの真ん中に持ってきます。
⑥ここからが難しいところです。リボン型の両端を前方でつかみ、首まわりのループが見えるようにします。
⑦ぶら下がっている方をリボン型に折りたたんでループに通します。これでほぼ完成となります。
⑧輪になっている部分を同時に引っ張ります。
⑨輪になっている方と輪になっていない方を交互に引っ張り、リボンの大きさが均等になるように調節して完成です。
上質なファッションには大きな責任が伴うとよく言われていますが、ボウタイを正しく着用することも例外ではありません。
大きくなってしまったり、緩んだ結び目になってしまっていると、せっかくのファッションが台無しになってしまいます。また、他のアイテムとの調和がとれているか考えることが大切です。
例えば、ボウタイの柄が派手な時は控え目で落ち着いた色柄のシャツを合わせます。全体の色柄が派手すぎると、自分だけが浮いてしまい、悪い意味で注目を集めてしまう可能性があるからです。コーディネートのバランスを見て、取り入れるようにしましょう。
ボウタイの生地は、春〜夏にかけてのカジュアルなシーンの時はコットン素材、ドレスアップしたい時はシルク素材がおすすめです。
ネクタイの長さを簡単に調整する方法!

ここでは、ネクタイの長さを簡単に調整する方法を解説していきます。
長さを調整する結び方
ネクタイの結び方はシーンに応じたものが数多くありますが、そのうちビジネス用途で主に使われているのはプレーンノット・ウィンザーノット・セミウィンザーノット・ダブルノットの4種類です。
このうちウィンザーノットやセミウィンザーノットは、結び目が大きな三角形をしており型崩れもしにくいことから、ビジネスの商談時や就職活動の面接などここぞというときに真価を発揮する結び方です。
しかし、そもそもの結び方が難しいため、初心者が調整しやすいとはいえないかもしれません。
またプレーンノットは4つの中で最も簡単な結び方ですが、ノット部分が小さいので長さは多く残る場合があり、単純な結び方なので調整がしづらいというデメリットもあります。
そのため4種類の中でネクタイの長さ調整が簡単にできる結び方は、ダブルノットといえるでしょう。ダブルノットはプレーンノットと似たような要領で、結び方も簡単に覚えられます。
ダブルノットの結び方を順番に確認しておきましょう。
首にネクタイをかける際は、小剣を短めに、大剣は長めにとるよう意識します。首にかけたら、大剣を上にしてつなぎ目あたりを目安にネクタイを交差させましょう
次に大剣を小剣の裏に一回りさせて巻き付けます。一般的なプレーンノットの場合は1回巻き付けて完成ですが、ダブルノットでは「ダブル」、2回巻き付ける点が違いです。
上から見たときにネクタイで輪ができた状態になっていることを確認したら、大剣を巻き付けた輪の中にくぐらせます。このときは1回目のループと2回目のループの間をくぐらせるようにしましょう。
最後にくぐらせた大剣を下へ引き、結び目を小さくしながら形を整えます。結び目が整ったら小剣を引き、結び目を首元に上げたらダブルノットが仕上がります。
結んだ後に長さを調整する方法
ネクタイを結ぶ際は、ここまで説明した点に注意しながら長さを意識し、ダブルノットで上手に調整することが重要となります。その際、大剣部分の位置をちょうどいい高さに持っていくことを意識することが大切です。
ネクタイの長さや大剣の位置によっては、大剣より小剣が長く見えてしまうこともあります。その場合は小剣を裏側に折り込んで一時的に隠す方法を覚えておくと、いざという時に便利です。
その際、ふとしたときに折り込まれているのが見えてしまうと、みっともない印象を与えてしまうので、見えないように立ち振る舞うことを意識しましょう。
ネクタイを最適な長さで結ぶためには結び方を工夫するだけでなく、自分に合った長さのネクタイを探すことが重要です。

ネクタイはサイズが重要!社会人なら知っておきたい選び方や結び方
ネクタイには様々なサイズのものがあり、またプレーンノットやウィンザーノットと呼ばれる結び方を初め、様々な種類の結び方が存在します。ネクタイのサイズや結び方は第一印象を左右するので、ぜひこの機会にマスターしておきましょう。
一般的なネクタイの種類

ネクタイにはさまざまな種類があり、どんなネクタイを選ぶかによって相手に与える印象が大きく異なってきます。
ここではネクタイの種類について、
- 幅
- 素材
- 柄
- 色
- 長さ
について解説していきます。
①幅
ネクタイの幅は、主に大剣の一番幅の広い部分のことを指します。
大剣の幅によって名称が変わり、どんなものを選ぶかによって相手に与える印象が変わってくるということが大きな特徴です。
⚫︎レギュラータイ
大剣の幅が7〜9センチのものです。
ネクタイの中でも一般的な幅となっており、ビジネスシーンや就活用としても定番とされているタイプとなります。
レギュラータイは、幅が細すぎず、ほとんどのシーンで活用できるため、どんなネクタイをしたらいいか迷った際には、レギュラータイを選べば失敗はしないでしょう。
⚫︎ナロータイ
大剣の幅が4〜6センチのものです。
大剣が細くなることで、カジュアルな印象が強くなります。スタイリッシュなコーディネートをしたい場合におすすめです。
ビジネスシーンで着用する場合にはマナー違反となる場合もあるため、TPOを意識して取り入れるようにしましょう。
⚫︎ワイドタイ
大剣の幅が10センチ以上のものです。
クラシカルで重厚感のある雰囲気を表現できます。現在ではあまり見かけることはありませんが、身に付ける際にはラペル幅(下襟の幅)とのバランスを意識して選ぶようにしましょう。
②素材
素材によって季節感を演出することができ、そのシーズンにしかできないコーディネートなどをする際にも重要となるポイントです。
フォーマル、カジュアル問わず、簡単に季節の雰囲気を取り入れることができるので覚えておきましょう。
⚫︎シルク

ネクタイの素材としてもっともスタンダードなものです。
光沢感と滑らかな質感が特徴のため、結び目を作りやすいという特徴を持っています。着用するシーンもNGがなく、オールシーズン着用することができる万能品のため、複数本持っておきたい素材といえるでしょう。
⚫︎リネン

夏用スーツにも用いられているリネンは、夏の暑い時期にピッタリの素材です。
薄手で透け感があるため、ややカジュアルな印象が強くなります。通気性や吸水速乾性にすぐれ、見た目も爽やかになるため、暑い夏のコーディネートにはおすすめです。
リネン素材のネクタイを使用する際の注意点は、シワになりやすいということが挙げられます。一度着用したら数日空けることを心がけ、連続使用は避けましょう。
⚫︎ウール

こちらもリネン同様にスーツにも用いられている素材であり、秋冬に活躍してくれます。
カジュアル感がありますが、暖かな印象になります。季節感を演出したいのであれば、秋冬スーツの代表であるツイードやフラノに合わせるのがおすすめです。
⚫︎ニット

芯地を利用せずに編んで作られたネクタイをニットタイと呼びます。ニットというと寒い時期を思い浮かべる方がいるかもしれませんが、素材はシルク、コットン、ウールどれも選ぶことができるため、ニットタイ自体はどのシーズンにも着用することが可能です。
カジュアルでおしゃれ感が強いネクタイであるため、オフィスカジュアルがOKの職場などで活躍します。
ニットタイの形状は、スクエアエンドと呼ばれる先が尖っていないまっすぐのものが多くあります。
⚫︎フレスコ

メッシュで作られており、凸凹感のある立体的な織りと涼しげな雰囲気がフレスコの特徴です。
付け心地も見た目にも爽やかであるため暑い夏にピッタリの素材です。
⚫︎プリントタイ

ネクタイの中でも変わった作り方をしているのがプリントタイ。通常、ネクタイの柄をつくるときは、柄に取り入れたい色を編んで柄(布)にします。しかし、プリントタイは織られた布に柄をプリントするのです。これによるメリットとして、より繊細な柄を描けることや、曲線を含む模様をきれいに描けることなどがあります。表面の肌触りが滑らかになることも、メリットの一つと言えるでしょう。
⚫︎シャンタンタイ

ネクタイの中でも非常に珍しいのがシャンタンタイ。通常、ネクタイには太さが均一な糸を使いますが、太い節がある糸を使って作るのがシャンタンタイの特徴です。多くのシャンタンタイはシルクを使いますが、場合によってはコットンをミックスさせる場合もあります。このように糸をミックスさせることにより、多様な生地感のシャンタンタイができあがるのです。
③柄
ネクタイの柄は印象を大きく左右する重要なものです。
同じ柄であってもTPOに合わせて選ぶべきポイントがあるので、その点にも注目していきながらご紹介していきます。
⚫︎無地

どんなスーツやシャツにも合わせやすい万能柄です。
また、ネクタイの色を楽しみたいという場合にはシンプルな無地がもっとも使いやすいでしょう。特に柄物のスーツに合わせる場合には、無地のネクタイがスーツを引き立ててくれます。無地と言っても、素材によって大きく印象が変わってくるため、素材の違いを楽しむというのも楽しみのひとつといえるでしょう。
⚫︎ストライプ

ネクタイの定番柄であるストライプは、ストライプの線の太さや幅によって大きく印象が変わります。
ビジネスシーンであれば、細い線で線の幅が狭いタイプがおすすめです。柄の主張が強すぎることなく、すっきりと着用することができます。
一方、パーティーシーンなどであれば、太めの線や幅の広いタイプで個性を演出するのも良いでしょう。TPOに合わせてデザインを変えていきましょう。
⚫︎ドット

ストライプと並んでネクタイの定番柄であるドットも、柄のサイズによって大きく印象が変わるのが特徴です。
ドットのサイズが大きくなればなるほど、カジュアル感が強くなります。そのため、ビジネスシーンで取り入れる際には、ドットの小さいものを選びましょう。
パーティーシーンであれば、大きめのドットでカジュアル感を出すのがおすすめです。
⚫︎チェック

チェック柄にもいくつか種類がありますが、ネクタイの柄として使い勝手がよくおすすめなのが「グレンチェック」「タータンチェック」です。
グレンチェックは、小さな格子を組み合わせてできたチェック柄、タータンチェックはスコットランドの民族衣装に使用されている伝統的な柄で多色遣いが特徴といえます。
ビジネスにもカジュアルにも使うことのできる万能柄の一つです。
チェックのうちの一種としてギンガムチェックも有名です。太いラインで作られたチェック柄は非常に安定感のある反面、ややカジュアルな印象を与えてしまいます。相手を安心させる雰囲気はありますが、つける場面をよく考えるほうがよいかもしれません。
⚫︎小紋柄

小紋とは小さな柄のことであり、柄の種類は花や幾何学模様、紋章などが並んでいるものを示します。個性的でクラシックな印象が強い小紋柄は、ネクタイの印象が強くなるため、合わせるスーツやシャツはシンプルなものがおすすめです。
小紋柄初心者の方やあまり主張が強すぎないものがいいという方は、柄が小さめのものを選ぶと良いでしょう。
⚫︎ペイズリー

曲線と草花をモチーフとした柄が連続しているものをペイズリーと呼びます。柄のインパクトが強いため、選び方がやや難しい柄です。
色味が薄めのものや、柄が大きすぎないものであれば使い勝手が良いのでおすすめといえます。小紋柄同様に、ネクタイがしっかりとした柄物である場合には、スーツやシャツは無地のシンプルなものを合わせましょう。
⚫︎ヴィンテージ
ヴィンテージとは特定の柄を示すものではなく、これまでの歴史の中の各年代で流行した柄を取り入れたネクタイのことをいいます。そのため、◯◯年代のように各年代のヴィンテージ柄があるのです。柄によってはペイズリーのように個性が強いものが有るなど、柄の幅が広いのもヴィンテージの特徴。ペイズリー同様、普段のコーデに取り入れるには、上級テクニックが必要になるかもしれません。
⚫︎アニマル柄
アニマル柄とはその名の通り動物を連想される模様になっています。バイソン柄やレパード柄(ヒョウ柄)などがありますが、いずれも動物の殺生を連想させてしまいます。近年は動物愛護やSDGsの機運が高まっているため、なおさらこのようなネクタイをつけるのは難しいでしょう。また、そうでなくても非常に趣味性の高いネクタイになります。華やかなで比較的服装が自由なパーティーならよいかもしれませんが、ビジネスシーンや厳かな式典などでは間違ってもつける機会はないでしょう。
④色
ネクタイの色はスーツスタイル全体の印象を大きく変えるポイントです。色ごとに与える印象について見ていきましょう。
⚫︎青系

青やネイビー、水色といった色合いは誠実さや爽やかさを印象付け、特にビジネスシーンで活躍する色味です。
清潔感が溢れ、就職活動や商談などの際に着用するのもおすすめのカラーとなっています。青系×ストライプ柄のネクタイは、ビジネスシーンでの鉄板アイテムです。
⚫︎赤系

赤系は原色に近い色味だと、元気で活発な印象になります。
一方、濃い目のボルドーのような色であれば落ち着いた重厚感のある雰囲気を演出することが可能です。同じ赤でも原色に近いビビットカラーについては、ビジネスシーンには向きません。
やる気を見せたい場面などに着用すると、モチベーションアップにもつながります。
⚫︎イエロー

明るく調和のイメージが強いイエローは、優しく快活な印象になります。
ただし、ややカジュアルな印象が強くなるため、フォーマルなシーンなどには向きません。
定番色と比べると、着用している人も少ないため周りと差をつけたコーディネートがしたい場合などにもおすすめです。
⚫︎ピンク

若々しく穏やかな印象のピンクは、優しい雰囲気を演出してくれます。
色味に関しては、薄めのものを選ぶとどんな色のスーツにも合わせやすくコーディネートが楽になります。華やかなシーンなどに向いているため、パーティーや結婚式の二次会などで活躍するカラーです。
⚫︎グリーン

自然をイメージさせるグリーンは、周りに安心感を与える色です。
濃い色味のものは、大人の雰囲気を醸し出し、年代を問わずにビシッと締めることができます。
⚫︎ブラウン

グリーン同様に自然をイメージさせるブラウンは、穏やかできちんとしたイメージが演出されます。
比較的落ち着いた色味のものが多いため、シャツに色や柄物を取り入れることでバランスの良いコーディネートとなります。
⚫︎パープル

パープルには知的さ、洗練さ、ロイヤリティなどプラスの印象と、コントロールできない、不可思議などマイナスの印象があります。フォーマルなイベントや特別な会合ではプラスの印象を与えやすいため、そういった場所に着ていくコーデとしてよいでしょう。しかし、ビジネスの場ではマイナスの印象を与えがちになります。商談など普段あまり関わらない人と話す職種の場合、相手に不安を与えてしまう可能性があります。スーツはあくまでも相手からの信頼を得るために着るもの。どのような色のネクタイがよいか、TPOに合わせて選べるようになりましょう。
⚫︎グレー

グレーには中立性や落ち着き、それに品位といった印象があるといわれています。そのため、ビジネスカジュアルの装いや、フォーマルな会食などに向いているでしょう。もちろんビジネススーツと合わせても、問題ありません。
⚫︎オレンジ

オレンジには、自信や創造性、それにポジティブさといった印象があるといわれています。オレンジには自由闊達で明るいイメージがありますが、場の雰囲気にそぐわない場合もあるでしょう。また、オレンジはジャケットやシャツとのコーデがやや難しい色でもあります。TPOを考えて選ぶのはもちろんのこと、コーデに取り入れる際は全体的なバランスに気を付けるようにしましょう。

ネクタイの色・柄選びはシーンに合わせてスマートに|場面で印象を使い分けよう
ネクタイの色・柄選びに悩んでいませんか?本記事では、ネクタイの種類や結び方からスーツと合うネクタイの選び方、ビジネスや冠婚葬祭などシーン別のおすすめネクタイまで詳しく解説!
切ってはいけないネクタイの糸とは?

ネクタイの裏から出てきた糸の役割
ネクタイの剣先(大剣)の裏を見てください。ネクタイを使用していると、そこから輪っか状の糸が出てくることがあります。人によっては糸がほつれて出てきたと思ったり、既に切れているのではないかと思ったりする方もいるでしょう。しかし、この糸は非常に大切な糸なのです。
名前を「スリップステッチ」といいます。実はネクタイを結んだり解いたりするとわずかながらネクタイが伸縮します。その伸縮をスリップステッチが調整しているのです。
スリップステッチが出てきたときの対処法
スリップステッチが表に出てきても機能上の問題はありません。ただし、なにかに引っ掛けると切ってしまう可能性があるため、気になる方は大剣の中に押し込んでもかまいません。
スリップステッチを切るとどうなるか?
スリップステッチにはネクタイの伸縮を調整するという機能のほかに、ネクタイの布を中心で縫い合わせるという機能もあります。しかも、中心で縫い合わせている糸はこの1本のみ。そのため、この糸を切ってしまうと魚の開きのように、ネクタイが開いてしまうのです。そうなってしまったネクタイは、当然そのままでは使えません。
スリップステッチを切ってしまった時の対処法
しかし、知らずにスリップステッチを切ってしまうこともあるでしょう。その際には取り急ぎ結んだりして繋げましょう。そうすれば、ネクタイが開くことに対する応急処置はできます。しかし、ネクタイには結ぶときや解くときにさまざまな力がかかります。そのときに、結び目が解けないとも限りません。大切なネクタイの場合は特に、プロに修理を任せるようにしましょう。
状況によってはスリップステッチの修復が不可能かもしれません。その場合は、諦めて新しいネクタイを買うようにしましょう。
「オーダースーツSADA」とは

この記事では、ネクタイの適切な長さについて見てきました。
ネクタイの長さが長すぎても、短すぎても相手に与える印象は悪くなってしまいます。身に付ける際には適切な長さを選ぶことが重要です。
「オーダースーツSADA」ではフルオーダーでスーツを作成することができるため、お手持ちのネクタイとも相性のいいスーツを仕立てることができます。
オーダースーツSADAでは、経験が豊富なスタッフがスーツづくりをサポートしてくれるため、自身にぴったりのスーツを作成することが可能です。
フルオーダーでスーツを仕立てる際、数十万円と費用がかかってしまうことが一般的ですが、オーダースーツSADAでは19,800円〜(税込21,780円〜)という既製品スーツと変わらない価格でフルオーダーのスーツを作成することができます。
(※2024年1月日時点の価格です。価格は変更になることがあります。)
オーダースーツSADAの魅力はコストパフォーマンスの高さだけではなく、ネクタイの種類やオーダーシャツの作成など、スーツを着用する際に欠かせないアイテムも充実しています。
スーツのコーディネートに迷った際には、オーダースーツを検討してみましょう。
ネクタイは結び方と長さで見栄えが変わる

ネクタイは、結び方と長さを正しく整えることで、スーツスタイルを一層引き立てることができます。大剣と小剣のバランスを意識し、フォアインハンドやハーフウィンザーなどの基本的な結び方を身につけることで、初心者でも簡単にスマートな印象を演出可能です。
さらに、ディンプルをしっかり作る、長さを微調整する、スリップステッチを切らないなど、細かなポイントにも注意することで完成度が大きくアップします。見た目だけでなく、ネクタイの扱いに慣れることで自信も生まれ、着こなしの幅が広がるでしょう。
まずは基本を押さえて、日々のスーツスタイルに自分らしさを加えてみてください。
ネクタイは、スーツスタイルの印象を大きく左右する重要なアイテム。特に「長さ」と「結び方」は、見た目の清潔感とバランスを整える上で欠かせません。
基本のネクタイの長さはベルトのバックル中央に大剣がくる程度が理想で、大剣と小剣のバランスも重要。小剣が大剣より長く見えないよう、ループにしっかり収める工夫が必要です。
結び方は、初心者ならプレーンノットやハーフウィンザーから始め、上級者はエルドリッジノットやトリニティノットでディンプル(くぼみ)を作ると立体感が増して洗練された印象になります。
ネクタイ1本でもスタイルの完成度は大きく変わります。自分の体型やTPOに合った結び方・長さを身につけ、スーツ姿に差をつけましょう。