ネクタイの結び方と太さとは?スーツスタイルに合った初心者におすすめの結び方や小剣・大剣の長さについても紹介-オーダースーツSADAのアイキャッチ画像
ネクタイの結び方と太さとは?スーツスタイルに合った初心者におすすめの結び方や小剣・大剣の長さについても紹介-オーダースーツSADAのアイキャッチ画像

ネクタイの結び方と太さとは?スーツスタイルに合った初心者におすすめの結び方や小剣・大剣の長さについても紹介-オーダースーツSADA

スーツスタイルに欠かせないアイテムといえば、ネクタイです。ネクタイは、「大剣」と呼ばれる太い部分の幅や長さ、結び方によって、見た目の印象が大きく変わります。ビジネスシーンやフォーマルな場にふさわしいネクタイを選ぶには、体型やスタイルに合わせたサイズ感や、適切な結び方を知ることが重要です。
この記事では、初心者にもおすすめのネクタイの結び方や、大剣と小剣の長さのバランス、体型に合わせた選び方のポイントを分かりやすく解説します。ネクタイ選びに迷っている方や、より洗練された印象を目指したい方は、ぜひ参考にしてください。

そもそもネクタイの大剣って何?

まず、スーツスタイルのイメージを決める重要な要素である「大剣」について基礎知識を身につけておきましょう。

大剣はネクタイの太い部分

ネクタイを真っすぐに伸ばすと、両端が太い部分と細い部分に分かれます。太い部分が「大剣」、細い部分が「小剣」と呼ばれています。ネクタイを結んだ時に、小剣は後ろに隠れて目立ちませんが、大剣は正面にきて目につくため、適切なサイズのものを選ぶことが大切です。

ネクタイを選ぶ際にはネクタイの幅が重要ですが、この幅は大剣の横幅が一番広い部分を指しているので、ぜひ覚えておきましょう。

大剣は別名「エプロン」とも呼ばれていて、大剣の一番幅が大きい部分は「剣幅」と表現されることもあります。一方、小剣は別名「スモールチップ」と呼ばれることもあります。

ネクタイによって大剣の太さが異なる

ネクタイによってサイズや柄は異なるため、自分が着用するスーツとの相性を考えながらネクタイを選ぶのがベストです。ネクタイ選びでお店に出向く際には、合わせるスーツを着用して行くとイメージしやすくなり、失敗を避けられます。

ちなみに、大剣と小剣はほとんどのネクタイにありますが、一部のネクタイにはありません。例えば、「ニットタイ」の多くや「ボウタイ」「クロスタイ」「リボンタイ」などは、一般的なネクタイとは形状が異なるため、大剣と小剣は存在しません。

ネクタイの太さは流行・トレンドがある

大剣のサイズはネクタイによりさまざまで、細いものは幅が4cm程度、太いものは10cm以上です。これまでは、スーツのスリム化とともにネクタイも細いものが好まれる傾向がありました。しかし、2025年の最新のビジネスファッションのトレンドとしては、クラシックの回帰により正統派でエレガントなスタイルが再び好まれるようになっています。それに合わせて、クラシックなスーツに合う、9cm程度の太めのネクタイが注目を集めています。

スーツをおしゃれに着こなすためには、着用するスーツの太さや目指したい雰囲気などに合わせて、ネクタイのスタイルも変えていくのがおすすめです。

大剣の太さ・ネクタイの長さ選びのポイント

サイズを考慮しながらネクタイを選ぶ時には、「大剣の太さ」と「ネクタイの長さ」が重要です。それぞれについて、選ぶ際にチェックしたいポイントを説明します。

大剣の太さ

ネクタイを選ぶ際は、普段着用しているジャケットのラペルとネクタイの幅を同じくらいにするとバランスの良いコーディネートができます。ぴったり同じサイズの幅を選ぶものが難しい場合は、できるだけ近いものを選ぶと良いでしょう。

基本的には、大剣の幅は7.5cm程度が最適です。

細めのネクタイを選びたい場合は、ラペルの幅が狭いスーツと合わせるのが良いため、ジャケットとの相性を見ながら選ぶのがおすすめです。

ネクタイによって大剣の幅は異なるので、デザインを選ぶ時と同じようにネクタイの幅にもこだわりを持つようにすると、バランスが取れた完成度の高いコーディネートになります。

ネクタイの長さ

ネクタイの長さは、大剣の先がベルトにかかるぐらいがベストです。短すぎると不格好に見え、反対に長すぎるとだらしない印象を与えてしまいます。

身長別でおすすめのネクタイの長さの目安は、以下の通りです。

身長165cm:140~145cm

身長170cm:155cm

身長175cm:155~160cm

身長180cm:160cm~

適切なサイズが見当たらない場合は、ネクタイの結び方によってある程度の対応が可能です。結び方を数パターン覚えておくことで柔軟なコーディネートにできるでしょう。

ビジネスシーンに向いたネクタイは?

ネクタイは、柄やカラーによって、ビジネスシーン向きのものとそうでないものがあります。あまり派手すぎるものは相手に不快感を与えかねないので、ビジネスシーンでは避けたほうが良いでしょう。

柄やカラーだけではなく、大剣の太さもビジネスシーンに向いているかどうかを左右する要素です。ネクタイの幅は0.5㎝刻みで規格されていて、太さによって名称が変わります。ここでは、その名称も含めて、ビジネスシーンに向いているネクタイについて解説します。

ダービータイ

ビジネスシーンで最もよく使われるネクタイが、結び下げ式で先端が三角形(この部分が大剣です)の「ダービータイ」です。多くの人に馴染み深いネクタイといえるでしょう。

このダービータイは

  • レギュラータイ
  • ナロータイ
  • ワイドタイ

の3種類に大別されます。3種類の中には、ビジネスシーンに向いていないネクタイもあるため、しっかりと特徴を把握しましょう。

レギュラータイ 

ビジネスシーンで使われるネクタイとして最も一般的な形です。就活用としても使用できるため、非常に多くの方に使われているデザインとなっています。大剣の幅は7cm〜9cmとなっており、幅も細すぎないことから、どんな人とも相性のいいネクタイです。ビジネスシーン、カジュアルシーンどちらでも使うことができます。 

レギュラータイよりも細くなってしまうと、カジュアル感が強くなるため、取り入れる際には着用する状況などをしっかりと把握したうえで身に付けるようにしましょう。

レギュラータイは最も一般的なネクタイだけあって、柄やカラーなど、種類が豊富に揃っています。そのため、自身のスーツと相性のいいネクタイがきっと見つかるはずです。

ナロータイ 

大剣の幅は4cm〜6cmと比較的、細めのネクタイです。スタイリッシュで細身のスーツと合わせるネクタイとして人気となっています。カジュアル要素が強いネクタイとなっており、きっちりとしたビジネスシーンには向いていません。着用する際は、カジュアルスタイルな職場やパーティーなど、カジュアルスタイルが認められているシーンでの着用が望ましいでしょう。

柄によってはカジュアル感が強くなり、相手に不快感を与えてしまう可能性もあるので、着用する際には注意して取り入れるようにしましょう。 

ワイドタイ 

大剣のサイズが10cm以上のネクタイのことを指します。幅広ということもあって、ネクタイの存在感がひときわ目立つスタイリングに仕上げることが可能です。ワイドタイは身に付けると、重厚感があり、クラシカルな印象を演出することができるようになります。

ワイドタイは、近年では見かけることも少なくなったネクタイのため、他の人とは違ったスタイリングにしたい人にはぴったりです。

ネクタイの長さ・太さは体格に合わせることも大切!

ネクタイの長さや太さはさまざまなので、自分の体格に合ったものを選ぶことが重要です。ここでは、ネクタイの長さと太さを体型に合わせてどのように選ぶべきかを説明します。

体型に合わせた『長さ』の選び方

ネクタイのベストな長さは、身長から‐15㎝〜‐20㎝の長さが丁度いいといわれています。

ネクタイはさまざまなサイズが用意されているため、-15㎝をサイズ選びの目安にしてみてはいかがでしょうか。身長によっては、丁度いい長さがなく、一番短い長さのものを選んでもネクタイが余ってしまう人もいると思います。そのようなときは結び方を工夫することで対応できます。

また、首まわりが少し太い方は、標準的な長さよりも少し長めのものを選ぶようにすると違和感なく着用することができるでしょう。

体型に合わせた『太さ』の選び方

体型によってネクタイの太さによる印象は大きく変わってきます。

体格ががっしりしている人や高身長の方は、一般的なレギュラータイでも細く見えてしまうことがあります。そういった場合はレギュラータイのなかでも太めのものを選んだり、ワイドタイを選ぶとバランスの取れたコーディネートにすることができます。

反対に、華奢な人や身長が低めの人はワイドタイを着用してしまうとアンバランスなコーディネートになってしまいます。華奢な人は細めのナロータイを選ぶことでバランスよく見えるようになります。

体格のいい人はワイドタイ、スリムな人はナロータイで覚えておくといいでしょう。

ネクタイを結ぶときの大剣の位置

大剣は、着用したときのその位置も非常に大切です。

その理由としては、ネクタイは身体の中心に位置するため、とにかく目立ちやすいからです。大剣のベストな位置は、ベルトのバックルの真ん中あたりとされています。これより長い場合は、全体的にだらしなく見えることが多くなってしまいます。また、これより短い場合は、カジュアルな印象を与えてしまうことにも繋がります。

ネクタイを適切な長さで結ぶことは非常に重要なため、日頃から意識して身に付けるようにしましょう。

それでは、大剣の位置を綺麗に調整するにはどのようにすればよいでしょうか。その方法としては、「結び方を変える」というものと、「結び方を工夫する」というものの2種類が挙げられます。 

結び方を変える 

ネクタイの定番な結び方として一番に挙がるものが「プレーンノット」といわれる結び方です。プレーンノットはビジネスシーンはもちろんのこと、冠婚葬祭や就職活動、フォーマルなシーンなど、さまざまなシーンで対応できる結び方となっています。

もし、プレーンノットで大剣の位置がうまく調整できない場合は、プレーンノットの巻きつけを二重にした「ダブルノット」や結び目が大きいウインザーノットよりも結び目の抑えた「セミウインザーノット」など、結び方を変更するのがよいでしょう。

結び方を工夫する 

大剣の位置調整でよく起きる現象に、大剣の位置はちょうどよくできるのに、小剣の部分が長くなりすぎて大剣よりも下に来てしまうというものがあります。特に、この場合では結び方の工夫で解決できるでしょう。

具体的なやり方には、小剣部分を大剣の裏側にあるループ部分に巻き付けるといったものや、ループに通してからパンツのなかに小剣部分を入れてしまうというものが挙げられます。こうすることで、見た目には大剣部分がちょうどよい位置にありつつ、小剣が長すぎるといった失敗をうまく隠すことができます。


結び方を変えることが難しかったり、変えても解決しなかったりする場合は、大剣と小剣の位置関係を意識するとうまくいくことが多いです。ネクタイを結んだ際に、大剣と小剣の位置がどの位置にくるのかを把握しておくとバランスのいい結び方にできるので、日頃から大剣と小剣を意識して結ぶようにしましょう。

ネクタイを結ぶときのコツ

ネクタイを着用したスタイルをおしゃれに見せるには、体格に合わせたサイズのネクタイを選ぶ以外に、以下のような結び方のコツを知っておくことも大切です。

ネクタイに合わせてディンプルを作る

ディンプルとは、ネクタイの結び目の下にできるくぼみのことです。ディンプルを作ることでシルエットが立体的になり、洗練された印象になります。ネクタイの素材がシルクの場合は、光沢感がいっそう引き立ってエレガントに見えます。特に幅の広いネクタイの場合は、ディンプルがある方がバランスが良く見え、スタイリッシュに仕上がるのでおすすめです。

ディンプルの崩れを防ぐには、結び目を固くして、首元近くの高い位置からくぼみを開始するのがポイントです。

立体感を出すならタイバーを活用する

タイバーとは、ネクタイとシャツをクリップのように挟む、いわゆるネクタイピンのことです。タイバーを付けると、ワンパターンになりがちなスーツスタイルにさりげなくアクセントを加えることができ、おしゃれな雰囲気になります。タイバーよりも上の部分を少し浮かせるようにして付けると、Vゾーンがより立体的に見えるのでおすすめです。スタイルをワンランク上に見せながら、ネクタイが何かに当たったりこすれたりするのを避け、ネクタイを長持ちさせられるので一石二鳥です。

ビジネスシーンでは、シルバーでシンプルなデザインのものを選びましょう。

ネクタイの長さと結び方を理解すれば、スーツ姿が一段と洗練される

ネクタイは、スーツスタイルを完成させる上で重要な役割を果たします。特に「大剣」の幅や長さは、見た目のバランスや印象を左右するため、体型やシーンに合わせて適切なものを選ぶことが大切です。ネクタイを結ぶ時は、ディンプルを作る工夫やタイバーの活用など、ちょっとしたテクニックを加えるだけでより立体感のある仕上がりになります。まずは基本の結び方や大剣・小剣のバランスを押さえて、自分に合ったネクタイスタイルを確立しましょう。ネクタイが決まるだけで毎日の装いがぐっと引き締まり、好印象を与えるビジネスマンとしての第一歩が踏み出せるはずです。

ネクタイはスーツスタイルの印象を大きく左右する重要アイテムです。特に「大剣」の太さ・長さ・位置は、スタイルの完成度を決めるポイント。大剣の幅はラペル幅に合わせて7〜9cmが基本で、長さはベルトのバックル中央にくるのが理想です。

体型によっても適したネクタイは異なり、高身長・がっしり体型の人はワイドタイ、華奢な人はナロータイを選ぶとバランスが良くなります。また、結び方も重要で、プレーンノットやセミウィンザーノットなどを使い分けることで、長さ調整や印象操作が可能になります。

さらに、ディンプルを作る・タイバーを使うといったひと手間で、ネクタイ姿が立体的かつ洗練された印象に。ビジネスでもカジュアルでも、シーンに合わせたネクタイ選びと着こなしが、スタイル全体を引き締めます。

正しい知識とちょっとしたテクニックで、ネクタイを味方にすれば、スーツスタイルは確実にワンランク上がるでしょう。ぜひ挑戦してみてくださいね。

構成・編集 湯浦 孝恵