【スーツ 生地】世界が愛する高級スーツ生地
「高級スーツを着てみたいけど、どれを選べばいいのか分からない…」とお悩みではないですか?高級スーツの生地は、立体感を維持するための「しなやかさとハリ」やアイロンの熱にも強い「生地の性質」着用時の快適性を発揮する「ストレッチ性と通気性」この3つを満たしたもので、なおかつ「高級感」を醸し出せるものでなくてはなりません。そんな中で、高級スーツの生地と言えば「ウール」「モヘア」「カシミア」「ヴィキューナ」の4種が、世界中でも愛用されるメジャーなものとなっています。これらはすべて羊毛・獣毛といった「動物繊維」を使用しているのが特徴です。高級スーツを選ぶ時「これら4種の生地ならなんでもいい」というわけではありません。同じ高級スーツの生地であっても、それぞれ季節に合った特徴をもち、発色性や光沢の出し方が違います。高級スーツ選びには、それぞれの生地の持つ性質をしっかりと理解することが重要です。そこで今回は、スーツを仕立てて99年の「オーダースーツSADA」の現役スタッフが、高級スーツに使用される生地について、原料から選ぶコツまで詳しく解説します。この記事を読んで、自分に合った高級スーツを選んで見てくださいね。
生地の原料
スーツに使用される生地には、立体的な形状を維持するためのしなやかさとハリが必要です。 縫製するためには、蒸気とアイロンの熱で形を維持する性質も備えていなければなりません。 また、着用時の快適さを左右する適度なストレッチ性と通気性。 そして、最も重要な高級感。 これらの条件を全て満たす生地は、化学繊維ではなく、羊毛と獣毛です。 羊毛とは、ウール(羊)です。 獣毛は、ヴィキューナ(ラマ)、カシミヤ(山羊)、モヘヤ(山羊)キャメル(ラクダ)などを指します。 これらの生地は保湿性のあるしっとりとした肌ざわり、深みのある光沢、重厚感のある発色で、世界中で愛用されています。織りの種類
機能性を備えた原毛を加工し、生地を織ります。 生地の織り方は3種類です。平織・・・主に春夏スーツ生地
縦糸横糸を交互に組み合せた単調な織り方です。 生地はさらっとした感触の薄い生地に仕上がります。綾織・・・主に秋冬スーツ生地
細かな斜めの畝が特徴の生地です。 平織りよりも密度が高くなる織り方のため光沢がでます。 保温性が高く厚みがあります。繻子織り・・・主にフォーマル生地
主にフォーマルに使用される高級感のある織り。 平織りや綾織りよりも糸の交差点が少ないため、なめらかで光沢があります。糸の種類
生地を織るための糸は2種類です。 梳毛糸・・・長めのウールを揃えて紡いだ春夏用の糸。 紡毛糸・・・短めのウールを含んだ毛羽立ちのある糸。 主に秋冬とオールシーズン用。 また、糸が1本の単糸と、2本を1本に撚り合わせる双糸があります。 単糸の平織りと双糸の平織りがありますが、素材や織りが同じでも、糸の種類が違うだけで肌触りが変わります。 単糸で織られたものは薄く柔らかに、双糸で織られたものは、ハリがあり生地に厚みが出ます。 糸の撚りの強さでも、生地が変わります。 撚りが強い糸を生地にした場合は、糸と糸の間に隙間ができ、通気性が良くなるため夏用の生地に利用されます。 糸の太さは番手と呼ばれ、番手の数字が大きいほど、糸は細くなります。 スーツの糸番手は60番手から80番手をメインとします。ウール生地のSuper表示
高級生地には、希少な細いウールを使用します。 その基準がSuper表示です。 Super120’sは、原毛1kgで120kmの糸になることを示しています。 数値が高くなるほど糸は細くなり、強度が失われます。 Super150’sほどになると、ハードなビジネスには向きません。 しかし、光沢感、滑らかさ、高級感が増します。 スーツの品格やシルエットの美しさ、着心地の快適さは、Super表示に比例します。 ポイント スーツの生地は、原毛の細さ、糸の種類、番手、織り方で、さまざまな風合いに変化します。生地の種類
春夏生地のおすすめ
モヘア(アンゴラ山羊)・・・春夏の王道生地。 モヘアは涼しく快適、しなやかで高級感のある生地です。 アンゴラ山羊は、生後6か月から1年以内の原毛が特に美しく、キッドモヘアとして区別されます。 このキッドモヘアを使用したスーツは、非常に表情豊かな光沢を持ちます。 角度によって変わる光の反射は、優雅で深みがあり、一目で高級生地であることが分かります。 ポリエステルも光沢がありますが、均一な繊維は光の反射も一定となり、無機質で単調な印象です。 さりげなく高級生地を着こなすスーツスタイルに、春夏はモヘアがおすすめです。秋冬生地のおすすめ
フランネル・・・フラノ、またはネルとも呼ばれる秋冬の代表的生地。 フランネルは、生地を起毛させる加工がされているため、柔らかく暖かです。 中でも、しなやかさが特徴のイタリア生地のフランネルがおすすめです。 保湿性のあるウール、軽さと保温性のカシミア混紡などは、高級生地の名にふさわしい肌触り。 しっとりとした摩擦を感じない滑らかさは、一度触れれば忘れられない感触です。 また、生地が起毛しているため、柄の出方も優しい印象です。 春夏生地ではラインが目立つチョークストライプも合わせやすくなります。生地を選ぶコツ
スーツをオーダーする場合、生地を選ぶ前にスタイルを決めることがコツです。 イタリアンスタイルのスーツには、生地のしなやかさが必要になるためイタリア生地がベストです。 逆にブリティッシュスタイルを作るには、打ち込みの強いハリのあるイギリス生地が必要になります。 イタリア生地でブリティッシュスーツを作る事も可能ですが、その場合に仕上がるスーツはイタリアンスタイルの雰囲気をまとったブリティッシュスーツになります。 作りたいスーツのイメージを明確にして生地を選ぶことが、イメージ通りにスーツを作るコツです。 最近はスーツ生地の機能もバリエーションが増えているため、機能性も考慮するとより快適に着用出来ます。 ストレッチ性や洗える機能、シワになりにくい、清涼感や保温性を重視するのか、シルエット、高級感、トレンド重視なのか、思いつく事をメモして優先順位をつけておくと迷いません。 じっくりと重要視する部分から選択を絞るのも、後々不便を感じることが無い選び方です。おすすめ生地メーカー
REDA(レダ)・・・コストパフォーマンスに優れたイタリアのミル(自社生地ブランドを持つ織物工場)。代表的生地「アイスセンス」は生地自体に紫外線の吸収を抑える機能を持つ。 CANONICO (カノニコ)・・・イタリア・ビエラ地方の老舗ミル。柔らかな風合いが特徴。 Loro Piana(ロロ・ピアーナ)・・・カシミアや、希少な高級素材ヴィキューナを取り扱うミル。 JOHN FOSTER(ジョンフォスター)・・・イギリスの老舗ミル。 イギリス、イタリア両方の特徴をバランス良く備えた生地が人気。 Ermenegildo Zegna(エルメネジルドゼニア)・・・世界最高峰のイタリア生地メーカー。 さまざまなメディアでも取り上げられることの多いミル(織物工場)のブランド。 その他に、生地の企画を練り、ミルに製造を依頼するマーチャント(服地卸商)の生地もトレンドを担います。 マーチャントで有名な、イギリスのホーランドシェリーやドーメル、イタリアのドラッパーズ、ベルギーのスキャバルなどもそれぞれ特徴のある生地を発表しています。 特にホーランド&シェリーは、貴重な低速織機を所有するジョンクーパーの生地を取り扱っている事で有名です。 低速織機で作られた生地は、糸に強い力がかからないため、生地が柔らかくなる特徴があります。 しかし、製造に膨大な時間がかかるため大量生産はできません。 このような限定生地を手に入れるのもスーツの楽しみ方の一つです。オーダースーツの特権
気に入った生地で好きなスタイルを選び、ボタンや裏地にまでこだわって仕上がりを待つ。 快適なフィット感のオンリーワンスーツを作る楽しさは格別です。 オーダースーツSADAでは、型紙作成から納品までを徹底的に効率化し、フルオーダーで破格の価格設定を実現しました。 オーダースーツの特権である、選ぶ楽しさと快適な着用感を、ぜひお試しください。まとめ
今回は、スーツの生地についてまとめました。 春夏はモヘア、秋冬はフランネルがおすすめです。 納得の手触りと、シルエットを左右する生地のハリは、ぜひ店舗で体感してください。同じ高級スーツの生地でも、まず織り方によって性質が異なります。春夏スーツ向けの薄い生地に仕上げる「平織」秋冬スーツ向けの密度が高く保湿性の高い仕上がりになる「綾織」フォーマルスーツ向けのなめらかでなめらかで光沢のある「繻子織り」これが基本の3つの織り方です。ビジネススーツには繻子織りはあまり使われないので、季節に応じて平織と綾織を選びましょう。生地を織る糸によっても性質が変わります。長めのウールをビシッと揃えた、通気性の良い「梳毛糸」毛羽立って暖かい「紡毛糸」の2種類があるので覚えておきましょう。糸が1本で薄い仕上がりになる「単糸」2本でハリがあり厚みのある仕上がりになる「双糸」による差もあります。さらに、糸の細さ(番手)が細いほど光沢がある生地に。ビジネスでは、光沢の強すぎる細い糸は採用しないようにしましょう。季節別に実際の生地を見ていくと、春夏は涼しく快適な「モヘア」が、秋冬は起毛させてあり柔らかく暖かな「フランネル」がおすすめです。また、ぜひ高級スーツは「オーダースーツ」で作りましょう。より快適なフィット感と自由なカスタマイズで、独自の高級感のあるスーツが作れます。ぜひ「オーダースーツSADA」にも足を運んでみてくださいね。